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  2. #24-1 ヴィーガンになるべきか..
2025-01-06 32:58

#24-1 ヴィーガンになるべきか?:その卵の生産過程を知っていますか?ー工場畜産の現状

今回から新シリーズ!「ヴィーガンになるべきなのか」について考えます。 初回のテーマは「工場畜産の現状」です。 みなさんは身の回りの畜産物の生産方法についてどれくらいご存じでしょうか? 採卵鶏の例を中心にしながら、飼育や処理の問題点、畜産動物の規模などについて紹介します。

次回以降は、これを出発点に、倫理学の代表的な理論はこの現状をどう評価するのか、個人の動物性製品の消費については何が言えるのかなどについて考えていきます。

飼育の問題点 / 正常行動が制限される / 痛みを伴う処置が多く、麻酔なしで行われることが多い / 病気や怪我の発生率が高い / 輸送中の特に劣悪な環境 / 屠畜前の処理方法と屠畜そのものの方法が悪い / 非常に混雑し、汚れた生活環境 / 他の動物たちについても少し / あなたのペットが同じ目に遭っていたら? / 畜産動物の数 / 現状を変えるためにできること



参考文献

00:04
むらた
さあ始まりました、なんでも倫理ラジオです。このポッドキャストは、動物と倫理と哲学のメディアASがお送りします。
コットン
進行は村田です。よろしくお願いします。今回は4人でお送りします。まずはコットンさんです。
むらた
お願いします。
コットン
竹下です。最近職が決まりました。
むらた
え、そうなの?
コットン
職が決まりました。
むらた
やったー。おめでとうございました。
コットン
ありがとうございます。
むらた
とてもとてもおめでとうございます。
コットン
礼です。よろしくお願いします。
むらた
よろしくお願いします。
いや、職が決まったなんて聞いてなかったから、収録始まって、サプライズですね。
今回はここからの何エピソードかを使って、一つの話題に関するシリーズを始めたいと思っておりまして、
そのテーマというのが、なぜヴィーガンにならないといけないのかなんですけれども、
私たちASメンバーは工場畜産だったり動物の搾取に反対していて、程度の差はありますけど、
皆さん実践に移していって、これまでに公開してきたエピソードでも、
割とヴィーガンがいい、やった方がいいとか、何らかの形で動物搾取に反対していくべきみたいな姿勢は、
割と暗黙の前提にしてきたところがあるかなと思うんですけども、
ただリスナーの皆さんの中でも、なんでそもそも肉食ダメってことになってるの?工場畜産がダメなんですか?
ヴィーガンしないといけないんですか?みたいな疑問を持たれる方も、もちろんいらっしゃると思います。
実践している身としても、これやっててちゃんと意味あるのかなって時々不安に思っちゃったりもしたりするんですけど、
そういうのを踏まえて、ヴィーガンにならないといけない理由という意義があるのかっていうところを、
これからのエピソードを使って議論していきたいなと思っております。
ということなんですけど、その中でも今回は本題に入る前に、そもそもその畜産、工場畜産の現状がどうなっているのかっていうのを、
今日はコットンさんに紹介していただいて、そこから話していきたいなと思っております。
コットン
畜産の現状というのをお伝えして、工場畜産が倫理的に許されないという話を今回して、ですね。
03:03
コットン
工場畜産が悪いとして、なんでヴィーガンにならないのかという形で今後エピソードを録っていけたらと思いますけれども、
畜産の一般的な問題点と言われるのに5点少なくともありまして、
コットン
そちらを順に追って説明していこうかなと思います。
その5点というのが、まず動物の行動が制限されるということと、
2点目が痛みを伴う処置が多くて、それが麻酔なしで行われることが多い。
3点目として病気や怪我の発生率が高い。
