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#972 最新版「レジリエンス」の捉え方
2026-06-10 12:43

#972 最新版「レジリエンス」の捉え方

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【本日の論文】
Cheung, Y. C. H., Kang, M. Y., & Wong, D. F. K. (2026). “Which resilience factors are the most effective for which outcomes?” A systematic review and meta-analysis of multisystemic resilience of children with ADHD. European Child & Adolescent Psychiatry. https://doi.org/10.1007/s00787-025-02947-8

【過去のレジリエンス関連放送】
#808【レジリエンス】喜びを感じ取る力、効力感、所属感、社会支援:レジリエンスを押し上げる4つの盾 (Jopling et al., 2025)
https://r.voicy.jp/Gw9rArj1mj3

最近よく聞く「レジリエンス」ってなに?
https://r.voicy.jp/6MmOzRPGKEG

「レジリエンス」には2種類ある (平野, 2010)
https://r.voicy.jp/jpVEORaPmJ6

レジリエンスを高めるには?(Wu et al., 2013)
https://r.voicy.jp/4p9qeEn89lb

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おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究のお話や、心理学者の研究生活のお話をしています。 今日も心理学の論文の紹介をしていきたいと思います。
今日のテーマは、レジリエンスになります。
今年出た論文で、レジリエンスの最新知見と言いますか、日々考え方が変わっていってるんだろうな、というレジリエンスの専門家ではないですけど、私は。
でも、いくつかこのポッドキャストでも紹介させていただいて、いろんな角度からレジリエンスというものが考えられるなというのを改めて感じた論文になります。
一緒に勉強していただければ嬉しいです。
今日の論文は、ヨーロピアンチャイルドアンドアドレセント再開アトリという雑誌になってますね。
あまり詳しくはないんですけど、ちょっと調べてみるか。
インパクトファクターという雑誌のインパクトを測る仕様があるんですけど、
これで大体どんなものかなというのがわかると、4.9ですね。
この分野では高い方かなと。レビューの論文も多いのかな。
結構高い雑誌だなと思います。
レビュー論文だとメタ分析をやっているんですけど、伝えたいメッセージは、まずはレジリエンスが何なのかという話で、
ここで出てくるレジリエンスの要因みたいなものを一緒に見ていけたらと思っています。
この論文では2つのレベルに分かれていて、計10個のレジリエンス要因が特定されたということのようです。
まず2つのレベルからいきましょうかね。2つのレベルというのは個人内要因、自分の中ですね。
個人内の要因です、そのままだね。もう一つが対人関係とか環境要因みたいな
要因になっています。この2つが分かれていて、まず大きく。 個人内要因には6つ含まれていて、
対人関係環境要因には4つ含まれているということのようです。 個人内要因の6ついます。
まずは認知的機能、これにはワーキングメモリーとか知能というのが含まれます。 感情調節、
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3つ目学業スキル、4つ目社会的スキル、 5つ目積極的な態度及び行動、
6つ目公社会的な行動という6つです。 対人関係の方は4つありまして、1つ目肯定的な子育てと愛着、
2つ目親の支援、これは例えば親の希望、親が希望を持っているかとかね、社会的には能力があるかどうかみたいなこと。
3つ目が友人関係、4つ目がその他の支援ネットワークというところで、
コミュニティの支援とかね、そういうのが含まれている。 これらが対人関係環境要因に入っています。
いかがでしょうか、まずここまで聞いてみて。 自分としては結構驚きというか、
意外だなと思うところもありました。 特に一番最初に言った認知機能とかね、ワーキングメモリー、知能とか、
学業スキルとか、そういったものもここではレジリエンスに含まれている。 レジリエンスというのはすごく大きく捉えている
論文だなと思うし、考え方だなと思うわけです。 確かに認知機能とか
学業成績とかね、そういうものは 遠いようにも思うんですけど、
例えば、
ワーキングメモリーが高いと適応を助けるわけですよね、いろんな場面で。 勉強とかテストとかももちろんそうだろうし、そうじゃなくても
アルバイトしたりとかしたときにワーキングメモリーがあるってことは、その場に適応したりとか、
しんどくなっても復活しやすいとか、めげないとか、次にいけるみたいなのは確かにこういう知能とか
ワーキングメモリーみたいなのもすごく重要だなというのを感じるので、確かにレジリエンスの一つに含めていても
それほど変じゃないなというふうにも思います。 これがまず一つ面白い点ですね、この論文の。
広く捉えているし、学業成績とかね。 校舎の子育てとか愛着とか
コミュニティの支援とか、そういったものは結構レジリエンスでよく出てくる話かなと思うので、 あとは前者の方でいうと社会的スキルとか感情調節とかね、この辺はよく出てくる
