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2025-06-04 30:03

ep133 VCファンドを米国で始めるには?スタートアップ出身のVCが少ない日本の理由

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VCファンドの基本構造から、日本とアメリカでのファンド立ち上げ環境の違いまで、実践を通じて見えてきた知見を話しました。またスタートアップからVCへの転身が多いアメリカと、思ったより少ない日本。その背景についても考えてみました

VCファンドって何?− いろいろなところからお金を集めて有望なスタートアップに投資する

スタートアップは大体2年に1回で資金調達するが、VCファンドも3〜4年に1回お金を集める

VCファンドは約10年間運用されるが、最初の3〜4年で投資して残りは回収を待つ期間なので次の資金調達を始めるという仕組み

日本で立ち上げるVCファンドの課題点:海外への投資額が50%を超えられない

VC Labでは契約書についての詳しい質問ができ、契約条項の理由や意味まで実践的に学べる

出資するときの面談は(VCも経営者も)やっぱり対面で会うことが好まれる理由

短期間でたくさん会うときもあれば、数ヶ月後にフォローアップで会うこともあったり会社によって会う頻度はさまざま

アメリカではスタートアップ経験者がVCに転身するケースが多いが、日本ではまだ少ない

VCは小さくスタート(5−10億)するので、初めは1人か2人。なので利益相反を防ぐ仕組みや会社経営の知識が不可欠

VCアクセラレーターでも学べるが、実際の会社経営やルールを知っていないと運営は大変

他人から5億〜10億円を預かって運用する倫理観や責任の重さ

日本でもスタートアップが職業選択の自然な選択肢になってきており、昔とは天と地の差がある

アメリカの大学生が最も就きたい職業は、1位がスタートアップのファウンダー、大企業は3位

エピソード内で取り上げた情報へのリンク:


テック業界で働く3人が、テクノロジーとクリエイティブに関するトピックを、視点を行き交わしながら語り合います。

及川卓也  @takoratta
プロダクトマネジメントとプロダクト開発組織づくりの専門家
自己紹介エピソード ep1, ep2

関信浩  @NobuhiroSeki
アメリカ・ニューヨークでスタートアップ投資を行う、何でも屋
自己紹介エピソード ep52

上野美香  @mikamika59
マーケティング・プロダクトマネジメントを手掛けるフリーランス
自己紹介エピソード ep53

Official X: @x_crossing_
https://x-crossing.com

サマリー

アメリカでVCファンドを設立するプロセスにおいて、日本のスタートアップへの投資の限界や、アメリカ市場への移行の必要性が議論されます。特に、海外投資の制限や日本の投資家とのアプローチの違いがオープンに語られ、効率的な資金調達の手法が模索されます。このエピソードでは、アメリカでのVCファンド設立における対面の重要性とリファレンスチェックのプロセスについて解説されます。また、日本とアメリカのスタートアップ環境の違いや、スタートアップ出身のVCが少ない日本の課題が議論されます。日本のVCファンド設立には、スタートアップ出身者が少ない背景と広範な専門知識が求められます。アメリカと比較して、スタートアップの重要性が高まっている一方で、日本ではまだその認識に偏見が残っています。

