1. ”心理学に触れる” 一日一語
  2. #711 ボードゲーム心理的効果..
2025-07-16 13:03

#711 ボードゲーム心理的効果のいったんまとめ (Noda et al., 2019)

spotify apple_podcasts

【本日の論文】
Noda, S., Shirotsuki, K., & Nakao, M. (2019). The effectiveness of intervention with board games: a systematic review. BioPsychoSocial Medicine, 13, 22. https://doi.org/10.1186/s13030-019-0164-1

【過去のボードゲーム論文紹介放送】
ボードゲームで遊ぶと創造性が上がる (Mercier & Lubart, 2023)
https://r.voicy.jp/gJmZQbBpKBP

ボードゲームが創造性をあげる理由 (Mercier et al., 2024)
https://r.voicy.jp/GQVQN10WKkW

自閉症の人はボードゲームをどう体験するか (Zeidan et al., 2024)
https://r.voicy.jp/6d9ADgQMm8y

サマリー

このエピソードでは、ボードゲームの教育的効果や認知機能への影響について、日本人研究者の野田翔太氏のレビュー論文を基に紹介されます。ボードゲームがADHDや認知機能に与えるポジティブな効果と、逆に悪影響の可能性についても考察されています。

ボードゲームの効果概観
おはようございます、心理学者のじんぺーです。 今日も論文紹介してみたいと思います。
3日連続のボードゲーム会ということで、今日が最後になるかなと思います。 本日の21時半から
インスタライブ、ボードゲーム×教育の専門家である某先生と対談することになっておりまして、
事前準備、予習としてこのボードゲームの論文をたくさん紹介させていただいています。
一昨日がADHDの子どもに対する介入で、昨日が高齢者に対する介入で、今回はレビュー論文を読んできましたので、広くいろんな研究について触れていきたいなというふうに思います。
ぜひ今日の21時半から遊びに来てください。
加えて今日はもう一つ対談がありまして、こちらVCですね、パーソナリティのDr.リンさんとお話をすることになっております。
直前の8時から、夜の8時からお話することになっています。前半がこちらのチャンネルで、後半がリンさんのチャンネルでということになっておりますので、
8時から来ていただけば、8時半からリンさんのチャンネル、9時半からはインスタに映っていただくことになるんですけど、そんな感じでたくさん話していきたいなと思っていますので、遊びに来てください。
リンさんとは研究の話と研究発信の話をさせていただく予定にしておりますので、楽しみですね。どんな話ができるのか、個人的にも楽しみにしております。
ではボードゲームの話をいきたいと思います。このレビュー論文なんですけど、なんと日本人の方が書かれた論文ということで、とても嬉しいですね、誇らしいですね。
たくさん引用されている論文なんですけど、野田翔太さんという方がヒットを著者になってますね。
バイオサイコソーシャルメディスンという雑誌に載っています。2019年なのでちょっと古いんですけど、広くまとまっているかなと思いますので、紹介をしていきます。
27つの研究を分析対象にしたと、27つといいます、27個対象にしていて、ボードゲーム、特に新しいいろんなゲームというよりは、
チェスとかイゴとか将棋とか、そういった研究が今回のこのレビュー論文では多く扱われているそうです。
加えて新しい、いわゆるボードゲームといいますか、昨日紹介したドブルとかね、あとはタイのボードゲームスカっていうのがあるらしいんですけど、
これも伝統的なボードゲームなので、もしかしたら将棋とかと近いかもしれないんですけど、このスカがめちゃくちゃパワフルな効果を示しているので、ちょっとネタバレなんですけど、
なっているので、そういうスカというものとか、どうですかね、聞いたことあるかわからないですけど、ピッククロップゲーム、ギャラクシーレスキュアーズ、
メイクアポジティブスタートトゥデイとかね、そういうゲームが含まれていたそうです。
これらがどういう効果を示していたかというのを、いくつかの観点で紹介していきたいなというふうに思っています。
教育的知識と認知機能の効果
まずは教育的知識の効果ですね。座学とか、座学が一番対象的か、あとはその黒板とね、
チョーク&トークでしたっけ、そういう伝統的な教育スタイルと異なりのボードゲームを使って、いろんな知識を習得できるんじゃないかという介入が27この研究のうちの11個の研究で見られたそうです。
例えば、HIV、エイズとか、生理感染症に関する知識をボードゲームを通じて学ぼうとか、
禁煙とか、喫煙に対する知識をボードゲームを通じて学ぼうみたいなボードゲームがあるとすると。
それを通じて知識が実際に向上したかということを調べたような研究がこの11個の研究です。
メタ分析ではないので、平均的にどうということは言えないんですけど、
おおむねポジティブな効果が見られた研究が多かったということのようです。
自分の友人も生教育の活動をされている方がいるんですけど、生教育を学べるボードゲーム、それはスゴロクみたいな感じだったと思うんですけど、人生ゲームみたいな感じ?
あれは実際にプレイしたことがあるんですけど、確かに楽しいし、一緒にやっている人との会話もしながら学べるなというので、
それを想像しながら僕はこの辺りを読んでみました。
