「#23.八つ当たりされたときの心の守りかた」で少し触れた「アサーション」、さすがにずっと解説せずにいるのはなーという後ろめたい思いに駆られ、早めにエピソードを作ってみました(笑)
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サマリー
このエピソードでは、アサーションというコミュニケーションスタイルと、具体的な技術であるDESC法について解説されています。相手と自分の気持ちを大切にする方法や、効果的に意見を伝えるためのステップが紹介されています。また、アサーションとDESC法を活用したコミュニケーションの重要性についても触れられており、相手との関係性を冷静に保つ方法が説明されています。さらに、最近の投票結果やリスナーからのフィードバックへのアプローチについても言及されています。
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わたるんのカウンセラジオ
みなさん、今週も一週間お疲れ様でした。
公認心理師臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは病院勤務の現役カウンセラーが日常のことから人生設計諸々までいろんなお困りごとの解決に役立ちそうな心理学カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
アサーションの重要性
えっとですね、前々回、シャープ23、八つ当たりされた時の心の守り方で、困った状況でどういうコミュニケーションを取ればいいのかというのを考えるヒントとして、相手の立場と自分の立場を大切にしながら発信をするアサーションというものがあるんですよ。
ちょっと説明するには、長くなるからいつかまた話すね。ということをちらっとお話ししたと思うんですが、
さすがにそんな風にお話ししておいてすぐに詳しく話さないっていうのはちょっとなぁ、ただでさえこの番組学習更新だしなぁと思ったので、今回はそのアサーションとアサーションをベースにしたもう少し具体的なコミュニケーション技法のデスク法というのをご紹介します。
実はこれはるか昔にポッドキャストで一度説明したものになるんですけど、改めて情報をもっとぎゅっとまとめてかつもっとわかりやすく説明していければなぁと思います。
では、関西ラジオを始めていきましょう。 というわけで早速まずアサーションについて説明しようと思います。
みなさん人とコミュニケーションをとる時、自分の意見や気持ちを積極的に言う方ですか? それとも言わずに相手の意見や気持ちを優先する方ですか?
そうですね、たぶん今みなさんそう聞かれて、自分はどっちかというと言う方だ、言わない方だ、と全体的な自分の傾向からどちらかを選ばれたかと思います。
で、自分の言いたいことを言う時って相手のことをないがしろにしてこちらの主張を貫きすぎると、結果なんかこっちも悪いなーって気がするし、過去も残るし、
でも一方で自分の言いたいことを我慢すると、なんか釈然としない気持ちにもなるかと思うんです。 結構力加減難しいですよね。
そしたらどうしようかーって時に、相手も自分も大切にしたコミュニケーションスタイル、つまりアサーションの考え方を抑えておくと、相手とやりとりがしやすいんですね。
このアサーションというのは、相手もOK、自分もOKということを意識したコミュニケーションスタイルで、相手も自分も大事にする態度をとることで、お互いにとっていいコミュニケーションをとりやすくなるよ、というものなんですね。
1950年代にアメリカで差別の撤廃や人権の主張の流れで主流になったものと言われています。 そうですね、これも具体例を混ぜた方がいいと思うので、今回は前々回の八つ当たりの話から続いているエピソードということで、
仕事場面で気分の波が激しい先輩から何の説明もなく訳のわからん業務を頼まれた時のことを例として想定してみましょうか。
例えば、トイレから戻ってきた時に、なんか雑に自分のデスクに資料が置いてあって、一番上のところにこれやっといてくださいって書かれた付箋が貼られていた。
資料を見ても何すればいいのかよくわかんない。 雑だなぁ、これいつもの機嫌が悪い時のやつだ、みたいな場面を考えてみましょう。
皆さんこれどうしますか?人によってはイライラして下打ちしながら、なんすかこれちゃんと説明してくださいって言っちゃうこともあるかもしれませんし、
逆にそんな思いをぐっとこらえて黙々とその頼まれた仕事をこなすという方もいるかもしれません。 僕はそうですね、割とイライラしちゃいますね。