VCファンドとは何か
Mika Ueno
XCrossing、英語でスクランブル交差点を意味します。 趣味も世代も、住んできた町も違う3人が、スクランブル交差点で出会うように、様々な話題を聞かせる、おしゃべりの交差点です。
Nobuhiro Seki
今日のXCrossingであなたが出会うのは、どんな話題でしょう?
Mika Ueno
こんにちは、上野美香です。 マーケティングと、バンドで広報もやっているフリーランスです。
Nobuhiro Seki
こんにちは、関信浩です。 普段はニューヨークでスタートアップの投資などをしておりますが、最近は次の新しいVCファンドを立ち上げるということで、VCファンドの資金調達なんかもしております。
Mika Ueno
今回、及川さんお休みの回です。 資金調達、VCファンドって何ですか?
Nobuhiro Seki
VCファンドって、よくベンチャー投資とかスタートアップ投資って最近よく出てくると思うんですけれども、そういったスタートアップの会社に投資をする専用の会社があって、そのお金っていうのは基本的には自分のお金じゃなくて、
いろんな人とか会社とかに出資してもらって、それをお金を集めてファンドって言うんですけど、そのファンドのお金を少しずつ使って有望層なスタートアップに投資するっていう、それがVCというので、そのお金を大体3、4年に1回集めるんですけれども、それがVCの資金調達になるんですね。
よくスタートアップの会社とか、大体2年に1回ぐらい資金調達しました、資金調達今してます、みたいなこと言うんですけれども、スタートアップに出資するVCも3、4年おきに資金調達してるっていうことで、みんなお金をちゃんと集めて、それを使って自分のしたいことをするっていうのが、割とスタートアップ業界の皆さんの行動生活、行動様式なんですね。
Mika Ueno
2年に1回とかなんですね。結構そんな短いものなんですね。
Nobuhiro Seki
スタートアップはね、昔はよく1年半とかって言われてたんですよ、18ヶ月とかって言われてて、今は18から24ヶ月なんですけど、最近はやっぱり、アメリカなんかだと何万社調べて、大体どのぐらいの頻度で資金調達してるかっていうと、今は18ヶ月っていうのは、1年半っていうのはなかなかなくて、
大体2年前後ぐらいになっちゃってるっていうのが、この10年ぐらいのトレンドらしくて、昔よりも1回の資金調達って長い間頑張んなきゃいけないっていうことになってるっていうのが、最近のトレンドなんですね。
スタートアップって基本的にはお金を調達、要するに人からお金を出資してもらって、自分たちもビジネスやって、物を売ったりサービスを売ったりしてお金を集めてっていうことで、お金の入りは2種類あるんですけど、大企業とかと違って、自分のビジネスで得られる売り上げよりも使うお金の方が大体多いんですね。
だからお金が必ず足りなくなるっていうこともあって、足りない分を補うのを資金調達。
それの資金調達にお金を入れるのが、大抵はベンチャーキャピタル、VCって言われてるところということで、それのお金を定期的に補充するのが大体2年ぐらいっていうのが一般的な。
アメリカ市場への移行
Mika Ueno
関さんたちのファンドも準備をしてるってことなんですね。
Nobuhiro Seki
僕らはスタートアップに出資をする。
僕らの資金調達はスタートアップの資金調達よりも基本的には少しスパンが長いんですね。
大体1個のVCファンド、一般的に言われてるのは全部で10年。
初めから期間が決まっていて、最初にお金を集めて、前半でお金をいろんなところに出資します。
後半で出資したスタートアップとかが成功すると株価が上がるっていうふうに、投資したお金が何倍かになって帰ってきます。
それを10年以内で大体回収して、元本よりも増やして最初に出資してくれた人にお返しするっていうのがビジネスなんですね。
ただ大抵は10年のうち、最初の3、4年で出資をして、残りの7、8年っていうのはその会社が成長して最終的に上場しますとかっていうのを待つ期間になってて、
その待ってる期間っていうのは基本的には出資はあんまりしなくなっちゃうんで、3、4年経って一つのファンドの出資が終わってしまったら、
次のファンドをまた作ってですね、そのファンドで出資をするっていうのを繰り返すっていう。
なので、3、4年に1回新しいファンドを作るための資金調達をするっていうのがVCの資金調達で、
