1. なんでも倫理
  2. #27-1 善悪って、そんなに簡単..
2025-05-05 36:28

#27-1 善悪って、そんなに簡単?目指せポピュラー?映画『WICKED』感想回 (前編)

現在公開中の映画『WICKED』を観た4人が、主題や表現についての感想をシェアしました!

オズの魔法使いの前日譚であり壮大なファンタジー世界を描いた本作『WICKED』その物語には、動物への抑圧、友情、善悪の裏に隠れた事実など、現実社会との共通点がたくさん描かれています。あらゆるマイノリティへのメッセージも感じる『WICKED』をさまざまな視点から捉え、語り合いました。


※思いっきりネタバレあり!ご注意ください。


---

実は動物が社会から抑圧される過程を描いた話/グリンダのキャラ良いよね/善悪なんてはっきり言い切れないはず/欧米と日本での感想は違ってくる/誰かを悪に仕立てあげる社会構造/2人の友情に涙/ポピュラーになりたい/物事の背景に目を向ける意識

サマリー

映画『WICKED』では、オズの魔法使いに登場する二人の魔女、エルファバとグリンダの友情やそれぞれの立場が描かれ、善悪のラベリングが問い直されています。また、動物や人種差別、社会的に疎外されやすい属性を持つ人の表象など、多様なテーマが探求されています。魔女のエルファバとグリンダの関係を通じて、一貫した自己主張の重要性が描かれ、特にリーダーシップや個人のアイデンティティのジレンマが浮き彫りになります。また、善悪の複雑な関係が特にエルファバとグリンダの視点を通じて描かれ、信頼や裏切り、動物の解放に関するテーマが探求されています。

