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2025-06-14 18:06

#678 そのひと言が赤ちゃんの未来を変える?(Hill et al., 2025)

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【本日の論文】
Hill, K. E., Blum, A. L., Carell, R., & Humphreys, K. L. (2025). Evidence that prenatal care visit experiences influence perceptions of the child. Communications Psychology, 3, Article 73. https://doi.org/10.1038/s44271-025-00256-z

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サマリー

妊婦に対する発言が赤ちゃんの行動傾向に与える影響について考察した研究が紹介されます。この研究では、妊娠中に抱いた印象が18ヶ月頃の子供の行動や情緒に関連していることが示されています。また、ポジティブな言葉やネガティブな言葉が子供の将来にどのように影響を与えるかも探ることが予定されています。さらに、医療者の赤ちゃんへの声かけが親の印象や赤ちゃんの行動に与える影響についても考慮されています。妊娠中からのポジティブな言葉かけが赤ちゃんの未来に良い影響を及ぼす可能性が指摘されています。

妊婦に対する調査
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
本日も心理学の最新論文を紹介していきたいと思います。
今日はコミュニケーションズサイコロジーという雑誌に載った、最近に載ったばかりの論文です。
ちょっと僕の論文選択にバイアスがかかっていて恐縮なんですけども、
バイアスがないと僕がやっている意味がないと思うので、いいことにしましょう。
何でも最新論文を紹介するだけだったらAIもできるので、
自分が紹介するということに生身の人間のラジオ、ポッドキャストというところで聞き取ってもらえれば嬉しいなと思っています。
すみません、前置きなかったんですけど、どんなバイアスかというと妊婦とか子供とかそういうの最近多いですね。
興味があるからですね。というか興味があるというか、そういう論文を見つけると読みたくなる、興味があるからというと一緒か。
アンテナが張ってあるのかわからないですけど、普段読んでいる雑誌なんですけど、
その中でも見つける頻度が増えたなという感じがしています。
今回の論文は妊婦の人に調査をして、さらに子供が生まれた後18ヶ月の子供の認知的、行動的な傾向性をとって、
2年くらいかけてやった大規模な研究かなと思っているし、着眼点が面白いので紹介したいなと思っています。
ぜひ聞いていってください。
お知らせを先にさせてください。
6月の18日にオンラインで研究トークをすることになっております。
1時間、時間をいただいていまして、今せっせとスライドも作っています。
最近やってきた研究とか、最近じゃなくても自分がこういう研究してますということをまるっとお伝えできる機会になるかなと思うので、
最近自分のことを聞き始めたよという方も気軽に申し込んでいただけると嬉しいなと思います。
ズームでかつ無料ですので遊びに来てください。
来週水曜日の9時からです。
概要欄に申し込みのURL貼っておきますので、今申し込んでください。
申し込みが少なくて寂しくなるなと思っているのでお願いします。
では本題に行きます。
さっきも言ったように妊婦とか子供とか赤ちゃんとかそういう研究を紹介することが多くなってきているんですけど、
妊婦の方にまずは調査をすることから始まっています。
妊婦、経験された方、もしくはパートナーさんが経験された方、お近くでそういう妊婦さんがいらっしゃる方、
これらを含めると結構多いと思うんですけど、赤ちゃんがお腹の中にいて、
その赤ちゃんの性格を推し量るということって結構すると思うんですよ。
僕らもやっていました。
なんか元気な子だねとか、ちょっと頑固そうだねとか、浮き沈みがあるねとかわからないですけど、
そういうことって動きとか、あとは今回も特に妊婦健診というのに焦点を当てていたりするんですけど、
実験の2つ目とかはそうですね、今日はできたら実験の2も面白いので紹介したいと思っているんですけど、
例に妊婦健診とか、エコーの超音波の健診をするときに子供がすごく元気だねとか、
自分たちも言われていましたね、めちゃくちゃ動いていたので、お腹の中にいるときから、今はどうだろうね、
超音波の時とかは特にビジュアルで見れたりするので、そういう言葉って出てきたりとかすることってあると思うんですよね。
その言葉とかから、子供に対して持っている印象ということをまずは聞きます。妊娠中に聞くこと。
もう一つがさっきも言ったように18ヶ月なので、子供が生まれてから1年半ぐらい経ったときに、
研究結果の発表
子供の行動とか感情とか認知とかということを聞く質問しかある。