コットン
4点目として輸送中の環境が劣悪。
5点目として屠殺前の処置と屠畜そのものの方法がひどい、この5点があります。
コットン
この5点についてすべての畜産動物を例にすると多すぎるので、
採卵鶏に今回主に焦点を当てて、行動が制限されたらどういうことかとか、
屠殺の処置がひどいというのはどういうことかというのを順に詳しく説明していけたらなと思っております。
むらた
よろしいですか。
コットン
採卵鶏というのはどういう動物ですか。
コットン
採取の採に卵の鶏、ニワトリと書いて、我々が卵を生産するために飼育されている鶏のことですね。
むらた
ちなみになんで今回は採卵鶏に焦点を当てるんでしょうか。
コットン
そうですね。自分が採卵鶏の福祉を向上することを目的にしていた会社に働いたので、
コットン
採卵鶏に関して詳しいというのと、採卵鶏というのは数が多いというのと、
コットン
あと出てきますけれども飼われ方がひどくて、福祉レベルがすごい低いと言われているので、
むらた
なるほど。卵を産むなら殺されないからみたいなのが思いがちですけど、
現状はシビアということで、
改めて正常な行動が制限されるというところから、詳しくお聞きできたらと思います。
コットン
そうですね。これは簡単に言うと採卵鶏というのは、金網の狭いケージの中で飼われていて、
コットン
死ぬ直前まで、屠殺場に運ばれる直前まで金網の中で飼われている。
そこがとても狭いので、羽をなかなか羽ばたきすることもできないし、
コットン
体を伸ばしたりとかすることもできないわけですね。
コットン
どれくらい狭いかと言いますと、まず2021年の日本養鶏協会の報告によると、
コットン
16都道府県の14の養鶏場で125の鶏郡からアンケートを実施しました。
その結果、そのすべての鶏郡が470平方センチメートルで飼育されていました。
むらた
470。
コットン
またですね、2014年には畜産技術協会というところが、この470件の養鶏農家にアンケートを取って
06:07
コットン
そのうちの377件、90%が550平方センチメートル未満。
コットン
そのうち約半分、470件のうちの半分が430平方センチメートル未満の1羽当たりですね。
コットン
1羽当たりこの面積で鶏を飼育していたと。
コットン
B5の紙が467.74平方センチメートルなので、
だいたいB5サイズのスペースに1羽の鶏が飼育されていて、
コットン
ケージの中に収まっていて、そこからなかなか出ることができないという状態にあるということですね。
成長した段階の鶏の胴の長さですね。首とか含まない。
コットン
胴だけで20センチなんですよね。
すごい狭いというふうに言えるかなと思います。
コットン
例えばペット、猫とか犬が自分の体の大きさと同じぐらいのケージに一生飼育されていたら、
虐待だというふうに思うと思うんですけど、
でも鶏は別に気にしないんじゃないかというふうに思う人もねもしかしたらいるかもしれないんですけど、
狭い環境で飼うというのはすごい問題があると考えられる実験結果が、
コットン
動物行動学でも出ていて、
コットン
なんで問題があるかというと、鶏は砂浴びといって、砂に自分の体を擦り付けて、
コットン
寄生地を取り除いたり、
コットン
自分の体をケアするという欲求とか、
コットン
採卵前に巣箱を探して巣箱を作るというような欲求とか、
あるいは寝ている間は高いところの木に泊まって寝たいという欲求をすごく強く持っていて、
コットン
ケージに飼われているとこういう欲求をひとつも満たすことができない。
コットン
これがすごい問題だと。
コットン
どれぐらいその鶏の欲求が強いのかと。
人間だとそういう行動をとることがないので、なかなかイメージしにくいと思うんですね。
食欲と比べても、かなり泊まり木に泊まりたいという、
コットン
鶏の欲求が強いということが実験で確かめられています。
どうやってその鶏の欲求の強さを測るのかといいますと、
コットン
