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2026-01-27 15:16

#899【匿名性がもたらすもの part 3】いろんな自分がある人は感情の浮き沈みが少ない

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【本日の論文】
Linville, P. W. (1985). Self-complexity and affective extremity: Don’t put all of your eggs in one cognitive basket. Social Cognition, 3(1), 94–120. https://doi.org/10.1521/soco.1985.3.1.94

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サマリー

今回のエピソードでは、自己複雑性とその心理的効果が探求されます。自己複雑性が高い人は、感情の浮き沈みが少なく、幸福感が持続しやすいことが研究によって示されています。また、自己複雑性が感情の浮き沈みに与える影響についての研究が紹介され、自己が複数あることがストレスを緩和する役割を果たす可能性が示唆されています。この研究は、低い自己複雑性を持つ人々が感情の変動が激しく、精神的な脆弱性を抱えやすいことも指摘しています。

匿名性と自己複雑性の紹介
おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究、知見をもとに、皆さんの悩みとか、お困りごととか疑問とかに答えるようなお話をしております。
今日のテーマは、匿名性がもたらすもの、もたらすこと、というところで3回目の放送になっています。
匿名性とか自己開示とか、そういう話をこれまでしてきました。
ぜひ、昨日と先週の金曜日の放送も聞いていただけたら嬉しいなと思うんですけども、お便りが届いていたのでした。
裏赤で発信をしているというお便り、それがとても楽しくて、なぜなんだろうということと、
あとは、実生活でこういう活動ができないのは何だろうかという話とかもしておりました。
今日は自己複雑性という話をしてみたいと思います。
アイデンティティという言葉が大きい言葉ですね。
本当にこう、いろんなところで使われている。
アイデンティティというのは、統一されている、一貫している方がいいというふうに思われる方もいるかもしれないし、
そういう観点も実際にあると思うんですけど、
今日はその逆で自己が複雑化しているということが、どういった心理的な効果があるかということを話してみたいと思います。
とても古い論文で、1985年のソーシャルコグニションという雑誌の論文なんですけど、
結構引用されている、結構どころじゃないですね、すごく引用されている論文で、
もしかしたらこの分野のアップデートが、40年の中である気もするんですけども、
こういう先駆的な論文を紹介するのもたまにいいだろうと思うので、話させていただければと思います。
自己複雑性の測定方法
結構心理学の話をするときに注意しないといけないのが、
結構古い論文だと、割と再現性、一回面白い結果が出たとしても、それが再現できないというパターンがたくさんあって、
マシュマロテスターとかすごく有名ですけど、あれが再現できなかったとかね、
よく聞く効果なんだけども、教科書とかにも載っている効果なんだけども、
それが実際大きなサンプルサイズでやったときに再現できなかったとかね、
別の文化でやったときに再現できなかったとかって話がよくあるわけなんで、
この1985年の論文もすごく面白い結果なんですけど、
これが今どうなっているかというのはちょっと正直そこまでは調べられていないので、
それは注釈付きで聞いてもらえればいいかなと。
ただこの視点を加えるという意味では、
これを紹介したらいいんじゃないのかなと思っている、そんな感じです。
前置きがなくなりましたが、
自己複雑性と感情の極端さというタイトルのついた論文です。
まず自己複雑性というのが何なのかというところなんですけど、
自分の役割という面もあるし、あと性格という面も、
これ実は2つの実験の中でちょっと違うんですけど、
どっちもその自己複雑性の定義には入っているそうで、
いろんな自分がいるということですね、めっちゃ簡単に言うと。