映画『WICKED』のあらすじ
むらた
さあ始まりました、なんでも倫理ラジオです。このポッドキャストは、動物と倫理と哲学のメディア、ASがお送りします。進行は私、むらたです。よろしくお願いします。
はい、本日のメンバーは、この方々です。
ゆりみ
ゆりみです。
Kosei
Koseiです。お願いします。
ちはる
ちはるです。
むらた
お願いします。
ゆりみ
いえーい。
むらた
わーい。
ゆりみ
わーい。
むらた
今日はですね、最近話題になっております、映画『『WICKED』』の感想シェア会をしていきたいと思います。
ぴよぴよぴよ。
ゆりみ
いえーい。
むらた
はい。あらすじからかな。ちはるさんからあらすじを紹介していただこうかな。お願いします。
ちはる
映画『『WICKED』』のあらすじとしては、別の話で『オズの魔法使い』に登場する二人の魔女が主人公なんですよ。
『オズの魔法使い』のアナザーストーリーみたいな感じで。その二人の魔女っていうのが、一人が緑色の肌を持つ西の悪い魔女と後に呼ばれることになるエルファバ。
もう一人がエルファバと反対で良い魔女としてみんなから愛されるグリンダ。
この二人の友情と、それぞれがなんで一方は悪い魔女で反対、もう一人は良い魔女、正反対の扱われ方をするようになったのかっていう過程を見せてくれているのが、今公開されている『『WICKED』』のパート1なんです。
むらた
前半、はい。
ゆりみ
パート1なんですよね。
むらた
ゆりみさんとKoseiさんは、
1話完結だと思って映画館にね。
知らずに行きました。
Kosei
知らずに行ったらパート1で終わって。
ゆりみ
そうそう、終わりがけにね。しかも。
むらた
一番の衝撃。
ゆりみ
そうそう、一番の衝撃になってしまった。
むらた
最後の最後で。
今日はこの『WICKED』の話をしていきたいんですけど、
なんでASで話すかっていうと、結構ね、動物が話題に上がってきたりなんかして、
(『WICKED』で)そういう動物と一緒に住む世界観でやってたので、
他の面でもですけど、結構話しがいのある映画かなと思います。
「良い魔女」と「悪い魔女」?
むらた
今日はどんどん中身話しちゃうので、ネタバレされたくないよって方は見てからお聞きいただければと思います。
そうですね、これ聞いて観に行く。観に行きたくなってくれたらそれもまた嬉しいんですけど。
という感じで、じゃあちょっとどんどん感想を聞いていきたいと思いますが、
ゆりみさんどうでした?
ゆりみ
そうですね、まず冒頭で良い魔女の何々が言いました、悪い魔女の何々が言ってとか言ってて。
なんかそんな良し悪しをパッキリ分け合えるなんておかしいぞっていう気がして、
なんか裏話あるんちゃうかみたいなので、始まってみたら、
そういう感じというか、良い悪いっていうのがいかに作られてみたいなのが語られて面白かったですね。
あとはそのやっぱり、日本じゃあんま馴染みないけどやっぱり人種差別の話とかが予告で出てたんかなみたいなのは良かった。
でも典型的ななんか白人エリートと黒人エリートなのかな。あまりにも典型的な人物像過ぎている感じもしなくはないというのがあったかな。
全体的に。
むらた
エルファバとグリンダ。
ゆりみ
そうそう。その配役とか、割と分かりやすい感じになってて、
それがなんか風刺的なのかなと思ったんですけど、あまりにもクリアな感じがしたという感じかな。
むらた
なるほど。
ゆりみ
それもわりと示唆的だったって感じです。現実社会に即して考えることが多そう。
むらた
そうですよね。私もいろいろ重ね合わせながら見てました。
描かれる動物の迫害
むらた
一応紹介しておくと、グリンダ役がアリアナ・グランデで、悪い魔女になったエルファバ役がシンシア・エリヴォっていう黒人の俳優の方です。
じゃあ、ちはるさんに聞こうかな。
ちはる
私はミュージカルが元々好きなので、このウィキッドはミュージカルの中でも有名な作品だったり、
私の周りのミュージカル好きな方の中でもとりわけ人気な評価の高い作品だったから、
映画やるってなった時に見たいなと元々思ってたんですよ。
なんですけど、見てみたら……びっくりしませんでした?
こんなに社会から動物が抑圧されて排除されていく過程をこんなにしっかり描いている作品だったんだっていうのは全然知らなかったので、惹き込まれましたね。
むらた
そうですよね。私も姉とか母とかが先に観に行ってて。早く観に行きなよとかそういう感じで言われて、
アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォが2人ともヴィーガンみたいな情報を聞いて、気になるなって思って行ったら、
「めちゃめちゃ動物解放の話!?」みたいになって、すごい考えさせられながら共鳴しながら観ましたね。
Koseiさんは?
