1. ”心理学に触れる” 一日一語
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2025-08-07 19:30

#734【多視点仮説】コテンラジオを聞いてしまう理由を心理学で調査してみました (Hitsuwari et al., 2025)

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【本日の一語】
多視点仮説:対話形式は、複数の視点を提供するため、聞き手の理解が深まるという仮説

【本日の論文】
Hitsuwari, J., Hayashi, T., Moriya, H., & Ohtake, Y. (2025). Comparison of listening experiences by podcast styles: Monologue versus dialogue. Psychology of Popular Media. Advance online publication. https://doi.org/10.1037/ppm0000622

【8月31日(日) から 「あいまい会議2025~伝統・ビジネス・科学から「美」の可能性を考える in 京都~」】
https://aimaikaigi2025.peatix.com

【8月16日(土) から 「『研究』の未来をみつめる―“良き研究者”をめざす若者と科学の行く末に関心をもつ市民の対話」】
https://www.shiminkagaku.org/sciencedialogue_03_20250816/

【8月18日(月) から 「近藤弥生子さんと対談:台湾感性―台湾と日本の美意識の違いに迫る」】

【8月28日(木) から 「業界を超える「学際」で新たな価値をつくる - 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから」】
https://academist250828.peatix.com/

【研究サポーター募集中!】
https://academist-cf.com/fanclubs/358

サマリー

本エピソードでは、多視点仮説を中心に心理学の視点からポッドキャストの人気の理由が検討されています。研究を通じて、対話形式と独り語り形式のポッドキャストにおけるリスナーの楽しさや理解度の違いが示されています。また、多視点仮説に基づいてポッドキャストの心理学的効果を探る研究が行われています。この研究では、AIによるコンテンツ生成が視点の多様性に与える影響も考察されています。