通路の片側に鶏を置いて、
コットン
そのもう片方にエサとか泊まり木とかを置いて、
その通路の真ん中に透明のドアのようなものを置きます。
このドアをどれぐらい重くしても鶏はそのドアの向こう側に行こうとするのか、
コットン
ということによってその鶏の欲求の強さを測るという実験が一つあって、
コットン
24時間飢餓状態に置いた上で、
鶏が持ち上げる最大の重さ、これは100点として、
コットン
じゃあエサじゃなくて泊まり木を置いたときにですね、
寝る前に鶏はどれぐらいその泊まり木に泊まりたいと、
どれぐらいの重さのドアを持ち上げるかと実験したところ、
24時間飢餓状態にした場合のドアの重さを100としたところ、
コットン
75の重さ、75点くらいの重さのドアを鶏は持ち上げて泊まりに泊まろうとしたと。
09:08
コットン
だからこれは文字通りとすると、
むらた
24時間の飢餓に比べて4分の3くらいの強さの欲求を持っているということがわかった。
コットン
それが毎日毎日その欲求を満たせないで暮らすわけですね。
他にですね、巣箱に卵を産みたいという欲求もあるんですけれども、
ケージの中だと巣箱がないので、欲求不満状態を表す特殊な発声の方法みたいなものがあるらしいんです。
これを鶏はよく発するし、ストレスホルモンであるコルチーコステロンが助長すると。
こちら、新村毅先生たちが書いた動物福祉学という教科書、最新の教科書に基づいています。
コットン
これが行動が制限されていることが何で問題か説明しました。
むらた
はい、続いて痛みを伴う処置についてですね。
コットン
採卵鶏は、特殊な慣行がなされていて、それが強制換羽と言われるんですけど。
これはですね、採卵鶏は成鶏になって産卵を始めると急激に産卵数が増えて1回ピークに達します。
コットン
その後だんだんと産卵率が下がっていくんですけど。
それで採算が見合わなくなると屠殺されるわけですけど、産卵率がどんどん下がっていって
コットン
最後の方にですね、鶏をこの飢餓状態に置いて、1週間くらい絶食状態に置いて、
コットン
そうすると、なんか羽が抜け変わって産卵率が少し回復するらしいんですよ。
むらた
強制換羽の換羽は、羽を換えるって書いて。
コットン
羽を変えるって書いて換羽なんですけど、絶食状態にすると羽が抜け変わって産卵率がまた再び増加すると。
そういう性質が鶏にあるらしくて、これが日本のほとんどの養鶏場でやられていると。
むらた
絶食、1週間程度。
コットン
これは先ほどの教科書に書いてあったことですけど、
コットン
日本で一般的な方法として表記されているものの大きなストレスとともない、また絶食期の死亡率が高いから、アメリカ、オーストラリア、カナダでは禁止されている。
むらた
でも日本では一般的にやられているんです。
1週間はもう信じられないですね。
死亡、そりゃ死亡するぐらいの長さですよね。
自分のペットとかだったら本当に1回分餌あげなかっただけで、もうなんてこったっていう感じですからね、ちょっと。
コットン
しかもこれは2年間ぐらいケージの生活をずっと耐えて、もう体が限界になってきたところで最後にこれをくらうわけですね。
12:04
コットン
これはひどい話ですよ、ちょっとね。
3番目の病気とか怪我の発生率も高いと。
コットン
これも先ほどの教科書に書いてあったことですけれども、
砂浴び場がなくて砂浴びができないし、あとこう地面を歩いて色々床を、地面を引っ掻いて餌を探す行動ができないので、爪が伸びていくんです。
そうするとケージに爪が引っかかって、爪が壊れたりとか、あるいは足が炎症してしまうといったリスクにつながります。
あとケージと接触する部分とか機会が多いので、ケージに擦れてその羽が摩耗して皮膚が露出しやすくなる。
コットン
さらにですね、運動しないんですよね、採卵鶏はずっとケージの中にいて過ごすので運動できなくって、あと飛んで上下運動したりとかできないので、
骨の密度がすごい低下すると。
コットン