Kosei
面白かったですね。まず景色がすげえきれい。内容以前の話になっちゃうけど、お花畑とか超でかいし。
ちはる
本当に植えたらしいですよ。
Kosei
らしいですよね。半端ないですよね、その話とか。
色も美しいし。毎カット毎カット見てるだけで気持ちいいし、音も音楽も素敵で、しかも当時にありそうな笛とか、楽器で演奏されてるなって思いながら聞いてたんですけど、
それもすごい素敵だったし、見てるだけで気持ちいいなっていうのがすごい思いました。
いつも僕映画見るとき、キャラ……この人好きだなって思う、キャラを見ちゃうんですけど、
アリアナ・グランデのグリンダが好きすぎて……グリンダが好きすぎて本当に、あーって思いながら見てましたね。
あんなキャラ全然見たことなかったから新鮮で。最近はもうあんなにポピュラーのやつ。
ポピュリストだよね、しかもね。その後に政治的な権力に。そんなやつがあんな魅力的に描かれて、素敵って思っちゃいました。
それが良かった。良いって言うのにもびっくりしたし、そんな感じ。
ゆりみ
確かにな、そうやんな。すごい右派的な感じなんよな。
Kosei
素敵な人柄って思っちゃいましたね。
むらた
確かに、自分にコンプレックス持ってる人が自分を解放していくストーリーみたいなのが多いような気がするけど、
グリンダはもう最初から人気者っていう自覚があって、実際人気者で。
ゆりみ
でもそれで言うと、バービー(映画『バービー』の主人公)とかもさ、わりと明るかった気がする。
むらた
そうかもね、確かに。
ゆりみ
(バービーは)でも明るくて、頭すっからかんでみたいなのから始まって、そこがちょっと深みを帯びるみたいな。
欧米はその型なんか、もしかして。日本は根暗な気がする。ジブリはじめとして。
Kosei
そうなのかな。(グリンダに)共感しちゃいましたね。
むらた
本当、良かったですよね。
ちはる
良い魔女、悪い魔女って、すごい正反対のラベリングをされてるけど、
本当に話見てたら、グリンダだって、人を下げても自分を見てもらうみたいなところとか、
エルファバもエルファバでそんな悪い人じゃないっていうのはお話見てたらわかるし、
だから良い悪いでそんなはっきり何事も言えないんだなっていうのは、
はっきり言い切ることの恐ろしさとかも見てて感じました。
むらた
そうですね、今、ラベリングって言葉が出ましたけど、
なんかいろんなところでラベルが効いてきてるなっていう。
動物出てきましたけど、動物を共通の敵に仕立て上げるみたいな政策だったりとか、
良い魔女、悪い魔女っていうところも、
ラベルによって見え方が変わるし、それを共有することで、
なんか怖いものが生まれてくる感じがしましたね。
ちはる
あれですよね、たしか市民が混乱とかしちゃうのを収める、
力の強い人によって良い感じに収めるために、
動物、立場の弱い存在として動物と、
その動物が排除されてるってことに違和感を持った、
気づいたエルファバが気づいてしまった存在として、
また共通の敵に仕立て上げられていくっていう風に描かれてたと思うんですけど、
共通の敵に仕立て上げられたとしても、市民はそれに気づかないじゃないですか。
そういうもんだと思って、普通に生きてるのって本当に現実と同じだし、
怖いですよね。
そうやって種差別とかが無意識に行われているのを気づけないで
世界が作られていくっていうのもゾワってしました。
これも現実にもあることだし。
むらた
本当、外側からこの物語を見てるぶん、市民の外から怖さを認識できるみたいなところがあったというか、
それこそ最初ゆりみさんがオープニング見て、
「あれ、こんな良い悪いはっきり言って大丈夫なのか」みたいな言ってましたけど。
ゆりみ
そう、だって、
入試の試験の選択肢でも「言い切りは避けろ」みたいな。
絶対に間違いの選択肢だみたいな。
むらた
そこで鍛えられてたんですね。
ゆりみ
そこですりこまれてるから、絶対ないやろみたいな。
むらた
これはおかしいぞっていう。
象徴として観られてしまう「動物」
ゆりみ
そうそう。
あとは動物の解放文脈で言うと、
結構欧米で公開されたときの反応と日本で公開されたときの反応ってちょっと違いそうかなみたいなのがあって。
日本でヴィーガニズムとかほとんど一般の人たちは知らないと思われるなかで、
あれ(映画『WICKED』で描かれる動物の迫害と解放の過程)っていうのは、単なるメタファーになってるところもあるのかなって思ったりしました。
もう少し、身近なケースに当てはめて考えるっていうのがあるのかなって。
例えば動物として描かれていたと思うんですけど、
何の生き物か忘れたけど、シカ?あれは。
むらた
ヤギ?
ちはる
ヤギ。笑
ヤギです、あれは。
ゆりみ
そう、ヤギの先生が他の動物たち集めて、
動物たちが迫害されて行方不明になっている人がいるみたいな話をして、
