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2025-08-20 15:02

#749【筆跡心理学】書いた文字からその人の性格が予測できつつある (Lyu et al., 2025)

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【本日の一語】
筆跡心理学 (graphology):文字の形や書き方からその人の性格や心理的特性を読み取ろうとする学問的試み

【本日の論文】
Lyu, R., Sun, W., Cheng, Y., Shi, Y., Wang, N., Bhattacharya, J., & Yang, G. (2025). Predict the writer’s trait emotional intelligence from reproduced calligraphy. Scientific Reports, 15, 28717. https://doi.org/10.1038/s41598-025-13318-3

【8月31日(日) から 「あいまい会議2025~伝統・ビジネス・科学から「美」の可能性を考える in 京都~」】
https://aimaikaigi2025.peatix.com

【8月28日(木) から 「業界を超える「学際」で新たな価値をつくる - 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから」】
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サマリー

2025年の筆跡心理学に関する研究では、文字の形や書き方から感情知能を予測する試みが行われています。特に、機械学習を用いた解析によって、書いた文字から性格を類推することが可能になりつつある結果が得られています。筆跡心理学の研究が進む中、文字の形や空間の使い方から性格を予測する手法が紹介されています。この方法はAIによってデータ化され、特定のパターンを探し出すことで性格分析の精度が向上しています。

