おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しております。
あわせて最新論文も紹介しています。今日の一語は文化的学習という言葉になります。
簡単に文化的学習とは何かを説明すると、文化的な環境の中で何度も接するものに自然と慣れ、それを美しいと感じるようになる、慣れと好みの環境を形作る無意識のプロセスのことを指します。
よくわからないと思いますので、論文とあわせて説明をしていきたいと思います。
自分の研究関心ととても近い美しさに関する文化比較の研究になっています。とても大規模かつ領域も広いというか、
使っている題材も多くてとても楽しい研究かなと思いますので、あまり複雑になりすぎないように説明をしていきたいなと思っております。
実はまだ論文というよりも学会発表の研究になっておりまして、誰でも読めますので、もしよかったら概要欄のリンクから論文読んでみてというか、読まなくてもいいですけど図とかがね、なかなか面白いのであわせて見ていただけると嬉しいです。
どういうことをしているかというと、形、正方形とか長方形とかの形、曲線、色、音楽の和音、あとは旋律、この5つについていろんな文化の人にどういう組み合わせが美しいかということをたくさんのデータから聞くと、
具体的には10カ国の4835名の人が参加しているそうです。
10カ国をさらっと言いますと、どこに書いてあったかな。日本も入ってますよ。日本も入っているし、韓国、ドイツ、フランス、アメリカ、メキシコ、ナイジェリア、トルコ、インド、アラブ市、党国連邦ということで、いろんな場所、地域から参加者が入っているというところで、各地がだいたい500人弱ぐらいかなの人たちが
参加しています。どういうものを美しさの評価をしてもらったかというと、組み合わせていました。この5つの刺激というのは、2つの性質を調整することによっていろんなパターンが作れるという、これが是非図を見ていただきたいと思ったポイントで、なかなか言葉で説明するのは難しいんですけど、簡単に形の話、形状の刺激の話をすると、
縦の長さと横の長さをそれぞれ自由に決められるじゃないですか。その組み合わせでどこが一番美しいかというか、ランダムにその組み合わせで無数に作れるんですよね、刺激が。例えば、縦と横が同じ長さ1対1だとすると、それは正方形になるわけじゃないですか。
縦が2で横が1だったら結構縦長の図形になるとか、それを無限にいろんな組み合わせで提示できるので、これがまず形状の話だし、色も分かりやすいですよね。2色の組み合わせでどの色が使われるかということをグラデーションで組み合わせるというのでそうだし、和音も分かりやすいか、2つの音がどれくらいの高さかというので、
ユニゾンのパターンもあるだろうし、3度違いもあるだろうし、オクターブとかのやや不協和音っぽい組み合わせもあるだろうしという組み合わせをたくさん作って、たくさん評価をしてもらって、どれがより評価が高かったかというのを、2つの組み合わせでいろんな刺激の題材は違うんですけれども、刺激は作れるというのが1つ面白いところかなと思っています。
これを10カ国の人に評価してもらうんですけど、結果が色々切り口があるので、早速移っていきたいんですけど、どこから行きましょうかね。まずはその、どうしようかな、ちゃんと決めてからいいよという感じなんですけど。
まずは、どれが国とか関係なく、どれが評価が高かったかみたいなところでいきましょうかね。
例えば、形の話で言うと、1対1なので正方形に強い好みが見られたということですね。
曲線については、S字型とかバンプ形状に好みが集中したということです。
バンプ形状については、ちょっとパッと説明できないのでバンプ形状だそうですって書いてますね。
続きましては、色で言うと、青系統、まず色の系統で言うと青系統に強い好み、暗いサンドカラーは不人気だったそうです。
和音は5度、5度ずれているのが綺麗。綺麗にハモってますよね、5度違ってたら。
オクターブ、あとはユニゾンに強い好み。
一方でトライトン、トライトンは6度か、一般的に不協和音と言われるようなものは、嫌悪感が強かったということだそうです。
メロディーについては、最もランダムで構造があまり見られなかった、どれがめちゃくちゃ好みが強くてとかっていうことがあまり見られなかったということだそうです。