それはスタートアップのビジネスに足りない分を資金調達するっていうよりも、基本的には期間が長いっていう、そういう仕組みになってますね。
僕らの資金調達はまだちょうど始まったばかりでですね、だいたい1年とかかけて、
10社とか20社とかいうところからお金を集めるっていう作業になっていて、
僕らは今までは日本で資金調達をしてたんですけれども、
もうアメリカ中心で、全部アメリカで完結してるので、
今回はアメリカの中で資金調達もして、アメリカの中で出資もしてということで、
ほぼほぼアメリカ中心に切り替えているということで、アメリカ中心で切り替えた最初のタイミングということですね。
今までってファンドに出資してくださいねっていう相手が日本企業で日本語で説明する。
日本企業ならではの理由で出資を決めたりするんですけど、
アメリカだと当然アメリカの中にも全く別の会社とか投資会社とか、
あとはこっちで言うとファミリーオフィスっていって、
資産家の家族とかがお金をずっと運用していくみたいな、そういうのもあってですね。
そういうところの人たちに今回のVCファンドはこういうことをやって、こんな結果を目指してるので出資しませんかっていうことを基本的に言うということで、
今回は多分マジョリティは基本的にはアメリカの企業たちに出資してもらうという、そういう感じで今やってます。
Mika Ueno
それなんで今回っていうか、このファンドからアメリカ中心になったんですか?関さんの動き方がそうだから。
Nobuhiro Seki
一番大きいのは、今までって日本にもチームがいて、日本のスタートアップに出資します。アメリカのスタートアップにも出資しますっていう感じで、
2つの国に出資したんですけど、日本の出資する方が多かったので日本語で、日本で作って、全部日本語でやったんですね。
で、そうすると、2つの問題は、日本の中で簡単にVCファンドを立ち上げられるような仕組みがあって、それが大体ファンドって日本だと組合っていう仕組みを使って、
組合でお金を集めて、組合の無限責任、組合員っていう人が基本的に出資とかを全部仕切ってですね、
で、出てきたお金をお金を出してくれた人みんなに基本的に再分配するっていうのが仕組みなんですけど、海外への投資額の制限があるんですね。
日本で作って日本のもんなんで、海外にあんまり投資しちゃいけませんっていう制限があって、海外への投資が50%を超えちゃいけないとかっていうそういうルールがあるんですけど、
アメリカにいると当然アメリカの方が全然スタートアップの数も多いし、必要なお金も多いっていうこともあって、日本とアメリカと両方で運営してるとすぐアメリカの方の投資できる上限に達しちゃうみたいなこともあって、
日本にも同じくらいいっぱいそういったスタートアップがあればいいんですけど、どうしてもアメリカの方が多いと、やっぱりアメリカ中心でやりたいよね。
そうすると、日本の仕組みで日本の制度を使ってやると、より大きな市場であるアメリカに本格的に参入できないっていうこともあって、アメリカで作ればアメリカへの投資額っていうのは制限もないんですね。
だからアメリカ中心でやるっていうふうに切り替える。
VCラボの役割
Mika Ueno
それ今現在進行中なんですね。
進行中です。
いい感じで進行中。
Nobuhiro Seki
基本的には話をしてると、もちろん当たり前なんですけど、日本もアメリカもVCファンドっていう考え方は一緒だし、スタートアップの考え方も一緒だし、
だから基本的な制度も一緒だから、根本の部分はあんまり違わないんですね。
当たり前っていうのは日本のVCの仕組みとかって基本はアメリカのVCの仕組みを取り入れてるから、日本のVCの仕組みをある程度知ってればアメリカでもできるってのがあるんですけど、
投資をする人とか会社とか、人の考え方とか会社の考え方とか、そういうのがやっぱり日本とアメリカで違うんで、
必要になると、こんな資料を見て決めてくださいとか、ミーティングの中でこういうことを重視しますっていうのは、実は日本とアメリカで全然違うんですね。
だから日本向けだったらこういう資料でこういうことをお願いすると検討してくれるっていうのが、
割とアメリカの会社とか人たちにこういうVCファンドに投資しませんか?出資しませんか?っていうふうに言うときに、
必要とする、例えばこれを見たいとか、こういうことについて聞きたいとか、こういう資料を欲しいっていうのがやっぱり違ってたりするんですね。
