1. ”心理学に触れる” 一日一語
  2. #658 アートを心の中で思い浮..
2025-05-12 13:34

#658 アートを心の中で思い浮かべる時と実際に見ている時で何が違う?(Kathofer et al., 2025)

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【本日の論文】
Kathofer, M., Lamm, C., Leder, H., & Crone, J. S. (2025). Aesthetic experiences across visual perception and mental imagery: Behaviorally indistinguishable, neurally distinct. iScience. Advance online publication. https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.112588

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サマリー

アート鑑賞に関する最近の研究は、実際の視覚体験とイメージによる経験の違いを明らかにしています。実験では、視覚芸術や顔の美しさが認識されるプロセスが、脳科学データによって異なる結果を示していることが興味深いです。アートや芸術に関連した脳の研究は進展しており、特に2004年以降には重要な論文が発表されています。このエピソードでは、データを活用した研究の重要性と関連する話題について議論されています。

心理学とアートの研究
おはようございます。心理学者のじんぺーです。 心理学の研究の話を毎日しております。
今日もまた論文を紹介していきたいと思うんですけども、 今日はですね、Voiceのウィークリーテーマがありまして、
株式会社バカンさんという正式には、株式会社バカンさんの提供でデータ活用で変わったことというテーマでハッシュタグがありましたので、
それに基づいてと言いますか、特にいつもデータの話はしているので、この実験心理学と呼ばれる分野を専攻している自分は研究しているので、
いつもデータの話をしているんですけども、今日はこのタグも借りながら心理学の評価データとあとは脳のデータですね、それを用いた面白い研究を紹介したいなというふうに思っています。
バカンさんスポンサーありがとうございます。
せっかくなので調べてみたら、防災DXを事業されている会社のようで、地震とか災害があった時に避難所の開設状況とか混雑度合いとかを可視化するような、
他にもいろんな使い方あると思うんですけど、そういう情報を扱っている会社のようで、どんどんこういうサービスが広がっていけばいいなと思って見ておりました。
今日はあまりテーマ的には関係ない話なんですけども、自分の専門領域である芸術とか美しさとか、そういった心理学のお話になります。
ぜひ聞いてもらえると嬉しいです。
まず今日紹介する論文なんですけど、本当に最近出たばかりで、5月じゃないかな、先週とかだったと思います。
自分の専門に近いので、論文を検索するサイトがいろいろあるんですけど、そこにAIのアルゴリズムだと思うんですけど、
あなたこの論文興味ありますよね、みたいなのが上がってくるんですよね。
つい数日前に出ましたみたいなのも、そういうのでキャッチできるわけなんですけども、
今日はそういうとても自分の興味に近い研究テーマになっています。
どういう研究かというと、アート鑑賞の研究なんですけど、
アートを見る、視覚芸術を見る、あとは顔ですね。
人の顔を見た時、顔も美しさを評価できると思うんですけど、
その顔を見た時に人がどう感じているかということと、
あとは直接見てなくて、目を閉じて、さっき見たアート作品とか顔とかをイメージする。
そのイメージしたところでもまた評価をしてもらうことによって、
実際に見ることと、後でイメージすることの体験にどのようさがあるのかということを、
主観的な評定と、あとはさっきも言ったように脳のデータから調べたような研究になっています。
やったこととしては、本当に大体、さっき言った通りなんですけど、
34名の方が実験に参加したと、顔の画像が20点、アート作品20点をそれぞれ見てもらうんですけど、
15秒間、まずはその画像を見ると、顔かアートかわからないですけど見る。
授業文を見たときにプレジャーといって心良さ、快楽みたいなものの度合いと美しさの度合い、
あとは感動、どれくらい感動したかということをこの3観点で評価してもらう。
その後に目を閉じて、これもまた15秒間心に思い描いてくださいというふうに教授をして、
同じように評価をしてもらう。
さらにさっき言った3項目プラスでイメージがどれくらい鮮明だったかということも評価をしてもらうというような、
そういうシンプルな研究になっていて、あとは脳の測定をするのでMRIの中で研究をするということをやっています。
実験とその結果
結果早速ですけど行きましょうかね。
これがなかなか興味深くて、まず行動のデータ、行動のデータというのは評価のデータですね。
評価のデータのベースで行くと、やっぱり想像どおりとは思うんですけど、実際に見る方が後からイメージするよりも評価が高かったということです。
例えば美しさの得点が高いとか、感動の得点が高いとかというふうになったわけです。
ただこの後も興味深くて、鮮明にイメージができた、この目を閉じて心の中で思い描いてくださいといったときに、
鮮明にイメージできた作品だけに限定するように分析をすると、この差がなくなったということですね。
実際に見るときと心で思い描いてくださいといったときのその美しさの評価が変わりなかったというようなことがすごく面白いなと思います。
この評価ベースで行くと、視覚、芸術、実際に見ているものと心に思い描く。
例えば皆さんも本物を見たことがあるか分からないんですけど、モナリザを目を閉じて思い浮かべてくださいといったときに、それを評価してください。
なかなか評価するのは難しいと思うんですけど、そのときの体験というのが実際に見るときとあまり変わらないんじゃないかということですね。
