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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
高橋紗友香です。この番組は、国内外の教育の最新情報や身近な話題を、コーヒーを片手に聞くような気分で一緒に考えていきます。
今回のテーマはPTAです。学校に関わった人なら大抵知っているのに、中身はあまり知られていないものかもしれません。
私もよく知りません。母が役員になって困っていたことしか覚えていません。
多くの人がそのくらいの距離感でしょう。取り上げるのは、ライブドアニュースに載ったCBCニュースの記事で、掲載日は2026年10月25日です。
舞台は愛知県一宮市の公立中学校です。
2026年の9月、この学校に子どもを通わせる保護者ら、市に監査請求をしました。
監査請求というと、かなり強い手段に聞こえます。よほどのことがあったのでしょうか。
きっかけは校舎についた看板でした。校長の名前で学校を示す看板なのに、他の学校では同じものが増えません。
不思議に思って尋ねると、教頭から市の予算ではなくPTA会議で作ったという答えが返ってきました。
看板くらいなら子どものためだし、いいのではと思ってしまいました。甘いでしょうか。
多くの人がそう感じるので、問題が長く見えにくかったのでしょう。
ただ、PTAは保護者と教職員が連携して作る任意団体で、学校の株組織ではありません。
一方、学校の管理は行政の責任です。
学校教育法は学校の経費の負担を定めていて、地方財政法には住民に負担を転化してはならないとあります。
任意団体というのは授業で習いました。でも、入らないといけない雰囲気は今もある気がします。
その会費で学校のものを買うとなると、任意で出したお金は実質的には税金のように使われているということでしょうか。
いい整理です。少しだけ補足すると、税金は議会などもチェックを受けますが、PTA会費はそこから外れてしまうという心配もあります。
この保護者が過去5年分の欠算書を調べると、草刈機の燃料代、音楽室の空気清浄の保守点検、折り畳みベッド、理科や美術の教材が出てきました。
先生が公務で出る研修会の参加費まで含まれていたそうです。
研修費までですか。実習先の先生たちが研修に出かけるのは見ていましたが、その費用を保護者が負担しているとは考えたこともありませんでした。
教員の仕事に必要な費用ですから、驚くのも無理はありません。
校長に法律の話を向けると、法律は知らない、子どもたちのためでもPTAから使ってはいけないのか、という趣旨の答えだったと記事は伝えています。
校長先生がお金に困っている姿も少し想像してしまいました。予算が足りないから仕方なくとる事情はないのでしょうか。
そこは見落としてはいけない視点です。記事は学校の財政事情までは詳しく書いていませんが、名古屋市の例が参考になります。
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2023年に市内の小中学校で、合わせて1億4,800万円分の備品が手続きなしにPTAから寄付されていたと発覚しました。
市の教育委員会は2024年度から学校運営費用、小学校で1校当たり約70万円、中学校で128万円増やし、原則として備品にPTAの寄付を使わないと決めました。
つまり、足りなかった分を行政が出すことで解決した例でしょうか。だとすると、校長先生だけを責めても何も変わらない気がします。
半分は当たっています。仕組みの問題が大きいのは確かでしょう。ただ、仕組みの問題だからといって手続きを飛ばして良いことにはなりません。
市の宮市の学校は、自主的な寄付なら違法ではないと説明しましたが、調べると寄付の手続きそのものがされていませんでした。市の教育委員会も、手続きがいくつか飛んでいたのはかなり問題があると答えています。
寄付の手続きをきちんとしていれば問題はなかったということになるのでしょうか。
そこは簡単に言えません。全国PTA連絡協議会の代表理事は、民意団体なのでどこにお金を使ってもいいという考え方もあるが、公立学校で設備費や運営費をPTA会費から払うのは法的に良くないと話しています。
手続きの有無と、そもそも公費で出すべきものかどうかは別の問題と考えた方がいいでしょう。
市の教育委員会は最初はどんな対応だったのでしょうか。ご亡者は随分心細かったのではないかと思います。
最初に相談したとき、市の教育委員会は、適宜を判断する立場にはないので、学校と直接連絡を取ってくださいと文書で答えました。
その後、PTAが各保護者に文書で経緯を説明し、看板は外されました。取材に対して市の教育委員会は、手続きなしで買われていたのはエアコン2台、長机8台、椅子24脚、デジカメ3台で、合わせて93万円ほどだ
ったと答えています。
エアコンまでですか。看板の話から随分広がりました。ただ、会見を見せてほしいといえば、すぐに見られるものではないのでしょうか。
そこがこの話の一番深いところかもしれません。この保護者がPTAの帳簿を見せてほしいと会計担当の共闘に頼むと断られました。市の教育委員会の担当者は、何度も相談や意見にこられるので、学校の本音としてとどま
ってしまったという趣旨の説明をしています。
聞いていて少し怖くなりました。会費を出している保護者が帳簿を見られないのはおかしくないでしょうか。私が保護者なら、言い出すこと自体をやめてしまいそうです。
その感覚は大切にしてください。共闘が会計を担当しているという点も考えどころです。学校と任意団体の境目が曖昧なままだと、誰が責任を持つのかが見えなくなります。
先生の立場から見れば、善意で引き受けた会計の仕事が、いつの間にか説明責任を問われる仕事になるわけです。
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先生の側にも負担になっているのですね。解決に向かっている学校はあるのでしょうか。
あります。名古屋市立吹上小学校のPTAは、約10年前に改革を始めました。会費の使い道は、傘を忘れた子のための置き傘など、公費から出ないものや保護者の交流です。
今の会長は、学校から頼まれたから買うことはしていない。調べると公費で買えるものが多いと話しています。
置き傘というのは良い例だと思いました。公費で出ないものだけど、あると嬉しいものを選ぶのですね。これから先生になる私は、どこに気を付ければいいでしょうか。
まず、購入を考えた時に、これは公費で出せないのかと確かめる習慣です。迷ったら事務の先生に尋ねてみましょう。
そして、PTAに頼む前に、管理職を通して教育委員会に予算の必要性を伝えることです。
改革を進めた元会長も、教育委員会が関わらないと改革はスムーズに進まないと指摘しています。
最初に看板くらいならと思った自分が少し恥ずかしいです。子供のためという言葉があると、誰のお金なのかを考えなくなってしまうのだと気づきました。
恥ずかしがることはありません。多くの大人が同じように考えてきたから続いてきたのです。
子供のためという思いは大切にしたまま、公費で出すものとPTAが担うものを分けて考えることが、学校と保護者が信頼し合うための土台になるのだと思います。
私も実習先で見た掲示物や備品を誰のお金で買ったのか考えてみたくなりました。
それはいい視点です。今回も最後までお聞きいただきありがとうございました。次回もぜひお立ち寄りください。
お聞きくださった皆さん、ありがとうございました。また次回も教育カセテラスでお待ちしています。