役割の話でいうと、学生としての自分、友人としての自分、
家族の一員としての自分、親にとっては息子である自分とかね、
社会のこういうコミュニティのリーダーとかサブリーダーとしての自分みたいな、
そういった役割という面もあるだろうし、
あとは性格でいうと想像性の高い自分、外向的な自分、
一方で内向的なところもあるみたいな、
そういった複雑さがある人もいれば、結構それが一貫しているというか、
1つ、もしくは1つじゃないんだけども、
割とこの1つのグループにまとまるとか、
1つじゃなくても2つしかないとかね、
そういう複雑さの代償というかグラデーションがあることは、
なんとなく理解していただけるんじゃないかなと思います。
これを測る、どうやって測るかという話も結構面白いので言いますと、
それと感情の浮き沈みみたいなところで、幸福感が高まりやすいかどうかとか、
逆に不安が高まりやすいかとか、欲打つ状態が高まりやすいかどうか、
みたいなことを聞くような研究になっております。
実験2つあるんですけど、大体同じような結果かな。
さらっとどっちも言えたら嬉しいなと思います。
1つ目が大学生59名が参加している実験室の実験で、
どうやって自己複雑性を測るかというところなんですけど、
これは特性のカード、さっき言った例で言うと、性格の方に当たります。
怠惰とか社交的とか創造的とか、そういう特性のカードを33枚使うと。
この33枚を自分自身を表すものをピックアップして、
グループ分けをさせるというような課題を行ってもらうそうです。
これがちょっとややこしいですね。
自分に当てはまるものを選ぶということじゃなくて、
そのカードを使ってグループ分けしてもらうと。
そのグループをいくつか作って名前をつけてやるんですけど、
1つのカードを別のグループに使ってもいいというのも結構面白いところかなと思います。
こうすると何がいいかというと、
自己複雑性が低い人、わかりやすい例で言うと、
自己複雑性が低い人というのは、本当に良い悪い、
良い時の自分と悪い時の自分みたいな感じで、
想像性も社交性も外交性も全部この良い方に入れたりとかして、
一方で悪い方にはタイだとか、ちょっとケチだとかそういうのを入れる。
今適当に言ってます。
そんな複雑性が低いパターンもあるだろうし、
高い人で言うとグルーピングをうまいこといろいろと使い分けて、
同じ形容詞なんだけども別のとこにも入れてみたいなふうにできると、
そういうふうに自分を認知しているというパターンもあり得ると思います。
それでわかる。
簡単に言うとバランケテル具合が高いほど、
自己複雑性が高いということです。
それをやってもらった後に、
簡単な認知課題みたいなのに取り組んでもらって、
実験結果の分析
その課題の後にフィードバックをしますと、
それが結構適当というか嘘のフィードバックですね。
あなたは上位10%でしたと、成功してますということを伝えたい。
残り半分には失敗ですと、下位10%の成績でしたよと。
結構悩ますよね、下位10%とか言われたら。
そういう介入を挟んだ後に、
自己測定をするんですけど、これなんか古い研究だなと思う。
今こういうのあるのかな。
コンピューターが故障したというふうに予想して、
データを再入力させるということをしてもらったそうです。
結構面白い。
実験の目的を悟らせないために、
いろいろと工夫をしているということですね。
そうしたところ、前後で気分がどう変わったかというところなんですけども、
まず結果いきましょうかね、実験1の。
これは自己複雑性が低い人というのは、
高い人に比べて失敗のフィードバックを受けた後に、
感情、そして、
すいません、割愛しましたけど、
自己評価も行ってもらっていて、
感情と自己評価がより大きく低下したということです。
自己複雑性が低い人は、失敗と言われた時に感情を低下させる、
自己評価を低下させるという結果です。
成功時というのも、自己複雑性が低い人というのは、
高い人に比べて肯定的な感情をより大きく上昇することが確認された。
簡単に言うと、自己複雑性の低さというのは、
一つの出来事、それが成功でも失敗でも、
自己全体に波及しやすいと、
それによって感情の触れ幅が極端になることが示された、
というのがこの結果になっています。
自己複雑性が低い人が一気に自由しやすいという感じですよね、簡単に言うと。
ということです。実験にもさらっと行きます。
やり方がちょっと変わっていて、これは実験室ではなくて、
自己複雑性と感情
