デザインの初期段階
どうも、宿り建築設計者の吉田嘉春です。大阪を出身に、つながりが濃くなる場所づくりをコンセプトに建築設計をしたり、学生とのまちづくり集団、広町の代表として活動しています。どうぞよろしくお願いします。
今日は、建築プロダクトのデザインを始めるときに、最初はシンプルな考えで進めていく、みたいなお話をしていきたいなと思います。
まずはね、一番最初、デザインするときっていうのは、建築でいうとめちゃくちゃ考えることがいっぱいあるんですよね。
まあもちろん、窓のこと考えたりとか、材料のこと考えたり、もちろんお客さんがこんなことをしてほしい、日当たりがいいとか、お店でもね、なんか外からよく見える感じがいいとか、中に入ったら落ち着く雰囲気がいいとか、暖かい感じにしたいとか、要望いっぱいありますよね、思いがいっぱいあるので、
あんなにしたい、こんなにしたい、みたいな、いっぱいあるんですけど、いざね、私の方でデザインする、設計するってなったときに、あれもこれもとにかく詰め込んで、最初の方から盛りだくさんなデザインにするっていうのは、なかなか結果的に良いものができないっていうことに、よく落ちてしまうということになるんですね。
これなんでかっていうと、結局、できることっていうのに結構限界があるんですね。思いは無限大にあるんですけど、それを叶えようとすると、いろんな壁が立ちはだかるんですよね。まずはよくある、一番のところがコストの壁ですよね。
やっぱり思いがいっぱいある、でも予算こんだけ、みたいな、というのは一番悩ましいところですね。ただ、予算が潤沢にあると、そんな人なかなかいないんですけどね。あった場合、その次の問題出てくるのが、やっぱり法律の壁ですね。
これも、この地域だと、高さがこれだけしか立てれないとかね。京都とかね、ちょっとこの古い街並みが残っているところで言うと、色についても条例で定められてたりもするので、ちょっと難しい。
昔からある慣性の住宅街だと、緑地をつけないといけないとかね。これは住宅に限らずですけどね。場所によったら、緑を植えないといけないという条例があったりします。
いろんなルールがあって、そういった法律とかね、条例とかの壁があると。他には、物理的な壁、構造的な壁っていうのがありますね。
すごい薄い床を作りたい、みたいなね。薄っぺらい、軽い、浮くような屋根にしたいって言っても限界がありますよね。
物理的に鉄板を薄くしたとしても、それじゃもうちょっと台風、風吹いただけで曲がっちゃうみたいな。
そんなんじゃもうダメなので、やっぱり物理的にはこれぐらいの厚さがないとダメとか、こういうもうちょっと固い材料じゃないと難しいとかね。
そういったこの壁があったりとか、他にも細々と言うと、いろんな壁っていうのが立ちはだかって、最終出来上がりがその中で壁を乗り越えながら、
物を作っていくという過程になってくるんですけど、そうなってくると、あれもこれも話が戻ってくると、こんなことやりたい、あんなことやりたいって入れていくと、その壁を乗り越えていくうちに、
一つ一つのものの完成度というか、表現の大きさっていうのがどうしても小さくなってしまうんですよね。
結局はそうなるとどんなものができるかって言ったら、どちらかというとちょっと無難なものになっちゃう。
日当たりがいいとか、お店だったらお客さんとお店の調理する人の距離が近いとか、それはそれなんか全部が
なんとなく叶えられてるけども、すごい突出して、これはここにこだわってんだなぁみたいなところがなくなってしまいがちなんですよね。
なのでやっぱりそのデザインする一番最初の段階っていうのは、特にお客さんとお話しする中では、これだけはちょっと捨てられないと、
ヒアリングと共同作業
これだけはもう支出したい、これだけはこだわりたい、みたいな一点をまずは決めて、それに特化させるというか、それだけに行くみたいな感じで進めていくっていうのが
最終、お客さんのある種のこの満足というか、ええもんできたみたいな感じになっていくというふうに思ってるんですね。
例えばさっきの言ったお店で言うと、お客さんとの距離をとにかく近くしたいっていうのであれば、他はとりあえず置いておくと、後で出てくるのは全然構わないです。
一番最初はとにかくもうそれ一点に絞って、どうしたら作ってる人とお客さんとの距離が近くなっていくかみたいな、というところだけを考えてデザインしていく。
その中でコストもあったりとか、法律の壁があったり、もしくは部屋の大きさにもよりますよね。
そういったいろんなものを買いくぐって出来たものが、デザインされたものがあると。
その中で、よしこれは行けたってなったら、その次に温かい雰囲気にしたいとかね。
この料理を食べる時の、この料理がよく映えるように綺麗に見えるような照明にしたいとか、そういったことを付け加えていったらいいと思うんですよね。
だからもう1点しかできないというわけじゃなくて、順を追ってやっていくと、一番最初はとにかくもう捨てられない1点でいって、その次にこれも入れたい、あれも入れたいっていう風にやっていくっていうのがいいんじゃないかなと思うし、
うちではそういうやり方をやってるんですね。
もちろんこれはもうこっちのデザイン設計する側の考え方なんで、もちろんお客さんの方ではどんどん言ってもらったらいいんですかね。あれもしたい、これもしたいみたいな。
それはどんどん言ってもらって、その中でいろいろうちの方でヒアリングしていって、最終いろいろ話していくと、これが一番大事だったんだなっていうのが出てくると。
お客さんの中で多分出てこないところもあるんですよね。あれもこれも捨てられないみたいな。でも話していくと詰まるところはもうここだみたいなところ。
これが大事だと思ったんだみたいなところを確認し合って設計していくという共同作業みたいなところを大事にして、そしてやっていくとお客さんにとってもいいものができるんじゃないかなというふうに思っています。
というわけで今日は設計とかデザインの出だしのところではシンプルに考えて進めていく方がいいみたいなお話をさせていただきました。
今回も最後まで聞いてくださりありがとうございました。
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ではまた次回もよろしくお願いします。