給料に関する問い
はい、皆さんこんにちは。FeelWorks代表取締役の前川孝雄です。
本日のですね、前川孝雄の上司が元気になるラジオはですね、僕がnoteでコツコツ続けています
「上司力実践ケーススタディ」の中からですね、皆さんが非常に関心の高かった項目について、特別にこの番組の中で、
無償で公開して解説しようというふうな番組を送りたいなと思っています。今回取り上げるのは、
Q-40、問いの40番ですね。給料に不満を訴える若手部下という設定でございました。非常にね、デリケートな問題ですね。
問いはね、こんな設定でございました。こんなに頑張っているのに、給料が安すぎると思うと訴える若手部下。
上司の自分も今の会社の給料が良い方だとは思っていないが、どう対応するというふうな問いでしたね。
非常にデリケートで悩ましい問題ですね。昨今ね、新入社員の初任給を上げようというふうなトレンドなんかも出てきている中で、
結構は敏感になってきていることが多いですから、悩ましいですね。このアンサーはですね、2択でございました。
アンサーの1番はですね、確かにうちの会社の給料は高い方ではないよねと、私もそう思うことがあるよと共感を示して、
でもみんな同じ待遇で頑張っているんだと、長い目で見れば上がっていくだろうし、前向きに頑張っていこうと励ますというのがアンサーの1番ですね。
アンサーの2番ですね、あなたは給料分以上働いていると感じているんだねと、もう少しその理由を聞かせてくれるかな、
仕事経験を通じて将来にわたって稼ぐ力をつけていることを踏まえて考えてみようというふうに悟すというふうなアンサーの2番はこんな感じでございました。
対応策の検討
さて、どっちが妥当解でしょうかというとですね、毎度言っているようにこれは別に絶対的な正解はありませんので、
上司としての考え方を問うているので、その中での妥当解はどっちかというのですけれども、
僕自身がお勧めするのはアンサーの2番お勧めだなと思っています。
ついつい給料の問題は結構デリゲートで、上司の皆さんも聞いていらっしゃる方の年代もいろいろと思うんですが、
40代半ば50代の方でいくと自分自身が想像していた管理職のような給料と違っていて、
そこまで上がっていないなというふうに感じる方も多いでしょうし、
先ほど申しましたように初任給でどんどん上がっていったりとか、
若手を優遇するような部長の中で自分の給料が頭打ちなのにというふうないろんなわだかまりも感じるというふうにですね、
その中でいろいろ悩むと思うんですけれども、若手自身は昔のことは別に体感していないわけで、
素直にその気持ちを言った可能性があるわけです。
これも背景にあるのは年功序列で少しずつ給料が上がっていく日本型雇用というのがゆらいでいて、
ジョブ型雇用と言われますけれども、その仕事の価値ですよね、パフォーマンスに応じて能力を発揮できる人、
いわゆる成果給に近いような形で給料が提示される時代にどんどん変わってきているわけですね。
年功序列で少しずつ給料が上がっていくというのは、若い頃は給料が抑えられていて後払い給与になっていたわけですけれども、
今はそういう時代ではなくて比較的即時払いというふうな風潮になりつつある、
特に大手企業とかグローバル企業となっているわけですけれども、
そんな中で若者はもはや年功序列とか終身雇用なんて信じられないし、
やっぱり今もらえるものはもらっておきたいというふうに考えるようになってきているのかもしれません。
かつ高収益体質の業界、コンサルタントとかコンサルタント業界の方がそうかもしれませんが、
ハードワークですけれどもその分、給料が高い。
AIとかDX関連のスタートアップ企業なんかもそうかもしれません。
破格の給料を提出するような企業も出てきているわけです。
そう考えると、皆さんの企業はどういう業種、業態かは存じ上げませんけれども、
いわゆるJTC、昭和的な古い体質が残る伝統的大企業というんですかね、
年功序列、終身雇用、企業内組合というようなところですね。
というところでは若者は違和感を感じるところがもしかしたらあるかもしれません。
そのような違和感を上司に言ってくれる人はまだましで、
上司に言わずに無言のまま退職してしまう若者も増えているわけなので、
そういう意味ではこの対応って結構大事だと思うんです。
そういう意味ではやっぱり一番やってはいけないのはアンサー1番のように、
会社の給与体系なんだから仕方ないだろうというような感じで流してしまって、
もう若者が信じていない年功序列とか終身雇用をほのめかしながら
そのうち上がるだろうというのは全然若者は納得できないんですね。
給与体系の理解
そういう中でアンサー1番ってあんまりお勧めじゃないなというものです。
上司の立場としては私だって不満だというふうに答えるものも、
あんまり得策じゃないなと思うんです。
というのは部下が上司に対して意見を言うこと、
会社に対する不満があることを伝える、ということは、
上司の個人に対して言っている面もありますけれども、
上司は会社を代表して現場メンバーと対峙している立場になる。
すなわち会社に対して物申しているというふうな部分もあるわけですね。
それを私だって不満だというふうに部下側と同じように立場で言ってしまうと、
部下からすると会社に対する意見は、
誰にどう言えばいいんだっけということで、
やっぱり途方に暮れてしまうということもあるかもしれないんです。
そういう意味でやっぱり行くと、
上司の立場というのを考えながら対応していくということがすごく大事だなということですね。
そういう意味でいくとやっぱりアンサー2番のように、
若手の部下が自分の給料が働きにみあっていないと感じる理由を
まずしっかり聞いてあげるということが大事だと思うんですね。
その上で、上司自身も会社の数字に強くなっておかないといけないわけですけれども、