骨の強度が低くなってしまうと、
他のシステムで飼育された鶏よりも5倍骨折が発生しやすいと言われています。
コットン
さらに次の輸送中の環境の問題にいきますけど、こういう骨密度がすごい低下した状態で、
コットン
その屠殺の日は乱暴に捕獲されてケースに突っ込まれるわけですね。
コットン
なのでその時に骨折する鶏も増えるし、脱臼したり足がもげたりします。
骨折したまま治療されず、長い時間輸送されるわけですね、鶏たちは。
どういう長い時間かというと、
コットン
3時間以上、6時間未満と6時間超の輸送時間が15%。
峠だと3時間以内ができるんですけど、
コットン
たとえば、こういう鶏の部分を骨折した場合は、
厚生労働省の調査によると
3時間以上6時間未満と6時間超の予想時間が15%
統計だと3時間以内の大半を占めているように見えるんですけれども
コットン
報告なしが40%あって
報告なしってなんだろうって感じですけど
結構長いかもしれません
コットン
出てくる数字だと15%が3時間以上の輸送時間を経験している
海外だとニワトリの羽の両側を持って
コットン
優しく箱に入れましょうということが
アニマルウェフィアの認証基準と言われているんですけど
コットン
作業員の人も時間がない中でですね
コットン
数人で数千羽のニワトリを3、4時間で
トラックに詰め込まなければならないといった状況なので
コットン
アニマルウェフィアに配慮したような
コットン
ニワトリを取る方法も
コットン
なかなか現実的じゃないという状態になってしまっていると
コットン
あと輸送時間も屠殺場がどんどん少なくなっているので
コットン
長くならざるを得なくなっていて
東北には青森にしか採卵鶏を処理する処理所がなくて
15:04
コットン
なので東北地方の採卵鶏は
コットン
青森かあるいは関東の茨城まで運ばなきゃいけなくなってしまうということで
コットン
だからこの地域の採卵鶏はですね
この長い距離は最後の最後に
コットン
輸送されなくてはならないという状況だと
むらた
なるほど
ケージでの飼育で傷ついて
骨も弱くなっている状態で乱暴に詰め込まれて
その後にひどいコンディションの中で
結構な長距離を耐えないといけないという状況なわけですね
コットン
もちろんこの間水も飲めなければ餌もないと
じゃあ屠殺場に着きましたと
5番目、この時の屠殺処理方法と屠殺そのものの方法に関してですけれども
これまた厚生労働省の先ほどの調査の報告によると
コットン
鶏が屠畜場に着いた後
コットン
約半分が12時間以上そこで待機させられる
コットン
3時間以上かかって着いて
あと12時間以上放置される
それはもちろんすごい寒い今みたいな冬もそうだし
ものすごい暑い夏もそうです
コットン
その間食事も水も与えないと。
じゃあ12時間待って屠殺が始まったとき。
アニマルフェアに配慮している国だと
コットン
その鶏はガスで気絶させられて
コットン
それから血を抜いたりとかそういう処理に入るんですけど
日本はそれが進んでないので
コットン
生きたまま金具に逆さ吊りにされます
国内の9割の食鳥処理場だと
コットン
生きているまま首を切って頸動脈を切って
コットン
残りの約1割の食鳥処理場だと
電気の通った水槽に頭をつけて
コットン
意識を失わせてから首を切ります
むらた
いや、本当にあの、私は映像でこういう様子を見たことがありますけど
本当に生き物を扱っているとは思えないような光景ですよね
コットン
しかもこの間その頸動脈を切って
1分間は意識があるので
その間ずっと苦しみを痛みを感じ続けるわけですよね
さらに頸動脈をちゃんと切らないと
コットン
意識を失わないと。
コットン
失敗すると
採卵鶏というとブロイラーになってくるかもしれないんですけれども
その後熱湯に入れて羽根を取る作業があるんですけど
この時に意識を失ってないと首を切られて
その後意識があるまま熱湯につけられるみたいなこともあって
すると全身が火傷で真っ赤になって売り物にならなくなる
