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予測変換で漢字が書けない?読む力と書く力の土台
2026-08-07 07:53

予測変換で漢字が書けない?読む力と書く力の土台

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読む力と書く力を、訓練の量ではなく土台の側から考えます。学校が測っていない指標として読書が好きかどうかを挙げるアメリカの学区の取り組み、手書きの流暢さが作文の質を左右するという指摘、そして予測変換に慣れた日本の小中学生に起きている書く力の変化を取り上げます。手を動かす時間と、好きという感情の置きどころを見直します。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野大治です。
アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、国内外の教育の話題を一つずつ取り上げています。
今日は、読む力と書く力がテーマだと伺いました。 そうです。紗友香さん、以前この番組で、長い物語に没頭する力が失われつつある、という話をしました。
覚えています。スクリーンの普及と忙しさで、読み続ける力が育ちにくくなっているという回でした。
今日はその先です。読む力と書く力を支えている土台の方を見ていきます。 まず、eスクールニュースの7月31日の記事です。
ニューヨーク州のフランクリンスクエア学区の管理職、ブルーム博士が、学校が測っていない大事な指標がある、と指摘しています。
測っていない指標ですか?何でしょう?
子供が読書を好きかどうか、です。
確かに、テストの定数にはなりません。でも、それは測れるものなんでしょうか?
そこが面白いところです。この学区の先生たちは、それまで使っていた読書の教材について、文章が冗長で機械的で、文脈から外れていて、若い読み手をくじけさせていた、と感じていました。
読ませるための教材で、読書嫌いを作っていたということですか?
しかも評価は1年に数回だけで、州の基準と比べることに重点が置かれていました。日々の伸びは、そこには移りません。
1年に数回では、今日この子がどうだったかはわからないですね。
そこで導入したのが、音声認識を使ったAIの学習ツールです。
アミララーニングという名前で、週に20分から25分、子供が声に出して読む練習をします。その場で直してくれて、励ましてくれて、読み取りを深める問いも出してくれます。
音読の相手をしてくれるということですね。人手が足りないところに、うまく入っています。
組織の面でも工夫がありました。上から下ろすのではなく、先生の意見を取り入れた設計にしています。
週や学区の基準は必ず守るけれど、どう実現するかは先生に任せるという形です。
成果は出ているんですか?
1年生は年度の初めに学年相当以上だった子が35%で、年度の中頃には45%になりました。
4年生は4ヶ月で21%から47%です。手厚い支援が必要な子は20%から7%に減りました。
4年生の伸び方がすごいです。ただAIに任せきりにならないんでしょうか?
学区が強調しているのは逆のことです。技術が先生の専門性を増幅するとき、子供の画面の時間はむしろ減って、一番大事な人から学ぶ時間が増えるという言い方をしています。
一番大事な人というのは先生のことですね。
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そう読めます。さて、ここからは各力の方に移ります。
同じeスクールニュースの7月28日の記事で、手書き指導を専門にする専門家が書いています。
まさにその現状から始まります。多くの子供は画面は操作できるけれど、鉛筆を心地よく持てず、文字を滑らかに書けないという指摘です。
感染症が広がった時期に画面の時間が一気に増えて、手先の細かい動きや体全体の動きの発達が追いついていない子がいるそうです。
それが作文とどう繋がるんでしょうか?
ここが今日の一番大事なところです。
手書きが苦しい子は文字の形を作ることに体の力を使ってしまうので、書く中身の方に頭を使えません。
あ、そうか。字を書くこと自体で手一杯になるんですね。
肩の安定や姿勢、体幹の強さも関わります。逆に手書きが自動化してくると、すずりや文の組み立て、考えを生み出すことに集中できるようになります。
文字が勝手に出てくる状態になれば、頭は別のことに使えるということですね。
やり方も具体的でした。15分ほども短い指導を途切れずに続ける。教師がやってみせて、一緒にやって、最後に自分でやる。この順番です。
理科や社会など、他の教科の中にも書く場面を混ぜていきます。
日本の学校でも同じことは起きているんでしょうか。
起きています。ライブドアニュースの7月29日の記事で、大手の学習塾の講師陣が話しています。
まず、学校の宿題が明らかに減ったこと、特に漢字練習帳やドリルのような反復の宿題が減って、基礎ができることできない子の差が激しくなっている、という見方です。
反復の減った分、家でやるかどうかで差ばつくということですか。
それに加えて、スマートフォンの予測変換の影響が上がっていました。正しい漢字を正確に書けない子が多い。中学3年生でも、制服の製という字の左上の縦の棒を突き出さずに書いてしまう例があるそうです。
見たことがある字だから、書けると思ってしまうんですね。
講師は、単なる勉強不足ではなく、目で覚えた記憶と手で書き出す動きの間にズレが起きている現象だと分析していました。自分の知っている部品を組み合わせて、世の中に存在しない漢字を作ってしまう子もいるそうです。
英語でも同じことが起きそうです。
まさにそうで、英語をローマ字の感覚で綴ってしまう子がいます。夏を意味する単語や、自転車を意味する単語を耳で聞いた通りに書いてしまう。発音と綴りが違う単語で混乱するそうです。
私も中学の時、そこで苦労しました。
背景として、生まれた時からデジタルとSNSがある世代だという話も出ていました。小学生から友達とやり取りをして、ありがとうもごめんもスタンプ一つで済みます。
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親の世代は手書きから打つことに変わった世代ですが、今の子はもう打つこともしないという指摘です。
打つことすらしないというのは考えたことがありませんでした。
ただ、この記事は一方的に嘆いてはいません。別の講師は知識の定義そのものが変わってきていると話しています。以前はどれだけ頭に入っているかが学力の目安でした。
今は必要な時に端末で的確に調べて応用できるかに変わりつつあるという見方です。
でも入試では端末は持ち込めないですよね。
そこにズレがあります。しかも高校入試は難しくなっていて、英語の長文には英検2級から順1級の水準の単語が出ることも珍しくありません。
国語の文章量は親の世代のおよそ1.5倍以上だそうです。
土台が育ちにくくなっているのに求められる水準は上がっているんですね。
今日の3つの記事は別々の国の話ですが、同じところを指しています。読む力も書く力も、量を増やす前に迎える状態になっているかどうかが先だということです。
好きかどうかも、手が動くかどうかも定数の外にありました。私、そこを見ようとしてこなかったと思います。
見ようと決めれば、明日から見られます。音読を聞く時間を作る、鉛筆の持ち方を見る、書いている手が止まる場所を見る、読む力と書く力の土台はそこにあります。教育カフェテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。お子さんや生徒さんの手元を少しだけ見てみてください。また次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
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