日誌法と呼ばれるような、普段の生活において、
どういうふうにこの感情は揺れ動いているか、みたいなところを聞いています。
自己複雑性の測り方もちょっと変わっていて、
さっき言っていた役割を聞きます。
分類課題のやり方は一緒なんですけど、そのカードが役割であると、
学生、娘、友人とか、そういったカードを分類して、
それがどれくらいばらけるかというので、自己複雑性を測る。
感情というのは14日間、毎日決まった時間に、
その時の感情、幸福感、悲しみ、活動度、不安を記録させるということをします。
そうすると結果ですね、自己複雑性のスコアと14日間の感情の変動に負の関係が見られた。
これはつまり自己複雑性が低い人ほど、期間中の感情のアップダウン、変動が激しかったという結果です。
これは実験の一つ目とほぼ一緒ですね。
言いたいことは、感情の浮き沈みが激しくなるというような結果でございました。
いかがでしょうか。
想像通りかもしれないし、自己が一貫している人の方がそういうのはなさそうというふうにも思わなくもないんですけども、
自己複雑さが今回は結構良い方に捉えられているような主張かなと思います。
何でこういうことになるかというところなんですけど、一番わかりやすいところで言うなら、
例えば一つの側面で失敗があったとしても、また別の自分がいるよねと。
なので自己全体を否定されたというふうには感じにくい。
自己概念の大きな割合に影響を与えにくいというのが考察で書かれていたりします。
あとはバッファー、鬱とか不安とか、そういったものへの脆弱性を鑑賞させる鑑賞効果、バッファーの役割を与えるというふうにも書かれていたりします。
離婚とか失職とか、そういった大きなライフイベントがあるとストレスが大きいですよね。
そのストレスの影響を和らげる効果があったんじゃないかと。
逆に言うと自己複雑性が低い人は鬱病になりやすい、そういった脆弱性があるんではないかというふうに指摘をされています。
そういう結果があるかどうかはちょっとわかりませんが、そういうふうに考察をされているので、
レジリエンスと言ってもいいかもしれないですね、最近の流行りというか、よく聞く言葉だと。
自己複雑性の高さがレジリエンスにつながっているんじゃないかというふうに言ってもいい気がします。
そんな論文でございました。
レジリエンスの観点から
個人的にはとてもあそうだよなーって思いながら読んでましたし、
自己複雑性どうでしょうね、最近の新入学で言われてるんでしょうか。
自己なんちゃらというのが多すぎて、なんちゃらセルフなんちゃらセルフみたいなね、
スモールセルフとか、ナラティブセルフとかもありますけどね、
そんないろんななんちゃらセルフがあって、今もこういう議論があるかわかりませんが、
とても面白い観点だなと思いました。
お便りの方に最後戻りたいんですけども、
文人って言葉も書いてましたね。
文人ってヒラノ・キンチラさんが言われていた、まさにそのアイデンティティがいくつもあるみたいな話というふうに、
すごく浅い理解だと思うんですけど、
そういうことはあるぐらいなので、いくつか事故があるということが浮き沈み、
感情の浮き沈みを小さくしているんじゃないかというふうにも言えるかもしれません。
リアルな自分、こうしようとしている自分というものと、
裏赤で本当に趣味の話しかしていない自分とというので、
その分け方がもしかしたらレジリエンスみたいなことにもつながっているかもしれないなと思いながら、
今日はそういった角度で論文を紹介させていただきましたが、
いかがだったでしょうか。
このテーマも今日ここまでに一旦したいなと思います。
三味さんいかがだったでしょうか。
皆さんいかがだったでしょうか。
もし引き続きこのテーマについてコメントがあれば、
残しておいていただけるといつか戻ってくる気がしますので、
よろしくお願いします。
お便りね、他にいくつか、2つかな今、
まだ読んでないのがあるので、
それを今度は紹介してみたいなと思います。
概要欄にGoogleフォームで貼っておりますので、
匿名で大丈夫でございますので、
仕事の悩み、子育ての悩み、人間関係、あと何がある、
何でもいいので、ぜひ寄せていただけると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
15:16

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