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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。今日は、少し身構えるテーマだと伺いました。
この番組では、国内外の教育の話題を、現場の目線で一つずつ取り上げています。
今日は、若い世代の読書についてです。 The Conversationの8月4日の記事で、アメリカの研究者が書いています。
読書の話は、この番組でも前に取り上げました。 読む力と書く力の土台を考えた回です。
今日は、その角度を変えます。 若者が本を読まなくなった、という語られ方そのものを疑う記事です。
疑う、ですか。データは出ているのではないでしょうか。
書いたのは、若い世代がどうやって本と出会い、 どう読んでいるかを調べている研究者です。
自分たちの調査では、逆の結果が出ていると言っています。
逆というのは、増えているということですか。
2025年のデータで、自分は読書する人だと答えた若者が66%です。 2022年から14ポイント増えています。
減っていると思っていました。紙の本はどうなのでしょうか。
過去1年に紙の本を1冊以上読んだ人が65%です。 こちらも2022年の59%から増えています。
しかも、この世代が一番好む形式は紙の本です。
意外です。スマートフォンで育った世代なのに、なぜ紙なんでしょうか。
記事は、デジタルから一旦離れたい気持ちを挙げています。 紙の本は通知がなりません。読んだ記録を追跡もしません。
あ、それはわかる気がします。 集中したいときは私も紙にします。
写真に撮って投稿すると見栄えがしますし、貸したり送ったりもできます。 古本には前に読んだ人の跡が残っています。
記事は、インターネットがなかった時代よりも、むしろ紙の本の魅力が増しているのではないか、とまで書いています。
デジタルがあるから紙が特別になった、ということですか。
面白い見方です。図書館と書店の数字も出ています。 2025年は2022年より、どちらも訪れた人が増えました。
本屋さんは減っていると聞きます。
アメリカでは、独立系の書店がこの5年で70%増えました。 大手の書店も、2026年に60店舗の新規出店を予定しているそうです。
思っていたのと、まるで逆です。
私が一番驚いたのは、図書館の司書に関する数字です。 司書に勧めてもらって本を見つけた、と答えた若者が36%います。 2022年は15%でした。
2倍以上ですか。アプリのおすすめ機能ではなく、人に勧められて、というのが不思議です。
孤独の話と繋がっています。調査では85%が、家の外にくつろげる場所が欲しいと答えました。 そして、図書館に行かない人の方が、孤独感の指標が高かったそうです。
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本を借りるために通っているというより、居場所として通っている面がありそうです。
学校の図書室を考える上でも、ここは大事なところだと思います。
では、読書離れというデータの方が間違っているのでしょうか。
記事は、測り方の話をしています。よく惹かれるのは、アメリカの生活時間調査です。
1日の行動を記録してもらう方式で、読書には紙の本や雑誌、電子書籍、朗読が含まれます。
それだけあれば十分な気もしますが、足りないのでしょうか。
この世代の読み方が入っていません。
彼らは一冊の本も、紙と電子と朗読を行き来しながら読みます。
ウェブの投稿小説や漫画のプラットフォームでも読んでいます。
読んだ感想をネットに書くのも、読書のうちには入っていないんですね。
入っていません。記事は、そうした行動が調査でほとんど扱われていないと指摘しています。
数えていないものは、ゼロとして出てしまうということですか。
まさにそこです。記事が批判している論調がもう一点あります。
アメリカはもう読み書きの社会ではなくなったと主張する雑誌の記事です。
かなり強い主張です。
根拠として挙げられていたのが、19世紀の小説の冒頭を学生が読み解けなかったという研究でした。
それは確かに読めないと困る気もします。
ここで記事は公開します。それは読解のうちの非常に特殊な一つの形にすぎません。
読み書きの力には、様々な文章や映像、場面の中で意味を読み取り、評価し、作り出す力まで含まれます。
難しい小説が読めない、イコール読む力がない、ではないということですか。
一つの物差しで測って、その物差しで下がったから全体が下がったと言い切るのは早すぎるという主張です。
私は正直、今の話を聞くまで読書離れは事実だと思い込んでいました。
私も、この記事を読むまでは同じ側にいました。教室で使えそうな話がまだあります。
この世代にとって、読書が一人の行為ではなくなっていることです。
どういうことでしょうか。
黙ってそれぞれの本を読むだけの集まりが人気だそうです。
好きな本の登場人物の格好をして集まる催しもあります。
印象に残った一節を写真にして投稿する流行もあります。
読んだ後に誰かと繋がりたいということですね。
読書感想文が苦手な子は多いですが、好きな一行を紹介するなら手が動く子がいます。
読んだかどうかより、読んだ後をどう作るかです。
掲示数を競わせるのとは全く別の設計です。
さやかさん、今日の話で一番引っかかったのはどこでしたか。
数えていないものはゼロになるというところです。
私は実習で朝読書の時間に何ページ進んだかを記録していました。
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あの記録に入らない読書はたくさんあったんだと思います。
測り方は子供の姿を映す鏡でもあり、見えなくする壁でもあります。
読書離れという言葉を使う前に、自分は何を数えていたのかを確かめたいところです。
教育カセテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
よかったら身近な子がどんな読み方をしているか聞いてみてください。
またお付き合いいただけたら嬉しいです。