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ごほうびをやめたら子どもは動き出す?
2026-08-19 06:52

ごほうびをやめたら子どもは動き出す?

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子どもの内側から出てくる意欲をどう引き出すかを取り上げます。デシとライアンの自己決定理論が挙げる自律性、有能感、関係性という3つの欲求。報酬を与えたら意欲が下がったハーロウのサルの実験と、そこから体系化されたアンダーマイニング効果。そして、目標を自分で選ばせる、過程を評価する、係活動を複数人にするといった、学級で試せる手だてを紹介します。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。今日もよろしくお願いします。
この番組では、国内外の教育の話題を、身近な目線で一緒に考えています。
今日は、子どものやる気の話です。
やる気は、教育実習で一番悩んだところです。どうすれば動いてくれるのか、最後までわかりませんでした。
みんなの教育技術の8月7日の記事です。
埼玉県東松山市の教育委員会で、教育長職務代理者を務める稲垣孝明先生が、内発的動機づけについて書かれています。
内発的動機づけというのは、内側から出てくるやる気ということでしょうか?
はい。外からの報酬や強制ではなく、その人の中から生まれる興味や好奇心、意欲や達成感が原動力になっている状態です。
反対が、ご褒美やシールで動かすやり方ですか?
それが外からの動機づけです。記事はそちらも否定はしていません。特定の行動を早く促すには効きます。
ただ、外からの刺激がなくなったり、慣れてきたりすると意欲が落ちやすいと書かれています。
シールがもらえなくなった瞬間にパタッと止まる感じですね。
この分野の土台になっているのが、弟子とライアンという2人の社会心理学者が提唱した自己決定理論です。
3つの欲求が満たされると、内側からのやる気が高まるとされています。
3つ教えてください。
1つ目が自立性です。自分で行動を選んで決めているという感覚を指します。
2つ目が有能感で、自分の力を発揮して課題を達成し、成長していると感じられることです。
あと1つは何でしょうか。
関係性です。周りの人と良い関係を築いて、集団の一員として信頼しあえている感覚のことです。
やる気の話なのに、人との繋がりが生えているのが意外です。
ここが大事なところです。やる気は、その子の性格の問題ではなく、置かれている状況の問題として扱われています。
状況を変えれば、やる気も変わるということですか。
そういう見方になります。記事には、この考え方の出発点になった実験も紹介されています。
心理学者のハーローが、猿に知恵の輪のようなパズルを解かせた実験です。
猿がパズルを解くんですか。
解きます。しかも、何ももらえなくても解きます。
そこでハーローは、パズルを解いた猿にレーズンを与えてみました。
ご褒美をあげたら、もっと解きそうです。
逆でした。成績は落ち、ミスが増え、解く回数まで減りました。
なぜでしょうか。おかしくないですか。
もともと持っていたパズルを解くこと自体の楽しさが、報酬によって邪魔されたと考えられています。
この現象は、後に弟子たちによってアンダーマイニング効果として体系化されました。
03:05
好きでやっていたことに報酬をつけると好きが弱くなるということですか。
わかりやすいのは、絵を描くのが好きな子です。
描くたびにシールをあげ続けると、シールがない日には描かなくなることがあります。
思い当たります。家庭教師をしていた子で、テストの点でお小遣いをもらっていた子がいました。
点が上がらない時期に勉強そのものをやめてしまいました。
報酬が理由になっていると、報酬が得られないときに理由ごとなくなります。
では、内側からのやる気をどう引き出すのか。
記事は先ほどの3つの欲求に沿って手立てを挙げています。
自立性からでしょうか。
はい。子供自身が選んで決める場面を作ることです。
年度もはじめに立てる個人目標、自分の現状を見つめた上で、自分で選んで決められるようにします。
目標を先生が決めてしまうことは結構ありそうです。
総合的な学習の時間の課題設定でも、いくつかの候補の中から自分が取り組みたいものを選べるようにします。
そして、教師が指示を出す場面そのものを減らしていきます。
指示を減らすのは勇気が要ります。学級が回らなくなりそうで怖いです。
正直な感覚だと思います。だから全部を一度に手放す必要はありません。
今日はここだけ選ばせると決めた場面から始めれば十分です。
二つ目の有能感はどうすればいいのでしょうか。
小さな階段を用意して達成できる経験を積ませることです。
個人目標を立てるときに達成できる水準になるよう教師が手を貸します。
そして達成できたら機会を捉えて褒めます。
褒めるところまでやっていました。ただできた子だけを褒める形になっていた気がします。
記事もそこに注意を促しています。
結果としての成功だけを見ると子どもは自分の能力の限界を感じることがあります。
だから家庭にも目を向けて努力が報われたと感じられる評価をします。
褒める中身を結果から家庭に移すということですね。
三つ目の関係性は学級経営そのものです。記事の提案が具体的で面白いところです。
日職を一人ではなくできるだけ二人以上で担当させます。
一人一役ではないんですか?責任が曖昧になりませんか?
係り活動も3人以上の集団で回すことを進めています。
狙いは誰かと関わらざるを得ない場面を意図的に作ることです。
責任の明確さより関わりの量を優先しています。
確かに一人一役だと誰とも話さないまま1年が終わる子が出そうです。
学級会の話し合いでも自分の意見を通すのではなく、
自分も良くてみんなも良いという合意の形を目指します。
さらに同じ学年だけでなく年齢の違うことの交流も意図的に組み込みます。
全部特別なことをしていないのが逆に驚きです。日職と係りと学級会です。
06:04
普段からある活動の設計を少し変えているだけです。
ご褒美を増やすよりはるかに手間がかかりません。
私、やる気を出させる方法を探していました。
でも今日の話はやる気が出る状況をどう作るかという話でした。
主語が子供から場面に変わった感じがします。
出させるものではなく出てくるものだという前提に立てるかどうかです。
選ばせる、家庭を見る、関わりを作る、この3つだけでも教室の空気は変わります。
教育カセテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
次回もまた明日の教室で試せる話をお届けできたら嬉しいです。
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