なので少し時間を置いてから相手に話しかけるようにしています。 まあそれでもイライラしちゃうんですけどね。
そんでさっきのアサーションの観点から今の対応を考えると、なんすかこれちゃんと説明してくださいって言っちゃうのは、相手はNG、自分はOKという態度で相手と接しています。
これはアグレッションタイプの自己主張と言われていて、相手との対立構造を見やすいです。 逆にいろんな思いを飲み込んで黙々と仕事をこなすのは、相手はOK、自分はNGという態度ですね。
これはノンアサーティブタイプと言われています。 自分の中にストレスを溜め込みやすいってデメリットがあります。
それらのどちらでもない、相手もOK、自分もOKという態度で相手と接するのがアサーティブな態度です。 そうですね、今回の例だったら
頂いたこの仕事を詳細がわからないので詳しく聞いてもいいですか?って感じでしょうか。 場合によっては、忙しいと思うんでいつでもいいですけど、できればしっかり頼まれたものをこなしたいので、一声かけてもらえると嬉しいです。
とかって加えてもいいかもしれないですね。 つまりは、相手の立場をある程度気遣いながらも自分の思っていること、してほしいことは伝えるというような態度です。
その方がお互いにとって良い結果を残しやすいわけです。
それでこれ、さっきお話ししたアサーティブ以外の2つの対応が全く悪いってわけでもないと思います。 ムカつくようなことが続いた時は、たまにはガツンと言ってやるのもいいかもしれないし、
我慢して仕事をした方が自分にとってトータル得なのであれば我慢してもいいかと思います。 ただ、それを自在に選べるかどうかというのがまず大事なんです。
相手にとってどうか、自分の対応の仕方で相手が変わるかは置いておいて、 自分の中でなるべくわだかまりが残らないようなコミュニケーションの取り方は何かという視点で考えて、
自分の中で一番納得のできる主張の仕方を実行することができる。 そして、なるべく自分の中で過言を残さない。ここが大事なんですね。
結果的に、過言を残さないコミュニケーションの取り方としては、 やっぱりアサーティブであることがベターなわけだから、アサーティブなコミュニケーションを知っておくといいですよということになるんですね。
これがアサーションについての概要説明です。 そんで、聞いていただいた方の中には、相手も自分も大切にっていうのはわかったけど、それを具体的にどう伝えるようにすればいいんだ、
そういうの苦手だしわからんと思った方もいるんじゃないかなと思います。 僕は実際初めてアサーションのことを知ったときそう思いました。
そこでですね、じゃあ具体的にどんなふうに伝えることが相手も自分も大切にしやすいコミュニケーションになるんだろう、
デスク法の説明
という疑問にも答えられる痒いところに手が届くコミュニケーションテクニックがあるんですね。 それが今回紹介するデスク法になります。
まずデスク法というのは何なのかというと、自分の言いたいことを4つの要素に分けて整理するというものです。
その4つとはディスクライブ、描写、エクスプレス、説明、スペシファイ、提案、チューズ、選択です。
この段階に沿って自分の言いたいことを言っていくんですね。 これだけではわからないので、また具体例を出して考えていきましょう。
じゃあさっきと同じ例、雑に仕事を頼まれた時のやつでいきます。
まずディスクライブ、描写というのは事実を客観的に伝えるというものです。 今現在その人たちが置かれている状況をまず共有します。
今回の場合は頼まれた業務の詳細がわからないということを伝えられるといいですね。 次にエクスプレス、説明というのは自分の意見や感情を伝えるというものです。
今回は雑に頼まれて困っているというところを伝えたいですね。
3つ目のスペシファイ、提案するというのは相手のお願いに対する大体案を提案するというものです。 そうですね、しっかりやりたいから口頭でも業務の詳細を教えてもらいたいとか、その辺を伝えられるといいでしょうか。
最後はチュース、選択ですが、提案に対する相手の返事を伺うこと、つまりどうですかと相手に選択・返答の余地を与えることですね。
今のを踏まえて、そうだな、さっきのアグレッションな例、なんすかこれ、ちゃんと説明してくださいをアサーティブかつデスク法に載せた言い方に変えるとどうなるかというと、
すいません、さっき机に置いてあった業務の詳細がわかんなくて僕困ってるんです。 いい感じにやりたいんで、どっかのタイミングで詳しく教えてもらえないですか?
