1. ミシマ社ラジオ
  2. #12 南大門市場よりこんにちは
2024-07-10 17:22

#12 南大門市場よりこんにちは

spotify apple_podcasts amazon_music

ミシマ社ラジオ第12回は、韓国の南大門市場からお届けします。
ミシマ社代表・三島邦弘の著書『ここだけのごあいさつ』の韓国語版『面白いことをすると、どうにかこうにか回る』が出版されました。その記念イベントと取材のため韓国出張中のミシマと今回の出版でもお世話になった翻訳家のバク先生が豚足を食べながらたのしくお話しています。
 

バク先生のX(旧Twitter)の投稿も合わせてご覧ください。

三島さんの「メタファー」の使い方を間近で見ていて、「メタファー」は完結しない言葉だということにあらためて気づかれる。三島さんがよく使われる「飛行機」や「小舟」そして「自転車」というメタファーはまさに完結に激しく抵抗しているように僕の目には見える。メタファーが効果を生むには…

『ここだけのごあいさつ』韓国語版『面白いことをすると、どうにかこうにか回る』
南大門市場の豚足

 

<関連書籍>

『ここだけのごあいさつ』ちいさいミシマ社) 三島邦弘(著)

<みんなのミシマガジン>

朴先生の日本語レッスン ー新しい「普通」をめざして 朴東燮(バク・ドンソップ) 
第6回 「普通」に翻弄され、 「普通」に逃げ、 「普通」に居つくことを超えてⅡ
 

※AIによる文字起こしのため、一部文字表記に誤りが生じる場合があります

00:00
ミシマ
アンニョンハセヨー 今あの
まずそうですね 南大門市場の
豚足屋さんにバク先生と来ています いや本当にあの出演したかったんですけども
バク
念願が叶いました 本当に嬉しく思っております
ミシマ
本当に 今昼の2時40分ですけれども
昨日とついトークイベント バク先生と一緒に2つの本屋さんで行なって
5kmbooksさんとThanks Booksさん どちらも本当に素晴らしい素敵な本屋さんでお客さんも満員でとても楽しい時間だったんですが
まあちょっと 仕事も終え今日はフリー時間ということで
今2時40分ですけども ビールと焼酎をすでに飲んで
ちょっとほろ酔いですね 本当に気持ちがいい
いやー韓国楽しいです 本当に皆さんお会いできて本当に嬉しかったし
バク
いろいろこうねいろんなこう思いも 思いも寄らないという言葉で言うんですかね
であのイベントの出来事がたくさんあったのでありすぎたって言うんですかね 本当にあの僕もびっくりしてるんですけども
よろしくお願いします本当に 本をあんまり読まない人
本好きな人も思わず本読みたくなる そんな時間をお送りしますこういう大好きなんですね
ミシマ社ラジオです 出版社ミシマ社が運営する本との出会いがちょっとだけ広がるラジオっていう
ミシマ
はいまあピアノのあれがあるんですけれども 先生よく聞いてくださってありがとうございます
バク
毎回毎回もう 楽しみしながら聞いてるんで
どうですかもう豚足の味はいかがですかね いやー美味しいですね
ミシマ
僕はあのここの南大門市場で豚足を大学3年4年生の時かな 食べたことが実はありまして
本当に何か約30年ぐらい前ですかね
なんかちょっと一気に今大学生に戻った気分で あんまり想像がつかない
あーそうですねあの出版のことも何一つ知らなかった時代ですね まさか自分が出版社作るとも思ってもなかった時代に来ましたね
その時は大学生時代お一人で来られたんですか 友達と2人で来たんですけどね
金浦?金浦空港だったんですかね いやちょっとそういうのも全然覚えてないっていうか記憶に無い
当たり前ですよねミシマさんにとってはね 当たり前でそれを記憶するのもむしろ
そうですか その時はどうだったんですかあんまりこうスマホも無かった時代ですし
交通面はちょっとわからないけどガイドブックにそれだけに頼って いや全然ガイドブックを持たずに
03:03
ミシマ
なんとなくそれこそ旅人の嗅覚で
いろんな店で回ってましたねだから 夜ご飯も昼ご飯も朝ご飯も
なんかフラッと入ったところでだから日本語のメニューもない そういうような店ばっかり入ってたんで
その時代はね もうハングル全然読めないのにこれっていう風にメニュー指差して
注文して ちょっとこれは食べられへんわみたいな
バク
言葉通じないまま お互いが見振り手振り
ミシマ
手振り身振り すごいよく覚えてるのはよるご飯焼肉屋さん入ってまったくメニューがわからないですね
焼肉屋さんに入った 写真とかもないから
それはその時代だよね ハングルだけ 地元の人しか行かないようなとこ入ったんで
でもそこのオモニお母さんがもう本当にゆっくりゆっくりゆっくり説明して