アメリカの人たちの重視するものは何なのか。だから何を重視するからこういう資料をより用意しなきゃいけないとかですね。
説明するときもこういう考え方に基づいてこういう決断をするんで、それに合うような説明の仕方をしようとかっていう。
そういうのがやっぱり日本とアメリカで違って、それを今年になって結構いろいろと学びまして、それを実践しているという感じですね。
その話は何回か前に及川さんと2人で話したときにもちょっと話したんですけども、それを効率的にやるためにVCラボっていうアクセラレーターに入ってですね。
それでそこでいろいろと教えてもらって、教えてもらってるというか山のようにこれやれ、あれやれっていうのがあって、
それをどんどんやっていくとVCファンドに興味を持ってる出資者の人を紹介してくれるみたいな。
そんなような動きになって、それに今入ってるって感じですね。
Mika Ueno
VCラボまだ今やってるところなんですか。
Nobuhiro Seki
やってますね。本来は1月から始まりだったんだけど2月に始まって、たぶん半年ぐらいやるんじゃないかなって感じで、
今月来月ぐらいが結構ピークに、ひとつのピークになって。
ただ結局その後もだいたい資金調達って1年強ぐらい続くんでですね。
始まった、最初の出資が決まったとかっていうので終わりじゃなくて、そっからは引き続きずっと資金調達をやり続けるっていう。
そういうのはスタートアップでは変わらないかなっていう感じです。
新しい発見とか、これは日本でやっててなんでこんなこと必要だったんだろうなみたいなことも正直あったんですけど、
それこそ300社400社のVCの資金調達をサポートしてるみたいな人がアクセラレーターの中にいて、
毎週のように話とか聞くと、この契約書の中でなんでこういうこと書いてあるのとかって聞くと、
こっちの人だから簡単に教えてくれて、こういう理由があって、これやるために興奮してるんだよとかって言われると、
今までただ書いてあってその通りにやって、誰も何も質問もしなければただそこにあるだけっていうものが、
あ、こういう理由でこの情報とかあったのねとかですね。そういうのは毎週のように分かってすごい楽しいっていうのもありますね。
アメリカにおける対面の重要性
Mika Ueno
それで資金調達をしてて、それって基本ニューヨークベースでずっとやってるんですか?それともいろんな各地行ったりして。
日本でよく対面とかでやるじゃないですか。そういうのもあるんですか?
Nobuhiro Seki
うん。やっぱり対面がいいんですよ。
そうなんだ。
っていうのはね。
アメリカも?
アメリカもそうだって。やっぱり理由はスタートアップ以上に人と人との付き合いが重要っていう考え方があるんですね。
理由はさっき言ったようにファンドって一般的に10年なんですよ。
10年なんだけど最初3、4年やったら次のファンドを立ち上げるっていうことで。
で、1回出資した人って次のファンドに出資する可能性が高いんですよ。
で、どうなるかっていうと、最初に出資するときって出資した瞬間にその人と10年間の付き合いになるわけですね、基本的に。
Mika Ueno
そうですね。
Nobuhiro Seki
出資する人が日本だと大企業とかだと10年もあると最初投資したときと終わるときって担当者が変わってることが結構あるんですけど、
アメリカってあんまりそういうことなくて、やっぱりこういう部門の人は長期でやらないと意味がないじゃないですか。
要するに出資したときと回収したとき一緒にいないと、自分がいろんな理由でこの会社を選びました。
ちゃんとパフォーマンス出ましたか出ませんかっていうのはもちろん、僕らVCが出せなくてごめんなさいってこともあるわけですけど、
向こうからすると、なんでこの人選んじゃったのかとか、なんでこの会社選んじゃったのかとかってあるわけですね。
だからどっちかっていうとまず、このVCを選べ選わないとかっていうのを決めるときに結構重視するのはやっぱりその人の人柄とか考え方とかですね。
製品とかサービスを買うみたいに、VCAとVCBとVCがあって、表にすると丸ばつになって、ここが一番丸が多いからここにするとかっていう感じにあんまりならなくて、
やっぱり10年一緒にやっていく中で、ある意味10年間パートナーシップを結んで、組み合いだからね。
パートナーシップの同じパートナー同士として付き合いをしなきゃいけないっていうことで、
