00:00
ミシマ
みなさん、こんにちは。ミシマ社ラジオです。
本をあまり読まない人も、本好きな人も、思わずその本を読みたくなる。
そんな時間をお送りします。
出版社ミシマ社が運営する、本との出会いがちょっとだけ広がるラジオです。
こんにちは。ミシマ社のミシマです。
フジモト
アシスタントのフジモトです。
ミシマ
はい。いやー、どんどん暑くなっておりますね。
あの、周防大島もなかなか蒸し暑かったりもしたんですけれども、
今日、予告してた通り、MIKKEから内田さんとの対話をお届けしたいなと思うんですが、
先週に引き続いて、『極楽よのぅ』内田健太郎さんの本、編集しましたノザキさんにも来てもらってます。
ノザキさん、よろしくお願いします。
ノザキ
はい、こんにちは。京都オフィスのノザキです。よろしくお願いします。
ミシマ
はい、いやー、どうですか『極楽よのぅ』。
ノザキ
いや、ちょっと話したいことがあんまりにもあったので、
これは自ら、ここの回も参加させていただいております。
ミシマ
先週はちょっと結構、僕が無理やりにね。
ノザキ
急に、みたいな感じだったんですけど、あの、実はちょっと、
いや、私、気づいてしまったことがあって、
この本のことで、ちょっとどうしても言いたいので、
あの、いいですか、この場を借りて。
いや、なんか内田さんの今回初エッセイ集で、
島の暮らしのことが書かれているんですけど、
その中には、じいちゃんばあちゃんから言われた言葉を受けて、内田さんが考えたこととか、
その養蜂家としての仕事以外にも、
普段こう、生活する中で起こる出来事とか、
いろんなことが書かれているんですね。
その中身はぜひ読んでいただきたいんですけど、
なんか、この本が完成して発売日を迎えて、
私も担当編集っていうところから、一読者みたいな形で、
この本を楽しく読んでたら、すごいことに気づきました。
ミシマ
おお、何々。
ノザキ
なんていうか、こんなに語り出していいのかわかんないんですけど、
暮らしのエッセイとか言う時に、
よくこう、なんですか、食べ物とか、生活とか、
なんていうのか、生活の中にもいろいろあるんですけど、
シンプルに言うと、内田さん、車のシーンがすごい。
ミシマ
車のシーン、多いですね。
ノザキ
そう。
ミシマ
確かに。
ノザキ
いや、なんか、
ミシマ
警察とのやり取りもそうだし、
ノザキ
そうなんですよ。だから普通に、
ちょっと中のお話ししちゃうと、
その、まさかね、パトカーに乗るとか、
限られた人しか出てこないですけど、
パトカーに乗るシーンもあったりとか、
なんかこう、イタリアに行って、
ちょっとお世話になる人に車で連れてってもらうシーンとか、
03:01
ノザキ
周防大島から、
東京に車で運転して、
また帰るシーンとか、
車の中での出来事とかが、
すごい多いんですよ。
やっぱりなんか、私、
実は免許持ってるんですけど、
あの、教習所出てから1回も運転したことがなくて、
必要がないじゃないですか。
やっぱ普段。
でも、こうやって島に暮らすと、
絶対に車って必要で、
なんかこう、
車でどこかに行くとか、
そこで、なんか絶対にこう、
必ずあるものとして出てくる車の存在が、
ものすごくいいんですよね。
で、なんか、
その風景とか会話とか、
景色までは、
描かれてないはずなのに、
移動してる感じが、
すごく残っていて、
この感じなんだろうみたいな、
だからなんか映画見てるみたいな感じで、
内田さんはこう映像も撮られる方なので、
言葉のこう、裏側にある景色みたいなのが、
すっごい素敵。
なんかそれを、
言いたかったんですよ。
ミシマ
なるほど。
ノザキ
どう思います?
ミシマ
わかる。
言われてみて、僕も初めて気づいた。
あの、このフォークリフトとかね、なんかね。
ノザキ
そう。
ミシマ
田村さんのフォークリフトの話とかすごいいいんですけどね。
ノザキ
それも絶対に、あの、
ぜひ読んでほしいところなんですよ。
ミシマ
いやー、なるほど。
あのー、
すごい腑に落ちますね。
映像的なんですよね。
なんかこう、で、
しかもその映像って、なんかすごいこう、
旅のドキュメンタリーのような、
時間と空気が本当に流れていくような感じが、
この本にね、
一冊にちょうど込められていて、
そこの、
なんか僕は先週、「すがすがしい暮らし」って言いましたけども、
なんかそのすがすがしさって、
流れていくすがすがしさなんだなっていうことを今思いましたね。
ノザキ
気持ちの良い、本当にエッセイ集と思います。
ミシマ
そのあたり、
MIKKEから内田健太郎さんの生の声で、
ぜひ聞いていただきたいなというふうに思います。
どうぞ。
ウチダ
今三浦さんも、
同席されてますけどね、三浦豊さんにも、
一気に読みました、みたいな話いただいて。
ミシマ
どうでしたか?三浦さん。
ミウラ
いやもう最高でした。
ミシマ
おー嬉しい。
ウチダ
ありがとうございます。
ミウラ
めちゃめちゃ良かったです。
いやいやなんかね、
みなぎってるというか、
いやでもミシマさんとも昨日しゃべってたんですけど、
本当になんかちょっと胸に、
結構こみ上げてくるものが何回もあって、
レクイエムなんやなと思って。
06:01
ミウラ
もう会えない人みたいなんも。
たまらないというか、
そういうところもあって。
でもなんか小三治師匠が現れはった、
でも内田さんはそういうお話っていうことにも
