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#971 共感と思いやりの違い
2026-06-09 12:10

#971 共感と思いやりの違い

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【本日の論文】
Yaden, D. B., Giorgi, S., Jordan, M., Buffone, A., Eichstaedt, J. C., Schwartz, H. A., Ungar, L., & Bloom, P. (2023). Characterizing empathy and compassion using computational linguistic analysis. Emotion, 23(1), 126–136. https://doi.org/10.1037/emo0001205

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サマリー

本エピソードでは、共感と思いやりの違いについて、SNSの投稿データを用いた言語分析研究を紹介します。共感は一人称的で否定的な言葉が多く、自己に焦点が当たる傾向があるのに対し、思いやりは他者に焦点が当たり、肯定的で宗教的な言葉が多いという結果が示されました。この違いは、共感が他者の苦痛を自己のものとして取り込むプロセスであるのに対し、思いやりは他者への配慮を保ちつつ苦痛を自己のものとしないプロセスであるという解釈に基づいています。

はじめに:共感と思いやりの違いを探る
おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。 この番組では心理学の研究のお話とか、心理学者の研究生活のお話とかをしています。
昨日は対談をお送りしまして、高山よかりさんとお話ししたアーカイブが上がってますので、窓の方はぜひそちらを聞いていただけるとすごく嬉しいです。
日本語の美しさというテーマで前後半話して、とても楽しかったですね。好きなテーマで言葉とか、あまり普段は考えてはいないんですけど、こういうふうに問いをいただくと、
結構自分の中で好きな言葉とか、好きな音の響きとかっていろいろあるなというふうに考えさせられました。ぜひそちらを聞いてもらえると嬉しいです。
今日からまた論文とか紹介していけたらと思っています。 今日の論文は共感の話をしたいと思います。
あとは思いやりかコンパッション、思いやりの違いみたいなことを調べた研究を紹介してみたいと思います。
まず、共感とコンパッション、思いやりと言いましょうかね。コンパッションというと少しややこしい、慈悲と言ったりもしますけど、だいぶ似たようなふうに思うんですけど、
これが共通点、重なっている部分を統計的に取り除く、一緒に分析に入れるとそれぞれの重なっている部分じゃないところが浮き出てくるというイメージをしてもらったらいいんですけど、
差分みたいなところがどんなところにあるかということを調べた研究になっています。
共感と思いやりの定義と研究手法
共感とコンパッション、思いやり、簡単にどんなことかというと、共感、まずは共感、皆さんがよく使うと思うのであまり説明はいらないと思うんですけど、
心理学の中では相手の感情を自分の中に移しとって同じように感じることを言います。
思いやりの方は、相手の苦しみに気づいてそれを和らげたいと願う、行動に向かうような心の動きであるというふうにまとめることができるかなと思います。
これらを分離したいときに注目したのが、Facebookの投稿、別にFacebookじゃなくてもいいんですけど、SNSの投稿です。
今回の研究には2700人くらいの人が参加しているんですけど、2700人の人がFacebookのデータを研究に差し出すという手続きになっていまして、
平均で400投稿とか言ってたかな、中には何千とか投稿している人もいるだろうし、何十というぐらいしかしていない人もいるかもしれないんですけど、ある一定数の投稿数の人だけを意味したのかな、
Facebookのデータを渡す、どんなふうにしたか詳しいところは分からないですけど、見れるようにする。
かつ、その2700人がよくある心理学の質問詞に答えるという研究でしたから、その質問詞が共感の質問詞と思いやりの質問詞に分かれている。
共感を感じやすいかどうかということと思いやりを感じやすいかどうかということを調べる質問詞と投稿ですね、Facebookの。
そんな研究のたてつきになってまして、Facebookの投稿はどういうふうに分析するかというと、これは単語とかのレベルで、なんかね辞書みたいなのがあるんですよ。
例えば不安っていうカテゴリーの中には数十とか数百ぐらいの単語が入っていて、それがどれぐらい使われているかによって、この人は今不安を感じているっていう言い方よりも不安のカテゴリーに属する単語をたくさん使っている、ワードをたくさん使っているっていう、そういう調べ方ができるわけです。
なので、思いやりの高い人、共感の高い人がどんな言葉を使っていたかというのを共通点は取り除いた、共通する効果を取り除いた上で、それぞれの共感、思いやりにどんな言葉が残ったかということがここでの焦点になっています。
ちょっとややこしいかもしれないですけど、結果だけ覚えて帰ってください。