これは1年と半年の子供だとなかなか答えるのは難しいので、親が回答をするわけです。
例えば、子供の情緒的な反応ですぐに泣きますかというのを聞いて、当てはまるとか当てはまらないとかと答えたりとか、
心配しているように見えるとか、怖がりであるとか、こういう不安とかということを聞いたりとか、
身体的な話も聞いていて、お腹が痛いというのをよく言うよねとか、具合が悪いと訴える。
だけども医師には異常がないと言われたとかね。これは身体的な訴えをしやすいということ。
引きこもり傾向があるよね、一人でいることが多いとか、夜中に目が覚める、眠りが浅いみたいな睡眠問題に関することとか、
幅広く子供の行動とかを聞くような質問になっています。
これは基本的には得点が高いほど、よりネガティブな行動の特性や傾向を持っているというふうに言う尺度みたいです。
チャイルドビヘイビアチェックリストというふうに言うみたいですね。
だから子供の行動をチェックするチェックリストであるということを聞きますと。
なんとなく想像できたと思うんですけど、子供がお腹の中にいるときに抱いていた印象と、
1年と半年の子供の行動の傾向がどういうふうに関連しているかということを調べたい研究になっています。
結果を伝えてから、この研究の意図みたいなことを最後にお伝えしたいと思うんですけど、
結果で言うとこれがしっかりと負の相関になっていたと、中程度の負の相関、統計的に有意な負の相関が示されたということで、
どういうことかというと、お腹の中に子供がいるときにネガティブな印象を持っていた。
例えば頑固だとか、よく動くはいいのか。
頑固が一番わかりやすいなと思ったのが、超音波検知のときに全く動かないとかね。
それで頑固って形容できると思うんですけど、そういったネガティブな言葉とか、
あとちょっと難しいね、もうちょっと例があった方がいいですよね。
あとはディフィカルトって言葉ですね、難しいとか。
あとは手がかかるって言葉もありますね。
手がかかる、協力的じゃない、アンコープラティブっていうワードであったりとか、
もちろんポジティブな、むしろポジティブな言葉の方が多かったですね、全体的に結果としては。
リラックスしてるねとか、活発的だねとか、ちっちゃくてかわいいねみたいな、
そういう言葉を、そっちの方が多いんですけど、ネガティブな、さっき言って頑固とか、
協力的じゃないねとかっていう言葉も言いそうは言いそうじゃないですか、
別に言ってもおかしくないような状況だと思うんですね。
そういうネガティブな言葉を使っているほど、1年と半年のときの行動特性に
ネガティブな傾向が見られやすくなったっていう関係性ですね。
その2年を経て調査をしているわけなんですけど、お腹の中にいる子ども、
実際に出てきて、赤ちゃん、幼児ですかね、乳児か、乳幼児のそのときぐらいの行動、
ネガティブとかポジティブの影響を受けているっていうことが結果として言えるということです。
実験の追加調査
なぜこういうことが起こるかというと、人の心というのは、
自分が認知したことが行動に現れるんですよね。
だから親が子どもに対して扱いにくいとか、頑固とか、この子は不安定だねとかって思っていると、
それに合わせた行動を取りやすくなる。これは親ベースで言うと、
例えば、干渉を良くするようになったりとか、抑圧するようになったりとか、
無関心な態度を取ってしまうみたいなことをしやすくなると。
だから実際に赤ちゃんの行動ベースにおいても、
そういった傾向がよく現れやすくなるんじゃないかっていうふうな説明が一番に言いたいことなのかなと思います。
あとは、それがフィードバックループみたいになって、自分の認知が行動に現れて、
やっぱりそうだってなると、またその認知が強化されてっていうことになっていくんですよね。
これはどんどんこの負のループで、子どものネガティブな行動傾向っていうのが
強化されていくことにもつながり得るということとかも説明されていました。
なんとなく想像できますよね。だから認知ってすごい重要なんですよね、そう考えたらね。
これで大体この研究で言いたいことは終わりなんですけど、
実験の2つ目も面白いので紹介すると、これはもうちょっと心理実験みたいなことをしていて、
女性に対するオンライン実験なんですけど、これ別に妊娠中じゃなくても参加できたそうです。
先ほどから何回か出ているエコー検査、仮想の妊婦検診、超音波検査の動画を見てもらうというような実験になっています。
これ80秒ぐらいの動画で、全部動画自体も一緒なんですけど、そこについている音声っていうのが違う。
条件が3つあって、1つが医療者が赤ちゃんが協力的でないから撮影が難しいよっていう風に
説明するような動画になっている。これ1つ目。
2つ目が機械とか胎児の位置のせいで画像がうまく撮れないですねっていう風に説明するような動画。
これは撮れないっていう点では一緒なわけですよ。
だけど赤ちゃんが協力的でないっていう赤ちゃんに対する印象が変わるような言葉を使っているか、
機械のせいでっていう風に言っているかっていう風な違いですね。
最後3つ目がよりポジティブな声かけをする群で、
次の検査でまた赤ちゃんに会えるの楽しみですねみたいにいう風に言うっていう。
これだから赤ちゃんが撮れないっていう点では一緒なんだけども、