多視点仮説の導入
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学の一つのキーワードを中心にして、
最新論文に触れながら、心理学の世界をちょっとだけご紹介したいなと思っています。
本日の一語は、多視点仮説になります。
自分の論文がつい先日出たばかりなので、それについて紹介したいと思います。
ポッドキャストに関する論文です。
本題に入る前にお知らせをさせていただきます。
8月のイベントが複数あります。
連日告知させていただいております。
今日も概要欄に貼っておくので、チェックしてみてください。
特に8月31日のアイマイ会議2025というイベントは、自分が企画運営をしております。
Voicy Personalityの伊藤東亮さんにも来ていただきますし、
その他のゲストもとても豪華になっております。
京都でお会いできたら一番嬉しいんですけども、
そうじゃなくてもオンラインでアーカイブ付けチケットがありますので、
そちらチェックしていただけると嬉しいです。
あと、ちょっと告知を改めてしないとなと思ったことが、
研究のサポーターを引き続き募集しております。
月々330円から私の研究のサポートをいただけます。
研究費にお金を使わせていただいて、
いろんなまだまだやりたい研究がありますので、
その資金にさせていただくクラウドファンディングになっています。
330円月々、新たなサポーターになっていただくと、
iMightという心理学コミュニティ、今日は実はiMightのメンバーと一緒に書いた論文なので、
こういう紹介を改めてしているんですけど、
そのコミュニティに入ることができます。
まだ1年も経ってなくて、これからますますいろんな研究とかディスカッションを、
ディスカッションというほど硬くなくても、
意見交換とか楽しく交流をしていきたいと思っていますので、
ぜひ今からでもご参加いただけると嬉しいです。
そのクラウドファンディングサポーター募集のページも概要欄に貼っておりますので、
チェックをお願いいたします。
では本題に行きたいと思います。
今日は多視点仮説というキーワード、心理学1号を紹介したいと思います。
そんなにポピュラーな仮説でもないんですけども、
特に会話形式のディスコースという言葉を言ったりしますけど、
ポッドキャストの実験
会話とか人とのスピーチとかね、
そういった研究領域でこの仮説が提唱されてきたんですけど、
どういう仮説かというと、
対話形式、今日もポッドキャストで対話形式か独り語りかという話をするんですけど、
対話形式というのが複数の視点、多視点を提供するために聞き手の理解が深まるという仮説の枠組みになっています。
私たちは今回、今日自分の論文なんですが、
自分たちの論文ではこの多視点仮説というものが結構論点になっていて、
それを最後に回収するという感じでいきたいと思います。
まずはポッドキャストの論文の出だしというか、
なぜこういうことを知っているかということとかを話したいなと思います。
ポッドキャスト自分ももうすぐ2年ぐらい、
ボイシーの前にスタンドFMをやっていたので、
それを含めるともう2年経っているんですけど、
ほぼ毎日のように発信をしています。
好きなんですよね、話すのもそうだけど、聞くのもいろんな番組を聞いています。
集まったアイマイトのメンバーも、
ポッドキャスト好きであるとか、
内階武夫さんとか、毎日ポッドキャスト配信されている方も入っているんですけど、
そういうメンバーで論文を書いています。
好きがスタートですよね、一番の。
一人の著者の森屋さんという方が、
自分は長い付き合いなんですけど、
森屋さんと話しているときに、
ポッドキャストをよく聞くんだけども、
2人組のパーソナリティの番組の方がよく聞いているという話をされていたんですよね。
確かに思えばそういう番組って多いなというふうに思います。
古典ラジオとか、
あと有名なのは何だろう、
何が有名ってあまり分からないんですけど、
自分が聞いているので言うと、
超相対性理論とか、
これも元々深井さんがやっていた番組ですけど、
あとサイエントークとかも聞いているかな。
最近のボイシーとかで言うと、
かぐしゅんさん、サボさん夫妻のジェントルマインドとか、
対話形式ですよね。
そういった2人組パーソナリティの番組というのはたくさんあるんですけど、
あと世界朝ラジオも一番聞いているかもしれない。
以前ここにも来ていただいた大久保智夫さんという方が
やっていらっしゃるポッドキャスト番組で、
これ毎週日曜日なんですけど、
僕本当に欠かさず聞いている番組です。
そんなふうに多いよねと確かに。
しかも割と長く聞きやすいんだと、
30分1時間であってもよく聞ける。
超相対性理論とか、
多分4回形式で全部で2時間とかだと思うんですけど、
全然聞けちゃうよねみたいなところで、
確かになというふうな気持ちになり始めています。
1人の話を2時間聞くの大変だけど、
対話景色いいよねっていうことを話してたんですよね。
それでどうなのかなっていうことを、
他の著者の早高さんと武雄さんとかと、
議論を深めながら研究していったってことです。
やったこととしては、
自分の論文、AI俳句の論文をポッドキャストに直して、
それを素材に使うんですけど、
どうやったかというと、