やっぱりこの人はどんな性格で自分の考えてることとか、ライフスタイルとかそういうのに照らし合わせてしっくり組んのかとかですね。
そういうのも結構重視して選ぶっていうこともあって、やっぱり対面。それも一回でも割と何回もあって。
日本とアメリカで一番違うのは、それをやるためにですね、リファレンスチェックがむちゃくちゃするんですね。
だからあらかじめ僕なんかもリファレンスっていうのを何十人と用意しておいて、
この人リファレンスなんで必要に応じてこの人にコンタクトしてくださいみたいな。
っていうのをあらかじめ提示してあってですね。
【佐藤】そうですね。僕が話していて、前のファンドでこんなことがあって、このところでこういうことがありましたって言って、
そこはなんかすごい自分と共感するから、その話っていうのは、もし本当だったら、例えばすごいいいと思うんだけど、本当にそうだったのかっていうのを、
僕が言ってるだけだったら嘘かもしれないんで、それに関連している他の、その話をできる他の人と紹介してくださいって言って、
その人に紹介して本当にそうだったのかっていうのを裏取ったりするみたいなことをよくリファレンスコールみたいなことをするんですけど、
そういうようなことをして本当にこの人は嘘言ってる言ってないとかっていう異常のところで、
信頼できるか信頼できないかっていうのを測ってですね、それで決めるっていうことが多いんで。
Nobuhiro Seki
なので、さっきの最初のものに戻ると、やっぱり自分の感覚としてこの人、長期的に良好な関係を結べるビジネスパートナーになり得るかっていうのを知るためにはやっぱり対面で何回か会いたい。
最初の対面で会いたいみたいな感じになるんで、実際にニューヨークとかシリコンバレーとかにはすごい行って、
実際にその投資候補の人たちっていうのには直接基本的に会って、ミーティングして話をしてっていうのをかなりやることになりますよっていうのも言われてますね。
日本とアメリカのスタートアップの違い
Mika Ueno
何回かっていうのは、例えば1週間の出張とかあったら、その中で何回とかじゃなくて、1年の中で行ってまたニューヨーク戻ってきて何回も行くってそんな感じなんですか?
Nobuhiro Seki
多分相手次第ですよね。
Mika Ueno
相手のその検討期間によるのかな。
Nobuhiro Seki
相手のスタイルとか。
いっぱい人がいるところで、例えば僕はプレゼントしてきてる人10人いました。
その人がそれ聞いて、その後ミーティングちょっとしましょうみたいな感じで30分くらい話してて、
例えば1週間いたらよくよくしてもう1回会いたいとか。
自分の会社の他の人連れてくるんでその人と一緒に会ってくださいみたいな感じで、すごい短期間内に何人も会って決めることもあるし、
1回会って一応検討するんだけど、他にもいろんな資料とか、いろんなリファレンスとか先とかいろいろ話を聞いて、
だいたい決めてきて、また3ヶ月後くらいに改めてだいたい後のことをいろいろ調べてみて分かったんだけど、
改めていろいろ聞きたいことあるのでまたちょっと会わせてくださいみたいなケースとかもあるんで、
すごい短期間に会ったり長期間に何回も会って会うとか、
画風が多いと最初は僕がカルフォルニアに行って会いました。
もう1回会いました。
その後に僕がニューヨークに戻ってきて、その人はカルフォルニアでいろんな資料を検討したり、
リファレンス先に話を聞いたりしました。
でも3ヶ月とか4ヶ月とか経って、やっぱりうちをもうだいたい決めました。
でも最終判断する前にもう一度会いたいんで、今度は私がニューヨークに行きますよみたいな感じで、
僕は来たりするみたいなことも多分結構あってですね。
そんな感じで、早ければ多分1、2ヶ月で決めるし、長い人はもっともっと長い時間かかるっていう。
それっていうのがいろんな会社によって、もちろんいろいろやった結果は見送りますみたいな人もいるんで、
ファンドレース始めてから1年とか1年半くらいかかるっていうのは、その中ですごい短期間でやるとか、
今年中は無理だけど来年になって少し時間ができたら検討するから、それまでちょっと1回保留にしてくださいみたいな人もいたりするんで、
その中でコツコツとお金を集めるみたいな感じですね。
投資とスタートアップの関係
Mika Ueno
ぜひスタートアップ側で資金調達もするし、VC側でっていうのは今両方やってますもんね。
Nobuhiro Seki
そうですね。