筆跡心理学の概要
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学のキーワードを一つ取り上げまして、それに関連する最新の心理学論文を紹介しています。
今日の一語は、筆跡心理学です。
人の文字からその人の性格を予測することに挑戦した論文、2025年の論文を今日は紹介したいと思っています。
とても興味深い結果になっているかなと思います。
本題に入る前にお知らせをいくつかさせてください。
8月も終盤になってきまして、イベントのお知らせを再度させてください。
28日は東京で研究ピッチのイベントに登壇します。
5分ぐらいしか話す時間がないんですけども、おそらく休憩時間とかお話しできるかなと思いますので、ぜひ遊びに来てもらいたいです。
どなたでも無料で参加できます。
31日は京都ですね。今度は関西に移動しまして、こちらは自分の主催しているイベントになります。
豪華なゲストの方々に来ていただいて、美しさとは何かということを、あとは美しさが世の中にどう生きていくかということを考えたいと思っています。
経営者の方もそうですし、伝統の実践者の方もそうですし、研究者も、自分とはちょっと分野の違う研究者の方も来られるというところですので、活発な議論ができるかと思っています。
よろしくお願いします。どちらも概要欄に貼っております。
あとは昨日、VCパーソナリティの近藤彩子さんとVCの方で対談したアーカイブを上げております。
そちらもぜひ聞いていただきたいです。めちゃくちゃ面白い会になったんじゃないかなと思っています。
ぜひよろしくお願いします。
では今日の1号、筆跡心理学についてまずはご紹介したいと思います。
筆跡心理学、英語だとグラフォロジーと言うそうなんですけれども、文字の形とか書き方からその人の性格や心理的特性を読み取ろうとする学問的試みであるということです。
簡単に言うとそんな感じ。ただ、この筆跡心理学という学問とまで多分言えないと思うんですね。
学問的試みと言っているぐらいなので、科学的な根拠がなかなか乏しいというふうに言われていた領域になっています。
それを今回は別に筆跡心理学の研究というふうには言ってないんですけど、とても関連する言葉かなと思って今日は先に紹介をさせていただきました。
研究の方法
やっていることとしては本当にまさに同じような感じですね。
書いた文字からその人の性格を予測するということをしています。
これが多分最近やっとできるようになりつつあるんですよ。
なぜなら大きなデータ量を扱えるようになっていることと機械学習の解析の精度が上がっているということがとても重要なことかなというふうに思います。
やり方としてはまず大学生191人がいっぱい文字を書くというね。
なんでこういうことができるかというと大学の授業で中国語の授業かな。
日本人じゃないですね。
中国の大学生が中国語の文字を書く授業を受けていると。
合計の文字数が4万8千字だったかな。
5万字近くの文字のデータがあったということです。
5万字というとどうですか。
本一冊ぐらい。
本一冊もいかないか。
中国語だったら本一冊余裕で書けそうな感じもしますけど。
そんなやり方になっています。
これをデータとして使うというのも心理学の中ではデータ量が多いですよね。
だけど今回心理学ザ心理学というよりもそういうコンピューターサイエンス的な色合いが強いのかなと思いますが使っているということです。
予測したい性格というのはこれも昨日の近藤八重子さんの話ともちょっと関連するんですけど。
あまり話に出てこなかったんですけど八重子さんの専門であるEQですよ。
情動知能とか感情知能って言ったりしますけど。
この論文ではEI、エモーショナルインテリジェンスの愛をとってEIと呼んでますけど。
それを予測するということです。
これいろんな側面があって。
例えば自分をコントロールする力とか感情に敏感になる力とか他者と繋がる傾向みたいなそういういろんな要素を包含したような性格特性概念であるというふうに説明されています。
これをさっき言った191人の学生に答えてもらって。
191名の感情知能の得点のスコアがありますと。
その人たちが書いた合計5万字近くの文字がありますと。
これらをそれぞれ解析して文字からその人の感情知能スコアを予測できるかということをやってもらいました。
結果いきましょうか。
1回いくとこれがおおよそできたということです。
相関で言うとだいたい0.73とかそんな感じです。
もし統計知ってるよという方はその高さを分かっていただけると思うんですけど、
特に心理学で言うとだいぶ高いですね。
こういう点数が出るのはなかなか硬い結果であるというふうに言ってもいいぐらい高いなというふうに思っています。
なのでおおよそ当てられたということです。
もうちょっとだけ説明すると5万字でモデルを作るわけですよね。
機械学習のモデルを作って、そこからその5万字と191名の感情知能スコアでモデルを作って、
この文字を入れるとその人がどれぐらい感情知能が高いかということが分かったということですよね。
研究の結果と今後の展望
すごくないですかこれ。文字を見たらその人の感情知能が分かってしまうというのが今日の結論の一つかなというふうに思います。
これをもう一つ面白いのが人間の目による判定もやっていて、
15人の大学院生が文字を見てその人の感情知能を予測するということもしてもらいました。
これだと相関が0.15とかになるんですよ、低い。
だから機械学習のモデルのすごさがより分かっていただけるんじゃないのかなと思うんですけど、
というか素人が文字から正確予測しろと言われてもそれは無理な話で、そんなやったことないし、