すごいこだわってきたはんやなっていうのが、
リズムとかに効いててすごい読みやすかったです。
テンポも、
ものすごく心地よくて、
気持ちよかったです。
それは嬉しいですね。
ウチダ
一冊を通して、
僕はもうずっと、
これ何ですか、
10年は言い過ぎか。
2015年のちゃぶ台最初から、
なので何のかの10年近くやってきたので、
あんまりそういうふうに客観視もできないですけど、
一気に読んでくださった方が
そういうふうに感想を持っていただけたら
本当に嬉しいですね。
レクイエムかは自分ではそう思わなかったですけど、
言われてみれば、
そういう部分はすごく確かにありますね。
ミシマさんももちろんご存知ですけど、
聞き書きっていう、
島の先輩方というか、
ご年配の方々に話を聞いて回ろうっていう、
実際聞いて回ってるんですけど、
それは今回この本の中に収められてはいないんですが、
それを始めようって思ったのは、
やっぱり亡くなられてっちゃってるからなんですよね。
この人の話もっと聞きたかったのにとか、
もう本当に声を聞けないんだっていう、
当たり前なんですけど、
もう完全に失われてしまったんだっていうことが
何回かあって、
それで、街から僕は移住してきて、
ちょっと説明はできないけど、
そのおじいちゃんやおばあちゃんと話してると、
何でか分かんないけど感動してるっていう瞬間が
結構たくさん訪れて
それをどうにか言語化したいというか、
何かで分かりたいっていう気持ちがあって、
それで聞き書きを始めたんですよね。
それと並行してこっちのエッセイも続いていて、
亡くなった方を思い出して書いてる部分とかも
この中に結構ありますけど、
本当は僕はどっちも収まるのかなって最初は思ったんですけど、
聞き書きとエッセイというイメージではあったんですけど、
年末ぐらいでしたかね、
打ち合わせの中でノザキさんとミシマさんの2人の意見で、
今回はエッセイでとなって、
だからそうですね、続編がありますっていう。
ミシマ
楽しみにしていてくださいね。
ウチダ
そちらも本当完成させたいですね。
ミシマ
やりましょう。
ウチダ
ぜひよろしくお願いします。
ミシマ
いやー、本当にノザキさんが言った通りの人柄が
この声にもにじみ出ておりましたね。
『極楽よのぅ』ちいさいミシマ社からただいま絶賛発売中です。
09:00
ミシマ
フジモトさんどうですか?『極楽よのぅ』。
フジモト
読みまして、すごい面白かったです。
ミシマ
どのあたりが面白かったですか?
フジモト
すごい狭いポイントなんですけど、
映画を観に行って、
映画をみんなで観て、
その後いろいろ考えるお話を、
早く帰りたいって。
すごい面白いなと思って。
すごい素直っていうか。
ノザキ
そう、すごい素直。
ミシマ
本当に
ノザキ
本当にそうですよね。
すごい素直。
自分の感覚とか欲に素直。
ミシマ
なるほど。
そうなんですよ。
だから、移住者でもあるので、
これから移住している方々にも、
実はすごい役立つ部分もあると思うんですよ。
エッセイとしての良さっていうのを、
これまで言ってきましたけども、
一つやっぱ内田さんすごいなと思うのは、
この昔からいる方々と新しい移住者。
それやっぱ価値観が違くて、
なかなかすり合わないことがあったりとか、
下手すると対立してしまったりっていう話って、
結構聞くんですけれども、
内田さんがいることで、
なぜかいろんなことが動いてしまうっていうことが、
いっぱいあって、
その感じっていうのをすごい掴める本でもあるかなと、
思いますね。
それは実はだから、
今フジモトさんが言ったところにもつながってて、
結構みんな集まってて、
これってなってて、
ここで勉強しようっていう時とかにも、
早く帰りたいと思ってたりとか、
そういうのを書いてしまうところの、
内田さんの気持ちよさみたいなのがあって、
みんな内田さんのことを自然に頼ってしまう、
そういうことになっていくんだろうなっていうのに、
いろいろ文章の行間ににじみ出てると思います。
どうですかノザキさん。
ノザキ
そうですね。
本当に内田さんって、
今どうなんだろう、
周防大島で、
みんなのすごく、
何て言うんですか、
じいちゃんばあちゃんにとっても、
これから移住してくるとかいう人にとっても、
すごく重要なところにおられるなっていうのは、
外からでも感じるんですけど、
でもその人も、
移住を決めたのって、
2011年の311の震災の時なんですが、
それって28歳の時で、
私はもうとうにそれを超えていて、
そういうふうに思うと、
そういう段階で決断して、
12:00
ノザキ
時が流れて、
生活を続けて、
今があるなっていうふうに思うので、
自分の生活を考えるきっかけにもなるし、
まだ行けるなみたいな、
どの年齢でも行けますけど、
すごく希望を感じていて、
だから若い方々にも読んでいただきたいですし、
移住を考えている人もそうなんですけど、
いま都市に暮らしていて、
なかなか島暮らしすぐにとかは難しいし、
実際に自分がするなんて、
みたいな人も読んでほしいなって思います。
ミシマ
内田健太郎さんの『極楽よのぅ』
ちいさいミシマ社というレーベルから出ております。
ぜひ書店さんでお求めください。
では今日も皆さんありがとうございました。
ノザキ
ありがとうございました。
フジモト
ありがとうございました。