1. 心理師わたるんのカウンセラジオ
  2. #22.将来に悩む子への寄り添い..
2025-04-18 10:52

#22.将来に悩む子への寄り添い方ーアイデンティティについてー

spotify apple_podcasts youtube

お便り回。子供が人生の岐路に差し掛かった時、親はどんな風にかかわってあげられるといいのか、心理師視点でお話ししてみました!


この番組で取り上げてほしいこと、心理士にきいてみたいこと、エピソードのご感想などあれば、こちらのお便りフォームまでメッセージをお願いします!

https://forms.gle/sCeHYKuZZvqn8hKM8

X(旧Twitter)でつぶやいたり、noteで記事投稿なんかもしてます。生息地一覧はこちら!

リットリンク:https://lit.link/watalune

サマリー

このエピソードでは、息子のアイデンティティに関する悩みを持つ親からの相談に対し、心理的な支援や関わり方について考察されています。特に、青年期における自己認識や将来への不安がどのように影響するかに焦点を当てています。

息子との関わりの悩み
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。 コンニシンリシ、臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困りごとの解決に役立ちそうな心理学カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回は、というか今回もお便りにお答えしていきます。 匿名希望の方からですね。
あのー、毎回言っててくどいかもしれませんが、本当にお便り嬉しいんですよ。 ありがとうございます。
Spotifyでのコメントも嬉しいし、投票機能にお答えくださるのも嬉しいんです。 そういえば投票機能、あんまり宣伝してませんでしたね。
あのー、毎回エピソードを配信してから1週間くらいの期間で、その話にまつわる簡単なアンケートを設置しているんです。
例えば前回は発達障害のお話だったので、発達障害に関するアンケートですね。 今回も投票機能を作っています。
誰がどんな回答をしたのかはわからないようになっているので、もしよければお遊び感覚でやってみてくださいね。 さて今回はどんなお便りかというと、息子さんとの関わりに関するお悩みですね。
さっそく内容に入っていきましょう。では、関西ラジオを始めていきましょう。 まずお便りの中身を読み上げます。
お便りです。いつも配信ありがとうございます。 ワタルンさんの温かい声に癒されてます。今日はご相談です。
私の息子が絶賛ネガティブキャンペーン中で、ちょっと私の手に負えなくなってきたので、 ワタルンさんのお知恵をお借りしたいと思いました。
息子の基本的な性格は真面目で憂鬱の効かないところがあり、正義感も強いというものです。 それを踏まえてお聞きしたいのです。
今、大学生で4年になるところです。理工学部にいて、これから研究室に入って実験や卒論をやっていくところなんですが、
卒業して院に進むと思ってましたが、あまり研究内容やその先の未来がそこにはないと感じていて、 自分の未来などを考えられなくなっています。
彼には中学までの壮絶ないじめが体験としてあり、何事にも自分を出せず、それでも何くそと頑張り続けていました。
でも今、やっていくことに集中できず、新しいことにも目が向かず、 教授からはここへ毎日来て頑張って勉強してほしいと言われています。
とても頑張ってきたのに、まだまだ頑張っていかねばならないのか、と途方もない喪失感と虜感が彼を苛んでいます。
私はただただ話を聞くのみですが、果たして彼にとって聞くことだけが良いことなのか、わからなくなってきました。
教官は教委像になれかねないかと思ったり、聞く人がいなくなったらそれこそかわいそうではないかとも思ったり、
ちょっと気分転換がなかなかできない子なので、思い悩んで落ち込み切ってしまいます。
サジを投げずに今まで聞いてきましたが、それが帰って良くなかったのかなぁと思っています。
家から学校まで通っていますが、なかなかお休みもできない状況です。
なかなかと申し訳ありません。アドバイスをよろしくお願いします。
アイデンティティの考察
はい、ありがとうございます。
あの、何よりまずお伝えしたいことはですね、息子さんへの関わり方は文章から見るに何ら間違っていないように思います。
何というか、どういう関わり方をすれば正解かというよりも、その送り主の方の息子さんを心配する気持ちと、
でもあまり支えすぎると悪い方向に働いてしまうのではないか、本人の自立心に任せたらいいのではないかという気持ちとの間で迷う親心の方が大事だと思いますし、
そういう雰囲気ってきっと息子さんに伝わっているんじゃないかなと思います。
なのでその調子で息子さんの気持ちを支えてくださればと思います。
ただそれでこの話が終わってしまうのも何なので、もう少しお便りの中身を読み込んでいければと思います。
まずこちらを読み込むとですね、どういったことにアドバイスが欲しいかが実ははっきりしていないんですね。
多分これって先ほどお答えしたように、親としての関わり方についてアドバイスがあるといいし、息子さんのことについても何かアドバイスが欲しいし、
とにかく何か親子の状況が良くなるような助言が欲しいってことで、いまいち何が問題なのかを送り主の方ご自身も見極められていない状態でもあるんだろうなと思います。
そのぐらい悩みが深いということをですね。 まあそれはそうですよね。大切な息子さんですからね。
