1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 令和10年度改定へ始動|入院・..
2026-10-10 07:00

令和10年度改定へ始動|入院・外来分科会の8つの調査項目

令和8年6月24日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第651回)で、入院・外来医療等の調査・評価分科会(以下、分科会)が今後の進め方と調査計画を報告しました。この調査計画は、令和8年度診療報酬改定の影響を検証し、令和10年度改定の議論の土台となるデータを集めるためのものです。本号では、分科会の報告内容を、調査項目・調査内容・スケジュールの順に整理してお伝えします。

分科会は、令和8年度と令和9年度の2か年で、8つの項目について調査を実施します。8項目のうち6項目は入院医療と外来医療に関するもので、令和8・9年度の両年度で調査します。残る2項目のうち、「賃上げに係る評価等」と「医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態」は、令和9年度だけ調査します。令和8年度調査は令和8年10月から12月に実施し、令和9年3月以降に結果の速報を中医協総会に報告する予定です。

今回の報告資料(すべて分科会では令和8年5月14日に提示)

* 総-1-1 今後の検討事項とスケジュール(案)

* 総-1-1参考 各作業グループの作業内容

* 総-1-2 令和8・9年度入院・外来医療等の調査について

* 総-1-2参考1 令和8年度診療報酬改定項目の概要

* 総-1-2参考2 分科会の検討結果(とりまとめ)令和7年9月25日(抜粋)

1. 分科会の役割と令和10年度改定に向けた進め方

分科会は、中医協の答申書に付けられた「附帯意見」の技術的な課題を、専門的に調査・検討する組織です。附帯意見とは、診療報酬改定の答申の際に、中医協が「今後引き続き検討すべき事項」として示す宿題のリストを指します。

附帯意見のうち、分科会が担当するのは12項目です。令和8年度改定の答申書附帯意見のうち、第3〜13項と第17項の計12項目について、分科会で調査・検証・検討を行うことが、令和8年4月8日の中医協総会で了承されました。担当する12項目は、賃上げ、病棟業務の効率化・タスクシフト/シェア、入院医療、人口少数地域の医療・医師偏在対策、外来医療、医療DX・オンライン診療の6分野にわたります。なお、医療DXに関することは、診療報酬改定結果検証部会で検討します。

分科会の下には、専門的な調査・分析を担う2つの作業グループがあります。

* 診療情報・指標等作業グループ:DPCデータ等を活用した医療内容の評価指標・測定手法の分析、データの利活用の在り方

* DPC/PDPS等作業グループ:医療機関別係数のフォローアップ、対象病院の要件、DPC退院患者調査の報告内容、病院情報の公表

DPC/PDPSとは、診断群分類に基づいて1日当たりの診療報酬を定額で支払う、急性期入院医療の包括払い制度です。これら作業グループの作業内容は、平成30年7月18日の中医協総会で承認されたものです。

分科会は、令和8年5月14日に、令和10年度改定に向けた今後の進め方と令和8・9年度の調査項目(案)を議論しました。以降は、各作業グループでの検討と、令和8年度の調査内容(案)の検討を順次進めます。DPC/PDPSについては、DPCデータを用いた検討を基本とし、必要に応じて特別調査を実施する方針です。

分科会の報告は、基本問題小委員会を経由せず、中医協総会に直接報告されます。この取扱いは、令和7年4月9日の中医協総会で決められたものです。

2. 令和8・9年度に調査する8つの項目

調査の基本的な考え方は、8項目を令和8年度と令和9年度の2か年で調べることです。効果を検証するまでに一定の期間が必要な項目は、経過措置の設定状況も踏まえ、令和9年度に調査するなどの工夫をします。

8項目と実施年度は、次のとおりです。

令和8年度・令和9年度の両年度で調査する6項目

* (1)急性期入院医療(救急医療・DPC/PDPSを含む)に関する見直しの影響

* (2)高度急性期入院医療(特定集中治療室管理料等)の見直しの影響

* (3)包括期入院医療(地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料等)の見直しの影響

* (4)慢性期入院医療(療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料等)の見直しの影響

* (5)入院医療に関する共通事項(医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等)の見直しの影響