研究結果:共感と言葉遣いの特徴
結果が結構面白くて議論に値するなというふうに思っているんですけど、まず共感の方ですね。
共感の言葉をよく使う人というのは、一人称的な言葉がまず多かったです。一人称、愛という言葉がよく使われていた。
あとは現在時勢が多かった。それと悲しみの言葉が多かった。あとは認知的な言葉が多かったりとか、福祉を使うことが多かったみたいな結果になったそうです。
さらにもうちょっと詳しく見てみると、自己言及、meとかmyとかっていうのも多かったし、否定感情、hateとかも多かった。
それから身体の不調に関する言葉、頭痛とか胃痛とかね、痛むとかもそういう言葉が多かったり、無感覚、疲れたとかね、無気力みたいな言葉もあったりとか、不機嫌に関する言葉も多かったっていう結果だったそうです。
結構ネガティブ掃除でみるというのが共感。思いやりというのが思いやりの方に特別なというか、そっちに特徴的な言葉というのが結構逆ですね。
研究結果:思いやりと言葉遣いの特徴
さっきの逆で肯定的な感情語が多かったりとか、youとかweとかtheyとかそんなのが多かったりとか、宗教に関する言葉が多い。godとかprayとか祈るとかね。
あとは家族に関する言葉が多い。祈りと感謝に関する言葉が多かったりとか、愛情ケア、レジリエンスに関する言葉が多かったり、楽観的な言葉が多かったりするっていう結果になったそうです。
なので割とクリアに分かれている。もちろん似たようなところもたくさんあるはずなんですよ。それら今回は打ち消した状態でそれぞれの特徴的な方を見ると、共感というのはやや自己焦点的であり否定的であり、今に注目しているような感じ。
思いやりというのは他者に焦点が立っている、肯定的な言葉が多い、そして宗教的な言葉が多いみたいな結果になったというのがとても面白いなというふうに思います。
共感と思いやりの違いの解釈
なんでこういうことになったかというのを簡単にお話しできたらと思うんですけど、論文の中で論じられていることとしては、共感というのは他者の苦痛を自分のものとして取り込んでしまう、自己焦点的なプロセスとして定義されるということです。
他人が苦しんでいると、その悲しみが自分に移るような感じになってしまう。それで苦しくなるというのが共感の中に内包されているような考え方なので、今回のようなちょっとネガティブっぽいし、自己に焦点が当たりすぎているような結果になったそうです。
愛という言葉、私という言葉が多い人って鬱の傾向が強いという研究もあるみたいです。それはそれで面白いなと思うんですけど、自分にどんどん焦点が当たっていくような感じだそうです。
これに対して思いやりというのは、相手を気にかけるんだけども、その苦痛を自分のものにはしない、あくまで他者に焦点が当たっているようなプロセスであると解釈されています。
だから温かさとか関心みたいな肯定的な感情とかを保てている。
今日はちょっと割愛をしちゃったんですけど、健康とか後社会的な行動、アウトカムも割とポジティブであると思いやりというのは。
そういった結果もあったようで、なかなか明暗が分かれたなというふうに思うんですけども、そういう考察も確かに独感があるなというふうに思います。
個人的な見解と今後の展望
教官と思いやりみたいな話、個人的にもすごく興味があるし、大学院の時に実は研究室で教官の研究をされていた先輩とかもいたりして、思いやりの研究は後輩がしていたかコンパッションの研究をしている後輩がいますというか、まだいるのか彼はみたいな感じで、
どっちもすごく馴染みのあるトピックなので、こういうふうに並べられると似たような感じだよねと、どっちもいい感じだねというふうに思っている部分もあったんですけど、そうとも限らないなという感想をいただいています。
一方で、コンパッション、思いやりというのは、fear of compassionという概念があって、コンパッションを感じられない、慈悲を感じられない自分に恐怖を感じたりとか、嫌になってしまうみたいな概念とか研究もあったりして、なかなか一筋ないかないなと、どの概念もね、ダークサイドがあるというふうには結構思えますかね。
どういうポジティブだなと思うことにあっても、それはたびたび心理学をやっていて感じることかなと思います。余談でした。
今週も論文をこれからいろいろと紹介していきますので、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。
改めてのシェアですけれども、心と暮らしの諸法線という企画をやっておりまして、概要欄の方にお便りをお寄せいただくリンクがありますので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。
最近悩んでいることとか、ちょっとうまくいかないなと思うこととか投げていただけると、それに心理学者とか、これまでの研究をどういうふうに答えられるのかということに挑戦しています。
そういう論文というか研究を処方するみたいなイメージでそういう企画をやっておりますので、ぜひ覗いていただけると嬉しいです。もちろん匿名で大丈夫です。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい一日にしていきましょう。
陣平でした。心を込めて。
12:10

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