次に繋がるような未来志向なポジティブな言葉を使っている群という風に分けると、
この後に赤ちゃんの性格を予想してもらうっていうことをする。
だから赤ちゃんのことは全然自分の子供でもなんでもないし、
医療者の声かけの影響
動画自体も一緒なんだけども、
その医療者の声かけの仕方が違うというだけで、
その後の出てくる印象というのにどう影響するかという実験です。
結果がその実験操作の有意な効果があって、
赤ちゃんに対してネガティブな言葉を使っている。
赤ちゃんが協力的じゃないから撮影が難しいよっていう風に言ってた群においては、
よりネガティブな言葉が出てきたと。
ネガティブな形容詞、さっきの例で言うと頑固だとか、
協力的じゃないとか手のかかる子だみたいな言葉がよく出てきたということです。
だからこれはなんでこういう実験に成功されているかというと、
妊婦検診で医療者が発する言葉っていうのが、
親のそういった印象、この子はそういう子なんだという印象にも影響を与えると。
最初の研究でも言ったように、その印象というのが実際の子どもの行動ベースに
影響を及ぼし得るんだということを合わせて考えると、
医療者の一言一言というのが子どもの成長、どう成長していくかということに
繋がり得るんだという、そう言えなくもない。
ただ、全部が因果関係で説明できるわけじゃないので、
多分もっと研究が必要なんですけど、確かに示唆されているよなというのは
とても面白いなというふうに思います。
ポジティブな言葉かけの重要性
ちょっと長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。
結構面白い、おなかの中にいるときの赤ちゃんと子どもの行動の相関関係があるよということで。
これ結構話題に出しやすいんじゃないかなと思うし、
もし近くで妊娠中の方とかいらっしゃったら、
ぜひポジティブな声かけをしていただけると、
生まれた後もその子がもしかしたらよりポジティブな行動傾向を
持つようになっていくのかもしれないなとか思ったりしています。
だから、おなかの中とか関係なく、今自分たちの子ども2ヶ月ですけど、
結構気をつけないとなと思っています。
おしゃぶりをうまく吸ってくれないとか、
そういう一つの行動があるだけで、
神経質なのかもしれないねとか言っちゃいそうになるとか
ちょっと言っちゃってるところがあるんですけど、
多分そうなると自分たちの認知が行動とか態度に影響されて、
子どもの行動とかも変わっていくんだろうなと思うので、
あんまりそういう神経質っていうところが別として、
できたらよりポジティブな、かわいいねと、楽しそうだねとか
幸せそうだねみたいなふうに声をかけていきたいなというふうに思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
最後1分だけ雑談をします。
一昨日に久しぶりに大学に行って、
小児科の検診があったりとかで、
1週間くらいで、久しぶりって言うかどうかわかんないけど、
先週行ってなかったんですよね。
あとイベントとかも頼まれたしね。
行ったんですけど、初めて息子を連れて行った。
あとは妻も一緒に来てくれて、
一番最初の日、ドイツに着いた当日に、
自分たちは最初は大学が提供してくれてる宿舎みたいなところに住んでたので、
大学に鍵をもらいに行くっていうのが、
ドイツに来てからの一番最初のミッションだったんですけど、
その時に大学に行ったっきり。
だから1年ちょっとぶりに大学に行って、
他の同僚とかに顔見せて、ボスにも顔見せてっていうね、
1日でとっても幸せでしたね。
みんなに可愛がってもらって抱っこしてもらったりとか、
特に秘書さんがね、
おばちゃんたちなんですけど、
すごい可愛がってくれて、
息子が大きいのかな、二十歳過ぎって言った気がするんですけど、
あんなに可愛かったのに、みたいなことを言ってるのを聞くと、
すごいほっこりして、いい時間が流れていたなって思います。
嬉しいことがまた何個かあって、
一つが、
出産祝いみたいなのをたくさんいただいたこと。
それは早速いろいろと使わせていただいてるんですけど、嬉しい。
もう一つが、このタイミングで同僚が増えました。
新しいメンバーがチームに加わっています。
彼女はスペインから来ているそうなんですけど、
これがね、すごく嬉しい。
とってもいい方だなっていうのが一回あっただけでもすごくわかる。
それはもちろんそうなんですけど、
このスペインから来てくださってるのがすごく嬉しくて、
今のチーム、自分たちのチームってそんなに大きくないですけど、
十人ぐらいかな、合計で。
だいたいドイツ人なわけですよ。
一人ね、ギリシャの方がいるんですけど、
彼女もドイツ語ちょっと喋れるので、
このドイツ語喋れない日本人が入ってきたってことによって、
みんながね、英語にスイッチしてくれるタイミングがあるんですよ。
それがどうにもやっぱり気まずくて、
ドイツ語をあんまり喋れないスペインの方が来てくださったことによって、
英語をね、堂々とより喋れるようになったなと思って。
それが最近嬉しかったことです。
徐々に大学にも戻って研究も頑張っていきたいなと思っています。
18:06

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