ものすごく落ち込んでいたり、不安だったりすると、「こんなことでここまで落ち込む/不安になるなんて自分はおかしいんじゃないか?」と思って、その落ち込みや不安に拍車をかけちゃうこと、あるんじゃないかなと思います。逆に、「~~な時って〇〇になっちゃうよね」ってわかってもらえると、「あ、これってわりと普通なんだな」って安心しますよね。そうなんです。自分だけがおかしいってこと、実はあまり多くないみたいですよ。今回はそんなお話をしてます。
がん情報サービス:https://ganjoho.jp/public/support/mental_care/index.html
#7辛い体験を受け入れるプロセスって?:https://open.spotify.com/episode/3RVJn6KC4L3tGmyZryMCoM?si=lwUm90pJT0O16rih5gv8zg
この番組で取り上げてほしいこと、心理士にきいてみたいこと、エピソードのご感想などあれば、こちらのお便りフォームまでメッセージをお願いします!
https://forms.gle/sCeHYKuZZvqn8hKM8
X(旧Twitter)でつぶやいたり、noteで記事投稿なんかもしてます。生息地一覧はこちら!
サマリー
今回のエピソードでは、気持ちの揺れを理解するための「ノーマライズ」について探求しています。特に、死の需要の過程を通じて、自分だけが特別ではないことに気づく重要性が強調されています。このエピソードでは、自己の不安や異常感について再考するための「ノーマライズ」というコンセプトが取り上げられており、リスナーが自分だけがおかしいわけではないという気づきを得る手助けが行われています。
お便りの紹介と心理的サポート
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師臨床心理師のわたるんと申します。 この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困りごとの解決に役立ちそうな心理学カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回は、匿名希望の方からありがたいことに応援のお便りをいただきましてですね。 そのお便りを読んでいる中で、これは補足してお伝えしたいなぁというものがありますので、そのお話をしてみようと思います。
テーマはズバリノーマライズです。ではカウンセラジオを始めていきましょう。 早速お便りを読み上げていきますね。
少し前から拝聴しております。穏やかな声と頭に入りやすいスピードでのお話、 いつも勉強になっています。
私ごとですが、1週間前にガンの告知を受けました。 思った以上にショックを受けていたようで、頭が真っ白になりました。
その中で、ふとワタルン先生の死の需要までの5段階を思い出し、何度も聞いています。 一度目は何にもない状態。
2回目は当事者になってから。全く気持ちが違いました。 私は否認と怒りは今のところなく、一気に欲打つと取引になっています。
相談できる相手がいないのもあり、ひたすら神に至ることで心を保っている状態です。 カウンセリングに踏み切れず、ワタルン先生のポッドキャストで何とかしようと頑張っています。
これから手術までの間、何度も聞き返したいと思っています。 取り留めのない一方的なお便りで申し訳ありません。
ワタルン先生のポッドキャストと出会えていたことに感謝を込めて、これからも応援しております。 ということでした。お便り本当にありがとうございます。
こんな風にお役に立てているというのがわかると、本当に歯がみになります。 そしてガンの告知、とてもショックだっただろうと思います。
まさか自分がという気持ちも少なからずあったでしょうし、 それは現実味を帯びてくる中で、気分が落ち込んだり不安が強くなったりしていることと思います。
そんなカチューにいる中で、僕の番組を心の支えにしてくださって、さらにお便りまでくださるのは本当に嬉しく思います。
このポッドキャストをやっててよかったなーって思いました。 何か他にも気持ちが楽になるエピソードがあったら是非聞いていってくださいね。
ただあのですね、渡る先生はちょっとこっぱずかしいのでやめていただけると嬉しいです。 そういえば僕が仲良くさせていただいているポッドキャスト番組の働く人の立ち話の小島さんもたまに先生呼びしてくれるんですよね。
あの嬉しいんですけど、あと確かに先生的な立場ではあるっちゃあるんですけれども、 すみませんがあまり僕自身は先生ぽくはないかなぁと思いますので、