効果があるということです。
次に認知機能ですね。
昨日の話もそうですが、記憶に関する短期記憶の話とか、注意、制御能力とか、そういった認知機能に関する効果の研究がこれもまた11個あって、
こちらはややばらつきが大きいという、ざっくりとしたレビューしか言えないんですけど、
さっき言ったタイの伝統ゲームスカっていうのが、記憶とか注意とかその他実行機能のめちゃくちゃ大きな向上を見せるというので、
気になりますね。この論文も読んでみたいなと思います。
スカって何かってのも知りたい。
最後のおまけで紹介しようかな。
調べてどんなゲームかシェアしたいと思います。
すごいゲームだそうです。その認知機能を向上させるという点で。
もちろん楽しいんだと思うんですけど。
一方で一部の研究では認知機能の悪化が見られたという報告もあるそうで、手放しにボードゲームやってたら注意力上がるよとか、
記憶力上がるよということでもなさそうだということのようです。
細かいところまでは読めてないので、なぜその研究が効果がなかったのか、もしくは悪影響があったかということも注視する必要があるんですけど、
今日のところはこれぐらいでやさせてください。
その他の状態への効果というところで、例えば身体活動に関する効果とか、ADHD症状に関する効果とか、
アルツハイマー病、認知症の病状が改善するかどうかみたいなこととかが調べられているそうなんですけど、
これらについては結論を言えなさそうですね。
あんまり強い効果が出ていないのもあるし、出てるのもあるしっていうところです。
ADHDに関しては負の影響、悪影響があったという研究もあるそうなので、これもまた注意が必要かなと思います。
ボードゲーム研究の今後
先ほど紹介した論文はポジティブな結果だったんですよ。
問題行動、8歳から12歳のADHDの子がボードゲームをやったら問題行動が有意に減るという研究を紹介したんですけど、
あれもサンプル数20何人、30人弱とかだし、結論を出すにはまだまだ程遠いかなというところがあります。
何時間やるかとか、何週間やるかとか、どのボードゲームを使ったかとかいろんな変数があるので、
もっともっと研究していくのがいいのかなというふうに思っております。
何かボードゲーム研究を一緒にやろうという方はぜひお声掛けいただければと思います。
ひとまずそんなところで、いろんな研究をまとめたレビュー論文の紹介を終わりにしたいと思います。
まだまだアップデートがありそうだろうと。
2019年ですね、これが論文が。
最近もたくさん論文が出ているので、僕がボードゲーム好きっていうこともあり、定期的にアップデートしていきたいなというふうに思っています。
過去にもボードゲームと創造性の関係を調べた論文であるとか、
自閉症の方に対するボードゲームの解明の研究とかもこのボイシーでですね、紹介しておりますので、
概要欄にリンクを貼っております。
併せて聞いていただければ嬉しいなというふうに思います。
そんな感じ。最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
心を込めて。
はい、雑談したいと思います。
SCAについて調べました。
全然情報が出てきません。
論文はね、見つけました。その元になった論文。
2013年の論文で間違いなく、
SCAというゲーム実践のポジティブな効果という、
コグニティブファンクションなので認知機能に対する、
アマングオーダーアドレッツなんで高齢者ですね、これもまた。
論文は見つけたんですけど、ゲームについては全く出てこず、
対北部地域に限定的に分布している可能性が高く、
それほど広く普及していないという。
なんでこれを使ったんでしょうか。ますます気になってきましたけど。
だから将棋とかって理由を出しちゃったんですけど、
全然そんなことない可能性がありますね。
逆に気になってきてるんですけど。
将棋とかもね、チェスとかもそうですけど、
やや難解な感じもなくはなくて、
僕のイメージしているボードゲームって本当に
ルール説明5分してパッとスタートできるみたいなね。
できなくはないか、将棋とかでも。どうなんでしょうか。
また、いいですよね、木を使ってできてるとか、
木じゃなくてもチェスのコマは何でできてるんだ、木でできてるのかな。
ああいうアナログなところもデジタルとの逆張りですけど、
いいなっていうふうに思っています。
ボードゲームいいよな、やっぱり。
研究に限らず、ここ2,3年AIが台頭してからの自分の一つのテーマが
その身体性みたいなところにあって、
だからこそサウナの研究をしたりとか、あとは嗅覚の研究ですね。
匂いを刺激として詩を作ってもらうとか、
あとは匂いのある部屋で俳句を評価するとかね、
っていう独特の研究をしているんですけど、
ボードゲームもその一環で身体を伴うっていうアナログ感が
僕のこの最近の2,3年のテーマととてもマッチしてるなと思って、
やりたいなと思っているっていう感じです。
あとあれか、嗅覚の舞とか、生け花とか書道も身体性を伴いますよね。
そういうことに結構魅了されているし、研究していく価値がある。
デジタルの中だけで研究を閉じてしまうと、
どうしてもAIが研究できるんじゃないのって思っちゃうし、
いずれそうなるとは思ってるんですけど、
その身体を含めてもリアルワールドのデータも取れるようになってくる説は
全然普通にあるので、いつまで研究者がどういう仕事をしているかというのは
全く想像できないんですけど、まだ生き延びることはできるんじゃないかなと思ってますので、
独特の着眼点と身体性をテーマにやっていきたいなと思ってます。
ボートゲームの研究をたくさん聞いてくださってありがとうございました。
13:03

コメント

スクロール