今の会社の収益構造とか、あとは労働分配率とか、給与体系とか、
仕事に対するパフォーマンスがどういうふうに給与に反映されているかということを
しっかり理解する必要があるんですね。
それを理解した上で、しっかり若手に対して、
今の給料のロジックを解説するということが、上司には必要だというふうに思うんです。
例えば営業パーソンなんかであれば、どの程度売り上げられたのかと、
その売上に対して会社の粗利益がどの程度になるのかと、
粗利益のうち、営業部門が貢献している割合がどれぐらいで、
その中での若手が担当している領域ってどれぐらいだから、
それが給料だとするとどれぐらいになるだろうねと。
ちなみに給料、正確には給与ですけれども、
給与というのはボーナスなんかも含めて給与というわけですけれども、
ここには通勤交通費であったりとか、福利厚生費であったりとか、
一番でかいのは社会保険料ですね。社会保険料が一番大きくて、
会社負担と個人負担が切半になっていたりとかするものがあるわけです。
年金と健康保険料が代表的ですよね。
このようなものも含めて人件費というふうになるんです。
人件費の中から全部が若手がもらっているわけではなくて、
さっき言ったような会社負担のものがあったりとかしたりするわけで、
そういうものを差し引いて、かついろんな税金もとれますからね。
それで若手の手取りが決まっているわけです。
こういうことをしっかり説明してあげるということが大事だと思うんですね。
それで納得するかどうかは若手次第ということになるんだと思うんです。
ちなみにここは僕もFeelWorksという会社を経営して
18年目になるんですけれども、かなり意識していますね。
当然僕たちのような会社は人材育成という青臭い業態をやっているわけで、
そんなに儲かるようなビジネスをやっているとは
若手への給与説明
僕自身も思っていないわけです。
給与体験ですね。大企業ですね。
高収益業界と比べるとそんなに高いのではないかと思っています。
だからこそ会社の経営状況はガラスばりでしっかり伝えていくことが大事だなと思って、
折に触れ会社のメンバーには説明するようにしています。
さっきの社会保険料とか税金の話も全く同じですね。
これを全部説明していますし、加えて役員報酬、
私も含めた役員報酬も全部公開するようにしています。
その中で部下の皆さん一人ひとりがどういうふうな貢献をして
どういう稼ぎになっていくかというようなことも説明をする。
ビジネスの構造も全部説明して、皆さんの取り分、
部下の取り分がどうなるかということを説明するようにしています。
そうしないとやっぱりブラックボックスになるというと
やっぱり不安とか不満が生まれますし、よろしくないなというふうに思うわけです。
こうするとやっぱり不公平感とか不満というのはゼロにするのは難しいけれども、
限りなく減らしていけるなというふうに考えて経営をしているわけです。
話を戻しますけれども、この問いのように若手に関しては
そういうことをしっかり説明してあげる。
特に今の若い人たちは社会不安、社会がこれだけ不安定になっていって
将来不安が漂っている時代でもありますから、
給与に対しては敏感になっているので、
この辺りをしっかり説明してあげるということが大事じゃないかなと思うわけです。
ちなみに報酬という観点でいくと、給与以外にもあると思うんですね。
このような若手に関しては、まだまだ経験を積み重ねている最中ですから、
給与以外の報酬というのもあると思うんです。
それは仕事を通じた本人の成長であったりとか、
先ほども話した福利厚生であったりとかというものもありますよね。
ということは説明してあげる。
さらにあるいはご縁とか人脈ですね。
仕事を通じて真剣勝負の働きをする中で、
職場の先輩同僚、お客様、パートナー、企業の皆さん、
いろんなご縁とか人脈ができますよね。
これはかけがえのないものです。
あとは若い人たちがいきなり会社に就職しつつポッと出て、
仕事をし始めても得られない大切なものがありますよね。
それは社会的な信用とか信頼ですね。
会社に属して、長年先人の皆さんが積み上げて
会社で働いているからこそ、
会社の信用や信頼をバックに仕事ができるわけで、
こういうことをしっかり説明してあげるということも
大事じゃないかなと思うわけです。
このようなことを丁寧に説明したうえで、
やはり今の給料に満足できない不満があるんだということは
解消できないということももしかしたらあるかもしれません。
そのときに、これは最後の手段かもしれませんが、
もし若手が給与だけで仕事を選ぶというのがあれば、
そこの不満はもう解消できない可能性があるんですね。
そういう意味でいくと、給与だけで選ぶのであれば、
うちの会社以外にもっと高収益体質で
給料が高い会社があるかもしれないよね、
というようなことも最後の手段にはあるかもしれない。
ただ、途中でもお話ししたように、
仕事の報酬というのは給与だけじゃないはずなので、
その辺をしっかり丁寧に説明して、
じゃああなたはどうしたい、どう考えるということを
問いかけてあげるということが大事かなと思います。
特に今の会社ではこれ以上の給与は稼げないよということを
丁寧に全部ガラスばりで説明したわけで、
最後のアドバイスをする上においては、
上司として言うんじゃなくて、長く働いてきた
身近な先輩・社会人としてのアドバイスという形で
伝えてあげるということが大事なんじゃないかな
というふうに思っております。
ということでデリケートな話題、
給料に不満を訴える若手部下に対する
対応マネジメントのお話でございました。
報酬と社会的信用
ちょっとデリケートな話だったので長くなりましたが、
いかがだったでしょうか。
日々の皆さんのマネジメントに
活かしていただければと思います。