パラソーシャル関係の概念
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。この番組では心理学に関わる専門用語を毎日一つずつ紹介しています。論文も併せて紹介しています。
今日の一語は、パラソーシャルという言葉について紹介したいと思います。
ソーシャルとは社会的なことですが、そこにパラがつくとどうなるのかを説明するのと、
あとは今日は、ボイシーのハッシュタグでお金で買えない豊かさというのがあったので、ベルビングに関する話をしてみたいなと思っています。
パラソーシャル関係という言葉は、テレビの登場人物やYouTuberなど、自分を知らないメディア上の相手に対して一方的に親しみや絆を感じる関係性のことを指しています。
このパラソーシャル関係というのが、ベルビングにどう寄与するかを調べた心理実験を紹介したいと思います。
基本的には、ベルビングにとって友人関係であるとか、家族関係であるとか、仕事で関わる人とか、対人関係というのはとても重要な要素なわけです。
それはもう疑う余地がないというか、いろんな人が同意していただけるんじゃないかなと思いますし、そういう研究がたくさんあるんですけど、
こういったパラソーシャルな関係、実際には会わないとか、知り合いではない、だけどもこっちからは一方的に何か親しみとかを感じるみたいな、
そういう関係がどういうふうに気分を上げるのかどうかとか、孤独感を癒すのかどうかということを調べた研究になっています。
やったことは結構シンプルかなと思うんですけど、150人の方が参加しているので、比較的規模は小さいんですけど、
効果としては割と顕著なので、こういう論文にもなっているのかなと思うんですけど、
150人に対して3つの条件に分けると、1つがパラソーシャル関係を早期化する、1つが実在の親しい他者を早期化する、
3つ目がまた関係ないような課題をしてもらうという感じです。
もう少し具体的に言うと、パラソーシャル関係を扱うところでは、最も好きなメディアの登場人物、これは実在の著名人でもフィクション、アニメのキャラクターとかでもいいそうです。
について4分間記述してくださいという課題をするそうです。
初めて会った、出会った、見た時のこととか、自分との類似点とか、その時に感じる感情とかを詳しめに書くということをさせますというのがパラソーシャルの条件。
最も親しい、実際の方で言うと最も親しい人物、これは友人とか家族を意図してるんですけど、それについてまたさっきと同じように初めて会った時とか類似点とか感じる気持ちとかっていうことを書いてもらう。
もう一つのコントロールの方は計算問題とか謎々とか国の首都を想起させるみたいな社会的ではない課題をやってもらうということを4分ずつしてもらって、その前後でネガティブ感情について聞いたりとか孤独感について聞いたりとか、あとは自尊心について聞くということをしているそうです。
結果がなかなか興味深い結果だなと思うんですけど、自尊心は特に前後で関係がなかったので一回忘れてほしいんですけど、ネガティブ感情のこととあとは孤独感のことですね。
研究結果の分析
ネガティブ感情に関しては、パラソーシャル関係と実在の親しい知人のどちらにおいても同じぐらい低下したそうです。
なので気分が良くなった、ネガティブな感情が少なくなったっていうのが一つの結果になっています。
なのでここまで聞くと、パラソーシャルな関係、メディアの中の人、アニメの中の人物であっても、知人とか家族とか実在の親しい人たちであっても、
ウェルビングに寄与するのは似てるよねってなるんですけど、そこを分けるのが孤独感の指標です。
孤独感については、親しい他者を想起した時には孤独感が下がるということが起きたんですけど、パラソーシャルの想起ではそれは起きなかったというふうな結果です。
とても興味深いなと思います。
なのでまとめると、パラソーシャル関係と実際の知人を想起するときには、
想起するとネガティブ感情は優位に低下するんですけど、孤独感に関しては実際の人物でないと下がらないというのが研究結果になっておりまして、
納得できるところも多いなというふうに思います。
そういうメディアとかに出ている人を思い出すと、確かに一時的に気分は良くなるかもしれないんですけど、
それは限定的な補填というか補償の機能は果たすんですけど、実際の孤独感みたいなところまでは影響を与えない。
とても一時的な感情調整とかなのではないかというふうなことが考察されておりますので、
一時的に感情上等気分が良くなるんだったらいいっちゃいいと思うんですけど、
それが持続的なアラベルビーに影響するかと言われるとちょっと怪しい結果なのかなというふうにも思う研究でございました。
いかがでしょうか。納得?同意?どれくらいできますかね。なかなか面白いなと思いました。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
じゅんぺいでした。心を込めて。