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2025-04-07 11:16

#632 一人っ子ときょうだいがいる人の脳の違い (Tang et al., 2025)

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本日の論文はこちら
Tang, J., Zhang, J., Li, W., Wang, M., Cheng, J., Zhang, B., Zhu, W., Qiu, S., Cui, G., Yu, Y., Liao, W., Zhang, H., Gao, B., Xu, X., Yang, Y., Han, T., Yao, Z., Zhang, Q., Qin, W., Liu, F., Liang, M., Wang, S., Xu, Q., Xu, J., Fu, J., Ji, Y., Liu, N., Zhang, P., Shi, D., Wang, C., Lui, S., Yan, Z., Chen, F., Shen, W., Miao, Y., Wang, D., Xian, J., Zhang, X., Xu, K., Zuo, X.-N., Zhang, L., Ye, Z., Geng, Z., Gao, J.-H., & Yu, C., & The CHIMGEN Consortium. (2025). How growing up without siblings affects the adult brain and behaviour in the CHIMGEN cohort. Nature Human Behaviour. https://doi.org/10.1038/s41562-025-02142-4

 

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サマリー

このエピソードでは、一人っ子と兄弟がいる子どもの脳の違いや行動、性格に関する大規模な研究が紹介されます。中国のデータによれば、一人っ子は学業成績が優れている傾向や、ポジティブな性格特性が見られることが明らかになります。

