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2025-04-05 17:16

#21.発達障害の人はカウンセラーになれないの?:#科学系ポッドキャストの日

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#科学系ポッドキャストの日 に参加しました!

4月のトークテーマ「保健」

共同ホスト「 #腸内細菌相談室 × #佐々木亮の宇宙ばなし

科学系ポッドキャストの日サイト:https://scien-talk.com/science_podcast/

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発達障害と職業選択について。発達障害の傾向があるからといって、何かの職業をあきらめる理由の全てにはならない、というおはなしです。


この番組で取り上げてほしいこと、心理士にきいてみたいこと、エピソードのご感想などあれば、こちらのお便りフォームまでメッセージをお願いします!

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サマリー

このエピソードでは、発達障害とカウンセリングの職業選択について議論されている。特にASDやADHDの特性を持つ人々がカウンセラーになる可能性や、日常生活での困難に対する理解が求められている。また、発達障害と職業の選択についての討論が行われ、発達特性がカウンセラー職に与える影響が考察されている。特性に関わらず、個人の全体像を考慮して職業選択を行うことが重要だと強調されている。

番組の紹介とテーマ発表
みなさん、今週も1週間お疲れ様でした。
公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困りごとの解決に役立ちそうな心理学・カウンセリングの豆知識をいるとお伝えしています。
今回はですね、他のポッドキャスターさんが企画したイベントに参加する形でお話をしていこうと思います。
その企画というのは、以前も参加させていただいた、科学系ポッドキャストの日というイベントです。
これはですね、毎月出される一つのテーマ、お題に沿った話を参加したポッドキャスターの方がそれぞれお話ししていくというものなんですね。
いろいろな方がホストされていて、今回は宇宙話の笹木涼さんと、庁内細菌相談室の鈴木さんが運営取りまとめをされています。
ありがとうございます。 そしてテーマは何なのかというと、4月7日の世界保健デーにちなんで、保健です。
そして僕はもちろん精神保健についてお話ししていきます。 今回はそのテーマにあったお便りをいただいたので、お便りに沿って精神保健のお話をしていきます。
精神保健のどんな話をするのかというと、ズバリタイトルの通り、発達障害と職業の選択についてです。
では、カウンセラージを始めていきましょう。 では早速、いつも通りお便りを読み上げていきます。
ニトラさんという方からいただきました。ありがとうございます。 ちょっと内容がですね、かなり詳しく書かれていますので、個人情報保護と社区の関係から省略してお話ししていきますね。
ワタルンさん、初めまして。いつもカジノお供にワタルンさんのラジオを拝聴させていただいております。 少し長くなりますが、ワタルンさんに相談と質問です。
私と私の家族の話なのですが、私の5歳の息子が今年になりASDとADHDの特性があることが分かりました。
息子に特性があることが判明したきっかけで、私も息子の特性を理解しようと本を読んだり、
療育の先生に質問をしたりなど、息子の特性に興味を持って学び始めました。 しかし夫は非協力的で、息子に容赦なく人格否定的な言葉を投げかけることもありました。
私がいくら息子をフォローしても、夫によって息子の感情が乱れる毎日に嫌気がさし、未来に不安を抱いてしまい、何度か自殺を考えたこともあります。
そんな中、周りの先生方のフォローの下、発達障害の勉強や先生との相談をしていくうちに、夫にもASDの可能性があるということに気づけました。
夫の特性の可能性に気づき、私はより深く2人を理解したいと思い勉強をし続けました。
さらに勉強を続けていくうちに、私は発達特性についてどこかそれが自分にも当てはまる箇所が多々あることに気づきました。
もしかしたら私もADHDかもしれないということです。
司会からの情報が非常に多くて、一人と対話している間も会話内容以外の様々な情報が入ってきて、
相手や人数によっては会話するだけでも少し疲れたりすることもあります。
私の特性の可能性に関して息子のかかりつけの先生に相談してみますと、
確かに特性があるかもしれないけれど日常生活に困っていないのであれば検査などはせず個性の一つとして受け入れましょうとお話をいただきました。
私はその言葉で自分は恥ずかしい過去はあったかもしれないけれど、今は気づけたからこそ成長できているし、
確かに特性に困っている時もあるけれど良いところもあると考えて自分の特性を受け入れようと思いました。
それがきっかけとなり、セルフケアも兼ねて心理学の勉強をしてみたいと思いました。
勉強をしていると毎日役立つ知識を身につけられる上、家族に対するケアとしても助けられています。
そして学んでいるうちにカウンセラーという仕事に魅力を感じ、私もカウンセラーになれたらいいなぁと考え始めました。
渡るんさんにお尋ねしたいのは、私のような人間でもカウンセラーになれる可能性が少しはあるのかということです。
特性や現在は専業主婦の立場というのもあり、私としては現実的には難しいのかなと思っています。