Mika Ueno
全然違う立場で。なかなかないんじゃないですか、そういう人。
Nobuhiro Seki
でもこっちは結構多いんですけどね。だからこの前、日本でずっとVCやってる人と、
そういう人最近よくニューヨークに来るようになったら、ニューヨークでお会いした話をしてたら、
やっぱりアメリカだとスタートアップやってその会社がある程度うまくいったり、
うまくいかなくても次のキャリアとしてVC投資側に回るっていう人が結構多いんですよ。
なんだけど、日本って言うとやっぱり投資側とスタートアップ側って結構割と最初から分かれてて、
途中でそれにどっちかに変わった人ってあんまりいないんですよね、みたいな話をしてて。
だからもっとスタートアップの経験者が途中からVCに変わるといいんだけどね、みたいな話をしてました。
なかなかそういうキャリアを変わるのをサポートするような雰囲気とか仕組みとかがあんまりまだないねっていう話はちょっとしてました。
Mika Ueno
スタートアップとか根付いてきてますけど、投資っていうかね、それも同じぐらいのレベルで投資する人が投資受けること、資金調達っていうのが
同じぐらいのレベルで根付いてるかっていうとまだそうでも言えないからな。
Nobuhiro Seki
やっぱり今回で自分のキャリアがこの10年で変わって投資側に回ったっていうこともあって、
特にテクノロジーのスタートアップやってると、テクノロジー、いかに新しいテクノロジーなり何なりを使って、
夜中を変えるかとかですね、お客さんの問題解決するかっていうのに結構フォーカスしてるところがあって、
スタートアップにいる人のみんながみんな会社経営に詳しいかって言ったらそうでもない。
Mika Ueno
そうですね。
Nobuhiro Seki
だと思うんですよね。
でもそういう意味で言うとVCってね、まだまだ古い、古いっていうかね、
トラディショナルなスモールオフィスっぽいんですよ。
特にVCの立ち上げってトラックレコードがないって言うんですけど、要するにその人は今までにVCをやって、
どんな功績を残したかとかないじゃないですか、当たり前の時って。
だからお金もあんまり集まんないし、だからファンドのサイズ小さくて、そうなると人もいっぱい雇えないんで、
こっちだと最初VCを始めますとかって言うと多くのケースは日本で言うと5億10億ぐらいで、
1人もしくは2人みたいな感じでやって、他の社員とかは基本的に雇える、雇えませんっていう感じになってるから、
いわゆる本当の小さな個人事業です、もしくは僕で言うと関アンドカンパニーみたいな感じで関さんとあと友達みたいな感じじゃないですか。
だからそういう小さなパートナーシップでやるみたいな感じの形で会社を運営するんで、
スタートアップみたいにテクノロジーが伸びれば会社がどんどんどんどん大きくなるとか、そういうことは基本的にあんまりないんですね。
最初の選ばれた何人かで基本的に10年ずっとやり続けるっていう感じなので、
スタートアップに投資をする側のVCっていうのは割と昔ながらのコンサルじゃないんだけど、
小さい人数で割と私工業的な感じでやるっていう雰囲気がまだまだあるんですよね。
そうすると何が起きるかっていうと、でもVCっていうぐらいだからお金を預かって運用するサービスじゃないですか。
だからお金に関連するやっぱりやっちゃいけないこととか、
知っておかなきゃいけないこととかっていうのはルールは結構厳しいんですね。
例えば利益相反するような場合とかが起きますよね。お金を管理するときどういうふうに管理すべきなんですかとかですね。
怪しいお金を捕まされないためにどんな仕組みが必要ですかとかですね。
お金関連って不正が起きやすいんです。それが起きないような仕組みっていうのを作らなきゃいけないんですけど、
そういったものっていういろんなものがあって、そういう割と仕組みとか、
あとは例えばファイナンスの組みとかですね、会計のルールとか、
そういったものを一人とか二人しかいないところの中の人たちが結構全部知ってなきゃいけない。
割とジェネラリストっていろんなこと全部知らないといけないってことがあって、
VCファンド設立の難しさ
Nobuhiro Seki
なおかつ投資するときにテクノロジーだったらテクノロジーのことも知らなきゃいけない。
投資するスタートアップの人からいろんな話を聞き出すだけのインタビュー能力みたいなものとか、