まずはそれをChatGPTに読ませて、
これで台本を作ってくださいっていうことをしてもらいます。
最初は2人形式で、
1人は専門家、
もう1人は一般の人が聞き手になってっていうふうな、
台本を作ってもらうんですけど、
それを元に同じ内容で、
1人語り形式にしてくださいっていうことを今度はしてもらいます。
それをさらに、AIで台本を作ったんですけど、
その後にまたAIの音声を使って、
2人別々の声を対話形式の方で扱って、
1人語りの方がその1人の方の声を使うっていうふうなことをして、
ポッドキャスト番組、
AIポッドキャスト番組を作りました。
2つ作りました。
時間はだいたい5分ぐらいで、
長さにそんなに違いはありません。
これを300人の日本人の参加者さんに対して、
どちらを顔聞かせるか、
だいたい150人ずつぐらい分かれるということなんですけど、
それをやってもらって、どちらが楽しかったかとか、
興味を引かれたかとか、
あとはポッドキャスト5分ぐらいの中に、
いろんな情報があるわけなんですけど、
研究結果の考察
その情報を元にしたクイズを3つぐらい作って、
その正当率というか、
理解度チェックというふうな立て付けで
そういうことをしてるんですけど、やってもらいました。
あとは、その参加者さんのパーソナリティについて、
質問もいくつかしていて、
ビッグファイブというよく心理学で使われる性格を測る尺度とか、
あとは自分が作った曖昧さに対する態度の一つの側面なんですけど、
複雑性とか新規性とかがどれぐらい好きかっていうね、
どれぐらい求めるかっていうふうな態度を聞いたりしました。
ちょっとね、自分の研究なのでだいぶ詳細を話してしまってるんですが、
結果に行きたいと思います。
仮説としては対話形式の方が楽しさの評価とか、
あとは理解度とかね、
もっと聞いてみたいみたいなリピート意図みたいなのも
高いんじゃないかというふうに思っていたんですけど、
実際は多くの変数で差がなかったと、
得点に差がなかったというふうな結果になりました。
これは一見残念というか、仮説通りじゃない、
自分たちの思っていた通りの結果にはならなかったんですけど、
結果が出ないということも一つの重要な研究結果であるというふうに思うので、
考察についてはもうちょっと後でしたいと思います。
もう少し結果を見ていくと、
性格に関してはちょっと面白い結果があって、
協調性が高い人というのは、
好意的に評価しやすかったとか、
新規性とか複雑性を求めている人というのは、
楽しさとかリピート意欲がより高かったというような研究結果になりました。
本当は協調性が高い人とか外交性が高い人とかというのが、
より対応形式の方を好むんじゃないかみたいな効果を予想していたんですけど、
そこまで複雑な効果は出なかったんですが、
協調性が高い人は全体的に好意的に評価するよみたいなことは、
一つ面白い結果かなというふうに思います。
あとは理解度に関しては全体的な得点の差はなかったんですけど、
一つの問題に関しては、
むしろ独り語り形式の方が正答率が高いという結果も得られました。
もしかしたらそういう教育的なコンテンツとか情報を伝えるという意味では、
独り語り形式も有用なのではないかみたいなことも考察したりするわけなんですけど、
それも一つ面白い結果だと思います。
今日の一語、多視点仮説ということを最後に回収しながら
考察して終わりたいと思うんですけど、
なぜ差がなかったということなんですけど、
これは台本を作ったと言いました。
この台本を作るということと内容をほとんど揃えるということが
とても重要なことだったのではないかというふうに思っています。
これまでの会話に関する心理学研究とかでは、
多視点仮説みたいなことが言われていて、
情報量の数で理解度とかに差が出るんじゃなくて、
視点の数が大事であると。
だから一つの視点で物事を語るよりも、
2人3人と複数の視点で物事を語っていく方が、
より理解が深まるよというふうな仮説です。
本来、自分たちが聞いている古典ラジオとか超相対性理論とか、
そういった対話形式、最初に森屋さんと話していた
対話形式っていいよねっていう、
あれはまさに台本とかがなく、
かつどんどん視点が増えていくわけですよね。
1人は研究者かもしれない、1人は経営者かもしれないみたいな、
多視点仮説の重要性
そういった視点、もちろんそういう職業にとらわれずに
視点って多様にあると思うんですけど、
その視点の多様性が重要であるというのが、
これまでの理論としてあって、
AIによって台本を作ってもらうっていうことは、
その多視点を奪うことになっていたのではないかという、
結果の考察になっています。
なので、結構心理学実験とかって、
条件とか刺激素材とかをできるだけ単純化させる、
統制するって言うんですけど、
統制することによって、日常生活とか普段気づいている、
感じている良さみたいなもの、対話形式の良さみたいなものが、
その統制によって、単純化することによって、
なくなってしまったのではないかというふうにも、
言い換えられるかなと思います。
難しいですよね、これは。
できるだけ要素を減らして、
心理の核となる部分を探るためには、
こういう手続きってとても大事だと思うんですけど、
一方で日常生活の中での良さみたいなことを、