渡るんさんのお考えをお聞きしたいです。
発達障害と職業選択の議論
ということでした。ニトラさんお便りをありがとうございます。
かなり省略してしまいましたが、ニトラさんがたくさんの思いや悩みを抱えて考えて考えた結果、心理学を学ぶという道を見つけられたのだなぁと感じています。
まずその身近な人をしっかり理解しようとする姿勢が素晴らしいと思いましたし、そこからさらに勉強を重ねていこうとするところがただただすごいなぁと思いました。
それでお便りの中に一つご質問がありましたので、それにお答えしていきますね。
私のような人間でもカウンセラーになれる可能性が少しはあるのかということでしたね。
これはつまりADHDなどの発達特性を持っていてもカウンセラーになれるのか、もっと広いところでお話しするとしたら、
発達特性によってどのくらい職業選択に制限がかかるのか、といったところかなと思いますので、そういった質問と捉えてお返ししていこうと思います。
と、その前に発達障害について簡単に解説しないといけませんね。
皆さん発達障害、今回はその中でも特にASD、ADHDってご存知ですか?
ASDはちょっと昔にアスペルガー障害って言われていて、アスペなんて言葉が流行って、いわゆる空気が読めない人を揶揄するような使われ方をされましたね。
あのあれは良くないですね。言われた人にも当事者の人にも全方向にタラタラ失礼だなと思います。
さてASDはどんな障害かというと、日本語で言うと自閉スペクトラム症というものなんですが、対人関係やコミュニケーションに困難さを抱えやすい障害で、
特徴としては双方向的なコミュニケーション、相手との言葉と気持ちのキャッチボールが苦手な感じで、相手の意図を汲み取れなくて皮肉や冗談が通じにくかったり、
あとは曖昧な状況に不安を抱きやすくて臨機応変な対応が苦手だったり、といったことが挙げられます。
小さい頃から目が合いにくい、こだわりが強い、ルールにものすごく厳しい、感覚が極端に過敏だったり鈍感だったりとか、そういった傾向が見られます。
ADHDは注意・欠如・多動症というもので、物事への注意・集中力の力加減が極端だったり、順序立てて行動することが苦手だったり、
衝動的で順番を待てなかったり行動の抑制が困難、といった特徴があります。
そうですね、頭の中が常にいろいろな物事を考えて忙しかったり、周囲のいろんな情報が気になって大変だったり、話をしているうちに筋道が反れちゃって長くなっちゃったり、といったことが見られます。
物事に段取りをつけて実行していくことも苦手で、それで朝の準備に時間がかかって遅刻しがちになったり、課題をギリギリになって急いで終わらせないといけなくなったり、ということもあります。
これらの発達障害というのは、育て方による違いとかで肯定的に生じるのではなくて、その人が元々持っている能機能の発達の特徴と言われています。
運動や勉強の得意不得意、その辺の発達って人それぞれ違うかと思うし、バイト程度によっては障害と言われることもあるかと思うんですが、
人と関わる力や注意・集中力の力だって同じことということですね。 まあ確かにそうですよね。
あとちなみに、この発達特徴によって周囲とうまくやれずストレスが溜まって他の精神疾患を持ってしまうことを二次障害と言います。
僕個人の見解としては、世の中多少いろんな人がいてもいいんじゃないかと思う部分もあるわけですが、
一方で、それで周囲とうまくやれなかったりして本人や周りが苦しかったら、それはそれでちゃんとしたサポートが必要とも思っています。
だから程度問題にはなっちゃうし、みんなそういう部分あると思うんだけど、特に発達障害の傾向が強い人は、
しかるべき診断を受けて医療なり福祉なりのサポートを受けられるようにしましょう、みたいな温度感で僕は理解していますし、そう説明しています。
僕は発達障害の診断の補助として心理検査を担当することもあるんですが、
その時の結果をお伝えするときには、そういった特徴が日常生活でどのように現れていて、その方がどんなふうにしんどいのか、
そしてそのしんどさを軽減するにはどんな対処が有効かについて特に焦点を当ててお伝えしています。
大事なのは障害かどうかではなくて、その特徴によってどんなふうにしんどいのかというところなんですね。
それじゃあお便りのご質問に戻りましょう。 ADHD 的な発達特性を持っていてもカウンセラーになれるかということですが、
まず結論からお話しすると、それはわからないということです。 発達特性があるというだけでは、カウンセラーになれるかならないかは結論づけられないと思います。
ただ、強い発達特性によって日常生活に支障があるのであれば、まずしっかり課題をこなすとか、資格を取得する過程でつまずくことが予想されますね。
それで、わからないといった詳しい理由は2つあって、まず1つ目は発達特性の程度と質が人によって結構違うからなんですね。
ニトロさんはご自身の発達特性について医師に相談したときに、確かに特性があるかもしれないけれど、日常生活に困っていないのであれば検査などはせず、個性の一つとして受け入れましょうと言われたということでしたね。
答えとしてはそれが全てというと言い過ぎですが、本当にそこが大事なところなんです。
どういうことかというと、ASD、ADHDと言っても本当にその程度と質は人それぞれで、例えばASDの目が合うかどうかというところ1つをとっても、全然目が合わない人もいれば、逆にめっちゃ目が合う人もいるし、目の合い方は自然だけれど会話は一方的だったりとか全然違います。
ADHDも同じで、ものすごく多動な人もいれば、ぼやーっとしている感じの人もいたりします。
