スライス判断の紹介
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお士官です。この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。
併せて論文も紹介しています。今日の一語は、スライス判断
という言葉です。 日本語でなかなか見つからなかったので、なんとなくの訳を当ててるんですけど、英語だったら
Thin Slicing と言います。 Thin は薄いという意味の単語ですね。
ウィキペディアにもこのThin Slicingというページがあるんですけど、日本語のページはなくて、あんまり論文とかもヒットしなかったので、スライス判断と言ってもあんまり
Googleとかでは見つからない可能性があるので注意していただきたいなと思うんですけど、今日はこれについて話します。どういうことかというと
限られた短い経験、これがまさに薄いスライスのことなんですけど、限られた短い経験だけから出来事とか人の特徴
状態を正確に見抜くこと、見抜く能力のことを指す、そういう推論のことを言います。
今日は実際にこのスライス判断という言葉が出てくるわけではないんですけど、印象の話をしたいと思います。特に初対面ですね、ファーストインプレッションの論文を紹介したいと思います。
今日のボイシーのテーマがすごくいいなと思っているんですが、初対面で好印象というハッシュタグがあって、
好印象をどうやって作るかということよりは、人が第一印象の時にどういう観点から人を評価しているかということを調べた研究、
それも最新のとてもインパクトのある学術雑誌に載った論文を紹介したいと思います。
初対面の印象評価
まず第一印象の研究、これまでいろいろされてきた中で顔の研究がほとんどだったんですよね。
顔、もちろん情報量も多いだろうし、対面であれオンラインであれ、顔をまずバッと見てそこから得られる情報ってたくさんあると思うんですけど、
この顔の印象のこれまでの研究でどういうことが言われていたかというと、
2つの観点で人は第一印象の評価付けを行っているということが、いろんな研究である程度繰り返し示されてきたそうです。
1つの観点が近づきやすいかどうかという観点、この人優しそうとか信用できそうとか、
そういう社会的な安全性とか、意図の判断になっています。
よく使われる英単語で言うとkindとかfriendlyとかtrustworthyとかそういう単語になっています。
これが1つの観点。もう1つが有能さの観点。
この人は能力がありそうとか力を持ってそうとか、効率性とか地位の判断をするんだということです。
インテリジェントとか、ケイパブルとか、これも能力があるということですけど、
そういった判断をしているんじゃないかというのがこれまでの研究です。
今回はどういう先行研究にプラスをしたかというと、マルチモーダルな印象評定ですね。
顔が情報量多いと言ったんですけど、声とかその人の名前というものに焦点を当てて研究をしています。
今回は60人分の顔と声と名前のリストみたいなのを作って、
実際にその人の声も聞きながらひたすら評価してもらうということをしています。
研究が2つで1つみたいになっていて、それを紹介できたらと思うんですけど、
全体では研究が6つあるので、どれくらい紹介できるかわからないんですけど、
まず一番大きなマルチモーダル印象のところからいきたいと思います。
大体やってることと一緒なんですけど、60人分の顔、声、名前がセットになった刺激があって、それを評価してもらう。
まず1つ目の研究では、その人に対して印象を形容詞とかで書いてもらう。
4から10個の印象5を自由に入力してもらうということをしてもらいます。
そうすると大体100人くらいからそのデータを取ると、1万語くらいの言葉が出てくるわけなんですけど、
よく出てくる言葉とかを分類するということをまず1個目の研究でやっています。
今度のもうちょっと大規模な400人くらいを対象にした研究では、
その形容詞たちを、よく出てきた形容詞たちを評価として使う。
また統計解析みたいなことをして、どういう事件が現れてくるか、
どういう観点が現れてくるかということをグループ分けするということをしています。
ここで使ったのが14個の単語だそうです。
KindとかFriendlyとか、これがさっき言った自由記述の方からよく出てきた言葉たち。
Kind FriendlyとかIntelligentとかHardworkingみたいな言葉もあったみたいです。
これをどういうグループ、また60人の顔を超え名前のセットを元に、
例えばこの人はどれくらい親切に見えますかというのを、
全く親切ではないからとても親切であるみたいなのに答えるということです。
統計解析でグループ分けするとどうなるかということなんですけど、
このマルチモーダル、顔だけじゃなくて声と名前をプラスしたような情報を与えると、
この人は大体4つの観点でその人を評価しているんじゃないかという結果になったみたいです。
ここで面白いのが、さっき言った顔での評定と重なっていた部分があると。
近づきやすさと有能さの評価をしているという2つの観点を顔の研究で言ったんですけど、
声と名前の影響
それがまず2つとも出ます。
近づきやすさ、KindとかFriendlyとかという単語がここに含まれている。
有能さでいうとIntelligentとかHardworkingとかというのが出てくる。
というところまでは一緒なんですけど、そこにプラスで自信という軸、ConfidentとかShyとかそういった軸が出てくる。
Shyはマイナスですよね。マイナスの方の自信という意味ですけど、そういう軸もあると。
あとは気取っているという風な評価も出てくる。
ポッシュというのはエレガント的な、ちょっとこう難しいですね。
エレガント的な感じでいいかなと思いますね。
英語を詳しい人は突っ込んでください。
あとはアノイングとかね、イライラさせるみたいな感じのも出てくるそうなので、
声とか名前というのも入ってくるとこういう情報も増えてくる。
観点が増えるというところがすごく面白いなと思います。
おそらく顔だけで第一印象を形成する。
あるか。何があるんだろう。
その人のSNSページだけ見て、顔を使っている人はいないかもしれないんですけど、
顔だけじゃないか、名前も一緒か、SNSだったら。
ちょっと難しいですけど。
という研究になっています。
もう一回言うと、近づきやすさと有能さ、自信、気取っているかどうかという、
この4軸で人は第一印象を評価するということだそうです。
あと2つ大きなまとまりで研究していて、
それが声だけでやるパターンと名前だけでやるパターン。
すごいですよね。名前だけで人はどういう評価をするんだということでやっているみたいなんですけど、
ざっくり大まかな結果を言うと、ちょっとだけその観点は違ったんですけど、
その違った中でも、最初顔の話でやっていた2つの軸は、
おおよそ同じ感じで出てきたということです。
そこにプラスで3グループになったりとか4グループになったりということはあるんですけど、
2つの軸。これだけ覚えていったらいいか。
近づきやすさと有能さ。
この2つの軸で人は第一印象を形成しやすいと。
声だけの第一印象ありますよね。ボーイシーとかポッドキャストそうだろうし、電話とか。
そういった声の第一印象であっても、
声はちなみに3観点で近づきやすさ、有能さ、あとは自信ですね。
そういった軸みたいですが、大体似てますよね。
ということなので、意識するの難しいと思いますが、
もし今日は新しく初めましてをする人がいるのであれば、
この研究を意識しすぎずに、その人に会ってもらうほうがいいんですよね。
会ってもらって、後から帰りに見たときに、
確かにあの人のことをこういうふうな評価をパッと。
今日の一語ですよ。Thin slicingです。
本当に薄いスライスだけで、その人の判断、
Egotistic First Impressionを評価していて、
スライス判断の論文、元の論文とかでいうと、
薄いスライスであっても、あらがち間違ってないよということを言ってた論文だったりするんですよね。
それの再現性とかよく分かってないので、
それはまた別で紹介したいと思うんですけど、
第一印象の話というのはとても面白いなと思いますので、
今回はどうやったら第一印象を良くするかみたいなことまでは言ってないんですけど、
自分の初めましての時を振り返ってもらえると、
結構面白いんじゃないかなと思って紹介をさせていただきました。
参考になると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
Jinpeiでした。心を込めて。