何を根拠にというふうなことがあると思うんですけど、
おそらくこれまで筆跡心理学というものを勉強されてきた人だったらある程度法則性が分かって、
その法則性にのっとってこの人はこういう性格だよねということを言ってきたと思うんですよ。
それをAIとか機械学習、深層学習というのはそれを本当にたくさんの数でパターンを勉強するわけですね、学習するわけですよね。
で、当てれるようになってきたというのがとても面白いところかなと思います。
書は人なりと言われていますよね。
それを一つ実証するような研究結果かなと思いますし、
可能性ありそうじゃないですか。
学校とかでいっぱい文字を書くことがあると思うし、
ここでも対談した三菱佐徳さんとか小道教室の先生をやっておられる方もいらっしゃいますし、
文字と人の心の関係性ということが徐々に明らかになりつつあるのかなと思うと、
とても興味深いなと思っています。
他に何が予想できますかね。
マインドフルネスの傾向とかも予想できたのは面白いなと思うし、
ビッグファイブはどうなんでしょうね。
なんか誠実性とかはすごく文字に現れる感じがする。
勝手な印象ですね。
めちゃくちゃ適当に言ってますよ、今はもう。
そういう研究をどんどんやっていったらいいと思うし、
今回は公筆ですよ、文字。
あと、いうの忘れてたんですけど、
筆跡から性格を予測する
印象です。お手本があってそれを出来分け丁寧に写すっていう、そういう字ですね。
なので、あ、あれも言っといた方がいろいろ漏れてますね、すみません。
どういうパラメーターがあったかってことですね。
どういう変数を用いていたかってことなんですけど、
48のパラメーターなので全ては説明できないんですけども、
例えば文字の重心とか、中心点からのずれとかね、
文字を4分割した時にどの領域にそのひっかくが多いかとか、
太さ、長さ、高点の数や位置、ここめっちゃ細かいでしょ。
これ全部数値化してるわけなんですが、変数化してるわけです。
あと空間の使い方もありますね。
余白の量、文字が紙全体に占める割合とか、こういったものを計算して、
AIが計算して数値化して、これらを総合してその人の性格を予想するっていうことですね。
面白いなと思います。
これは重要でした。
何が効いてたかのかも言った方がいいですね。
どれぐらい紙の空間を使っているか、文字の重心がどれだけ中心からずれているか、
線の方向や配置のバランスなどが特に重要な手がかりになっていたということのようです。
なんかこれは可能性ありそうですよね。
毛質でもやってみたいですね。
5万字のデータ数と、今回は191人ですけど、そんなにいらないんじゃないのかなと最初の試みとしては思うので、
なかなかこれからやっていきたいような研究の種がこの論文から見つかったなと個人的には思っています。
子供の泣きのパターン解析
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
神平でした。心を込めて。
雑談したいと思います。
今日の論文に関する、ちょっと関連して、
こないだ紹介したあれもそうですね。
鼻呼吸のパターンからその人が特定できるみたいなこととか、
やっぱりデータ数が多いと、
あとはAIモデルが優れていると予測精度というのがどんどん上がっているなと思うんですよね。
自分が今子育て中で4ヶ月の子供がいるんですけど、
今最近はマシですが、最初1ヶ月とか2ヶ月とか、
子供が何に泣いているかわからないとか、今もあるけど、特によくあったんですよね。
それを子供の泣きのパターンをたくさん学習して、
実際に何だったかということがわかれば、
例えば、明らかに原因がわかるやつがあるわけじゃないですか。
例えば、おむつが汚れているとか、うんちが出ているとか、お腹が空いているとか、
そういったものを一つ一つ泣いている動画と、
例えば動画とデータですよ。
今ね、僕もつけてますし、いろんな人がつけてると思うんですけど、
何時にお乳を飲んで、何時におしっこをしてとか、
何時に寝て、何時間寝て、その後何時に起きたかとかね、記録してるんですよ。
そういうデータがあれば、この時間に撮れた動画ですみたいなのがひも付けば、
結構いけると思うんですよね。
その人、その子供が何に泣いているかっていう。
それがもし、ある程度精度が高い、今回0.7とかですけど、
0.7だから70%ぐらいが合うってことなんで、悪くないですよね。
10回に3回外しても、もうちょっと上がってほしいけど、本当は。
9割ぐらいになったらだいぶいいですよね。
10回に9回が、そのAIが導き出した結論で合ってればいいですよね。
今の泣きは、本当は変えてほしい泣きですみたいなね。
今の泣きは、眠たくて泣いていますみたいなこととか教えてくれさえすれば、
対処しやすいなと思うので、コツは結構楽になると思うんですよね。
これはね、どなたかやっていただきたいですね。
もうあるのかな。やろうとしている人はいそうですけど、
データの集め方は難しいですよね。子供の動画とかプライバシーの話とか倫理的にね。
そこさえクリアすれば、モデルは作れちゃうのかなというふうに思ったりはしています。
ぜひこれ聞いた方は、アイディアを盗んでもらって。
結構いろんな人が考えていることだと思うんですけど。
こういうふうに社会を良くしていくんだって研究。
心理学というのは違うけど、平和と社会を良くしていくために
使っていかれるべきものだと思っているので、いいなと思っています。
15:02

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