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2026-01-28 19:01

#900【健康情報との付き合い方 part 1】調べれば調べるほど不安が大きくなる?

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【本日の論文】
White, R. W., & Horvitz, E. (2009). Cyberchondria: Studies of the escalation of medical concerns in Web search. ACM Transactions on Information Systems, 27(4), Article 23. https://doi.org/10.1145/1629096.1629101

【今後のイベント情報】
4月6日(月) あいまい会議 vol.2
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【今後の対談予定】
2月6日(金) 高橋晋平さん

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サマリー

このエピソードでは、健康に関する情報への不安とその適切な取り扱いについて議論されています。心理学者のじんぺー氏が、サイバーコンドリアという現象を紹介し、インターネットでの情報収集が如何に精神的な不安を引き起こすかを深掘りしています。また、健康情報の検索が進むにつれ、不安が増大する現象や、そのエスカレーションの傾向を示すデータやユーザーの誤解釈についても考察されています。

健康情報との向き合い方
おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究論文をもとに、皆さんの悩みとか、お悩み事とか、疑問とかにお答えするような話をしています。
今日もお便りを紹介させていただいて、そのお便りに答えるような話をしていきたいと思っています。
いつも言ってますけども、特に一つの正解があることを言うつもりもないですし、言えることもないので、参考になるかなという程度で聞いてもらえると嬉しいなと思います。
前回までは匿名性の話をしていたんですけども、今日はまたガラッとテーマが変わりまして、
健康不安とか、あとは何でしょうね、情報との付き合い方とか、そういったテーマで話をしていきたいなと思います。
ハラペコ青虫さんからのお便りです。ありがとうございます。
まず読んでみますね。結構長いんですけども、全部読みます。
出産前後から健康に関する情報にさらに敏感になった気がします。
マイクロプラスチックとか、添加物とか、水銀とか、インターネットにせよ、本にせよ、いろんなところで○○は安全、○○は危険、普段使う量なら問題ない、など様々な意見に分かれています。
自分は基本、中道を行きたい、過敏になりすぎないようにと思っているのですが、妊婦になると添加物とか水銀とかを取り過ぎないようにと公のホームページなどでも言われるので、やはり絶対的に安全なものはものではないのだなという方にまた偏ってきてしまったように思います。
ただでさえ産後でメンタルが不安定な中、こういった情報とうまく付き合ったり、自分の中の迷いに一定折り合いをつけたりするにはどうしていけばよいでしょうか。
サイバーコンドリアの定義
ついき、自分は家族背景的にも、どちらかというと安全志向な家庭だということも影響してそうだなと思います。
こういうのはやはり受け継がれるものなのでしょうか。
ありがとうございます。
いろいろと観点がありそうで、一つにまとめて話すということもなかなか難しいんですけども、また3回ぐらいに分けてお話をしていけたらと思っております。
どうでしょうね、シリーズのタイトルをつけるとしたら何になるでしょうか。決めてから話し始めればよかった。
今日は健康に関する情報というところで、ちょっとこれも違うんですけど、サイバーコンドリアという言葉があって、新希少といったりもしますかね。
新希少で読み方あっているのかな、サイバー新希少という、そういった言葉があってそれについて紹介するのと、あとはなかなか興味深いネット検索に関わる健康というよりも病気の話かな。
なのでちょっとまた違うんですけども、その話からしてみたいと思います。
あとはどうでしょうね、この情報とうまく付き合うという点では結構自分の研究テーマの曖昧さ体制とかそういったことも話せるかもしれないなと思いますし、
それと中道を行きたいというところとかも面白いですよね。よくわかるなと思います。
あとは地域のところで書いている、そういった安全志向とか、逆を言うとちょっと攻めたりするような、危険を犯すような志向といろいろあると思うんですけど、
そういったものというのは受け継がれる、遺伝するのか家庭の影響が大きいのかみたいな話も別テーマですね、これに関しては。
これだけで何本も研究を紹介できそうな感じがしますけども、この辺りでしょうかね。
いくつかこの土手よりに答えることを角度を変えながら3回にわたってお話をしていきたいと思っています。
サイバーコンドリアの話をしていきます。
