正しい財務、賢い税務。この番組では、中小企業専門の社外CFOである深澤健太が、ゼロから学ぶ会社のお金の話をテーマに、中小企業の社長さんのためになる財務、税務の話をお届けします。
今日はB面ということで、僕が一人で話す回になっています。B面では今、銀行融資完全マニュアルというシリーズをお届けしています。
今日は第5回、プロパーを引き出せ、信用保証協会付き融資とプロパー融資の違いというテーマでお話ししていきます。
前回は借り替えのお話をしました。その最後の方で、保証付き融資からプロパー融資への借り替えは基本的にできませんみたいな話をしたと思うんですけれども、
今日はまさにその保証付きとプロパーの話になっています。
銀行に融資の相談に行くと、担当者から今回の融資は保証協会付きでいきましょうとか、プロパーで検討してみますねとか言われることがこれからあると思うんですけれども、
社長さんの中には言われるがままにそのまま契約しちゃって、自分の融資がどっちなのかよくわかってませんみたいな方結構いらっしゃるんですけれども、
今日の目的としてこの2つの違いがきちんとわかって、最終的にはプロパー融資を引き出せる会社を目指していこうということにしたいと思います。
まず、信用保証協会付き融資の説明から始めたいと思います。
信用保証協会というのは、信用保証協会法という法律に基づいて作られた公的な機関なんですけれども、
確か全国に51箇所くらいあって、東京なら東京信用保証協会みたいな感じです。
何をしているかというと、名前の通り保証をしています。
会社が銀行からお金を借りるときに保証協会が保証人になってくれて、
仮に会社が融資の返済をできなくなりましたみたいなことがあったときには、保証協会が会社の代わりに銀行に返してくれます。
銀行から見ると返ってこなくても保証協会が払ってくれるわけですから、
まだ実績が少なかったり、創業して間もない会社にも銀行としては貸しやすくなります。
これが信用保証協会の一番の存在意義で、
多くの中小企業にとっては融資の最初の入り口みたいな感じの立ち位置になっているような仕組みです。
ただやっぱり無償でこれをつけられるというわけではなくて、保証料というのもかかってきます。
その保証料率は会社の財務内容とかによって決まってくるんですけれども、
おおむね年間0.4%くらいから2%弱くらいの幅で決まってくると思ってください。
例えば1000万円を5年間で借りるとして、保証料率が1%だとすると、
ざっくり30万円くらいが保証料となってきて、
多くの場合は融資の実行時にまとめて払ったりします。
ここで大事なのは、保証付き融資の本当のコストは金利だけではないということです。
金利が1.5%でも保証料が1%だったら、実質的には2.5%くらいのコストを払っている感覚で見ておく必要があると思います。
もう一個知ってほしいのが、責任共有制度というのがあります。
保証協会が保証するのは原則融資額の80%くらいが限度になっているんですけれども、
残りの20%部分は銀行が貸し倒れのリスクを負う必要があります。
一部100%全部保証してくれるような制度もあるんですけれども、
保証協会は基本的には80%を保証します。
だから保証付きの融資であっても銀行はちゃんと審査をしてきます。
協会付きだから適当に審査しましょうみたいなことにはならないということですね。
最後に一番多くの誤解が、皆さん誤解されている部分があるんですけれども、
返せなくなったら保証協会が払ってくれるから借金は実質チャラだよねみたいなことを言う人もいるんですけれども、
実際これはちょっと間違っていて、
保証協会が会社の代わりに銀行に返すことを大弁催と言ったりするんですけれども、
大弁催が起きると今度は保証協会が会社に対して建て替えた分返してくださいみたいな感じで請求してきます。
要するにお金を返す相手が銀行から保証協会に変わるというだけで、
借金そのものが消滅するというわけではないということを覚えておいてください。
逆にプロパー融資って何なのかという部分なんですけれども、
プロパー融資というのは銀行が保証協会を通さずに、
銀行独自の判断で自分のリスクを100%追って貸す融資のことを言います。
要するに返せなくなった時に今までは保証協会付き融資だったら信用保証協会が代わりに建て替えてくれてたんですけれども、