どんなにゆっくり言ってもらっても言葉ががわからないんで
それをすごい覚えてますね
カムサハムニダって言いながら全然何が出てくるんやろうと思いながら注文した思い出があります
バク
それにしても昨日なんか韓国語わかったような反応してくださったので
ミシマ
はい 昨日ジョン・ジヘさん キム・ボヒさん
パジュで本屋さんをやっているジョン・ジヘさんが聞き手でイベントしたんですけど
途中からジへさんの質問がわかったような気になって
だからバク先生の通訳なしで僕が答えた時ありました
バク
僕もすごいショックを受けて
通訳やめようかなと思ったんですけど その次がまたわからなくなっちゃったので
良かったというこれで自分の役割ができるようになるという役目があるんだって
出番があるんだっていうことでほっとしましたという人生最大の危機だったんです
ミシマ
バク先生なしではもう全てそもそもこの本があってね
去年僕がちいさいミシマ社から出した『ここだけのごあいさつ』っていう本を韓国で出していただいたんですよね
UU出版さん その韓国でのタイトルは
バク
韓国は『面白いことをすると、どうにかこうにか回る』
絶妙なタイトルですよ 僕はつけたわけじゃないですけど
UU出版社さんがつけて僕にこれにしますって言うに僕の相談を一切なしに
06:05
バク
UUはいつもそうなんですよ
僕は大らかな人間なのでね 文句は言わない
ミシマ
僕も決めてくださったタイトルが一番いいと思ったんで
でもまさかこんなタイトルになるとは全く思ってなかったんですよ
バク
みなさん結構悩んでたわけですよ いろんな会議もやってたりとか
『ここだけのごあいさつ』これ通じないかもしれない 絶対通じないですよね
僕に教えてくれたんですけどもなかなかいいなぁと
みなさん結構気に入ってくれたので読者たちがね
タイトルだけでなんか気になるんですよね 読みたくなる
思わず読みたくなる そんな時間をお送りいたします
ミシマ
逆にもう一回そのタイトルで日本で出したいなと思う
バク
また書いていただきたい
今回も特にあのミシマさんの名言がすごいなんかいくつかあったんですけどもね
今覚えてるのはいろいろあるんです また後で分かったらメールで送りますけどね
頼り過ぎですよね
「わかりやすい面白いよりも 静かな面白いが大事だ」とおっしゃったのが
本当にこっちがズーっとくるような
本当に感動を覚えましたけど 皆さんはそう思う
なんかその時にみんな結構反応してくる
グイッと入っているような感じ
それをちょっと活かしていただきたいんですよね
それは皆さんにとってもやっぱりこういうことを我々やってるんだっていう
静かな面白いものをね やっているんだっていうことを
視覚させていただく 言葉というのはまず先に何かが発生して
これを引っ張ってくるんですよ
言葉っていうのが大事だと思う
そういうふうに出来事はあるわけじゃなくて
言葉はまず先にあって それを引っ張っていくっていう
新しい何かを作り上げるような感じだったので
自分もちょっと衝撃を受けた
衝撃は良い意味でね
危なかったんですけどね
ミシマ
何が危なかった?
バク
通訳できなくなっちゃった
ミシマ
あーそうですか
バク
染み込んでくるっていう
それがちょっと危なかった
しょっちゅうも危ないんですよ
それは違う意味だ
翻訳できなくて
ミシマ
でも2日前に韓国に入って
まず朝鮮日報の取材を受けて
09:01
ミシマ
夜のイベント
昨日はスモールブランドっていう
ビジネスをやっている方々の
サイトのインタビューを受けて
夜はイベント
皆さんの質問が本当に良くて
今回僕自身もすごい発見する
その質問によって
初めて考えることがあって
それの一つがさっき
バク先生が今言ってくれた
続けていくっていう時の難しさ
面白いっていうのも変わってくるのか
っていう話をされた時に
そういうわかりやすい面白さ
見た目の面白さっていうのではない
静かな面白さ
静かな面白いっていうのが
より問われるようになると思う
って話を
昨日初めてしたんですよ
バク
自然に流れとして
事前に準備したわけじゃなくて
自然の流れの自分
川の流れのように
ような美空ひばりの歌もあるんですけど
本当に素晴らしかったです
流れで身を任せるということで
ポロッと
ポロッと出るんですよ
ポロッと出ちゃって
ということはすごく危なかった
ミシマ
そうですね
もう一つだから
小舟っていう風に例えてたのを
自転車操業っていう風に
自転車に例えましたよね
それはなぜですかっていう質問が
これは朝鮮日報の記者の方と
そして昨日のキム・ジヘさんと
お二人ともその質問があったんですけど
バク
気になったんでしょうね
ミシマ
それは
僕は直感で
自転車っていう比喩にしてたんですけども