* (6)外来医療に係る評価等(オンライン診療を含む)

令和9年度だけ調査する2項目

* (7)賃上げに係る評価等

* (8)医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態

賃上げに係る調査・検証は、主に別の方法で行います。賃上げの状況は、別途提出される「賃金改善実績報告書」で把握することとされています(詳細は後述の(7)を参照)。

3. 各調査項目の調査内容

各調査項目は、附帯意見と令和8年度改定の主な改定内容に対応しています。ここでは、項目ごとに「何を検証するか」「誰に聞くか」「何を聞くか」を整理します。

(1)急性期入院医療(救急医療・DPC/PDPSを含む)

急性期入院医療の調査は、新設された急性期病院一般入院基本料や急性期総合体制加算の影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:急性期病院一般入院基本料の新設、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価項目・判定基準等の見直し、急性期総合体制加算の新設、救急外来医学管理料等の新設と救急患者連携搬送料の見直し、DPC/PDPSにおける基礎係数・機能評価係数Ⅱ・入院期間Ⅱ等の見直し

* 調査対象:一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料等の届出医療機関

* 調査内容:地域における急性期の病院機能(一次・二次・三次救急、高齢者救急、下り搬送・転院搬送の活用状況など)、救急外来の患者の経路・状態・転帰と職員体制、入棟患者の状況(重症度、医療・看護必要度の該当患者割合等)と病棟機能の変更の意向

下り搬送とは、高次の救急医療機関に搬送された患者を、状態に応じて地域の他の医療機関へ転院搬送することです。

(2)高度急性期入院医療(特定集中治療室管理料等)

高度急性期入院医療の調査は、ICU等の評価体系と施設基準の見直しの影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:救命救急入院料と特定集中治療室管理料の評価体系の見直し、特定集中治療室管理料の施設基準の見直し、ハイケアユニット入院医療管理料の施設基準等の見直し

* 調査対象:特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料等を算定している患者が入院している医療機関

* 調査内容:病院機能(救急車の搬送件数、全身麻酔による手術件数等)、重症度、医療・看護必要度とSOFAスコアの項目別の該当患者割合、患者の状態と医療提供内容、医師等の配置・勤務状況、情報通信機器を用いた診療状況

SOFAスコアとは、呼吸・循環・肝臓・腎臓などの臓器障害の程度を点数化した、集中治療で使われる重症度の指標です。

(3)包括期入院医療(地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟等)

包括期入院医療の調査は、高齢者救急の受入れやリハビリテーションの評価の見直しの影響を検証します。包括期入院医療とは、地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟などが担う、主に高齢者の緊急入院や急性期治療後の患者を受け入れ、在宅復帰までを支える入院医療です。

* 関係する主な改定内容:地域包括医療病棟入院料と回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準等の見直し、包括期充実体制加算の新設、回復期リハビリテーション強化体制加算の新設と実績指数の評価方法の見直し

* 調査対象:地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料等の届出医療機関 等

* 調査内容:地域での役割と連携体制(高齢者救急、介護保険施設の協力医療機関、緊急入院患者の入院経路など)、退院後の生活機能自立に向けたリハビリテーションの実績・体制、病棟の患者像(疾患、要介護度、重症度、医療・看護必要度、ADL等)と病棟機能の変更の意向

高齢者救急については、介護保険施設からの搬送を含めて、(1)の急性期入院医療の調査と組み合わせて調べます。

(4)慢性期入院医療(療養病棟・障害者施設等)

慢性期入院医療の調査は、療養病棟の医療区分や障害者施設等入院基本料の見直しの影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:療養病棟入院基本料の医療区分の見直しと入院料2の医療区分2・3の患者割合の見直し、障害者施設等入院基本料における廃用症候群の患者の評価の見直し、身体的拘束最小化推進体制加算の新設、入院期間が長い病棟において入棟期間が90日以上となる場合のDPCデータ様式1の提出