文化の話をすると、例えば、国ごとに言ったら色々面白いことがあるんですけど、例えば日本は直線を好むっていう、これ結構得意的だそうです。
意外ですよね、日本人曲がったら好きそう気もしなくはないんですけど、直線が好きだそうです。
これは他の国にはあまり見られなかった傾向だそうです。
あとはドイツ人は低周波なので、低い和声を好む、和音を好む。
一方で日本人は割と高い和音を好むということだそうですし、形の話で言うと韓国の人は3対2とか4対3っていう、
1対1の正方形はどの国でも結構好まれるって話をしたんですけど、それに加えて韓国の人は3対2とか4対3っていう比率。
が結構好みが偏ってたよっていうこととかが各文化であるんで、他にもいろいろとある。
例えばメキシコだとさっき言ったトライトンっていう不協和音への嫌悪が見られないとかね、面白いですね。
あとは、最後ですね、これがまとめ的にちょっとお伝えしたい。
ざっくりとこの研究の肝になる部分かなと思うので、ざっくりと覚えてもらったら嬉しいんですけど、5つの種類があったじゃないですか。
形状、曲線、色、和音、あとはメロディ、旋律。
この5つの中で最初の3つですね、形状、曲線、色っていう視覚的な刺激のときに、これらは結構文化的に偏りが少ない。
言い換えると普遍的な、より普遍的な好みが見られたということです。
もちろん全くの普遍なわけじゃないですよ。
さっきも言ったように異なる国があるんだけども、全体としては割と同じような傾向を示したということです。
色についてはちょっとね、もうちょっと詳しく言うと、色の空間というか、
系統ですね、さっき言った青色系統が割と普遍的に好まれるということは確かにそうなんですけど、比率に関して2色を出したときの組み合わせのパターンは結構文化差があったというのを、すみません、これは付け加えさせてください。
一方で和音と、特にあれか、周波数帯の話と旋律の話。
旋律は特に文化差が大きかったということ、普遍的な現象があまり見られなかったというのは、これすごい面白いんですけど、和音については周波数帯、さっきも言ったようにドイツ人は結構低い方を好むし、日本人は高い方を好む。
だけども、和音の組み合わせに関しては結構文化的なまとまりが大きかったということで、割とその5度違いでしたっけ、5度違いとかユニゾンとかオクターブが好まれるというのは共通しているよという、
この辺りもとても面白い。ある刺激に対しては文化差が小さいんだけども、ある刺激に対しては結構文化差が大きいという、この違いがこういういろんな刺激を用いた、実験刺激を用いたことによって比較できて面白いなというふうに思ったと。
しかも国も2ヶ国とか1ヶ国とかじゃなくて10ヶ国入っているので、ある程度いろんな国のパターンが比べられて面白いなというふうに思っております。いかがでしょうか。ちょっと説明難しいな。いろんなところで言いたかった。
ですよね。考察も面白くて、例えば韓国の人が3対2とか4対3とか好むって言ったじゃないですか。これが例えばスマホとかテレビもそうかな、よく見られているような長方形の形で文化的な学習ですよ、まさに。
行われている可能性があるよねっていうこととかは確かに解釈しようと思ったらできますよね。文化的な学習というのはその文化の環境の中で無意識的に学習されていくんですよ、その好みの。好みというかその好みの元になる何かかもしれないんですけど、学習されていってということがある。それは教育かもしれないですね。和音の話とかしましたけど、西洋的な音楽を習ったりとかその中でたくさん
3度とか5度違いのハモリとかを聞き慣れているとそういうものがいいなって思うようになるだろうしということとか。一方で今回はそこまでやってないと思うんですけど、アマゾンの先住民の方とか、ナイジリアの人はいたかな。ナイジリアはもうでもだいぶ都市化してるから何とも言えないところあると思うんですけど、ナイジリアの人に和音の好みを聞いたときにあんまり5度のハモリに
強烈な他の国に見られるような強烈な先行、好みが見られなかったのでそれはなかなか面白いと思うんですけど、そういった学習がなされた結果であるということが今日はすごく伝えたいことというか、面白いところだなと。
自分もこういう美しさとか好みの研究をしているし、さらに文化の違いみたいなことを研究したい身なので、まさにマッチしてる研究だなと思って紹介をさせていただきました。ややマニアックなんですけども、土曜日なんで、ゆっくりマニアックな人に聞いていただければ嬉しいなと思っております。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい1日にしていきましょう。