コットン
これは廃棄処分されて年間で61万件あるというふうに報告されていて
18:01
コットン
これはアメリカは約3万羽なんです1年間で
コットン
意識を失わずに熱湯に入れられた鶏の数は3万羽で
コットン
それに対して日本が61万羽と
コットン
この屠殺の状況と輸送中の環境に関する
日本の研究論文は全然なくて
研究が見つからなくて
コットン
アニマライツセンターさんの報告を引用しています
アニマライツセンターさんはですね
コットン
環境省 厚生労働省 国会議員に事前の意識喪失なしの
屠殺禁止を求め あなたの声を届けてくださいという
コットン
キャンペーンページを作っていて
コットン
そこでさっきイワトリの屠殺の様子を
撮影した動画を閲覧できるので
コットン
で、これ多分屠殺場で働いている人がリスクを侵して
コットン
撮っているものだと思うんですよね
多分。見るべきじゃないかなと思います
そのページに今紹介している内容を詳しく書いてあったりします
確認なんですけど
最後の4と5とかって屠殺に関連しているところで
いわゆる食肉用の鳥の話になってたと思うんですけど
採卵鶏に似たような感じってことになるんですか
コットン
この質問も含めて竹下さんから3点質問がありました
これに対して収録時は調査不足で
煮え切らない回答をしてしまいました
輸送と屠殺の問題について調べる際に参照したのは
アニマライツセンターさんですが
その代表を務める岡田さんの助けを借りて
再度事実を確認し この部分だけ再録しています
竹下さんからの質問は次の3つです
1 屠殺と輸送の問題点として挙げていたのは
採卵鶏の話か 肉用の鶏の話か
2 輸送のところで参照している厚生労働省の資料は
食鳥処理上の調査結果だが
採卵鶏の輸送状況はどうなのか
3 採卵鶏も屠殺はされるだろうが
その際 肉用の鶏とは異なる扱いを受けるのか
という3点です
この3点についてお答えします
まず 輸送の問題、屠殺の問題として挙げた問題は
いずれも採卵鶏に関わります
輸送のところで参照した厚生労働省の資料は
主として成鶏を処理している大規模食鳥処理場対象とあり
ここで成鶏は廃鶏。
すなわち農場で用済みとなって屠殺処理される採卵鶏のことなので
まさに採卵鶏の輸送に関する資料になっています
また 屠殺方法の問題として
頸動脈を切る前に気絶処理がされない
事前の気絶処理がされていても
電気による気絶処理では失敗することがある
そのため生きたまま熱湯処理される鶏もいるという問題は
採卵鶏にも当てはまります
採卵鶏も熱湯処理されるのは
屠殺処理された採卵鶏は
スーパーで一般的に売られているような鶏肉としては出荷されることはありませんが
それでも缶詰の肉 加工食品の肉
冷凍食品の肉 ミンチ、チキンエキスやチキンハムなどに利用されるからです
21:03
コットン
また、そのトサカはヒアルロン酸や保湿剤として利用されているとのことです
コットン
したがって採卵鶏も熱湯処理されるわけですが
岡田さんによると採卵鶏の場合
気絶処理に失敗して熱湯処理される割合は
肉用鶏よりも多いとのことです
生きたまま熱湯処理されると皮膚が赤くなり
放血不良として食肉にはできず廃棄されますので
価値の高い肉用系の場合はこの放血処理を防ぐインセンティブが働きますが
コットン
採卵鶏の肉の場合、価値が低いため
より処理が雑になるというような予想がつきます
コットン
屠殺されるニワトリの苦しみを防ぐには
ニワトリを苦しめず確実に意識を失わせるガスによる気絶処理を行うこと
監視するものが失敗していた場合に
監視係がそのニワトリをラインから外して処置を行うといった対処が必要になります
参考資料に挙げたARC(アニマルライツセンター)さんのサイトでは
その対処を行うよう農林水産省に意見を届けることができます
竹下さんからの質問への回答をまとめます
屠殺と輸送の問題点として挙げられていたのは採卵鶏の話かという点に関しては
イエスと答えられます
むしろ採卵鶏の方がひどい状況です
