建築と職人の重要性
どうも、宿木建築設計者の吉田嘉春です。大阪を中心に、つながりが濃くなる場所づくりをコンセプトに建築設計をしたり、学生とのまちづくり集団、広町の代表として活動しています。どうぞよろしくお願いします。
今日は建築の話で、設計と職人さんが作り上げていくもの、みたいなお話をしていきたいんですけど、
何かこのものを作るとき、建築でもプロダクトでも、プロダクトはちょっと違うかもしれないですけど、何かを作るときっていうのは、
一番最初は頭の中でイメージが湧いてきて、それを紙に起こして、最終は形にするというところなんですけど、
それはちょっと私一人、設計する人が一人でするのが難しいなということをつくづく感じているんですね。
なんでそんなことを思い出したかというと、今広町っていうのは学生と一緒にやっていて、
ベンチを作っているんですね。このベンチっていうのは持ち運びができる。地面とかに固定しないとかじゃなくて、
マルシェとかイベントとか、ことあることに運べるようなベンチを作ろうとしているんですね。
明日は祝日なんで、それの試作をまずは作ってみようということでやるんですけど、
それがうまいこといくかはわからないんですよね。だから試作なんですけど、
だからといってそんな難しいものじゃないんですよ。正直なところ。
これなんでこんなことになっているかというと、
例えば建築の設計しているときに、ベンチは作ることないんですけど、
何かイメージのアイデアがあって、デザインがあって、それを形にするときって、わざわざ試作しないんですよね。
よっぽど複雑で難しくて、もっと規模の大きいものであれば、もちろん木カップを作ったりはしますけど、
基本的にはしないんですね。これなんでかっていうのをそこから想像すると、
職人さんがなんとかしてくれたんだなっていうところなんですよね。
例えば壁からカウンターがニョキッと出てると、壁からカウンター台が出てたら、
普通は下でアングルとかで支えないといけないじゃないですか。
建築設計していると、そういうアングルとかで棚受けみたいなものとかで支えるものを見せたくないと。
板だけがシュッと出てる感じにしたいと思うんですね。ある時思ったんですね。
それは図面に描いて、描いてたんですね。壁からニョキッと出てるだけで、何も支えてない感じにしてたんですよ。
もちろんこれは現場にちゃんと言っておかないと、描き忘れと思って棚受けみたいな、下でアングルみたいなの付けられちゃうんで、
各々シカシカでデザイン的にこうしたいと、ニョキッと出てる感じにしたいという風に伝えたんですよね。
そんな面倒くさいことを職人さんには言われるんですけど、最後はやってくれるんですね。
そこで大工さんは別に試作するわけじゃなくて、今までの経験をもとに手間はかかるけども、
図面通りに壁からニョキッと出るようなカウンターを作ってくれるんですね。
共同作業の意義
それは当たり前だと思ってるんですよ。それが設計の仕事であり、それが職人さん、それで言うと大工さんの仕事だと。
アイデアとかイメージ出す、デザインするのはこっちの仕事で、それを形にするのは大工さんだから、これでOKみたいなことを思ってたんですけど、
学生と一緒にやると作るっていうのは、仕事としてはもちろんプロじゃないし、ちょこちょこ作ったことあるっていうぐらいで、それはプロとは大きな違いですよね。
ただ、今回のベンチ作ろうとなると、デザインのアイデアはいくらシンプルとはいえ、さっきみたいな話が出てくるんですよ。
だから、ある程度スッキリさせたいとか、見た目のデザインを、そこはこだわっちゃうんですよね。作れもしないのに。
どうなるかというと、学生と一緒に試作するかということで、試作になったんですけどね。
それで、職人さんのありがたみをよくわかったなっていうのがあって、ありがたやという気持ちなんですね。
ずっと思っていると、建築っていうのはやっぱり改めて思うと、設計する人間と建ててくれる職人さんたちが両方いないと成立しないっていうのがよくわかったなと思ったんですよね。
反対に職人さんだけで、例えばお客さんがこんなお店作ってください、家作ってください、施設作ってくださいっていうので、たぶんラフに絵を描いても、らしいものは職人さんうまいんで作ってくれるんですよ。
デザインのレベルとか、もちろんそのいろんな細部の収まりというかね、使い勝手も含めて、きれいさも、そういったところはやっぱり職人さんじゃ出せないんですよね。きれいさって仕事がきれいとかじゃなくてね、造形的な美しさですよね。
やっぱりそれは設計が必要だし、でも設計だけじゃ物は立たないし、みたいな形で揃っていて、初めて物ができるというので、そんなことを考えてたんですけど、それはただ作るだけじゃなくて、結局そこに設計する人、作る人、そしてお金を出す人、もしくは使う人ですよね。
その人が3者が合わさって、最終は良いもの、良い建築を作るというところになるので、その中の誰が一人かけてもいけないし、考え方は違えど、やっぱりその3者が必ず良い建築を作るということをちゃんと向いていれば、結果はどうなるかわからないんですけど、良いものができるんじゃないかなというふうに思っています。
というわけで今日はね、なんかちょっとぼんやりしたお話でしたね。抽象的なお話でしたけど、設計とそして作る職人さんたちが一緒に物を作っていかないと、建築というのはなかなかできないというようなお話をさせていただきました。
今回も最後まで聞いてくださりありがとうございました。
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ではまた次回もよろしくお願いします。