研究の背景
おはようございます、心理学者のじんぺーです。 本日も心理学の最新論文を紹介していきたいと思います。
今日は、Nature Human Behaviorという雑誌に載った、 2025年、最近に載ったばかりの論文で、
一人っ子か兄弟がいるかということが、その人の、その子供の 脳とか行動とか性格とかにどういう影響を与えたかという
大規模な研究を紹介したいなというふうに思います。 自分自身はすごく兄弟が多いんですけど、一人っ子の方もいらっしゃるだろうし、子供が一人っ子とかね、
逆に兄弟が多いとか、いろいろあると思うんですけど、それをどういう 影響を与えるのかというのは、なかなか興味のある人も多いと思いますので、
そんな話をしていきたいなと思っております。 よろしくお願いします。
今日は、一人っ子の話をしていきます。 中国の若者7000人を超えるデータ、すごく大規模なデータ、しかも
脳のデータもあるので、脳だけじゃないですね。 テストのデータも、テストというのは知能テストとか認知テストみたいなこともそうだし、
性格を測る質問紙もそうだし、本当にたくさんのデータを使っています。 なんかね、大学、本当に国家プロジェクト的な位置づけなのかな?
こんなことできるの、本当すごいなと思うんですけど、 日本だと
ムーンショットみたいな国がお金を出して、大規模に研究していくっていう プロジェクトがあったりしますが、それの本当に
強化版みたいな感じなのかなと思います。 一番知りたいのは、一人っ子かどうかが行動とか脳にどういう影響を与えるかということなんですけど、
背景としては、やっぱり中国が一人っ子政策という政策を持って、その一人っ子かどうかっていうことが割とそのジェネレーションによっても違うだろうし、
多分、日本でもあるし世界でもあると思うんですけど、時に本当かどうかわからない噂話みたいなことがあると思うんですよね。
調査方法と結果
例えば、一人っ子はわがままだとか社会性が低いとか、そういうので本当かどうかということを調べたいような研究なのかなというふうに思います。
やってることは、シンプルにパワープレイなんですけど、7000人くらいの人に本当に脳のデータを取り、テストを受けさせ、質問書を取りということをやっています。
すごく丁寧だなと思うのは、一人っ子の方と、あとは一人っ子じゃない人をペアリングしていくんですけど、
例えば年齢が同じ人とか、性別が同じ人とか、いろんな変数でペアリングをしている。
その2400人ずつのペアで比べているということなんですよね。だから、7000人くらい以上のデータを取っておきながら、その中の2400VS2400みたいなことをするんですけど、
その1対1の他の要因は大体一緒という、一人っ子かどうかだけが違うみたいな状況を作るということをしております。
だから、本当にこの一人っ子がどう影響を与えたかということが、そのままわかるような、もちろん他にも取り切れないところもあっただろうとは思うんですが、でもそれでもすごく丁寧に対象化されているのかなというふうに思います。
結果色々あるので、早速結果の方いきましょうかね。
まず大きなこととしては、最初に言ったような偏見とか噂話みたいなことは、わりと支持されなかったということですね。
言い換えると、一人っ子の人の方が割と成績が高かったことが多くて、
例えば、ワーキングメモリーのテストとか、あとは言葉、即時記憶の言葉に関することとか、抑制力があるとか、共感性が高い、性格の開放性が高いとか、自己イメージがポジティブであるとか、新しいものをより好むとか、幸福感が高いとか、
そういう結果、行動とか性格ベースでは、一人っ子の方が点数が高かったそうです。
まず面白いですよね。そうなんだと思う。
脳の結果、これも結構一人っ子の人が優勢なことがあって、言語に関係するような脳の白質と呼ばれる情報を伝達するようなところなんですが、それがより整っていたということとか、
小脳の体積が大きかったとか、一方で運動に関係するようなところは少し劣っていたということで、一人っ子の方が優勢だったということなどが分かったそうです。
だから、そうして別に一人っ子の人はネガティブなことがなくて、むしろ優勢なことが多いということが今回のデータからは分かりそうだなというのが言えます。
ここからすごく重要なんですけど、大規模な調査で、もちろんそういう認知テストみたいなことをたくさんしたんですけど、その中に環境のことをすごく丁寧に聞いています。
家庭の経済力であるとか、親の教育とか、地域のこととか、地域だけじゃなくて親族とかのソーシャルサポートというか支援とかがあったかどうかみたいなことも割といろんな項目で聞いたりしているんですけど、
これが媒介の要因になっているのが多かったということですね。
だから一人っ子だから、例えばさっき言った幸福度が高いとか、開放性が高いとか、そういうちょっとポジティブな性格を持ちやすいとか態度を持ちやすいみたいなことを言ったんですけど、そんなに単純な話じゃなくて、
一人っ子の人は、例えば家庭の経済力があるとか、親の教育とか、一人一人をより見て育てられたというか、手厚くって言ったらいいのかなっていうことが媒介して、そういうポジティブな性格とか態度になっていたっていう、
因果関係とまでは言えないかもしれないですけど、因果っぽい分析をしているので、これはなかなか興味深い話だなと思います。
結果の解釈
だから一人っ子だとポジティブというふうに言ったは言ったんですけど、全てが全てポジティブというよりも、その家庭環境に影響を受けるだろうということで、その家庭環境がより良くなりやすそうだっていうことが言われていたりするのかなというふうに思います。
もちろん一人一人を見てもらえるっていうこともそうだし、お金とかそういうリソースもおそらく子供が多いよりも一人っ子の方がたくさんかけられるっていうこともあるだろうしっていうことを思うと、なかなか納得感のある結果なんじゃないかなというふうに思います。
はい、というわけで今日は一人っ子かそうじゃないかということで、脳とか行動とか態度とかがどう影響を受けるかということを研究した論文を紹介しました。
中国の方のデータです。どこまで一般化できるかはちょっとわからないんですけども、この規模ですごく丁寧に分析を進められて、統制とかもしっかりされているので、なかなか参照をしてもいいような、いいような手つぶえから見せると。
ネイチュアヒューマンビヘビアというすごく信頼感のある雑誌にも載っておりますので、参考にできる部分は大いにあるのかなというふうに思っております。
自分は6人兄弟なんで、この研究からするとややネガティブなふうにも捉えられそうでもあるんですけど、それだけじゃないですね。別に兄弟がいるとネガティブっていうことを言いたいわけではないので、そこだけちょっと覚えておいてもらえればいいかなというふうに思います。
どの辺がね、より兄弟がいることがポジティブに当たるかということは、また別の論文を読まないといけないなというふうに思うんですけども。
一つね、ぜひこの教育活動とかコツアドとかの参考にしていただければいいんじゃないかなというふうに思います。
こんな感じかな。最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
はい、最後1分だけ雑談をします。
出産予定日だったんですが、生まれずという感じでしたね。
まあ、遅れることもよくあるというふうに聞いてますので、気長に待ちたいなというふうに思います。
今日ね、7月7日にこれが配信されてると思うんですが、
今日はね、産婦人科さんの予約が入ってて、生まれなかったら来てくださいみたいな感じで予約を入れてたので、
まあ、行きます。どんな感じなんでしょうね。
結構ね、お腹の子大きい気がするんですよね、もうね。
2週間前ぐらいでもう3000とか言ってたんじゃないかな。
病院で測ったときと産婦人科で測ったときでやや下がったものの3000ぐらいはあったんじゃないかなと思うので。
もう全然3000、500とか言っててもおかしくないような気がしますね。
大きい。
まあ、大きいとも言わないか。
なんかドイツの人はそれぐらいだったかな。平均3500とか言ってたかな。
日本は3000ぐらいなんですけどね、最近は確か。
なので、まあちょっとそのあたりはやや楽しみですが。
エコーとかみんないつも楽しみで。
毎回言ってるんですけど、産婦人科、全部行きましたね。
楽しみです。
とか言っておきながら、今夜に生まれるとかもあり得るけど。
本当に何も読めない感じがすごく楽しいなと思ってます。
こういうのを楽しめるのが曖昧さ耐性というね。
ネガティブキェイパビリティ。
曖昧さを楽しんでいきたいなというふうに思います。
今後期待。
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