といったところでしょうか。 多分ですね、今聞いている皆さんの方が上手い返しを思いつけるんじゃないかなーって思ってます。
アサーションの実践
割と僕は逆切れされることも多いので。 ただ真面目な話、こちらがアサーティブでも相手がそうではないケースの方が世の中多いですよね。
僕もこの手の話をした時によく聞かれるのが、相手がアサーティブじゃない時、特にアグレッシブだったりする時はどうすりゃいいの?という質問です。
これ確かに本当にその通りですよね。いくらこちらがコミュニケーションを頑張って工夫したところで、言い方悪いですけど相手がダメならダメじゃんってなりますよね。
こういう時僕がどうお答えしているのかというとこんな感じ。 自分の行動は変えられるけど他人のことは変えられません。
影響を与える程度です。 なのでこちらが工夫を凝らしてコミュニケーションを取っても結果が全然よろしくなかったら、
それはそれでそういう結果を得られたという収穫なので、その上でその相手との関わりをどうするか、自分を守れる距離の取り方はないかとか、次の手を考えましょうと伝えています。
工夫を凝らしたコミュニケーションをしてみて相手がどう動くかって結局やってみないとわからないですよね。
あと、結果その場では良くないように見えても相手に影響を与えることはできているわけだから、アサリティブなコミュニケーションを続けていけば、もしかしたら少しずつ反応が変わっていくかも的差しが見えたりすることもあるわけです。
つまりは成功か失敗か白黒つけられない結果も含めて、何かしらやってみてわかることというのが確実にあるわけです。
そして仮に何かしらの見通しが立ったなら、そこまでコストをかけて関係を良くしたいかどうかとか、自分で判断できる余地が広がります。
こちらが意固地になって相手と戦争状態を続けるよりも、こちらの出方を変えていくと相手の違う出方がわかるというのはやっぱり大きな一歩ですよね。
1対1のスポーツ、例えばテニスとかでもいろんなコースを打ち分けて相手の癖や苦手なコースを見極めたりするわけですよね。
それと似ているかもしれません。
アサーションをやってみるときは、そういう相手とのやり取りの結果以外の見えないところのメリットも見ていけるといいかもしれません。
今のがデスク法の説明と、それをやってみての相手の反応をどう冷静に捉えればいいのかのちょっとしたコツです。
さて、今回の話をまとめると、アサーションとデスク法を使って、相手と自分に配慮したコミュニケーションを冷静に取りながら、トータル自分にとっていい距離感をつかんでいこうということになります。
リスナーとの交流
どうでしょうか。自分が言いたいこと、伝えたいことを話すときって、思い返すと思ったように言葉にできなかったなーってことも多いんじゃないかなと思います。
僕もこういう仕事をしてますが、やっぱりうまくいかない時もありまくります。
で、こういうのはノウハウを抑えたら実践があるのみなのかなーなんて思ったりもしています。
もしこういう時にうまくいかなかったとか、こういう時にどう伝えたらいいとかありましたら、引き続きお気軽にお便り本までいただけたら嬉しいです。
では本題はこのくらいにして、最近恒例になりつつある投票結果を見てみようのコーナーです。
なんとなく始めてみましたけど、これ需要あるんですかね。
でもこのコーナー始めてから投票数が少し増えててですね、嬉しいです。ありがとうございます。
じゃあですね、前回の投票の内容は誰かのお世話をしているときに虐待が頭をよぎったことがあるかどうかという質問をさせていただきました。
前回は結構センシティブなテーマだったのですが、でもケアラーとして心の余裕がなくなることって結構よくあるんじゃないかなと思って、
こんな投票を作ってみました。結果は11票いただいて、よくある3票、たまにある4票、あんまない2票、全然ない2票でした。
いやまあこれ、統計的には厳密に言うと何の意味もないんですが、僕の番組を投票してくれるくらいしっかり聞いてくださっている方の中では、虐待がふと頭をよぎるということはあるという方が少しだけ多いようです。
さっきもちらっと言いましたが、普通に誰かのお世話をしているときって心の余裕なくなりますよね。
僕もやっぱり本当はゲームしたり音楽聞いたりしたいのに、自分の採用でいろいろできる時間が圧倒的に減りますから、そういうリフレッシュもできなくて心がすり減るし、
あとそうですね、専門書読んで勉強する時間も減るので結構焦りますね。
なるべくコスパの良い勉強法というか技術の上げ方を模索していましたし、今でも模索しています。
コスパが良いというのは何というか、短時間でガツンとくるものですかね。
いやなんかタバコみたいな表現になっちゃいましたけど、例えば誰かからのフィードバックを受けたりとかそういうことを無理なくやってます。
そんな感じで誰かのお世話をしている人は何かしら自分の余裕を保つための工夫をされてるんじゃないかなと思います。
もしこんなセルフケアしてるよーとかアイディアがあったらコメント欄にコメントをいただけたら嬉しいなと思います。
それで今回の投票はそうですね、じゃあ最初なりデスク法なりでこれからの自分の人との関わり方に希望を持てそうかということを聞いてみようと思います。
なんかこれちょっと聞くの怖いんですが、でも皆さんの日々の生活をいい感じにするためのヒントをお伝えするためにこの番組やっているので、
まあそうですね率直な感想をお願いします。
では最後にもしよければこのエピソードがいいなと思ったら番組のフォローや星5評価をしていただいたり、
何か心理師に聞きたいことやお問い合わせがありましたらお便りフォーマでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
お便りやコメントを引き続き少しずつお返ししていきますね。
またポッドキャスト以外でもノートでの執筆やメンタルヘルスアプリでの配信も行っています。
YouTubeでは動画を差し込んだバージョンのものも少しずつ配信しています。見てみてくださいね。
詳しくはリットリンクをご覧ください。リットリンクは概要欄とXの固定ポストからアクセスすることができます。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回お楽しみに。
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