現に先生も連れて行かれて、
連れられるとき、「連れて行かれても言葉を失わない」とか、
そんなことを言った記憶があって。
動物が連れ去られて、かつその動物が言葉を学べないようにして、
かつ閉じ込めておくみたいな。
物理的にも何も社会に影響を与えられないようにしつつ、
かつ思想的にも何か介入っていうのが難しくなるように施すというか、
閉じ込めておくみたいなことを動物たちに人間がやるみたいなやっていてやばい
みたいな感じで物語が進んでいたと思うんですけど。
おそらくそれって過去には人間の中でもあったことで、
人種とかあるいは階級とか、
差別されていた下の階級の人とかが教育を受けられないとか、
ある特定の人種が教育を受けられなくて、
自分が悪い立場にいるっていうことをうまく説明できないとか、
バカにされるとか、
そういう構造的に常に劣位に置かれるように、
人間の環境に置かれるみたいなのがあったと思っていて、
そういうふうにも解釈できるし、
単刀直入に動物の話としても捉えられるような表現だったのかなと思っていて、
日本においては人種的なことも理解が薄いし、
ヴィーガニズムはまだ浸透していないから、
これはもう少し時代を追わないと、
人々に響かないのかもと思ったりもしたし、
勘のいい人はいろいろ考えるのかなと思ったりもした。
むらた
そうですね。自分が動物倫理とかに関心があるから、
めっちゃ動物の話だって思って見てましたけど、
家帰って「見てきたよ」って姉とかに言って、
何が良かったみたいな、
どこが気になったみたいな話した時に、
やっぱり動物が抑圧されて、
それを解放するっていうのが、
すごい自分のことのように思われたみたいな、
そんな話題を出したら、
あ、そっかみたいな。
全然私に言われるまでは、
それこそメタファーとしての動物として、
姉には見えてたのかなっていう感じがして。
ほとんどの人はきっと、
実際に動物に起きてる問題と重ねてっていう見方は、
あんまりしないのかなっていう気がしましたね。
ちはる
この映画って本当に取り扱ってる題材が多いじゃないですか。
メインは2人の魔女の(一方の)肌が緑色っていうことで、
疎外されて育ってきたとか、
2人のお話がメインだから、
あともちろん映像とか音楽も素晴らしいのもあるし、
エンタメの中でよく話題になるのがあれなんですよ。
障害を持った方の役を演じるのが、
毎回健常者だっていう、それで仕事を奪ってるみたいな。
そこも今回のこの映画は、
実際に普段も車椅子ユーザーの方が、
車椅子で出演されている。
ほんとうに意識をしてキャスティングしてたりとか。
映画を見た後に調べて知ったことで、
キャスティングされた方の中に、
LGBTQ+をオープンにしてる方が複数名いらっしゃったりとか。
私たちも動物倫理、動物にフューチャーして観れているけど、
動物とか人種とか以外にも、
世の中にあるありとあらゆる、
抑圧されてきた人たちを可視化しようとしている。
そういう意志を感じる映画だから、
本当にね、見る場所が多い。
語りきれないですよね。
関係性のなかで揺れる善悪
ゆりみ
確かに。それで言うと結構、
最後のシーンっていうか、終盤の、
エルファバが一人で飛んでいくシーン、
あるじゃないですか。
(飛んでいくエルファバに)グリンダがついていけないって言って。
なんでついていけなかったのかとか、
なんで(エルファバとグリンダが)友達になれたのかとかも、
話せるポイントかなと思うんですけど。
やっぱりエルファバが一人で飛んでいって、
誰もついていかなかった。
彼女を悪というか、
イレギュラーなことをする存在としてしか見れずに、
誰も支援できなかったっていうのは結構、
今のヴィーガンベジタリアンとかの置かれてる状況と、
ほぼ一致するかなとは思っていたという。
なかなか悪者に仕立て上げられがちみたいな、
あんまり受け入れられないがちなんか……っていうのをちょっと思って。
後半、パート2では何か起こると信じてるけど。
Koseiはずっと考えてるけど……?
ちはる
本当だ。
むらた
どうですか、グリンダファンとしては。
Kosei
でも、あいついかないだろうなって思ってたけどね。
ゆりみ
ポピュリストだからな。
Kosei
ポピュリストだもんだって。
あそこで二人で飛んでいったら、
あいつの積み上げてきたもの全部失われるからね。
人気がさ。
あの緑の人と一緒に飛ぶやつがポピュラーになりえないじゃん。
社会の敵だし。
むらた
でも一回ポピュリストとしての壁を打破した瞬間はありましたよね。
ダンスの。
Kosei
これでしょ。
むらた
頭ピロピロのダンスシーン。
Kosei
泣いたね。
むらた
泣いたな。
ゆりみ
泣いてたな。
むらた
本当に。
Kosei
こっそり横で泣いてた。
ゆりみ
あそこも結構象徴的よな。
今でもさ、現実社会でもさ、