あれ書いて1年以上経って
今改めて思ったんですけども
船とか飛行機って
一緒に乗ったら途中下車はできない
途中で逃れられないんですけれども
自転車はそれぞれが
それぞれの漕ぎ方で
自由なわけですよね
あっちの方行こうよっていう
大きな方向性だけは
共有してるんですけども
それ以外は自由っていうのが
自転車操業っていう風な言葉に
込めた思いだったんだなっていうことを
昨日一昨日で
僕自身も分かって
それは結果的には
コロナ以降リモートワークが増えたりとか
いろいろ働き方も多様化している中で
こういう小さい会社の一つの在り方として
自転車操業っていう働き方の方が
しっくりくるんだなっていうことを
昨日イベント中にも
改めて実感とともに話したんですよね
12:01
バク
それをまたビールを飲みたくなりましたけど
ビール一本頼んでいいですか
ミシマ
どうぞどうぞ
バク
(ビール注文中)
これも実は
さっき今朝
スミさんとハセガワさんと話しているうちに
ミシマ
ちょっと気づいたんですけど
ちょっとそれはメタファーですよね
バク
メタファーですね
自転車とか飛行機とか小舟とかね
それについて書いてる
長い文章を読み上げてみて
ミシマ
先生書いたんですか
バク
ツイッターにも載せましたけど
ミシマさんはメタファーの使い方を間違って見ていて
メタファーは完結しない言葉ということに
改めて気づいたんですけど
ミシマさんがよく使われる飛行機や小舟
自転車というメタファーは
まさに完結に激しく抵抗しているように僕には見える
メタファー効果を生むには
例えば容易に理解されることが条件であります
しかしそれは普通の道徳
ものが侵入を許すことにもなる
ゆえにミシマさんはメタファーには
定期的な理解と可能性を開く理解が
重なっているということを絶えず
我々に管理させてくれる
我ながら感動しますね
だってミシマさんは飛行機というメタファーに
包まれる速さとか便利さの代わりに
そこから一歩も出られないという
タコつぼという別のイメージを持っている
メタファーは定期的な理解の容易さゆえに
つまずかせ答えを見逃す場所である
それゆえに問題性のところにもある
ミシマさんが使われるメタファーは
理解するにはよく流通した理解を
まずずらす必要がある
それは本当にポイントです
本当は飛行機とか船とかは
速い乗り物ですよね
でも容易な理解の裏に隠された
困難が現れなきゃ
可能性が顔を見せることですよ
それを聞いている我々は救われると思います
これいいですか?
我ながら
びっくりしました
ミシマ
めちゃくちゃ嬉しい
バク
気になったのは眠れなかった
疲れすぎて眠れなかったわけじゃなくて
それが気になって
何か言語化しようと思ったんです
ミシマ
ツイッターにも皆さん読んでみてください
バク
思いつきで発見するとすごい面白い
みんなグーッと入るんじゃないですか
準備したものをそのまま読む方が面白くない
その場で皆さん顔を見ながら
思いついた考え方とか
アイディアとかを
述べてくださったので
それはもっと盛り上がったと思います
15:03
ミシマ
僕が無意識で使っていた
メタファーの意味まで
こんなに拾ってくださって
自分でも思っていなかった
完結しない
そして広がっていく可能性
というのを言っていただいて
今すごい嬉しいです
バク
いつも可能性がキーワードだと思う
ミシマさんに会うたびに
可能性がどうやって開かれるのだろうか
可能性というか
あったら可能性
ミシマ
嬉しい
閉じる方に絶対行かないというのは
すごいありますね
バク
面白さという
わざと言わないということをおっしゃったんですよね
なんで面白さと言わないんですか?
それはちょっと閉じてしまうような感じがするから
明識にしちゃう
ミシマ
面白いという形容詞を使った
バク
形容詞を使った
それがすごく気になったんですよ
翻訳途中でそうだったそうですし
会うたびに聞いてみようかなと思ったんですけど
なかなか機会がなかったので
いつも通訳で忙しくて
自分の質問ができなかったということもあったので
たまたまそれが思い出したので
聞いてみたらやっぱり素晴らしい発想がある
ミシマ
ありがとうございます
南大門市場より
緊急ミシマ社
ラジオを収録しました
バク
皆さん一言
ミシマ
ちょっと
また後半
これからですね
夕方パジュに行って
UU出版さんの会社に訪れますので
UU出版さんの皆さんの声も
後ほどお届けしたいなと
バク
急に一個食べるつもりですね
昼は豚足とチヂミ
夜は牛肉という
贅沢な
ミシマ
本当に韓国来てから
美味しいものばっかりいただいていて
大満足です
バク
また後半でお会いしましょう
ミシマ
皆さんどうもありがとうございました
17:22

コメント

スクロール