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2025-11-27 12:11

#838【学校出席問題】不登校の基準は国によって異なる:日本、ドイツ、イギリス、スウェーデンの比較より (Kreitz-Sandberg et al., 2022)

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【本日の一語】
学校出席問題(school attendance problems; SAPs):学校出席問題(SAPs)とは、病欠・無断欠席・長期欠席・不登校など、子どもが学校に継続的に通えなくなる状態を広く含む総称

【本日の論文】
Kreitz-Sandberg, S., Backlund, Å., Fredriksson, U., Isaksson, J., Rasmusson, M., & Gren Landell, M. (2022). Recording and reporting school attendance and absence: International comparative views on attendance statistics in Sweden, Germany, England, and Japan. Orbis Scholae, 16(2–3), 1–26. https://doi.org/10.14712/23363177.2023.9
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サマリー

学校出席問題に関する国際的な比較が行われており、日本、イングランド、ドイツ、スウェーデンの基準の違いに焦点を当てています。この研究は、各国における不登校の定義や欠席基準が異なることを明らかにし、教育制度における課題を探ります。

学校出席問題の概要
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ論文と合わせて紹介しています。
今日は心理学の論文ではないんですけども、教育不登校に関する論文を紹介したいと思います。
一語は学校出席問題という言葉にしたいと思います。
簡単に言うと不登校なんですけど、ちょっと専門用語っぽくこの論文では使われているので、それについて紹介します。
もう少し広い概念ですね。学校出席問題というのは、病欠、無断欠席、長期欠席、不登校など、子供が学校に継続的に通えなくなる状態を広く含む相性のことを指すそうです。
英語だとSchool Attendance Problemsというふうに訳す。SAPSというものかな?というふうにこの論文では書かれています。
不登校というのは日本語ですけど、同じようにいろんな国で学校になかなか来れないとかね、いろんな事情ですけど、
問題視している具合も結構国とは違いそうだなと思うんですけど、国の比較を試みた面白い論文になっているかなと思います。
ここで出てくるのは、日本も出てきます。あとはヨーロッパのイングランド、ドイツ、スウェーデンという4カ国を比べています。
どういうふうに比べているかというと、それぞれの国とか自治体とか行政とかのデータを使って比べるということをしています。
先に結論めいたことを言ってしまうんですけど、比較が難しい、ほぼ不可能と言ってもいいことが書かれています。
これが残念というわけではなくて、この論文でまさに言いたいことで、基準が違うということですね。
それぞれの国で何を欠席とするか、どれくらい欠席になると不登校とみなすのか、ここでは学校出席問題ですね。
そういう問題として扱うのかということが異なっている。これが一番のこの研究で言いたいことになっています。
もう少し詳しく見ていきたいなと思うんですけど、例えばイングランド。イングランドはとても基準が低いと言ったらいいのかな。
割と簡単に出席問題、学校出席問題として扱うというふうな基準をとっていて、日本よりもハードルが低い、これなんて言ったらいいんですかね、基準が低いです。
緩い。緩いわけではないか。難しいな。基準が低くなっています。どういう基準かというと、全体出席可能なセッションの10%超を欠席している生徒のことを、
その出席問題と学校出席問題として扱うというふうに定義がなされているそうです。10%なんでどれぐらいでしょう。これ日本と比べたらいいかな。
日本はこれご存知の方もしかしたら、教育関係の方とかはご存知の方も多いかもしれませんが、30日、30日、年間30日っていうのが割と基準として挙げられるんですよね。
ここもね、結構詳しく調べられていて、日本だと病気や経済的理由以外の理由で年間30日以上欠席している児童生徒というのが不登校の定義になっているわけなんですけど、イングランドは基準が低いと言いました。
病気とかも含む欠席が10%以上だと学校出席問題、不登校にはリコールとみなされるそうです。
あるからでも30日どれぐらいっていうふうになったときに、この論文では大体年間15%ぐらいって書かれているので、このパーセンテージで見てもイングランドの方が低い。
10%以上を休むと不登校とみなされる、長期欠席かなとみなされるそうです。
興味深いですよね。
病気とかもろもろ含むそうなので、割と10%っていろんな人、児童生徒が行きそうだなというふうに感じました。
