フォルムとデザインプロセス
つながりが濃くなる空間づくりを目指しています。
やる建築設計者、まちづくり集団、ひるまち代表の吉田よしはるです。
どうぞよろしくお願いします。
いつも設計とかプロダクトデザインをしていると、
削ぎ落とすみたいな行為が途中で入ってくるんですけど、
そういったデザインのプロセスを聞いてもらいたいなと思います。
今は、HATというプロダクトブランドでプロダクトをデザインしているんですけど、
それが一段落ついたので、新しいものをデザインに着手したいなとかしようとしているんですね。
次は、素材がコンクリートになるかなと思うんですけど、
コンクリートともう一個違う素材で組み合わせたいなと思うんですね。
コンクリートというのが、どうしてもあまり見た目の変化がない。
時間が経っても変化がないものなので、
外に置いておくと、鉄筋コンクリート像の建物で打ちっぱなしとかだと、
紫外線とか風にさらされると単純に汚くなるというのもあるんですけど、
表情が変わってくるんですけどね。
その中で、室内のところに置いているとあまり変わらないものなんですよね。
時間的な経過で表情を変えるというのがテーマというか、
人って変わるじゃないですか。成長するし、考え方も変わるし。
その中で、そのものが変わらないことというのが、
ちょっとありきたりな言い方になるんですけど、面白くないなと思うんですよね。
それとも、その人と一緒に変化していくというのが大事だと思っているんですね。
建築もそうですけどね。生活も変わってくるので、
そういうふうに使い方も変えることができれば、
表情もどんどん変わっていくというふうになる方が、
もっと面白い生活になるんじゃないかなという。
周りが変わらないのに自分だけが変わっていくというよりも、
自分に変わっていくということがすごい大事だと思っているんですよね。
プロダクトの話に戻っていくと、今考えているのがコンクリート。
プラス、時間的な経過、特に短い時間で、
1年、2年単位で表情を変えられるような素材を入れようかなと思っているんですね。
もしくは、コンクリートって塊のイメージありますよね。
重たいとか冷たい感じとかありますよね。
それと対比するようなもの、どっしりとしたというよりも軽やかとか、
頑丈なというところから華奢なというような、
そういった連想のある材料を組み合わせようかなと思っているんですね。
ここでデザインを何を作るか決まった後に、
何をどういう形にしていくか、デザインをしようとすると、
まずはどんどん付け加えてしまう嫌いがあるんですよね。
他のものとの差別化ということもあるだろうし、
欲求が出てくるんですね。
こういうこともやってみたいとか、ああいうこともどうだろうかみたいなものを
織り込んでいく、詰め込んでいくと、
出来上がったものがごちゃごちゃしがちなんですよね。
つい自分で作ったものだから、
サンクコストみたいなものが働いてしまって、
戻したくない気持ちが出てくるんですね。
せっかく考えたんだからみたいな。
そこの気持ちは押し殺して、省いていくということを
続けるところが始まってくるんですよね。
ここで大事だと思うのが、
ただただ省けばいいということでもなくて、
もともとのコンセプトの本質とは関係ないものを
どんどんより省いていくということを
ちゃんと意識しておかないと、
出来上がったものがコンセプトと合わない、
よく分からないことになってしまうので、
コンクリートの材料と変化
そこのあたりは省くのを気をつけることが
大事になってくるんですね。
もう一つ省いた後に、次に大事になってくるのが、
プロポーションなんですね。
フォルム、例えば四角い直方体のものを考えたときの
立体物だと縦横高さってありますよね。
その三辺の比率というのをより詰めていかないと、
洗練されたものじゃなくなってしまうんですよね。
これがやってても面白いと思うんですけど、
いろんな要素を足してごちゃごちゃすると
ちょっと語弊があるんですけど、
デザインや要素を肉付けしてできたものは、
それだけいろんなものが付いているので、
プロポーションが良い方がいいんですけどもちろん、
ある種誤魔化せるというか、
プロポーションが悪くてもなんとか成立するんですけど、
省いて取っちゃうと、
それ一個ずつの要素が際立ってくるので、
例えば今回の材料で言ったらコンクリートと何かという
二つの材料だけになる。
この直方体のもののコンクリートの塊を作ろうとすると、
その形は追求していかないとフォルムを適当に作ったと言うと、
これまた語弊があるんですけど、
考え抜かれていないというのがバレちゃうというところになると思うんですよね。
要素を削ぎ落とすというのと同時に、
大事なのはフォルムというか、
残ったものをどんどん研ぎ澄まさないといけないみたいなところがあるので、
そういうところは注意していつも考えたりしています。
だから皆さんもそういうのを見て、
他のプロダクトとか建築でもそうですけど、
シンプルに出来上がっているものをいろいろ見てもらったりすると、
お金に必ず比例するわけじゃないんですけども、
手頃なものとすごい高価なものとの形の造形の差は結構大きいと思うんですよね。
複雑な形だったらそれはまた別ですけどね。
技術の話なので別ですけど、
すごいシンプルなものでもその差が大きいので、
皆さんも見比べてみるといろいろそういったものも面白いんじゃないかなと思います。
今回も最後まで聞いてくださりありがとうございました。
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ではまた次回もよろしくお願いします。