輸送のところで参照している厚生労働省の資料は食鳥処理上の調査結果だが
採卵鶏の輸送状況はどうなのかという点については
この資料は成鶏を主に扱う食鳥処理上の調査結果で
成鶏とは廃鶏とも呼ばれる
コットン
廃棄される採卵鶏のことでした
コットン
3つ目の質問として採卵鶏が屠殺されるとき
肉用系とは異なる扱いを受けるのかという点にも
やはりイエスと答えられます
むしろ採卵鶏の方が肉の価値が低いため
コットン
ひどい雑な扱いを受けるということになります
むらた
今採卵鶏の話でしたけど
この動物について軽く触れていただきましょうか
コットン
採卵鶏は卵を産むニワトリなので
基本的にはメスが今言った状況で飼われているんですけども
もちろんオスも生まれてくるわけですね
同じ割合で
コットン
オスに生まれたヒヨコはどうなるかというと
コットン
良ければシュレッダーでその日のうちに殺されて
最悪の場合はただ袋詰めにされて
他のヒヨコの重さで圧力を受けられて
長い間苦しんで死ぬ
コットン
あるいは死んでない
コットン
ずっと死なないでどこかに放置されているかもしれないですけど
今度母豚の方に行くと
母豚というのは出荷する豚を産むように育てられている豚ですけども
コットン
母豚も実は最後は出荷されたりするんですけど
この母豚は大体6回くらい妊娠サイクルを繰り返しされて
妊娠させられて
コットン
大体ほぼ休みなくですね
44日とかそれぐらいの間隔を置いて
産んでから
むらた
産んで21日間授乳期間があって
コットン
その後子豚は肥育期間に入って
24:05
コットン
授乳が終わったと少し日数日にちを空けてからまた妊娠させられるというサイクルを
母豚は繰り返していて
妊娠ストールといって
身動きもできないような
方向転換ができない柵で囲われたところに
コットン
母豚は拘束されるわけですね
コットン
個体管理がしやすいからということで
コットン
ずっとここに母豚をストールの中に置いていくということがよく行われています
コットン
乳牛だと日本だとやっぱり管理がしやすくて
掃除がしやすいと
糞をする場所が一定になるということで
ずっと首を紐で固定されて
コットン
やっぱり方向転換ができないような状態に置かれているとか
コットン
あと最後はエビですかね
エビの養殖場では
コットン
すごい水質が汚くて悪くなっていると
お母さんエビは子どもを産まなくなっちゃうんですね
コットン
そこでエビの目の片方を切って
そうすると水質の判断ができなくなって
再び子どもを産むようになるみたいなことがあるらしくて
コットン
もしくは麻酔なしでエビの片目を切るみたいなことが行われていたり
コットン
あと陸上養殖とか
最近日本だとすごい力を入れているところがありますけど
そこも衛生状態が悪くて
コットン
体中に寄生虫を食われていたりとか
病気になっていたりとか
コットン
あるいは酸素濃度が薄かったりみたいなところも
あるみたいです
でもここはちょっと自分専門じゃないので
日本でどうなっているか分からないんですけど
むらた
養殖されている魚も衛生状態が悪くて
寄生虫に食べられていると
コットン
そうですね
コットン
海外というか世界的に
コットン
この養殖場の魚というのもかなりウェルフェアが低いと言われている
日本での現状というのは改めて調べるべきところですね
むらた
なるほど
ちょっと調査も日本は不十分なところがありそうですね
コットン
研究者が少ないですね
コットン
では、それぞれの動物がひどい状態で飼われているんですけど
コットン
その数もすごいというのを最後に簡単に
触れておくと
お願いします
コットン
今2020年の1年間で
陸上脊椎動物
魚を除いて
約800億ですね
コットン
800億頭が屠殺されていると
むらた
800億頭
コットン
人類の数より全然多いと
27:00
コットン
魚類も含めるとさらに数は増えるだろうし
日本にも目を向けると
日本は1億7千万の採卵鶏が令和6年に飼育されている