発達特性と職業選択
ニトロさんの発達障害の傾向はどのくらいかは僕では把握できませんが、でも日常生活で困っていないというレベルであれば、確かに障害というよりは傾向程度にとどめてもいいかもしれません。
そういった点では、あまりADHD傾向が職業選択の自由を狭める可能性は低いのかなぁなんて思います。
一方で中には、結構強い発達特性を持っていても、いろんな人生経験からそれをカバーするための対処をたくさん身につけていて、一見発達障害には見えないっていうケースもあるんですね。
そういう方は確かに適応できるスキルを持ってはいるんですが、裏でめっちゃ疲れてたりするんですよね。
そうなってくると、ちょっと話がややこしくなってくるんです。
ただ、日常生活を問題なく送るための工夫をたくさんしているということそのものは全然悪くなくて、僕もそういう対処を一緒に考えたりもしますし、
中には発達障害の強み、例えばA3だったら一つの分野を突き詰められる強みとか、ADHDだったら自分の行動力をうまく利用するとか、そういうのを生かして社会で勝負している人もいます。
そういった話から、実は発達特性と日常生活スキルとの関係って結構複雑なんですね。 だからニトラさんがどのくらい発達特性によって社会人として必要なスキルだったり
経長力とかカウンセラーとして必要なスキルが阻害されるのかがちょっとわからないんですね。 そして今の話と関連してわからないといったもう一つの理由は、これは当たり前かもしれませんが
発達特性以外にもいろんな要素がその職業の向き不向きを決めるからです。 いろんな要素というのは例えばその職業に興味があるかとか
その職業に必要なスキルを身につけるのがスムーズかどうか、そういったところですね。 カウンセラーって一言で言っても実は結構いろんな領域で働いていて、
学校にいるカウンセラーもいれば僕のように病院で勤務するカウンセラーもいたりします。 それで実は結構求められるスキルが場所によって違うところもあるんですよね。
もちろん相手の話を聞いてその背景を把握しようとする力とか 臨床心理学的な視点で周りの心の現象を理解する力とか
共通して求められるものはあるんですが だから個人的にはカウンセラーになれるかどうかというところは究極ニトロさんがやってみないと
わからないなぁと思うわけなんです。 そしてそれを事前に判断するとしたら、それは発達特性だけではなくてニトロさんのいろいろな
部分をご自身で理解することが大事なようにも思います。 今のお話をまとめると発達特性の強さによって確かに日常生活の困り
感は変わってくるし、それによって職業選択の幅も変わってくるとは思うけど、一方で特性の対象で日常生活を
なるべく問題なく送る工夫もできる場合があるよということ。 そして一つの職業に向いているかどうかに関しては
発達特性というよりはその人の人となり全体を見て判断した方がいいかもしれないよ ということです。
特性を理解することの重要性
ニトロさんどうでしょうか。 ちょっと歯切れの悪いお答えで申し訳ないんですが、でも正直にお伝えするとこういった感じになります。
なのでニトロさんには特性以外のところのご自身のことも深く知って、さらにカウンセラーになる方法についても知って、
現実的にそれが可能かできそうかを考えていただけたら嬉しいなと思います。 そして最後に、これはいつもお話ししていることに通じるのですが、
やっぱり発達特性一つをとっても自分の傾向や癖を知っておいて、その対象を持っておくというのは 職業選択だけじゃなくて日々の生活でも大事なことだと思います。
そうですね、発達特性一つで全てが決まるわけではありませんが、 その自分の一つの部分を深く知っておくことが自分の精神保険をいい感じに保つコツなんですよ、
ということで、今回の話を締められればなと思います。 改めてニトロさんお便り本当にありがとうございました。
というわけで今回はお便りを通じて、 2025年4月科学系ポッドキャストの日のテーマ、保険に沿ったお話をしました。
このエピソードを含めた他のポッドキャスターの方の保険についてのエピソードをまとめたプレイリストを サイエントークのレンさん、エマさんが作ってくださってますので、
もしよければそちらも聞いてみてくださいね。 概要欄にリンクを貼っておきます。
あのさっきプレイリストを覗いたらですね、まさかのADHDかぶりをしていた番組がありまして、 ちょっと笑っちゃいました。
もし当事者の方の経験談を聞きたい場合は、そちらを聞いていただけるといいんじゃないかなと思います。
ご注文はお揃いでしょうか?という番組です。 すごく聞きやすかったです。
では最後にもしよろしければ、このエピソードがいいなと思ったら番組のフォローや 星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたら、
お便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。 お便り引き続き少しずつお返ししていきます。
全部配読してますよ。ありがとうございます。 またポッドキャスト以外でもノートでの執筆やメンタルヘルスアプリでの配信も行っています。
詳しくはリットリンクをご覧ください。 リットリンクは概要欄とXの固定ポストからアクセスすることができます。
では今回はここまで。おやすみなさい。 ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
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