ドイツ・スウェーデンの状況
ドイツスウェーデンも見ていきましょうかね。
ドイツスウェーデンがここまであまり登場していないのは、基準がそもそも明確になっていないというパターンだそうです。
ドイツに関して言うと、州がいくつかあって、16かなの州があるんですけど、教育権限が分かれている。
連邦制、アメリカみたいなイメージをしてもらったらいいんですけど、あんな感じになっているので、ドイツといっても州によっていろいろあると。
今回は特にベルリン州とチューリン原州の行政が心よくデータを共有してくれたということなので、そこを使っているそうなんですけど、あまり定義がはっきりしていない。
なので、不登校何パーセントというのはそもそも言えないということです。
スウェーデンも同じような形かな。
それ自体結構興味深い結果かなというふうには思います。
スウェーデンもっとあれか、そもそも全国一律の定期的な欠席統計があまりないみたいです。
不定期でたまにそういう調査は行われるみたいなんですけど、日本って毎年出ますよね。
30万人超えたとか、ああいうのがそもそもないから難しいということです。
どういうことなんでしょうね。
あんまり問題意識してないということなのかもしれないし。
なんでなんだろう。
そのデータを割った方がいいかなって思っちゃうけど、休むか休まないかあまり意味ないんだろうね。
それ自体興味深いことだなと思いました。
伝えたいのはそのところでしょうかね。
長い論文なので言えばキリがないんですけど。
結論は4カ国見たけど結構比べるのが難しそうだということですね。
ただ比べるの難しいだけで、もうちょっと知りたいという人もいると思うので、ここからおそらく参考までにというところだと思うんですけど、
15%の基準を使って比べたみたいです。
15%ってさっきの話だと日本のパーセンテージですよね。
大体年間30日ぐらいのイメージだそうです。
そうすると日本は中学生で3.94%が長期欠席15%以上ですね。
無断あるいは病気などを除いた欠席が15%以上ですね。
大体4%ぐらいだそうです。
スウェーデンだとこれが2から4%ぐらい。
ドイツの中でもベルリンは中学生で大体3.6%ぐらい。
チューリンゲン州は中学2年生で1.6%で中学3年生で0.8%みたいな感じだそうです。
少なそうですね。
なのでどうでしょうか?
あんまり何とも言えないなと思いますが、
ドイツが少ないのかな?
ちょっとこれだけ見ると。
基準がやっぱり比べるの難しそうだなって思います。
なので本当に参考までに聞いていただければと思います。
こういう不登校の調査をめちゃくちゃちゃんとやっている日本とか、
不登校というか欠席している人の統計をちゃんと取っている日本とか、
イングランドもそういうふうに見られましたけど、
ドイツは州によって様々。
スウェーデンは定期的に取っているものがないみたいな、
そういう状況を考えるだけでも、
国によって不登校というものの捉え方とか全然違うんだろうなというふうに推察をします。
あと統計を見ているだけじゃなかなかその土地どっちの様子っていうのも分かりにくいところがあるかなと、
僕はドイツに住んでますけど、ドイツでこういう学校教育の人とあまり話すようなこともそんなにないので、
日本人学校の先生とは何名か知り合いですけど、
どうなんでしょう、気になるところだなと思いました。
そんな感じですかね。
もし興味があれば読めるかな、読めると思います。
誰でもアクセスできると思いますので読んでみてください。
最後本当に余談ですけど、不登校をちょっとだけ研究も長くかかってしまっているんですけど、やっていまして、
今日の論文は国によって違うということだったんですけど、
日本国内でもいろんな調査があったりとか、いろんなステークホルダーの方がこういう教育に携わっていると思うので、
その人たちが不登校についてどう感じているのかとか、
どういう基準でというところは結構日本は定められているのであまりブレはないと思うんですけど、
それぞれの考え方とかがあるなと思っているので、
それをちょっとでも可視化できるような研究ができればいいなというふうに思っています。
やっと再開しているので、近い将来その研究結果についてもシェアできればと思っています。
なので、自分も勉強があったらこういう論文をたまに紹介していきたいなと思うし、
自分たちの研究でちょっと迷っているのが、日本語で論文を書くか英語で論文を書くかみたいなことをね、
ちょっと仲の話なんですけど、自分自身の課題感とも相談し続けているんですけど、
そういうことを日々考えています。
今回の英語の紹介した論文は、もちろん国際比較をしているので、
いろんな国の人に興味を持って読んでもらえるだろうけど、
日本国内の話を英語で書くというのはどれくらい意味のあることなのかみたいなこともね、
合わせて考えているところでございます。
余談に余談を重ねてしまいました。
ふとこの足待たします。
今後も聞いてもらえると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日も良い一日にしていきましょう。
じんぺいでした。
心を込めて。
12:11

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