かなと思うんですけど。
面白い新しい発見もあったなと思います。 そうだった、言うの忘れてた。今回のこの研究はADHDの子どもだけを対象にしたメタ分析です。
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メタ分析というのは研究をいくつか、これまでやってきた研究をガッとまとめて、もう一回分析してみるという、
研究の中ではとても信頼性の高い方法なんですけど、 今回のこの論文はですね、ADHDの子どもを対象にした研究が詰まっていて、28個の研究が含まれている。
合計11,622人が含まれています。 この中にはね、ほとんどがADHDの、マジョリティはADHDの子どもらしいんですけど、
中には、研究の中にはADHDの子と低級発達の子を比較した研究もあって、そういった子も含まれているということのようですが、ADHDの子を対象にした。
ADHDの子どもというのはどちらかというと、レジリエンスを発揮しにくいというふうな根本の考え、前提があって、こういうADHDの子どもがどういった支援とか教育、環境があれば
強く生きられるというとちょっと違う気がするけど、しなやかに
生きていけるのかということが問題意識としてあるんだと思います。 そういう前提があった上で、今回の研究はそのレジリエンスが10個の要因に分かれているよというのが一つのメッセージで、
もう一つが、アウトカムが10個の要因によって結構違っているよということを言いたいということです。
どういうことかというと、当然と言っていきますが、
ワーキングメモリーとか学業スキル、知能というさっき言ったレジリエンスの要因というのは、特に教育的な成果にポジティブに効くという
メタ分析の結果が出ました。 強力な要因であると。当たり前は当たり前ですよね。知能が高いと学業成績もいいし、
ワーキングメモリーが高いと学業成績が高いと言うことがあります。
一方で、 人間関係が改善するというものについて何が効くかというと、
公社会的行動という個人内の要因と、あとは友人関係とか友情という対人関係というのが特に効くという、
これも当たり前な気がするけども、一つ面白い大事な結果だと思います。
なので、レジリエンス10個の中で学業に効く要因もあれば、人間関係の改善に効く。人間関係でくじけるというパターンもすごく多いと思うので、
ADHDの子ども。ADHDの子どもだけに限ったことでもないんですけど、そういう何か困難があった時に乗り越えたりとか、
その場をしなやかに対処するという点では、やっぱりそれぞれに合うレジリエンスの要因があるんだということを、
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この論文では強い結果とともに示しているというのが伝えたいメッセージなのかなというふうに思いました。
ちなみに幸福感という結構抽象的なものについては、
親の資源と本人の積極的な態度とか行動が関連していた。
ともなかこれ強い関係ではないんですけど、親もすごい大事なんだなというのをここでも感じますかね。
メンタルヘルスについても一応言っておきますか。いろんな結果が出てるんですけど、メンタルヘルスについては感情調節ですね。
本人の感情調節のレジリエンス要因が不安とか抑鬱を抑制したりとか、
あとは攻撃性を抑制したりするという結果が出たりとか、
あとは大人からの人気というのも面白いですね。大人からの人気という対人要因とか、
地域などの支援ネットワークという対人要因というのも問題行動とか精神的な苦痛を減らすというふうに結果が出たそうです。
まとめると10個の要因がありました。いろんなアウト感も学業成績もそうだし、人間関係とかメンタルヘルス、
ウェルビング、いろいろあるけども効くのはそのレジリエンスの中の10個の要因の中で様々な効き方に違いがあるということ。
だからレジリエンスを高めてウェルビングを高めましょうとか、レジリエンスを高めるといいことがあるよというすごい抽象的な言い方じゃなくて、
レジリエンスの中のこれがアウト感の何に効くかというそこの区別をより解像度を上げて知っていくのが大事なんだろうというふうなことがメッセージとしてあると思いますし、
教育とかね、子育て保育とか、そのまま活かせそうな論文だなというふうにも思います。
ADHDの子供がいて、もしこの子はどこでつまずいているかとかどこで困難を感じやすいかということを見定めるのは難しいんですけど見定めて、
そうするとそれに効くであろうレジリエンス要因を特定しやすいという、そういう考え方にスイッチできるのがすごくいいところだなというふうに思って読んでました。
こういうパワフルな研究で社会がどんどん良くなっていけばいいなと思いますし、多くの人にこういう素晴らしい研究を知ってもらえたらいいなと思います。
レジリエンスの話は過去にもいっぱいしていて、覚えていたら概要欄にも過去の放送いくつかあっておこうと思うので聞いてみてください。
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それぞれの研究者とか、その時々で考え方とか定義とかが違うんですけど、別に新しいからといってこれが一番いいというわけでもないので、今日の論文は新しいですけど、
その都度その都度で定義があったりするというのはある種しょうがない部分もあるし、どれが一番正解みたいなことはないので、それを前提に聞いていただけたら嬉しいなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい一日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
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