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2026-03-20 07:42

【令和8年度改定】入院医療の評価見直し3項目|看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSを解説

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令和8年度診療報酬改定の個別改定項目のうち、「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」に該当する⑬~⑮の3項目を取り上げます。これらはいずれも、入院医療における看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払い制度の精緻化を目的とした見直しです。本稿では、各項目の改定内容を概説し、詳細記事へのリンクを掲載します。

今回取り上げる3項目の概要は次のとおりです。⑬「障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直し」では、看護補助加算と看護補助体制充実加算の算定可能期間が入院31日目以降に拡大されます。⑭「入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直し」では、生物学的製剤・JAK阻害薬の追加と別表の一本化が行われます。⑮「DPC/PDPSの見直し」では、DPC標準病院群の細分化や機能評価係数Ⅱの変更など5つのポイントが見直されます。

⑬ 障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直し

障害者施設等入院基本料(7対1・10対1)の看護補助加算と看護補助体制充実加算に、入院31日目以降の新たな点数区分が新設されます。この見直しは、看護職員と看護補助者の業務分担・協働の推進、および夜間の看護業務の負担軽減を目的としています。

看護補助加算には、入院31日目以降に算定できる「ハ イ及びロ以外」(50点)が追加されます。従来は入院14日以内(146点)と入院15日以上30日以内(121点)の2区分のみでしたが、3区分に拡充されます。

看護補助体制充実加算にも同様に、入院31日目以降の新区分が追加されます。新区分の点数は、加算1が60点、加算2が55点、加算3が51点です。身体的拘束を実施した日は加算3の点数で算定するルールは従来どおり維持されます。

これらの変更により、長期入院患者への看護補助体制が診療報酬上で評価される仕組みが整います。届出を行っている医療機関は、算定可能期間の延長による収益への影響を確認しておくことが重要です。

詳細記事:【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料の看護補助加算が拡充|算定期間の延長と点数を解説

⑭ 入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直し

入院料に薬剤料が包括される病棟における除外薬剤・注射薬の範囲が大幅に見直されます。この見直しの背景には、生物学的製剤やJAK阻害薬など高額薬剤を使用する患者の増加に伴い、包括払い病棟での受入れが困難になっている現状があります。

今回の改定では、主に7つのポイントが変更されます。第一に、回復期リハビリテーション病棟入院料等の除外薬剤に抗悪性腫瘍剤・医療用麻薬・腎性貧血治療薬が追加されます。第二に、精神病棟の特定入院料にも同じ3種類の薬剤が追加されます。第三に、各入院料に共通する除外薬剤として生物学的製剤とJAK阻害薬が新たに加わります。

このほか、血友病の医薬品の対象が類縁疾患まで拡大されること、複数の別表が一つに統合されること、介護老人保健施設の算定範囲が整理されること、コロナ抗ウイルス剤の経過措置が令和8年5月31日で終了することが定められています。

これらの見直しにより、高額薬剤を使用する患者の円滑な入棟が促進され、病棟間の不合理な格差が解消されることが期待されます。

詳細記事:【令和8年度改定】除外薬剤の範囲拡大と別表統一|生物学的製剤・JAK阻害薬が新たに追加

⑮ DPC/PDPSの見直し

DPC/PDPSについて、医療の標準化・効率化を更に推進する観点から、医療機関別係数、診断群分類、算定ルールの3つの領域にわたる見直しが行われます。主な見直しポイントは5つです。

第一のポイントは、DPC標準病院群の細分化です。救急搬送の受入実績等に基づき、「標準病院群1」と「標準病院群2」に区分されます。標準病院群1に該当するには、救急車搬送入院患者数が年間700人以上であることなど、4つの要件のいずれかを満たす必要があります。

第二のポイントは、機能評価係数Ⅱのうち複雑性係数の変更です。従来は「1入院当たりの包括範囲出来高点数」で評価していましたが、各診断群分類の在院日数25%tile値までの平均包括範囲出来高点数により評価する方式に変更されます。この変更により、入院初期の医療資源投入の密度がより適切に反映されます。

第三のポイントは、地域医療係数の見直しです。定量評価指数では、DPC標準病院群に限り、がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・周産期の4領域に着目した評価が導入されます。体制評価指数では、認定ドナーコーディネーターの院内配置と地域の需要変動への応答性の2項目が新設されます。

第四のポイントは、入院期間Ⅱの基準変更です。在院日数の変動係数が0.6を下回る診断群分類では、平均在院日数から中央値に移行します。ただし、移行に伴う急激な変化を防ぐため、変動率の上限は10%に設定されています。