陣平でした。心を込めて雑談をしたいと思います。
雑談と思いきや仕事の話で、今日の論文すごいいいなと思っていて、まあいいなというか面白いなと思っていますといただいてたんですけど、
来年の5月に学会がドイツにあるんですけど、これがまさに自分がよく言っている経験美学という心理学とか神経科学、脳科学の手法を使って美しさとか芸術のことを調べましょうよという学術領域があって、
そのメインの学会があるんですけど、そこでシンポジウムを企画しているわけですよ。
いろんな企画をこれまでやってきて、自分でイベントをやったこともいっぱいありますし、日本だったらシンポジウムやったことあるんですけど、海外でシンポジウムをやったかやったんですけど、自分が手動でやるのは初めてかなっていうね、
また新しい経験をさせていただけそうだというところで、MOSSにもOKをもらったんで、今いろいろと練っているということです。
今日の論文を書いた人にも実はオファーをしたんですよ。まだ結果はというか研修がないんですけど、よかったら一緒に話したいというか、研究したいな、議論したいなというふうに思っていまして、
多分第一注釈の方は韓国の方かな、ハリン・リーさんって言うんですけど、どれくらいの世代なんだろう、自分よりはちょっと上なのかな、年齢で言うと。
でも面白い論文はたくさん書かれているので、あれもそうなんじゃないかな、調べてから喋ったらよかったんですけど、ちょっとなんだかんだで先延ばししながら調べるんですけど、
いつだったか覚えてないですが、音楽の研究の話を話したときに、しかもめちゃくちゃ大きなデータ。
フランス発祥のSpotifyを使ったデータ、Spotifyみたいなもの、Spotifyじゃないや。
Spotify、これこれこれ、やっぱりそうだ。
Podcastの番号で682回目なんで、ちょうど100回くらい前かな、の放送で、大都市に住むと色々な音楽を聴くようになるっていう、このデータ何人のデータだったかな。
しかもNature Communicationsという雑誌に載って、すごい研究者ですよ。
こういう大規模な研究もやって、しかもインパクトの雑誌にも載って、こういう方とかと一緒に企画ができたら嬉しいなと。
企画は自分でやるのか、お呼びするという感じでやりたいなと思っているところで、実際にやられるかどうかわかりませんが、色々と挑戦をしていきたいなと思っていますので、
そのあたりもまた失敗というか断られたりとか、この方だけじゃなくて何人かご招待というか、一緒にやってくれませんかということを話しているんですけど、
うまくいくかどうかわかりませんが、そういう挑戦もしておりますので、そういうことがあるんだということも知ってもらえたらすごく嬉しいなと思います。
論文を書くのとか、自分が発表するのというのはもちろん研究者としては一番メインの仕事であるんですけど、
そういう学会の企画側にもあったりとか、あとは、佐得の話はたまにしていますけど、論文が出る上で重要なプロセスとして、
自分は今もやったことがないですけど、これからの編集の仕事ももしかしたらやることが、ちょっと数年はないかな、わからない、やってみたい気持ちもありますけどね、将来的にはあり得る。
学術雑誌の編集なので、佐得がコメントをしたりとかして、自分はこの論文はこの雑誌に載るべきではないというふうにあまり強く言わないけど、
載せるにはちょっといろいろ不足していますみたいなコメントをするのが佐得なんですけど、その佐得を受けて最後に載せるかどうかを決めたりとか、
あとは修正をするかどうかというのを決めたりとかする編集のエディターさんの仕事が、これも結構研究者がやることが多くて、もちろん専門的なものなので評価するのが、
専門家がやらないということだと思うんですけど、今の段階ではそういうのも、もしかしたら学術の界隈が回っていくためには誰かがやっているわけで、いずれそういうのもやってみたいなと思います。
論文とかだけじゃない研究の話もしていきたいなと思っていますので、もちろん研究費取れたとか助成金取れたとか取れなかったとか、
そういう話ももちろんよくやってますけど、含めて聞いてもらえると嬉しいなと思っております。