リサーチ能力みたいなものとか結構必要になるので、実際にやってみると、
僕のケースはビジネススクールに行って、広く浅く会計とか財務とかいろんなものって全部広く浅くやらされていて、
それが確かにスタートアップの経営のときに役に立ったんですけど、
やっぱり今VCをやっててそのときの知識とかっていうのがないと、
ファンドレイズする前のいろいろ最低限持っていなきゃいけない知識とかっていうのが結構広すぎて、
結構苦労するだろうなと思って見てたりするんですね。
今回もアクセレーター入ってるから、
例えば基本的な契約書とか全部ひな形があって、それに沿ってやればできると思い出しなんですけど、
実際に契約書の中にいくつか会社ならではのことを決めなきゃいけないことがあって、
それを決めるためには例えば会社経営のことをある程度知ってなきゃいけないとかですね、
会計とか会社関連の会社法のベーシックなルールを知ってなきゃいけないとかっていう、
そういう知識がないとAかBかっていう選択肢が選べなかったりすることがあって、
だから実際にやってみると、
わりと広く浅くいろんなことを知らないとVCファンドを立ち上げられないっていうのが現実としてあるなっていうのは思ったりもします。
スタートアップの認識の変化
Mika Ueno
そうでしょうね。すごい専門的なものですかね。
幅広い知識もあるし、経営も実際やってないとわからないところもあるし、お金を投資する側のノウハウとかナレーションもあると思うし。
Nobuhiro Seki
何と言っても、人から5億10億預かってそれを運用するみたいなところもあるわけじゃないですか。
だからそういうようなところの倫理観みたいなやつも必要になってきちゃう。
そういうのが取れないような普段の活動をしてると、それだけが結構レッドフラグになったりするみたいなこともあって、
なかなかそういうのなしで勢いで立ち上げるのが難しいっていうのは感じます。
Mika Ueno
そうですね。非常に専門的な仕事ですよね。
Nobuhiro Seki
でも一方でそこが立ち上がってくんないと、さっきちょっとネタ言ってたけど、スタートアップも増えないかなっていうのは思ったりしますよね。
Mika Ueno
日本もスタートアップはだいぶ増えてきているし、
人々の心の中っていうかマインド的にもスタートアップが仕事を選ぶときの一選択肢に普通に自然になってるっていうのは、
私が社会に出たときと比べたら全然増えてきたっていうのはありますけどね。
Nobuhiro Seki
もうね、天と地の差ぐらいありますよねと思ってて、やっぱりなんだかんだ言って。
その頃ってベンチャー、ベンチャーっていらっしゃるんですよ。ベンチャーブームとかあったから。
大企業に就職できなかった人がベンチャー立ち上げてるみたいな、そういうようなことを、
やっぱりそういう偏見を持って、メディアも含めてやってるようなところもずっとあったなとは思ってます。
うまくいってるときはもちろんすごいすごいっていうのが、ちょっとうまくいかなくなるとすぐそういうのが出てくるっていうのはずいぶんあったんですけど、
アメリカは今はもう全く逆で、大学卒業するときにやっぱり一番なりたいものは最初はスタートアップのファウンダーとかですよね。
だから大企業に就職するって3番目くらいなんですよ。ここは本当にイメージは変わったのかもしれないんだけど。
日本とかもでもそんな感じなんですか。
でも一方で、今年の新卒のトップ何とか企業とかってランキング出てるから、やっぱりいい会社に就職するっていうのはやっぱりすごい重要なことなのかなとは思ったりします。
Mika Ueno
どうなんでしょうね。メディアとかでそういうランキングも出すと思いますけど、大企業に流し入れてる会社に行くっていう人ももちろんいるし、自分で何か会社を起こす。
インターンとかもいろいろしつつ、社会経験が積む中で自分で会社を起こすっていう人もいるし、あとは海外に行くっていう人もいるし、その進み方自体も多様になってきてる気はしますけどね。
Nobuhiro Seki
それで自分のやりたいやつを周りのプレッシャーがあんまり減って、選べるようになってたらいいですよね。
Mika Ueno
てなとこで、VCの資金調達からのスタートアップ的なお話でしたね。真面目モードな感じでしたね。
Nobuhiro Seki
そうですね。珍しいね。
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