ブロイラーも1億4千万
豚は870、まあ880万頭
コットン
だからどの動物も日本人と同じくらいの数
毎年飼われて
コットン
しかも寿命が来る前にどんどん屠殺されているので
コットン
先ほど紹介した採卵鶏
コットン
ケージ飼育されている採卵鶏の割合というと
コットン
国の調査は
経営者の個数で統計をとっていて
コットン
ケージ型の経営者の方がたくさんの鶏を飼えるので
個数だけで統計をとると
コットン
あまり正確なケージ飼育されている鶏の数は
ちゃんと反映していないんですよね
コットン
それでも90%以上だと思うんですけど
コットン
アニマライツセンターさんが電話調査とか
コットン
あるいはウェブサイトで公表されていた
から割り出した数だと
コットン
ケージフリー飼育されている鶏
ケージフリーの方の鶏ですね
コットン
ケージをつかないで飼われている鶏の割合は
日本だと1.1%くらいだというふうに
むらた
ほぼ100%が
B5用紙ぐらいのケージで飼われている
コットン
一生をそこで過ごしているということですね
コットン
アメリカだと2024年3月には
コットン
ケージフリーの割合が40%を超えているし
ヨーロッパだとそもそも
従来型のケージ飼育は禁止されて
半分がケージフリーになってますね
コットン
韓国は4.6%インドは22%
コットン
インドネシアは12%がケージフリー
コットン
こんな感じで工場畜産場の現状と
コットン
あと日本の現状を簡単に紹介して
コットン
この状況に動物たちが置かれていても
動物だから関係ないとか
人間が来るには仕方ないというふうに
コットン
考えるのが許されるのかといったら
コットン
どうなのかというところを
倫理学の観点からこれから竹下さんに
コットン
解説してもらうんですけれども
コットン
最後に簡単に
この時点ですでに
この状況を変えなきゃいけないと
コットン
思う人がいたとしたら
コットン
なるべく動物製品の消費を減らすとか
30:00
コットン
あるいはケージフリー卵とか平飼い卵とか
コットン
アニマルエフェアに配慮した製品から買うとか
コットン
あるいはそれ扱うよう近所のスーパーとか
コットン
ホテルとかレストランに要望を出す
コットン
ということができます
あとヴィーガンにもいろんな人いますけれども
動物問題に関してある人はまさに
こういう動機から
コットン
動物の製品の消費をなくしているんだ
というのも知ってもらえればなというふうに
思っております
コットン
以上です
長くなったな
むらた
ありがとうございます
本当に
同じ生き物とは思えない
この扱われ方と
規模もびっくりでしたね
全人口の
日本人の全人口ぐらいの
家畜
それ以上の家畜が
毎年
殺されている
それもすごい
本当に…、死んだほうがいいんじゃないかって
思ってしまうぐらいの
拷問なんじゃないかみたいな
ちょっと思わされましたけど
今日は
まず
ヴィーガン
なんでヴィーガンにならないといけないのか
っていうのを話す前段階として
どういう状況なのかを
コットンさんにお話いただきました
ではまた次回から
竹下さんにバトンタッチして
この現状を踏まえて
倫理学の理論からは
どうこれが悪いと言えるのか
っていうところを
またお話ししていただきたいなと思います
では今回は以上ということで
コットンさん
皆さん
竹下さん
礼さん
ありがとうございました
コットン
ありがとうございました
むらた
また次回
見ていただけたらと思います
なんでも倫理ラジオではお便りを募集しています
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これって倫理的にどうなんだと思ったエピソードなど
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32:58

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