渡るんさんくらいでお願いできると嬉しいです。 さてお便りの補足に入っていこうと思いますが、お便りをくださった方は死の需要までの5段階について言及してくださってましたね。
これは僕がシャープ7つらい体験を受け入れるプロセスってというエピソードで取り上げている概念で、 人が死を需要するまでの過程は5段階に分かれるんですよというお話をしたんですね。
気になる方は概要欄にリンクを貼っておきますのでお聞きくださると嬉しいです。
ただそのエピソードの中でですね、その死の需要の5段階について僕は、 自分の中では今こういうことが心の中で起こっているんだなぁっていうのはわかるけど、
その時の辛い気持ちを和らげるには役に立たなくねっていうことをですね、 喋っていてですね。
いやまぁ確かに理論としての色合いが強いからそうではあるんですが、 そういうケチのつけ方はちょっと良くないんじゃないかなーって今更ながら思うわけなんですけれども。
で、代わりにそういう辛い気持ちを和らげるための過ごし方も、 そのエピソードで僕は説明しているんですが、
それは、いつもの日常を過ごしながら辛い気持ちと距離を取ることと、 そんな風に気持ちが揺れていることを恥じずに、そんな風になるのは当然のことなんだ。
そりゃきついよと自分に言ってあげることの2つを挙げています。 タイトルにあるノーマライズっていうのはまさにこの2つ目。
そんな風に気持ちが揺れていることを恥じずに、そんな風になるのは当然のことなんだ。 そりゃきついよと自分に言ってあげることなんですね。
心の不安に対する理解
もう少し詳しく説明すると、ノーマライズというのは心理学の言葉で一般化とも言われます。 福祉領域のノーマライゼーションとは少しだけ意味合いが違っています。
ノーマライズとは何なのかというと、 皆さんものすごく落ち込んでいたり不安だったりすると、
こんなことでここまで落ち込む不安になるなんて自分はおかしいんじゃないかと思って、 その落ち込みや不安に拍車をかけちゃうことあるんじゃないかなぁと思うんですが、
逆に、うにゃうにゃな時ってほにゃららになっちゃうよねーってわかってもらえると、 あ、これって割と普通なんだなーって安心しますよね。
そんなふうに自分だけがおかしいんじゃないのかと思っているところを、 これは割と普通の現象ですよーと伝えていくことをノーマライズというんです。
これは場合によってはその人が人の心の知識を増やせるってだけじゃなくって、 あ、これは自分だけじゃないんだなーって思って安心感をもたらせることに大きな意味があります。
例えば、子供に強い口調で当たっちゃったママがこんなに怒って私っておかしいのかなーって思ってたら、 今このエピソードを聞いているママパパはどう返しますでしょうか。
そうですね。いやむしろそれが普通だよ。僕私なんてしょっちゅう怒ってるよ。ですよね。 え、違いますかね。僕はほとんど毎日娘にイライラしてますけれども、みんな同じですよね。
はい、これがノーマライズです。 もっと言うとそのシャープ7で僕がちらっと自分の経験談も話してるんですが、それもノーマライズだし、
もっともっと言うとこのポッドキャスト番組もノーマライズをだいぶ意識してます。 いろんな方のお便りを受けて僕が返していますが、多分リスナーの方、今まで聞いていただいてきて、
あ、これって私だけじゃないんだなーって思って安心感を持たれた時があったんじゃないでしょうか。 そうなんです。それがノーマライズの効果なんです。
と言うと大げさな感じがしますが、要は自分だけがおかしいってこと、実はあんまり多くないみたいですよってことですね。
今回お便りをくださった方は、その死の需要の5段階にノーマライズを見出してくださったんじゃないかなと思います。
こういうもんなんだなーみたいな感じで、ある程度ご自身の気持ちの流れを俯瞰できているというか。
でも辛いものは辛いですよね。それは当然のことと思います。 苦しい目にあったのならそれ相応の報いというか、いいことが自分にあってほしいし、
それが実現しないかもしれないと思うと落ち込むだろうし、手術も不安だろうし、 そんな気持ちを持たない方がおかしいと思います。
そういう気持ちが揺れることは当然のことということ、つまりノーマライズを前提にしてお話を続けますが、
今回のお便りではカウンセリングに踏み切れずとも書かれていましたね。 ただもしかしたらもうご存知かもしれませんが、
がん患者さんの心のサポートはとっても重要で、それこそカウンセリングや電話相談などなどいろんな資源が活用できます。
逆に言うと、そのくらいがんを告知されるっていうのは辛いものだし、 それについてカウンセリングを使うことは何らおかしいことではないということですね。