* 調査対象:療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料の届出医療機関 等

* 調査内容:療養病棟の医療区分2・3の患者割合と患者像、障害者施設等の病棟の患者の状態と医療提供内容、救急搬送・下り搬送の受入れ状況や平均在院日数・退院先、身体的拘束最小化に向けた取組

療養病棟入院基本料の入院料2では、医療区分2・3の患者割合の要件が5割から6割に引き上げられました。

(5)入院医療に関する共通事項(負担軽減・働き方改革等)

入院医療の共通事項の調査は、看護業務の効率化や医師の働き方改革に関する見直しの影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:看護・多職種協働加算の新設、ICT等の活用による看護業務効率化・負担軽減、医師事務作業補助体制加算の配置基準の柔軟化、地域医療体制確保加算2と外科医療確保特別加算の新設 等

* 調査対象:急性期総合体制加算、医師事務作業補助体制加算、看護職員夜間配置加算、地域医療体制確保加算、外科医療確保特別加算など、勤務医・看護職員の負担軽減に資する取組を要件とする項目の届出医療機関 等

* 調査内容:負担軽減の取組を要件とする加算の届出状況、病棟・各部門の職種ごとの体制と勤務状況、身体的拘束の実施状況・入退院支援・面会制限・入院時の食事療養など

(6)外来医療(オンライン診療を含む)

外来医療の調査は、外来機能分化、生活習慣病の管理、かかりつけ医機能、オンライン診療に関する見直しの影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:大病院の外来診療料等の紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し、連携強化診療情報提供料の見直し、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の眼科(歯科)医療機関連携強化加算・充実管理加算の新設、特定疾患療養管理料の対象疾患の見直し、地域包括診療加算等の見直し、オンライン診療(遠隔連携診療料、D to P with Nなど)の見直し

* 調査対象:地域包括診療料・加算、生活習慣病管理料、情報通信機器を用いた診療等の届出等を行っている医療機関

* 調査内容:外来機能分化に向けた取組状況、生活習慣病などの管理でのガイドライン遵守と地域連携の状況、オンライン診療の取組状況と今後の活用意向・課題

D to P with Nとは、患者が看護師等と一緒にいる場面で、医師がオンラインで診療する形態です。

(7)賃上げに係る評価等(令和9年度)

賃上げの調査は、ベースアップ評価料の引上げなどにより、幅広い職種で賃上げが実施されているかを検証します。

* 関係する主な改定内容:ベースアップ評価料の水準の引上げ、対象職員の拡大と夜勤手当に充てることを可能とする見直し、入院基本料等の見直し、調剤ベースアップ評価料と歯科技工所ベースアップ支援料の新設

* 把握の方法:

* 保険医療機関:ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書等(令和9年度に他の調査の一部としても必要な情報を把握)

* 保険薬局:ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書、必要に応じて別途調査

* 歯科技工所:歯科技工所ベースアップ支援料の実績報告書、別途調査

* 訪問看護ステーション:ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書等、「改定の結果検証に係る特別調査」等

附帯意見では、賃上げの実態を迅速かつ詳細に把握し、必要な場合には令和9年度における更なる対応を検討するよう求めています。

(8)医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態(令和9年度)

医療資源の少ない地域の調査は、人口の少ない地域での医療提供体制を支える評価の影響を検証します。

* 関係する主な改定内容:医療提供機能連携確保加算の新設、地域医療体制確保加算2・外科医療確保特別加算の新設、人口20万人未満の地域の拠点病院における急性期総合体制加算・急性期病院B一般入院料の要件緩和 等

* 調査対象:医療提供機能連携確保加算を算定する病院、医療資源の少ない地域に所在する保険医療機関

* 調査内容:外来・在宅診療体制の確保に係る診療の状況、外科医の確保に向けた取組状況、医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬項目の算定状況 等

4. 調査スケジュール

令和8年度調査は令和8年10月から12月に実施し、令和9年度調査は令和9年5月から7月に実施する予定です。どちらの調査も、分科会が調査票を作り、中医協総会に報告してから調査を実施します。