これが鮮明に思い浮かべればの話ですね。というのがまずとても興味深い点です。
一方で、脳科学的なデータを今回使っています。MRIのデータってすごく解像度が高くて、空間分解能といったりするんですけど、
よりいろんな領域を細かく見れるということですね。
ちなみにこれも若干余談になっちゃいますけど、空間分解能のほかに時間分解能というのもあって、
時間のより細かいところまで細分化して分析できるというのもあるんですけど、これは脳波がすごく強い。
脳波は時間データにとても強いみたいな特徴があるんですけど、それは別の話でいいです。
今回MRIを使っています。そうなったときにMRIで実際に見ているときと、心の中で思い浮かべているときの脳の様子を比べたときに、
さっきの行動のデータでは結構思ったより似てるんだなというところだったんですけど、
実際に脳を見てみるとこれが全然違っていたということですね。
視覚芸術を目の前にしていて、そういう鑑賞体験と目を閉じて心の中で思い浮かべるということが全く違う脳の働き、活性化具合になっていて、
これは全然違う体験だねというふうになるわけです。
だから主観評定で美しさはどれくらいですかって聞くわけですよ。自分もそういう研究いっぱいやってきましたけども、
そこの儚さといいますか、実際に脳の良さが全然違うよねというところで、
もちろん視覚評定も大事なんですよ。実際に意識ベースは思っているわけだから、
意識の全部を得点で表せられても全く思っていないですけども、
表出してくる一つの形として美しさがとても高いとかとても低いとかそういうのも大事なんですけど、
脳を見ると全然違った体験だよというところですね。
もうちょっと細かく言うと全脳の全体の画像で比べてみても違うし、
あとは報酬系ネットワークといって快楽とか感動とかを感じるときに活性化するような中心領域なんですけど、
こういったネットワークにおいてもすごく差があったということだし、
もっと細かく即座覚とか美上覚というね、これも美しさを感じるときに感じるとても重要な脳の部位なんですけど、
そこを切り取ったとしても全然違った体験をしているというところで、
やっぱりこの実際見ているのと心の中で思い描くのとでは評価はちょっと似ている。
視覚体験とイメージの違い
美しさの得点は似ているんだけども脳の働きは全然違うよという研究結果でございました。
今回データ活用でわかったことだったかな、変わったことだったかな。
これちょっと重要ですね。ちょっと待ってください。ちゃんと見ます。
変わったことですね。変わってないか。
この脳の様子を見ようとかMRIを使おうとなったのが2000年くらいなんですよ。
2000年ちょっとくらい。2002年、2003年、2004年。
アートとか芸術の文脈でいうと本当に2004年くらいにめちゃくちゃ重要な論文が出ているんですけど、
それからはだいぶ変わってますよね。
今まで主観評定とか、主観評定だけじゃなくても心拍測ったりとか目の動き測ったりとかいろんな方法はあったんですけども、
この脳のデータというのは研究領域をガラッと変えているんだろうなというのも思いますし、
今変えてますよ僕も。やっとで重い腰を上げまして、
博士課程の時に取ったMRIの中で俳句を評価してもらったんですけど、
その時のデータを今分析し直して、早く論文にしたいなと思っているところでございます。
何て言うんですか、こじつけっぽいんですけども、データ活用で変わったことということで、
僕は毎日本当に論文の話をしている時はだいたいデータの話をしています。
もちろん質的な研究とかも重要だし、そういう論文とか研究とかを体系的にまとめて、
また別の形で紹介する書籍みたいなものも重要は重要なんですけども、
自分のこのポトキャスト、ポイシーの中でいうと、そういうデータを語ることがすごく多い優位さとか、
本当に毎日のようにしゃべっているので、ぜひ興味ある方は今後も聞いていってもらえると嬉しいなと思っております。
データ活用の重要性
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
最後1分だけ雑談をさせてください。
インスタのリールを結構頑張ってまして、
昨日、フォロワーさんが300人になりまして本当にありがとうございます。
もしフォローしていただいている方がいらっしゃいましたら、まだの方はぜひフォローしていただけると嬉しいです。
概要欄に貼っておこうと思います。
結構このポイシーとかポトキャストで話していることと連動しているんですけど、論文の紹介をしています。
基本的には1分とか90秒くらいで伝えられるように頑張っています。
あとは僕のパートナーがね、尽入中とかに編集してくれてたりとかして、無理しないでともちろん言っているんですけど、
妊娠中からずっとやってくれていて、細々とですけどやっております。
ぜひインスタとかTikTokとかYouTubeでも投げているんですけど、興味ある方はフォローしていただけると嬉しいなと思います。
90秒で見れるので、そこを見てもっと詳しく聞きたいなってなったらボイシーのその回。
ちょっと日付は前後していることが多いんですけど、基本的にボイシーが先かなと思います。
インスタで研究を見たってことは、ボイシーでその話をしているっていうパターンが多いので、
逆を言うとボイシーとかポッドキャスト、毎日聞いてくださっている方がいるのであればあまり意味がないかもしれないんですけども、
人平の顔をたまに見てやってもいいかという方は、ぜひフォローいただけると嬉しいなと思います。
あと、ボイシーで話していない話もありますね。
例えば意外と伸びるのがそういう時で、例えば博士号を取得するとどうなるとか、学部と修士と博士何が違うとかね。
最近取ったのは博士家庭語のキャリアとか、海外で今研究してるけど、
そのお給料事情じゃないですけど、どういう制度を使っていってるのかとか、そういう話をしたりもしているので、
論文それ自体も興味を持ってもらえれば嬉しいなと思いますし、
それ以外の雑談的な配信もチェックしてもらえれば嬉しいなと思います。
ぜひよろしくお願いします。ちょっと宣伝みたいになってしまいましたが。
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