すごい著名人が一言言ったらさ、
そのツルの一声でさ、
世論が変わったりするやん。
むらた
そうか。
Kosei
でも勇気ある人だよね。
むらた
うん。
全然なんというか、
それまでグリンダはエルファバに共感する素振りとかなくて、
なんならもう見たくないみたいな、
めっちゃ仲悪いみたいな感じだったのに、
急にあれ、そこ歩み寄るんだっていう驚き。
Kosei
でも最初から仲良かったけどな、ある意味では。
むらた
ある意味では、うーん。
ゆりみ
無関心が一番ないっていうもんな。
興味があるっていうこと自体、一歩前進してる感じやもんな。
Kosei
心理的なエネルギーはだいぶルームメイトに二人とも注いでいた。
だからそれが仲良くなったんだよね。
むらた
確かに。
結構最初からちゃんとやり合ってましたもんね。
グリンダがなんかすごい金持ちで、
寮の中でもスイートルームみたいなところにいて、
エルファバは急に(寮に)入ることになったから部屋がなくて、
なんでかわからないけど、
流れでグリンダの部屋に居させてもらうことになって、
でもめっちゃ住みっこに押しやられて。
あそこで、私は無理だなって思ったんですけど、
ちゃんと自分の居場所を主張してますよね、エルファバ。
Kosei
確かにね。
むらた
私の場所を空けてよみたいな。あんたのもの邪魔なんだけどって。
Kosei
俺だったらあの狭いベッドで寝るわ。
むらた
そうですよね。
私も。
Kosei
あれで寝る気がする、すいませんって。
むらた
全然ありがとう。
Kosei
こんなんでもありがとうございますって言って寝そう。
ゆりみ
本当そうよ。
Kosei
確かにね。
ゆりみ
確かに。
Kosei
あれちょっとずうずうしいよな、見方によっては。
ゆりみ
でもずうずうしいって思うのは日本人的感覚なんじゃない?
Kosei
そうなんかな。
ゆりみ
もっと確かにガツガツいってる気がする、その映画とか。
Kosei
そうなの?
ゆりみ
1ヶ月だけ。
Kosei
でも人の部屋泊まりに行ってさ、半分起こせとは言わないよね。
友達の家に泊まりに行ってさ。
まあでも寮だからな。
寮の割り振りっていうことだからなのかな。
ちょっと分かんない、その辺りのあれはちょっと分かんないですけど。
むらた
ちゃんとそれぞれ自分を主張して。
Kosei
確かにな、主張強かったな。
ちはる
最終的には2人もお互いの場所をちゃんと部屋の中でも認め合ってというか、
いがみあいも多分そんなになくなってたし、
最後にエルファバが空に飛び立つシーンとかも、
最終的にはお互いの選んだ道を尊重しているシーンだったのかなって思うから、
あなたはこっちに行く、私はこっちに行く。
そこも2人は自分を貫くっていうのは一貫してて、
自分を貫き、かつ最終的な相手を尊重するみたいなのは貫いてたから、
そこがかっこいいってなった。
確かにな。
Kosei
確かにな。
2人ともストイックですよね。
グリンダの方も。
もうだってポピュラーになることしか考えてないもん。
ポピュラーに全力、本当に。
かける力がすごすぎて、
私ほどはポピュラーになれないけどねみたいな、
むらた
言うなーって。
Kosei
感動しちゃって、
そこまでの自信を備えるまでになる努力やばいなと思って。
むらた
本当ですね。
Kosei
そんな人だからついていかなかったのかもしれないですけど。
ポピュラー主義に反するんじゃないですか。
むらた
確かに。
なんだろう、それぞれ自己主張してて、
最初の方、いがみあってるときは、
お互いが目障りなわけじゃないですか。
もっと静かにしてくれないかなとか、
なんであの人、ああ言うんだろうとか、
あいつバカだなーみたいなのとか思ってて、
その間って、別になんだろう、
あの人はあの人でいいやって感じよりは、
(相手自身が)変わってくれないかなーみたいな、
もうちょっと静かにしてくれないかなーみたいな、
相手変わってほしいっていう(考えが)、尊重よりも、
そういうのがあるのかなって思うんですけど、
だんだんその人のままでいいんだなっていうか、
良さがわかってきたっていうことなのか、
単に諦めたのか、どうなのかなと思ったり。
ゆりみ
確かに。
でもあれですよね、
いろんな誤解が積み重なって進んだ部分もあったから、
それがリアルやなと思った。
(グリンダがエルファバに)パーティにこの帽子被っていたらっていうのも半分嫌味みたいな感じで、
(グリンダは)「このダサい帽子、あなたなら似合うわ」と思いつつ渡しているわけだけど、
(エルファバは)それを割と好意的に受け取って、パーティに参加してみたいな、
それでちょっと偶然にも距離が縮まるみたいな。
そういう意図しない行動が話を展開させるみたいなのは、
すごいリアルやなって。
むらた
めっちゃそうだったか。