令和8年度調査

* 調査項目・内容の決定:令和8年6月〜7月

* 調査票の作成・決定:令和8年7月〜10月

* 調査の実施:令和8年10月〜12月

* 集計・分析:令和9年1月〜2月

* 調査結果の報告(速報):令和9年3月〜

令和9年度調査

* 調査票の作成・決定:令和9年4月〜5月

* 調査の実施:令和9年5月〜7月

* 集計・分析:令和9年7月

* 調査結果の報告(速報):令和9年8月〜

スケジュールは、必要に応じて分科会と中医協で見直します。分科会の検討内容は中医協総会に報告され、中医協の意見を踏まえて必要に応じて修正されます。

5. 中長期的に検討すべき3つの課題

今回の報告では、令和8年度改定に向けた議論で積み残された課題も、参考資料として改めて示されました。令和7年9月25日の分科会とりまとめは、データ解析の技術的な限界や委員間の見解の相違があった課題を「中長期的に検討すべき課題」と位置付けました。これらの課題は、今後の実態調査や厚生労働科学研究等で検討を進めることが望ましいとされています。参考資料で抜粋された課題は、次の3つです。

持参薬ルールは、入院中の持参薬の使い方を統一するための課題です。DPCデータでは、持参薬の使用割合に医療機関間で大きなばらつきがあります。ルールを明確にするには、医療安全、病棟での確認業務の負担、患者が薬を持参する負担などの観点から、具体的な場面ごとに妥当性を丁寧に検討する必要があります。DPC/PDPS以外で薬剤費が包括される病棟での取扱いも、検討を進めることが望ましいとされました。

重症度、医療・看護必要度は、入院患者の状態を測る指標の在り方を見直す課題です。この指標は平成20年度改定で「入院患者へ提供されるべき看護の必要量」を予測する指標として導入され(当時の名称は「重症度、看護必要度」)、平成26年度改定で現在の名称に変わり、「急性期患者の医学的な特性」を測る目的が重視されるようになりました。導入から約20年が経ち、指標が現在の病棟の看護の必要量を適切に推測できているかを検証する必要があります。最新のタイムスタディ調査では、病棟看護業務の約25%を「診療・治療」、約25%を「患者のケア」が占めていました。

包括期入院医療における患者別の評価は、患者ごとの医療・看護ケアの必要量を支払いに反映させる課題です。地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟には、DPC/PDPSのように患者別に支払額を変える仕組みがなく、基本的にすべての患者が一律の支払額です。必要量に応じた支払いにならないと、患者の選別を招き、病棟の機能低下につながる懸念があります。地域包括医療病棟では、緊急入院や手術の有無などによって医療資源投入量に一定の違いがあることがわかりました。一方で、医療資源投入量が同程度でも高齢者のADLや要介護度は様々であり、引き続き最新の診療データによる分析などで検討する必要があるとされています。

6. 調査票の回収率向上の取組

分科会は、調査の精度を高めるため、回収率の向上に引き続き取り組みます。直近の令和7年度調査の回収率は、入院が58.8%(4,658施設中2,737施設)、外来が43.9%(2,300施設中1,009施設)でした。

* 令和5年度:入院 4,700施設中2,374施設(50.5%)/外来 2,000施設中704施設(35.2%)

* 令和6年度:入院 5,865施設中2,896施設(49.4%)/外来 2,440施設中914施設(37.5%)

* 令和7年度:入院 4,658施設中2,737施設(58.8%)/外来 2,300施設中1,009施設(43.9%)

回収率向上の取組は、関係団体への協力依頼、リーフレットの配布、調査項目の必要最低限化、DPCデータ等の活用による調査票の合理化、オンライン回答、調査項目一覧の作成などです。令和8・9年度調査でも、これらの取組を継続します。