第五のポイントは、再転棟時の算定ルールの厳格化です。DPC算定病棟から非DPC算定病棟へ転棟した後に再びDPC算定病棟に戻る場合、従来は転棟後7日以内に限り一連の入院とされていましたが、この期間制限が撤廃されます。

このほか、激変緩和係数は従前の考え方が維持され、退院患者調査の調査項目の見直しも行われます。各医療機関は、自院がどの病院群に分類されるかの確認とともに、新たな係数設定への対応を早期に進めることが重要です。

詳細記事:【令和8年度改定】DPC/PDPSの5つの見直しポイントを徹底解説

まとめ

令和8年度診療報酬改定の個別改定項目⑬~⑮では、入院医療の評価に関する3つの見直しが行われます。⑬では障害者施設等入院基本料の看護補助加算・看護補助体制充実加算に入院31日目以降の新区分が新設され、長期入院患者への評価が拡充されます。⑭では除外薬剤の範囲が拡大され、生物学的製剤・JAK阻害薬が全入院料共通で追加されるとともに別表が一本化されます。⑮ではDPC標準病院群の細分化、機能評価係数Ⅱの変更、入院期間Ⅱの中央値移行など5つのポイントが見直されます。これらの改定は、看護体制の強化、高額薬剤を使用する患者の円滑な入棟、包括払い制度の精緻化を通じて、入院医療の質と効率の向上を目指すものです。



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サマリー

本稿では、令和8年度診療報酬改定における入院医療評価の3つの主要な見直しを解説しています。高額薬剤の包括払い除外により、生物学的製剤やJAK阻害薬などが必要な患者が病棟に関わらず適切な治療を受けられるようになります。また、長期入院患者向けの看護補助加算が拡充され、夜間ケアの負担軽減と人員配置の改善が図られ、DPC/PDPS制度の精緻化を通じて病院機能の効率化と患者の柔軟な移動が促進されます。