そこすごい謎だったんですよね。
腑に落ちないっていうか。
グリンダがちょっと悪意を持って、
このおばあちゃんからもらったみたいな帽子、
あの子に被らせようみたいな感じだったのが、
私、エルファバはそれに気づかないのかなってすごい思って、
そんなにグリンダのこと信用してたの?みたいな感じで見てて。
妹がグリンダのおかげでボーイフレンドと引き合わされて、
すごいグリンダには感謝してるみたいな言葉を言われて、
だからお姉ちゃんのエルファバには、
もっとグリンダのそんな悪いことばっか言わないでみたいな言ってて、
それもあって、ちょっとグリンダを信じてみようかなみたいな、
なったっていう流れだったけど。
ゆりみ
確かに。でも、そうやな。
確かに人々がなぜそこまでグリンダを信じたのかとか、
あるいはオズを信じて暮らしているのかっていうのは、
闇深いところではあるというか、
よく見るとおかしいはずやのに、
お城の警備してる猿とかもむちゃくちゃいかついし、
まず動物を使えさせているという時点で、
ちょっとさ、っていう感じやし。
むらた
いや〜、オズね。
オズの魔法使い、(オズは)国王みたいな感じでしたけど、
そこにエルファバが会いに行けるってことになって、
王室的なところにたどり着いて出会って、
あ、会うべき人に会えたみたいな。
オズの魔法使いも動物解放したいと思ってるんだ。
「(エルファバがオズのことを)すごいずっと前から知ってるみたい」(と感じている)シーン見て、
すごい私は嬉しくて。
動物のアライに会えたっていう気持ちになって、
なんなら泣いちゃうぐらいの、
会えた……!って感動しちゃうぐらいだったんですけど、
まあ、裏切られるわけじゃないですか。
感動した分めちゃくちゃ怒ってたんですけど私は。
それで、でも確かになんか、
言われてみれば最初っからうさんくさかったですよね。
あのオズ。マジックみたいな感じで、
エルファバの耳元パチンってして、
あ、コインだみたいな。
いやいや、魔法じゃなくて手品やろみたいな。
みんなに信じられてたんですよね。
ちはる
オズってあんま力なかったじゃないですか、
だから多分エルファバをそばに置きたかったんだと思うんですけど、
サルの警備たちに、
エルファバが(サルに)魔法かけてやってみてと、
(オズに)そそのかされて、(サルに)羽が生えちゃったじゃないですか。
で、サルにこんな酷いことをした魔女、
危険人物だみたいに、
悪……共通の敵に仕立てあげられたのが、
シズ大学、2人の魔女が通ってた大学で、
動物教授がいなくなっていることに、
唯一、違和感。
これはおかしいって気づいたエルファバが、
優秀な動物のアライだった人を、
そうやって共通の敵にして、
っていうのが本当に悲しかった。
むらた
サル苦しんでましたもんね。
背中から翼が。
ゆりみ
サルの後にうちは、
あ、そっか、うちも騙されてたんや、
っていうのに気づいた。
要は、サルは昔から鳥になりたかったんだ、
みたいなのをオズが言って、
あ、そうなんだ、みたいにエルファバが思って、
実際に呪いをかけるみたいなことで、
でもやってみたらすごい嫌がっててとか、
その後、話を聞くと、
つじつまが合えへんところがあって、
実は(オズは)動物を追放したかった、
駆逐したかったんだ、こいつ、
みたいなのがわかるっていう。
結構、視点が違えば見方が変わるな、みたいな。
視点が違えば、
なんか全然表現の意味が変わるな、みたいなのがあって、
そのサルの表情も、
なんていうのかな、
その忠実な家臣として、
なんかこう、
なんかこわばった顔してたと思うけど。
「鳥になりたいんだろう?」みたいに問われても、
なんか無言みたいな。
むらた
なんか照れてるのかな、みたいな。
ゆりみ
そうそう。照れてるのかな、くらいに思ってたけど、
その後の急展開で、
本当は嫌だったんだな、みたいなので、
動物とか含め、言語のない、
言語があったとしても、
その場では違うこと言うかもしれへんし、
やっぱり他者のことを理解しきれないのかな、
みたいなことも思ったりしたという感じ。
Kosei
僕はそんなに、実は、オズの魔法使い嫌いじゃなくて。
むらた
おお!
ゆりみ
嫌いにはあんまなられへんさ。
Kosei
そうなんだよ。いいおじさんなんだよ、あれ。
むらた
なんでも倫理ラジオではお便りを募集しています。
感想、番組で取り上げてほしいテーマ、
これって倫理的にどうなんだと思ったエピソードなど、
どしどしお送りください。
概要欄のフォームからお待ちしております。
また、SNSでのシェアも大変ありがたいです。
Xやインスタグラムで、
エース、動物と倫理と哲学のメディアを
メンションしていただいて、
ハッシュタグなんでも倫理をつけてご投稿ください。
とても励みになりますので、ぜひぜひお願いします。
36:28

コメント

スクロール