論文自体は結構古いんですけど、2009年の論文で、でもめっちゃ面白いです。
こんな研究いいなと思いながら読んでました。
なかなか心理学だけの話じゃないので、自分一人でやるのは難しいんですけども、ネット検索とかのデータを使いながらこういうことでもできるんだということを勉強させてもらいました。
サイバーコンドリアというのは何なのかという話からいきたいなと思うんですけど、これはインターネットデータ、病気の知識をうなみにしてしまい不安になる人たちの一種の神奇症、ノイローゼというふうにも言えるかもしれません。
そういったことを指しているそうです。
これはもしかしたらお便りをくださった方も、ノイローゼとか神奇症まではいかないにせよ、そういった傾向が少しあるかもしれないなというのは読んでいて思うわけなんですけども、別にそれが悪いとかどうとかということを言ったわけじゃなくて、
実際にデータ上はそういったサイバーコンドリア、今日はそう呼ぼうかな、結構英語でもそのままなんですよね、サイバーコンドリア、これについて本当にそういうことが起こっているのかどうかということを事実ベースで調べたような文になっています。
データが3つあるんですよね、これらが結構面白くて全部話しできればと思うんですけど、一つがウェブ検索ですね、ウェブの検索できる4000万ページのページを分析対象としたそうです。
ブログも含まれているでしょうし、医療機関が出しているとか、自治体とかある程度信頼性のあるような機関が出しているような記事とかもある一方で、一般の方が書いた記事とかブログとかも含まれているだろうという、そういう4000万ページを分析するということが一つかな。
検索結果の影響
ウェブの検索というのがまず一つ目ですね。
ウェブ全体を調べたのもあれば、上位100件を調べたパターンもあって、あとは医療専門エンジン、検索エンジンだけで調べたものもあるという、これだけでも複数のアシュアがあるんですけど、これが一つ、ウェブコンテンツを調べるというのが一つですね。
2つ目がログデータということで、実際にユーザーがどういうふうに検索しているかということを長期間のログデータから分析をしました。
なんでこういうことができるかというと、マイクロソフトの人たちのマイクロソフト研究所、リサーチ、リサーチャーみたいな人たちがこの論文を書いていて、もちろんそういう情報の提供に同意した人たちのデータだけですけど、それを使ってどういうふうに人々が検索を行っているかということを分かるという、これは相当すごい。
こんなことができたら確かに人の行動から心理みたいなことを少し読み取るそうだなというふうに思います。
サンプル数としては、医療関連の検索を行った約25万人のうち、特定の症状、例えば胸の痛み、頭痛、筋肉の痙攣とか、その12個の症状について検索した8732人を懸念を持つ参加者、被験者として分析対象にしたそうです。
面白いですね。これはもうちょっとどういうふうに分析したかというのをまた後で言いますが、全体の概要ですね。
3つ目のデータというのは、これは心理学っぽいアンケート調査です。マイクロソフトの社員の人たち、5000人に依頼して、それに回答した515名のデータを使っているそうです。
例えば、検索結果の表示順位を病気の可能性の高さ、確率として解釈しているか、検索によって通院の必要がないのに不安になって病院に行った経験があるか、そういったことを質問して聞いたそうです。面白そうですよね。
実際にこれら3つの観点での分析は、どういうふうに何を目指してやっていたかということを合わせながら結果をどんどん紹介していきたいと思います。面白い結果がたくさんあるので、いっていきたいなと思います。
まず検索結果の話、ウェブコンテンツの話なんですけど、簡単に結果をまとめると、検索結果というのは病気のリスクを過大に表示しています。
というのも、実際の病気の発症率と検索結果に表示される病気の出現率には大きな乖離があった。
どういうことかというと、例えば頭痛というふうに検索をします。頭痛というふうに検索をすると、その結果に脳腫瘍が含まれる確率は26%あったそうです。結構多そうですよね。
この26%というのは、実際の脳腫瘍の年間発症率、これが約0.01%程度だそうです。なので、26%というのは0.01%の数千倍とかの検索結果だったというふうな結果だそうです。
なので、実際にはそこまでメジャーではないというとあれですけど、多くの人にとっては起こりにくい脳腫瘍という病気のはずなんだけども、よく見られると検索するとそれにヒットする確率が非常に高い26%なので、4回ページを見たらだいたい見つかる。
特に頭痛で検索した場合なので、頭痛というワードと脳腫瘍というワードが同じページに含まれている可能性がすごく高いというのがこの研究の結果になっています。これはすごく興味深い事実だと思います。
あとはこのログの話もしました。ログで何を見ていたかというところなんですけど、これは長期間のデータというふうにさっき言いました。11ヶ月。これはコードの追跡をしておりまして、例えば30分のセッションを追跡するとして、その一人一人の。