そうですね。それでお便りには息子さんの人となりがしっかり書かれていますので、ちょっと息子さんのことについても考えていけたらと思います。
送り主の方から見た息子さんは、ひどい仕打ちを受けても自分の意思を貫ける真の強さがあって、頑張り続けることのできる人なわけですね。
理工学部の4年生ってすごいですよね。 あと今年度から4年生になるということで、これから大変になるのかな。
就活とか大学院進学をどうするかとか、これからのことを考えなきゃいけない時期だとも思います。
みなさんは大学生20歳前後あたりはどのように過ごしていて、どんなことを考えていましたか?
もしかしたらすでに働いていたという方もたくさんいるかと思いますし、このお便りの息子さんのように自分の行く先の現実がなんとなく見えてきて、
何かを選択しないといけないという時期だったという方もいるかもしれません。 発達心理学者のエリクソンによると、この時期は青年期と言われていて、自分が何者なのか、
これから大人としてどんな役割を持ち、どんな自分で生きていくか、 いわゆるアイデンティティというのを獲得していきつつある段階と言われています。
お便りを読む限りだと息子さんはまさにそのアイデンティティ、自分がこれから何をして生きていくか、というのを真剣に考えている時期のようにも思います。
自分がこんな仕事をしたい、こんな風にして生きていきたいって決めることって、実は結構タフな作業だと思うんです。
自分は何が好きで、何が得意で、仕事だったらどんなことなら何とかやっていけそうか、そういったことを選んでいくんですね。
多分そこにはいろんな選択肢があって、あれもしたい、これもしたい、もっとしたい、もしくはあれもしたかった、これもしたかった、っていうのがたくさんあるかと思うんですが、
それらのほとんどを一度捨てて選択をするんですね。
詰まるところ、僕は息子さんはその選択をする機能にいるのだと思うのです。
今までがむしゃらに勉強してきて、他のことも頑張ってきて、おそらくですけどかなり良い大学に入って、その後も難しい課題をこなして、でも人生ってそれで終わりじゃないですよね。
親の関わりとコミュニケーション
これからもいろんな課題がやってきて、それをこなさないといけない。そう考えた時に心がポキッと折れそうになる。
お便りの方から見る息子さんの、とても頑張ってきたのにまだまだ頑張っていかねばならないのか、という文章からは、そんな絶望感というか、
もう頑張れない、ちょっと休みたい、という気持ちが読み取れるような気がしています。
研究内容やその先の未来がそこにはないと感じていて、自分の未来なども考えられなくなっている。というのは、がむしゃらに頑張ったさらに先の未来に自分が楽しく生きれるイメージが湧いてこない、そんなふうに思えます。
なんとなく自分の中で決めてたレール、大学院に進学して、そのまま研究を続けていくことについての心境が、この時期を境に変わってきたのだろうと思います。
そんなアイデンティティが揺らぐ時、親はどんなふうに関わっていられるといいかというと、やっぱり最初にお伝えした通りですね。
不安定になるお子さんを見て不安になったり、迷ったりすることは当然として、そんなお子さんを見守ってあげること、
何かあれば助けてあげられる位置についていることが大事なんじゃないかなと思うわけです。
これもお子さんの成長の過程とも言えますので、その変化がうまくいくように気持ちを支えていただければと思います。
あとはそうですね、おそらく送り主の方も息子さんもかなり疲れているようにも思いますので、少し一緒にケーキを食べたりとか、紅茶を飲んだりとか、一緒にダラダラする時間を作ってみてもいいかもしれないですね。
忙しくて休む時間が少なくても、少しのその時間が心を支えるきっかけにもなると思います。
と、ここまで話したところで最後に一番大事なことをお伝えすると、ここまでの僕のコメントは僕の推測でしかないので、それを確認するためにはやっぱりご本人に気持ちを聞くほかないわけですね。
チャブ代を返すようで申し訳ありませんが、今回の話をヒントにしつつ、息子さんがどう思っているのか、どんなことに迷いがあるのか、どんな時間があるといいのか、どんなことをしたいのか、また引き続き気持ちに寄り添って聞いていただけたら嬉しいです。
繰り返しですが、そういう親が子を見守る雰囲気というのは子供に伝わっていると思いますので、その調子で無理なく時には親御さんも自分のことをいたわりながら過ごしていってくださいね。
改めてお便りありがとうございました。というわけで今回は、青年期の課題、アイデンティティというのを軸にお便りにお答えしてみました。
就職や子育てをもう経験されている方は、親と子、どちらの立場の気持ちもわかるわかると思って聞いていただけたのではないでしょうか。
時期によって子供の課題、それを見守る親の課題がそれぞれあるもので、そうですね、今回はそんな課題を一緒に乗り越えていくヒントとして活用していただけたら嬉しいなと思います。
では最後にもし良ければ、このエピソードがいいなと思ったら番組のフォローや星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたら、お便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
お便りコメントを引き続き少しずつお返ししていきますね。
またポッドキャスト以外でもノートでの執筆やメンタルヘルスアプリでの配信も行っています。
詳しくはリットリンクをご覧ください。リットリンクは概要欄とXの固定ポストからアクセスすることができます。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
10:52

コメント

スクロール