入院医療評価見直しの背景と目的
想像してみてください。あの、あなたが将来、病院のベッドに横たわっていて、命を救いための超高額な新薬を必要としているとしますよね?
ええ、とても切実な状況ですよね。
はい。でも、薬局に在庫があるのに、病院側の何というか会計上の隠れたルールのせいで、その薬が使えないって言われたら、どうしますか?
それは理不尽ですよね。でも実は、それに近いことが起きていたんです。
そうなんですよ。なので、今回の深掘りでは、まさにその問題を解決する、令和8年度診療報酬改定の入院医療の見直しの資料を読み解いていきます。
難解な行政文書をあなた自身のリアルな未来の入院生活という視点に変換していきましょう。
この資料一見すると無味かんそうな数字の羅列に思えるかもしれないですけど、
その裏には、必要な人に必要なタイミングで最適な医療を届けるという、極めて合理的なシステムアップデートの意図が隠されているんですよね。
高額薬剤の包括払い除外と患者アクセスの改善
なるほど。まず資料の中で目を引くのが、項目14の高額薬剤と包括払いのジレンマですよね。
そこですね。
生物学的製剤とかJA系疎外薬といった非常に高価な薬が、全入院料共通で包括払い、つまり定額制の対象外になったんですよね。
これって定額制の食べ放題レストランに例えるとわかりやすい気がするんです。
食べ放題ですか?
はい。超高級ステーキだけを別料金にしないと、お店側が赤字を恐れて、ステーキを食べたいお客さんの入店を拒否してしまう、みたいな状況だったんでしょうか。
いや、まさにその比喩は適応していますね。
実はこれまで、定額制のルールのせいで、特定の病棟に入院していると高額な薬が使えないとか。
えっと?使えなかったんですか?
そうなんです。あるいはその薬を使うために、別の病棟に移れないという不合理な格差が起きていたんですよ。
それは困りますね。
ええ。だから今回の改定で、ガンの薬や医療用麻薬などが、リハビリ病棟や精神病棟でも定額制の例外として追加されたんです。
なるほど。つまり、患者さんの居場所によって治療が制限されることなく、スムーズに適切な病棟へ移れる道が開かれたと。
その通りです。
ルールを変えて、まずは患者さんに適切な薬が届くようにしたわけですね。
でも、高度な薬で命をつないだ後は、今度は誰かがその患者さんを長期的にケアしなければなりません。
長期入院患者向け看護補助加算の見直しと現場への影響
はい。そこが次の課題になります。
ここで焦点が、薬から現場の人デートを移ります。これが項目13ですね。
障がい者施設などの長期入院患者に対する看護扶助課さんが、これまで30日目までだったのに、入院31日目以降という新区分が追加されました。
ええ。長期療養になると、どうしても夜間の見守りとか、日常的なケアの負担が多くなりますからね。
そうですよね。
これまでは30日を過ぎると、病院側に支払われる点数が下がってしまっていたんです。
なので、手厚い人員配置を維持するのが難しかったんですよ。
ああ、なるほど。
今回、31日目以降も新たに点数がつくことで、長期入院患者への看護体制とか、夜間の負担軽減がシステム上でしっかり評価されるようになったわけです。
でも、あの、ちょっと待ってください。点数の算定期間が延びる、つまり病院にお金が入る期間が延びるだけで、本当に夜間の業務負担が減ったりするんでしょうか。
と言いますと?
急に看護師さんが増えたりするわけじゃないですよね。
単に現状を追認してお金を配るだけになってしまいませんか。
いやー、鋭い指摘ですね。
おっしゃる通り、点数がついたからといって、明日から魔法のように人が増えるわけではありません。
ですよね。
決して完璧な解決策ではないんです。
ただ、制度として評価して資金化するというインセンティブを与えることでですね、
はい。
病院側が人員配置を見直したり、看護師と補助者の業務分担を進めるための具体的な原資を手に入れられるんです。
まずはその土台を作ることが、この改定の本当の狙いなんですよ。
お金が回る仕組みを作って、そこで初めて現場が動けるというわけですね。
そういうことです。
DPC/PDPS制度の精緻化と病院機能の最適化
薬の問題をクリアして、ケアする人材の資金面も整えた。
でも、それを提供する病院の構造自体がうまく機能していれば意味がありませんよね。
ええ、おっしゃる通りです。
そこで最後は、病院のシステム全体を設計し直す項目15、DPC制度の出番というわけですね。
はい。DPCというのは、病名ごとに1日あたりの医療費が定額になる制度なんですが、
今回は、この制度に参加する業員を年間救急車搬送700人以上といった実績で細かくグループ分けしたんです。
へえ、実績で分けるんですね。
さらに興味深いのは、在院日数25%値の採用と、採点当時に7日以内という期間制限ルールの撤廃です。
ちょっと出ましたね、専門用語の壁が。
この25%値とか7日以内ルール撤廃って、私たちが患者の立場になったとき、どういう影響があるんですか。
簡単に説明しますね。
まず、25%というのは、患者さんが治って退院するまでの日数のうち、トップ25%の速さ。
トップ25%ですか。
つまり、最も効率よく回復した期間を基準にして病院を評価する仕組みなんです。
ということは、だらだら長く入院させるんじゃなくて。
そうです。入院初期に医療資源を集中させて、早く元気にして家に帰す病院を高く評価するんです。
なるほど。メリー・ハリーをつけて早く治すインセンティブなんですね。
では、7日以内のルール撤廃の方は、どういう影響があるんでしょうか。
これまではですね、一度別の病棟に移った患者さんを、7日以内に元の急病を治療する病棟に戻すと、病院側が金銭的なペナルティーを受けるルールがあったんですよ。
え、ペナルティーですか。
その結果、病院がそれを恐れて、患者さんをリハビリ病棟へ移すのを不必要に遅らせてしまうケースがあったんです。
それは本末転倒ですね。
ですから、このルールを撤廃することで、患者さんの状態に合わせて、より柔軟でスピーディな病棟移動が可能になります。
あー、なるほど。
つまり、国は病院に対して役割を明確に分けて、無駄なく患者さんを適切なベッドに導きなさいと強力にお勧めているんですよ。
医療システム改定の全体像と未来への展望
いやー、すべてが繋がりましたね。一見バラバラに見えた3つの項目ですが、結局のところ、あなたやあなたの大切な家族が必要なときに高額な治療を滞りなく受けられるようにするためのものだと。
ええ、そうです。
さらに、長期療養になってもケア体制が維持されて、そして病院自体が最も効率よく機能するための巨大なシステムアップデートだということがよくわかりました。
限られた財源の中で、医療の徹底した効率化と人間らしいケアの充実をどう両立させていくか。これは日本の医療システム全体を挙げた大きな挑戦ですね。
確かにそうですね。そこで最後に、あなたに一つの思考の種を投げかけてお別れしたいと思います。
はい。
今回、長期療養を支えるために31日目以降の看護補助が評価されましたが、将来的にAIとかロボット技術が進化して、見守りや日常的なケアの役割を完全ににまうようになったらどうなるでしょう。
それは医療現場の大きなパラダイムシフトになりますね。
ええ、人が人をケアするという前提で作られたこの制度そのものが、混沌から崩れる日が実はもうすぐそこまで来ているのかもしれない。
はい。
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