プロパー融資の場合は返せなくなったらリスクは銀行が全て100%追うというのはプロパー融資です。
ですので当然審査は格段に厳しくなります。
決算書の中身はもちろんですけれども、銀行とのこれまでの取引実績だったり、
返済の実績だったり、事業の将来性、
あと社長さん自身のこともかなり見られます。
一方で会社から見たプロパー融資のメリットというのもはっきりしていて、
当然保証料は一切かからないので金利だけ見ると保証付きよりプロパーの方が少し高く見えることもあるんですけれども、
さっきお話した通り保証付きは金利プラス保証料で比べないといけませんので、
トータルのコストという部分でいうとプロパーの方が安くするケースが多いかなというふうに思います。
プロパーを取れることの価値というのが金利云々というよりも3つありまして、
まず1つ目が銀行からの信頼の証ということですね。
プロパーで貸すということは要するに銀行がこの会社なら自分たちが100%リスクを背負ってでも貸しても平気だというような判断をしたということなので、
銀行の中での会社の評価、これ今まで格付けとか言ったりもしてましたけれども、その格付けが一定以上にあるということですね。
2つ目は保証協会の枠を温存できるということがあります。
実は保証協会の保証枠には上限がありまして、一般的な保証だと普通保証で2億円、無担保保証で8000万円、合計2億8000万円なんですけれども、
実際に使えるのってこの無担保の8000万円部分が中心となってくるんですね。
ほとんどの中小企業で不動産担保を出したりする会社ってあんまりないと思うので、基本的にはこの8000万円というのが枠の中心となってきます。
運転資金だったり設備投資で使っていくとこの枠って意外にすぐ埋まっちゃったりするので、
プロポアで借りれたらこの枠を潰さずにお金を借りることができるので、いざというときの予備みたいな感じで残しておけるというのが大きな部分ですね。
3つ目がですね、柔軟性とスピードが全然違うという部分で、
遠ざかし腰だったり手形の貸し付けというのを第2回ぐらいで話したと思うんですけれども、
こういった使い勝手の良い融資というのは基本的にはプロポアで組むことが多いです。
保証協会の審査を待たなくていい分ですね、その分実行までのスピードも速くなるというのが3つ目のメリットかなと思います。
じゃあこれどうやったらプロポアを引き出せるのかという部分なんですけれども、
まず前提として、初っ端のプロポアというのはなくはないんですけれども、基本難しいと思っておいてください。
創業期だったり、まだ取引の浅い銀行だったりすると、最初は基本的には保証付きから入るのが普通ですね。
保証付き融資というのは言ってみれば、実績作りのステージみたいなもので、
とりあえず借りたものをちゃんと約束通りきちんと返すというこの実績がですね、
次のプロポアに繋がっていくんじゃないかなというふうに思います。
でもやることは当たり前ですけれども、約条通りに返すというのがまず一番大事。
2つ目、これが結構大事な部分なんですけれども、決算書を言われる前に銀行に見せに行く。
その姿勢だったり、あとはちゃんと月次で試算表をちゃんと作っている。
この経理が、体制がちゃんとしているという部分と、銀行にちゃんと言われなくても見せに行くという
この前向きな姿勢がですね、かなり重要かなというふうに実務をしている上で思います。
一番最後なんですけど、これ割と大事かなという部分なんですけれども、
自分から聞くというのが意外に大事かなと思います。
どういうことかというと、銀行は当然リスクを置いたくないので、
次の融資プロパーにしましょうか、みたいな感じで言ってくることってなかなかないんですよね。
当然、正直な方がリスク少なくて済むので。
なので、次の融資プロパーで検討してもらえませんか、みたいな感じで
社長自身がですね、担当者の方に言うというのが非常に重要なのかなというふうに思います。
当然、いきなり全額プロパーというのは、なかなか目指すのは難しいかなと思うんですけれども、
例えば3,000万円の融資があるならば、2,000万円は保証付きで、
1,000万円はプロパーみたいな感じでやらせてください、みたいな感じで言ったら
意外に通ったりするので、まずはそこをですね、目指してみてほしいなと思います。