まとめ:令和10年度改定に向けたデータ集めが始まった

第651回中医協総会で、分科会は令和10年度改定に向けた調査計画を報告しました。調査は令和8・9年度の2か年で、8つの項目について行います。入院医療と外来医療の6項目は両年度で、賃上げと医療資源の少ない地域の2項目は令和9年度に調べます。令和8年度調査は令和8年10月から12月に実施し、令和9年3月以降に速報が報告される予定です。持参薬ルール、重症度、医療・看護必要度、包括期の患者別評価といった中長期課題の検討も続きます。

調査票が届いた医療機関にとって、回答は次の改定の評価の在り方に自院の実態を反映させる機会です。今後、分科会で調査票の内容や調査結果が示された際には、本メルマガで引き続き解説します。



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

中医協が、令和8・9年度の2年間で、救急・集中治療・慢性期入院やオンライン診療など8項目を調査し、令和10年度の診療報酬改定につなげる計画を扱います。賃上げと医療資源の少ない地域の調査を令和9年度に行うのは、制度変更の効果が現場に浸透するまで時間がかかるためだと説明されます。持参薬の確認による看護師の負担、約20年前を基礎とする看護必要度指標、定額払いが重症患者の選別を招くリスクという3つの課題も取り上げます。さらに、入院施設の回答率が58.8%にとどまり、未回答の病院の実態が制度設計に反映されない問題を指摘します。