データにすることまでは今回はできなかったと。
もしかしたら勘違いかもしれないですね。
普段良いなと思っていることが、
良いと思い込んでいるだけというか、
そういう説も全然あるんですけど、
まだまだこのポッドキャストの心理学研究というのは、
数が少ないですので、
自分たちのコミュニティでさらにこれを発展させるような研究を
やっていきたいなという気持ちもありますね。
AIとポッドキャストの未来
個人的には気持ちはあるんだけどね。
手があればぜひやっていきたいなというふうに思います。
これも論文で引用しているんですけど、
ノートブックLAMで論文とかPDFを投げると、
それをもとに対話形式のポッドキャストが、
AIが生成するというのが最近できて、
英語版は去年とかにできていたんですけど、
日本語版も今年の初旬とかにできていたりしたので、
これからますますこの領域は注目されていくだろうと思うわけです。
論文とか、ある種研究者しか読んでいなかったようなものを
ポッドキャストに直して、それによって多くの人が
触れられるという世界観になってきているわけですよ、既に。
その中で今回の研究、もう一つ重要だと思う。
仮説通りにならなかったけども重要だと思うし、
ますますいろんな角度から研究していく必要があるなというふうに思います。
内容的にはそんな感じです。
あとは雑談で言おうかな。
結構この論文に関していろんなバックグラウンドとかがあるので、
またちょっと雑談でおまけの話をしていけたらと思っています。
今日はポッドキャストの心理学の論文を出したよということと、
多視点仮説、会話とかスピーチの文献とかで言われていた仮説、
理論というものを簡単に紹介させていただきました。
視点の数、対話形式、あとは定談という形も、
自分も心理学対談とか心理学定談とかよくやっておりますが、
そういうのはまさに視点がどんどん増えていくという意味で、
理解度が深まっていくのかなというのは面白いポイントかなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
陳平でした。心を込めて。
はい、というわけで聞いていただいてありがとうございます。
自分たちの論文を紹介するのはすごく嬉しいですね。
今回はそういうコミュニティで書いたということなので、
なんかね、結構がむしゃらに1年やってきたので、
当たり前になっているとは言わないですけど、
やや感覚が麻痺している感はあるなと思っているんですけど、
純粋に考えて、論文をあまり書いていない人と一緒に論文を書いて、
しかも佐渡月、しかも国際論文、国際雑誌みたいなのって、
結構変なことだなと思うんですよね。
なので、なんかこの変さを伝わればいいなというふうに思っています。
自分も英語で論文を書くのが結構、
あまり不可なく書けるようになってきて、
それを一般の方といっても結構研究に興味があったりとか、
論文を書いているという人もいるので、
誰しもができるかといったらまだそこまで自分は強くは言えないんですが、
そうなるようにするつもりですよ、これからなんですけど、
今の体制ではまだまだ受け皿がないなというね、
自分たちのコミュニティは。
それが課題なんですけど、
にしてもそういう人たちと一緒に書くってすごいことだよなっていうことをね、
ちょっと立ち止まらないと忘れちゃいそうになるので、
それは改めて強調しておきたいなと思います。
今もう一本もうすぐ書き終わる論文とかがあったりとか、
不投稿のプロジェクトもね、僕は止めてるな、
すいません、たくさん協力いただいていたので、
これもね、ちょっとずつだけやってるんですけど、
なかなかね、こう一個終えて次一個みたいな感じになっちゃいますね。
同時進行ってそんなできないですね。
同時進行してるんですよ、大学の研究とかがあるから。
コミュニティの研究も同時進行でバッていける感じにね、
1年後2年後とかしていたいなという気持ちがあるので、
もしこれ聞いてて興味ある、
特に今欲しい人というのは、
終始課程でって今一般企業に勤めてますとか、
ちょっと研究分野にやり残したことがあるとかね、
ちょっと未練があるみたいな人とか来てくれると嬉しいですね。
もちろん僕も勝手にどうぞお願いしますという風にはやらないので、
サポートはめちゃめちゃするんですけど、
このね、いかんせん主導していく、
ポッドキャストの論文も分析は早高さんと森屋さんがやってくださったりとか、
AIのポッドキャストも早高さんが作ってくださったし、
竹尾さんとか森屋さんとかに研究計画とか論文書いてあったとかで
たくさんフィードバックをもらったりしてやってるわけなんですけど、
基本的に論文を書くというプロセスは全部自分でやってるので、
その辺りを誰かちょっと論文書いたけど書いたことありますよみたいな人がいると、
どんどんやっていけるのかなって思ってるので、
この辺りは本当に論文書けるんだと思ってくださった人は、
ぜひこの機会仲間になっていただけると嬉しいです。
加算の便になりますが、サポーターになっていただくとこのコミュニティに入ることができますので、
概要欄のここからクラウドファンディングチェックしてみてください。
お待ちしています。
19:30

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