上司の対応の選択肢
FeelWorks代表取締役の前川孝雄です。 本日のですね、上司が元気になるラジオですね、僕がnoteでコツコツ続けています連載の中で、皆さんが非常に支持の高かった、人気だった問いに対してですね、特別にこのラジオで解説をしたいという番組を送りたいと思っています。
今日はですね、Q38、問いの38番ですね、取り上げたいなと思っています。問いの38番はこんな問いでございました。 「部下が会議で自信満々に意見を述べたが、かなり的外れな内容をどうコメントする?」という問いでございました。
まあ、ありますよね。皆さんがまとめていらっしゃる課、グループ、部のですね、会議体で議論をしていると、いや、それ今議論していることじゃないんだけどなというふうなことを、とうとうと述べはじめる部下がですね。これに対してどう対応しましょうかという問題でございます。
これもね、二択でございます。アンサーの1番はこんな感じでした。的外れであることを認識できるよう、「今議論しているテーマをもう一度確認してみようか。あなたの意見を別の機会に議論しよう」と論点がずれていることを明るくストレートに指摘する。
アンサーの2番、せっかくの発言なので、「なるほど、そういう意見もあるね」と、一旦受け止めると。で、その上で議論が本筋に戻るよう、上司の自分の意見を述べて、他のメンバーに同意を促して話を戻していく。さて、あなたはどっちでしょうかというふうな問題でございました。
結構ね、悩みますよね。上司の今お聞きになっている皆さんが若かりし頃ね、10年前20年前ね、的外れな議論をしたりとか意見を述べたりすると、まあ強い叱責を受けたりとかいうことが皆さんの中であったかもしれませんが、最近はね、そんなことあんまりしてしまうと、やれパワハラだというふうに思われても困るし、ただでさえ会議でですね、部下から意見が出てこないと、自分しか喋っていないというふうなことで悩んでおられる上司の方も多いので、
せっかく出てきた意見をですね、否定してしまってはよくないなということに悩まれることもあるんじゃないかとですね、その意味でいくと、ついつい対応としてはですね、アンサーの2番のように、まあせっかくな発言なので、「なるほど、そういう意見もあるね」というふうに受け止めようとしてしまうということがあるかもしれません。
ただ、僕のおすすめはですね、実は違うんですね。アンサーの1番、今日議論したいテーマとずれているのであれば、それをちゃんと指摘した方がいいというふうに思っているわけです。それはなぜかというふうなことですが、アンサーの2番のようにですね、「なるほど」というふうに受け止めるのは、冒頭に申したような上司が非常に部下とマネジメントに苦慮する今の環境下ですから、せざるを得ないような感じもしますが、かつですね、
場合によっては、大人の対応のような感じもしますよね。ただ、部下の立場、特に部下を育てていく、活躍を促していくということを考えた上で、部下の立場になると、ちょっと問題があると思うんですね。
なるほどと受け止めたということでいくと、部下からすると、自分の意見を聞いてもらえた、上司は自分の意見をちゃんと受け止めて対応しようとしてくれるんだというふうに、拡大解釈していくリスクがあるかもしれませんね。
それをですね、上司としては当然、それを的が外れているわけですから、なるほどと大人の対応をしながらスルーしようとしているわけで、それを後で気づいてしまうと、逆にまた大きな落胆をしてしまうというふうなリスクもあるかもしれないわけです。
そういう意味では、アンサーの2番というのはあんまりお勧めじゃないなというふうに思いますね。
効果的な指摘の方法
アンサーの1番はですね、ちゃんと的外れであるということを会議体の場で指摘するということなんですが、やっぱりこれは結構大事だと思うんですよね。
で、はっきり指摘した方が部下としてもやっぱり気づきが生まれますし、何よりもですね、一緒の会議に出ている他のメンバーも、それを上司が同調して、なるほどと言ってしまうと、あれ、今何の議論してるんだっけと混乱してしまうと思うんですね。
そういう意味では、他のメンバーの影響も考えても、やっぱり論点とずれているのであれば、ちゃんと指摘するということが大事だと思うんです。
ただですね、これはあくまでも仕事上、会議体での議論の話なので、部下の意見そのものを否定したりとか、人格を否定しているわけではないんですね。
このアンサーの設定でも言っているように、今議論しているテーマをもう一度確認してみようかということをまず確認しますよね。
だから、今議論しているテーマ、目的に対して、その意見というのはもしかしたら、今議論するべきことではないよねというふうに言っているだけなので、別に部下の意見を否定しているわけではないんだということを伝えるということと、
あとは、さあさりとて、ある程度否定されたというのは、部下はショックを受けるかもしれないので、それは別に深刻に捉えるものじゃなくて、明るく突っ込むというふうなことが大事なんじゃないかなと思うんですね。
明るく突っ込むことで、別にそんなに上司も深刻に捉えているわけじゃなくて、議論の中でのやりとりだというふうに思ってもらえる可能性もあるので、明るく、「ずれているよ」ということを伝えてあげるというふうなことがいいのかなというふうに思うわけです。
それによって議論をちゃんと目的、テーマに沿って元に戻して、もう一度他のメンバーの意見を聞くとかいうことをするということで、議論というのはちゃんと真っ当に進んでいくんじゃないかなと。
加えて、このアンサーの設定にもありましたけど、部下が言ってくれた意見を違うテーマ、もしくは言ってくれた意見を議論するような会議体の場合であれば有効かもしれませんね。
そういう意味でいくと、「あなたの言ってくれた意見は別のテーマで、あなたが言いたいことを議論する会とかテーマのミーティングであれば議論しようよ」ということも添えて伝えてあげればより良いんじゃないかなというふうに思います。
はい、ということでいかがだったでしょうか。
日々の皆さん、会議体の運営、ファシリテーション、ご苦労多いと思うんですけども、ぜひご参考にしていただければというふうに思っております。
本日はどうもありがとうございました。