令和8・9年度の8項目調査
あなたが将来、病気とか怪我で、病院のベッドで目覚めたときを、ちょっと想像してみてください。
あまり想像したくないかもしれませんが。
ですよね。でも、そこでどんな治療を受けられるか、あるいは看護師さんがどれくらい頻繁に様子を見に来てくれるかっていうのが、実は今、国が密かに行っているある調査で決まるとしたら、どう思いますか?
いや、それはびっくりする方が多いんじゃないでしょうか。
はい。今回はですね、日本の医療ルールの元締めである中医協が出した、今後の医療費とか入院の仕組みを決めるための最新の調査資料を深掘りしていきます。
一見すると、ただの退屈な官僚データに見えるんですよね。
そうなんですよ。でも、これがあなた自身の未来の病院体験をどう塗り替えるのか、その裏側を徹底的に解き明かすのが今回のミッションです。
それでは、紐解いていきましょう。
はい。医療の未来を想像を描くには、当然ですが、まず現場のリアルな数字が必要不可欠なんですね。
データがないと始まらないですよね。
そうなんです。なので、国は令和8年度と9年度の2年間で、救急みたいな9世紀から満世紀、あとは最近増えているオンライン診療ですね。
患者のそばに看護師がいて、画面越しに医師の診察を受けるパターンとか。
D2P with Nとか呼ばれるやつですね。
その通りです。そういうものまで含めて、全部で8つの項目を幅広く調査する計画を立てているんです。
なるほど。これってつまり、医療システム自体に対する国を挙げた超大規模な健康診断みたいなものですよね。
まさにその表現がぴったりだと思います。
でも、資料を読んでてちょっと気になったのが、スケジュールの部分なんです。健康診断なら一気にまとめてやった方が絶対効率いいじゃないですか。
普通はそう思いますよね。
なのになぜか8項目のうち、賃上げの効果と医療資源の少ない地域の実態っていう2つだけ、あえて令和9年度に調査を送らせてますよね。これ何でなんですか。
ここが非常に興味深いところなんです。実はこれ、制度変更がもたらす効果のタイムRAGを見極めるための意図的な戦略なんですよ。
調査時期を分ける理由と積み残し課題
意図的なタイムRAGですか。
はい。ルールを変えても、現場の給料が実際に上がったりとか、地方の意思不足が解消されたりするまでには、どうしても時間がかかりますから。
ああ、確かに。今日ルールが変わって、明日給料が上がるわけじゃないですもんね。
そうなんです。新しい仕組みが本当に現場に浸透しているのか、正確な数値を測るために、あえて1年待っているわけです。
なるほどですね。国もただ漫然とデータを集めているわけじゃないんだな。
でも、この大規模な健康診断が順調に進む一方で、前回の議論から積み残されている厄介な3つの宿題があるって資料にはありましたよね。
ええ。資料を深く読み解くと、まさにそこが浮き彫りになります。解決の難しい中長期的な課題ですね。まず1つ目が持参薬のルールです。
持参薬っていうのは、患者さんが家から持ってくる薬のことですよね。
そうです。患者さんが入院するときに、普段飲んでいる薬を持ち込めば、もちろん薬代の節約にはなります。でも、ここからがジレンマなんです。
と言いますと。
看護師がですね、その持ち込まれた大量の薬の種類とか安全性を一つ一つ確認するために、ものすごい時間を奪われているんですよ。
ああ、なるほど。安全性を担保するための確認作業が、逆に現場の首を絞めているというか、圧迫しているわけですか。
その通りです。コスト削減と現場の負担増の綱引き状態ですね。そして2つ目の宿題が看護必要度の指標の再検証です。
ちょっと待ってください。その指標って、要は患者さんがどれくらい看護の手間を必要とするかを測るスケールのことですよね。
はい、まさにそれです。で、問題なのは、その評価基準のベースが、なんと約20年前のものだということなんです。
え、20年前ですか。それはちょっと古すぎませんか。
そうなんですよ。医療技術も入院患者さんの高齢化の度合いも当時とは全く違うのに、古い定規で今の病棟の忙しさを測り続けているわけです。
定額払いと患者選別のリスク
いや、20年前の定規で今の医療を測るのはさすがに無理がありますね。
はい。これが本当に今の実態に合っているのかという強い危機感が背景にあります。
なるほど。そしてもう一つの宿題が、私が一番引っかかった部分なんですけど、放課月入院における患者別評価ってやつですよね。
え、非常に重要なポイントですね。
これ簡単に言うと、どんな治療をしても入院期間中の支払いが1日あたり基本的に定額になるっていう仕組みですよね。
そうです。いわゆる丸めと呼ばれるような定額払いの仕組みですね。
ここが疑問なんですけど、もし病院に入るお金が一律だとしたら、病院側としてはどうしても手間とかコストのかからない軽症の患者さんばっかりを選んで入院させたくなりませんか。
それって本当に公平な仕組みなんでしょうか。
これを全体像と結びつけるとですね、まさにその患者の選別という最も恐ろしいリスクに行き着くんです。
患者の選別ですか。
定額性の弊害で本当に手厚いケアが必要な重症の高齢者なんかが、うちではちょっとと入院を断られてしまうかもしれない。
それは怖いです。
それを防ぐために、一律のどんぶり勘定ではなくて、最新のデータを使って、この患者さんにはこれだけの手間がかかると個別に細かく評価する仕組みへアップデートすることが不可欠なんですね。
なるほど。つまりこれはどういう意味を持つのかということですよね。
私たちが普段ニュースで、なんか難しそうだなと見過ごしがちな調査とか制度設計の話って決して他人事じゃないってことですね。
まさにその通りです。
あなたが将来適切なベッドで適切な治療を受けられるか、そして現場の医療従事者の方々が燃え尽きずに働けるかどうかに直接つながっているわけですね。
回答率58.8%と声なき病院
そこで最後に非常に重要な疑問が浮かび上がってくるんです。
何でしょうか。
この医療制度を決めるための大規模な調査ですが、国がどれだけ回収率を上げようと努力しても直近のデータだと入院施設の回答率は58.8%にとどまっているんです。
え、58.8%半分ちょっとですか。じゃあ残りの40%近い病院の声はそもそもデータとして存在していないってことですか。
そういうことになります。この約40%のいわば声なき病院の実態は次のルール作りには全く反映されません。
それはちょっと見過ごせない事実ですね。
もし、あなたが将来命を預けることになる地元の病院がこの未回答の40%に含まれていて、人員不足で悲鳴を上げていたとしたらどうでしょうか。
うーん、考えさせられますね。
日本の医療の未来は、この声を出せた一部の病院のデータだけで決められてしまって良いのだろうか。
これこそが私たちが直視すべき最大の問いなんですよね。
07:00

コメント

このエピソードのトピック

すべてのトピック →

それぞれのトピックから、ほかの番組の会話も探せます。

スクロール