多分お便りをくださった方は既にカウンセリング窓口を案内されたか、何かしらカウンセリングを受ける手立てをもうご存知で、
そこに向かうか悩まれているんじゃないかなと思います。 カウンセリングにも心の準備が必要と思います。
ノーマライズの重要性
なので僕の方からは、「カウンセリングやろうぜ!」ではなくて、「がん情報サービス」というサイトのがんと心のケアについて書かれたページを概要欄にリンクに貼っておこうと思います。
これだけでも、ああそうかと思えるかもしれませんし、 カウンセリングに踏み切れない気持ちを少し楽にできるかもしれません。
何せよお便りをくださった方が、ご自身にとっていいなと思ったタイミングで、いいなと思うことをしていただければ嬉しいなと思います。
人は皆自分の行動を決め、それを行動に移し、その結果については責任を持つ権利がある。 これはアサーションという考え方の一つなんですが、どんな時も自分がいいと思ったことを選択できるということですね。
こういうのもノーマライズってことになっちゃいますが、お便りをくださった方も今までもこれからもご自身にとっていいと思ったものを選んでいってくださいね。
さて今回はいかがでしたでしょうか。今回の話をまとめると、自分はおかしいんじゃないかという考えについて考え直す足掛かりとして、ノーマライズというのがあるんですよということになります。
あのやっぱり人間って一言だと冷静かつ優しく考えられるんだけど、 自分事だとなんか極端な考え方になっちゃうものですよね。
そういうのも踏まえると、やっぱり自分だけがおかしいってこと、現実ではあまり多くないんじゃないかなと個人的には思うわけです。
今回のお話がお便りをくださった方やリスナーの皆さんの気持ちを少しでも軽くできていたら嬉しいと思いますし、
辛いことがあったら、みんな辛いんだから自分だけ弱音を吐いちゃダメだじゃなくて、みんな辛いんだから自分だって辛いって思っていいよね
って思っていただければ嬉しいなと思います。 お便りをくださった方、今後の治療成功することを祈っています。
では最後に宣伝をさせてください。 あのですね、この心理師渡るの活動なんですが、実はポッドキャスト以外でもいろいろとやっておりまして、
その辺をまとめたものをリットリンクというプラットフォームでまとめてみました。 リットリンクというのは僕の生息地一覧みたいなもので、その url を概要欄や
X の固定ポストに貼っています。ので、もしよければそちらご覧いただけたら嬉しいです。 それで改めてポッドキャスト以外でどんなことをしているのかっていうと、
まず一つは有料記事をノートで書いています。 これはですね、ポッドキャストで配信したエピソードをまとめたりブラッシュアップしたりしたもので、
500円で販売しているというものなんですね。 エピソードを配信していると、あれを言っときはもっとわかりやすかったなーって思ったり、
これ文字で伝えた方がわかりやすいかもなーって思ったりすることも多くてですね。 その辺の心理師渡るの不完全燃焼感を解消しつつ、
皆さんに役立てられるように、特に文字として読みたいという方のニーズに応えられるように活動してます。 読みやすい無料記事もありますので、もしよければ見てみてくださいね。
そしてもう一つは海外発のメンタルヘルスアプリ Aura のコンテンツクリエイター、つまりパーソナリティとしても活動しています。
Aura というのはどんなアプリかというと、 なんとアップル受賞歴があるメンタルベルニスと睡眠のためのオールインワンアプリ
でして、 ヒプノセラピーや瞑想、朗読、サウンドヒーリング、音楽などなど、ありとあらゆる聞くタイプのメンタルヘルス系のコンテンツが用意されている
プラットフォームなんですね。 7カ国語対応のサブスクのアプリです。メンタルヘルスに特化した Spotify みたいなもんですね。
僕はその Aura でポッドキャストで配信してきたものを、 これもまたブラッシュアップしてより分かりやすくしたり、より落ち着けるようにアレンジを加えて配信をしています。
もしより癒されたい、いろんなメンタルヘルスに役立つコンテンツを聞きたいという方がいらしたら、 そちらもぜひチェックしてみてくださいね。
URL はリットリンクで。リットリンクは概要欄と X の固定ポストからアクセスすることができます。
では、もしよければこのエピソードがいいなと思ったら、星5評価をしていただいたり、 何か心理師に聞きたいことがありましたら、お便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。 また次回をお楽しみに。
13:21
コメント
スクロール