30分の中で最初は頭痛という単語から始まった。軽い症状みたいなところから検索が始まったんだけども、その後にどんどん、例えばさっきの例で言うと脳腫瘍という検索ワードになっていったりとか。
エスカレーションの現象
いろんな深刻な病名に変わっていったりとか、より緊迫感の高まるような検索ワードに変わっていったという、これが見たかったという、これをエスカレーションというふうに呼んでいます。激化していくという、そういったことを調べたかったというふうに言われています。
それで、このエスカレーションがあったかどうかというところなんですけど、これは実際にあったというところで、情報を見れば見るほど、例えば30分のセッションだとすると、最初の検索から30分後の方がより検索のワードの深刻度が高まっていた。
これは不安がどんどん高まっているというふうに言えるかもしれないというところなそうです。
具体的な数字で言うと、症状を含む検索セッションの約5.3%で、ユーザーは一般的な原因から深刻な病気の検索へと移行していったそうです。
追加の情報としては、信頼できる情報でも不安になっていくというのも興味深いと書かれていて、エスカレーションしたセッションにおいて、そうでないセッションに比べて政府機関であるとか教育機関などの信頼性の高いドメインのページを多く閲覧していったそうです。
信頼できる詳しい情報を深く調べるほどに、深刻な病気の記述に触れ不安が増すという皮肉な結果になっているというふうに解釈をしています。
セッションの長期化もしやすくて、エスカレーションしていっているセッションというのは検索時間が長いということですよね。なかなかやめれないという状況。
これもなかなか皮肉というか、想像はできるんですけど、というのも結果としてあったそうです。
あとは、面白い結果が多いですね。不安は長期間持続するということも書かれていますね。
深刻な病気に関する検索は最初の検索から数日、あるいは数週間後に再び行われる傾向があったということのようです。
これもそうですね、ちょっと頭から離れないような感じなんでしょうね。想像はできます。
アンケートの結果もいきましょうかね。アンケートの結果は、ユーザーが検索エンジンの仕組みを誤って解釈している可能性を示したということです。
ユーザーの誤解と情報の影響
回答者の4人に1人が検索結果の上位に表示される病気を、その病気である可能性が高いと頻繁に解釈していたそうです。
これも怖いですね。
いい例は、頭痛からの脳腫瘍の話か。
例えば頭痛と調べて、検索結果の一番上とか、一番上じゃないとにしても、この1ページ目ってわかります?10件くらいですかね。
この次の2ページ目、3ページ目ってGoogleとかだったらわかりやすくあるじゃないですか。
1ページ目に表示されているところとかに脳腫瘍とかあったりすると、
そうか、この頭痛っていうのが脳腫瘍なのかもしれないという、その病気が結構可能性が高い。
だからこそ一番最初に出てくるんだというふうに思ってもおかしくないですよね。
想像はできるかな。
不安になるんでしょうね。
というのが判決でわかっていたりとかしたそうです。
これ最後にしますね。エスカレーションしやすい人の特徴というところで、
どういう人がエスカレーションしやすいかというと、
一般に日常的に医療関連の検査が多く行っている。
閲覧するウェブページ全体に詰める医療情報の割合が高い傾向にある人たちがエスカレーションしやすいということです。
これも結構皮肉ですよね。よく調べる人がよくエスカレーションする。
どんどん深刻な方に行っちゃうということですね。
結構皮肉な結果だなというふうに思うんですけど、
そうなるのもわかる。何回も言っていますけど。
そういうふうなことってあるだろうなと思いながらこの結果を見ていました。
というわけで、すごく面白い論文だなと思います。
今日のお便りに戻ると、どうでしょうね。
この質問をくださったハラペコアオムシさんも、もしかしたら結構調べてしまっている。
それがどんどんエスカレーションしていっているのかなと。
エスカレーションすると長く見ちゃうんですよね。
長く見ちゃうと今度はエスカレーションしちゃうという、
結構負のループに陥りそうだなというふうに思うので、
なかなか検索をしないようにというのも難しいんですけど、
どうしたらいいんでしょうね。
いつも逃げ道のように結論でそういうことを言っちゃうんですけど、
そういう事実があるということをまずちょっと頭の片隅に入れていただいて、
そうするともしかしたらどこかで手を止めることができたりとか、
メタ的に自分の検索行動とかを見るということはもしかしたら大事かもしれないなというのは、
すごく無難なコメントですけども思いますかね。
今日のところはそれぐらいにしておきます。
情報との付き合い方とかそういった話はまた別の観点でお話ができたらと思いますが、
今のところあまり思い浮かんでいません。
今日の話でも何かお気づきのことがあれば気軽にコメントいただけると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日も良い一日にしていきましょう。
じんぺいでした。心込めて。
19:01

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