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24: 夏だし読書感想
2026-08-27 22:00

24: 夏だし読書感想

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新作『夏帆─The Tale of KAHO─』を、10年前のエッセイ『職業としての小説家』とペアになる作品として読みました。方法論の解説とその実演。物語を作ることが現実に返ってくる、という相互作用について。村上春樹の作品について、人の解釈を聞くのは苦手なのに、今回だけは読書感想をやってしまう回です。ネタバレなしなので未読の方もどうぞ。

感想

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サマリー

本エピソードでは、村上春樹氏の新作長編『夏帆』を、10年前のエッセイ『職業としての小説家』と対比させながら、創作の方法論とその実践、そして物語が現実世界に与える相互作用について考察する。主人公カホが現実の困難に直面しながら絵本を紡ぐように、作家もまた現実に対処し、創作を通じて自己の世界を豊かにしていく様を描き出す。クリエイティブな活動が現実世界に影響を与え、また影響を受けるという普遍的なテーマを探求する。

はじめに:夏と読書感想
今月は8月です。8月といえば夏休みです。 夏休みといえば、読書感想を夏らしくやってみようかなと。
今日は、村上春樹さんの、最近出た長編?中編?どっちになるんでしょうかね。 女の子の名前のカホちゃんの読書感想をやろうかなと思います。
よろしくお願いします。
村上春樹の解釈というか、読むのって、正直あんまり人の話を聞きたくないと思ってるんですよね。 それにもかかわらず、読書感想的にやっちゃおうというところで、大変矛盾をしてるんですけれども。
今日は特別にというと、読書感想的なことをやっちゃおうかなと思っている次第です。
ちなみにネタバレ的なことは話さないので、まだ読んでない人が聞いてもらっても大丈夫なはずです。
村上春樹作品を読んだことがない人でも大丈夫かなという話になるはずです。
『職業としての小説家』と『夏帆』の対比
今回取り上げるのは、長編小説のカホという小説なんですけど、読んで思ったのは、職業としての小説家というエッセイがあるんですけれども、もう10年くらい、2015年に出たエッセイですかね。
これとペアになるような小説だなというのが、読みながらすごい思ってたことです。
そもそもその職業としての小説家というエッセイというのは、ざっくりどんなやつかというと、どこかで公演で話されたやつをベースに出版されたんだったと記憶するんですけれども、
村上春樹さんが小説家になられた経緯だとか、文学賞をどういうふうに取ったとか、文学賞についてどういうふうに思っているかとか、あとは物語は何かというようなことであったり、
特徴的なこととしては、どういうふうに小説を書いているかということについて、結構具体的に作成プロセスというんですかね、作成工程みたいなものを結構具体的に書いてある本で、
そういう意味でいくと、私の中ではハウツー本に近い、もちろんハウツー本として書かれているわけではないんですけれども、こういう小説を書かれる小説家さんとしては珍しくハウツー的なことに踏み込んだエッセイだという印象を強く持っています。
一方で、今回のカホという小説は完全に小説で、ハウツー本的な様子は全くない、普通の物語になっています。
『夏帆』のあらすじと構造
一応ネタバレにならない範囲で、このカホという小説の設定を今日お伝えしておくと、絵本作家さんの主人公のカホちゃん、カホさんが主人公なんですけど、
このカホさんが冒頭、男性からものすごいひどいことを言われるんですね。そのまさかのひどいことを言われたことがきっかけとして、いろんな話が起きていくということなんですけど、
ほとんど何の説明にもなっていないんですけど、どこかで検索してもらったら、そのあたりのイントロ的な解説はどこかで見つかると思うので、これ以上あまり踏み込まないこととしまして、
このカホさんは絵本作家なんで、美大を出て絵を描ける絵本作家さんなんで、この小説の物語の中で、いろんなご本人の身の回りで起きるひどいことというか、いろんなアクシデントがある一方で、
それと並行するような形で、自分自身の絵本も描くんですよね。自分自身も物語を紡いでいくっていう、この作中劇じゃないけど作中作品、物語中で絵本という物語を作るという2つの物語が、
主人公自身の物語、カホという小説としての物語というのと、カホさんが作る物語というのが並行しながら進んでいくと。そんな構造を持った小説になっています。
創作と現実の相互作用
そういう話をしばらくの間読みながらですね、すごく感じたのは、このカホさんの立場になると、カホさんにとってのリアルワールドでいろんなアクシデントが起きるじゃないですか。
それをどのように咀嚼して対応していくかということの手段というと、ちょっと手段ではないんですけど、説明のために手段と言ってしまいますけど、
カホさんにとって現実世界に起きたことに対処する手段として、絵本という物語を紡ぐという形で対処するという形で、カホさんの物語というのは進んでいくんですね。
これをずっと読むにつれ思ったのは、カホさんイコール村上春樹さんではないんですけど、村上春樹さん自身もきっと村上春樹さんご自身の現実世界があって、
それで起きたありゃこれやということに対処する手段というか、対処するための道具立ての一つとして、小説を書く物語を作るということをきっとされていて、
物語を作るということがまた、それは完全なもちろんフィクションなわけですけれども、フィクションや物語を紡ぐということが自分自身のリアルワールド、現実にフィードバックされるというような体験をされたんだろうなということを想像して、
小説家を生きるとか、クリエイティブに何かを作り出す人が生きるということって、そういう感じで進んでいくんだろうなということをカホという小説を読みながら読み手として感じたんですね。
そういうようなことを感じながら読んでいくと、エッセイの職業としての小説家というエッセイが、創作のやり方とか手法とか経緯というのをできるだけ直接語った本だとすると、
このカホという小説は創作のやり方とか、創作によって何が起きるかとか、現実と創作が相互作用しながら物語を作っていくというのはどういうことなのかということを物語という形式で表現した小説なのかなということを
思いました。作家である村上春樹さんがそういうことを意図してこの小説を書いたのかどうかは存じ上げます。
職業としての小説家というのは明らかにこの創作の手法を明示的に語った本でありますけれども、カホというのは別にこの作家としての物語の作り方を物語として書きましたという説明をしているわけではないので、
これは私がそういうふうに受け取った、読み取ったということなんですけれども、物語の書き方のハウツーを物語という形で実践したというふうに読みまして、そういう読み方はそういう読み方で結構面白いなと思って読んだという次第ですね。
村上春樹の創作観と『夏帆』
あんまり具体的に言うとネットバレになってしまうので、すごく抽象的なことしか言えないんですけれども、新聞記事、ネットで読めたりリアルの新聞でも読みましたけれども、記事で村上春樹さんがインタビューの中で語られていることで言うと、
カホさん自身の物語と彼女が、カホさんが書く物語がお互いにコミュニケーション、コミュニケートしあって、刺激しあって前に進んでいった小説だという話がありますし、
この小説の成り立ち自体も4回に分けて雑誌に掲載したようで、1回分書いて大体終わったかなと思ったら、やっぱり続きを書かないといけないなというふうに物語の方、書いた作品の方に刺激されて続きを書いて、
一旦終わったかなと思ったけど、作品の方が続き書いてというふうにリクエストしてくるような心持ちがあって、また続きを書いてというような書き方をしたという話もされているので、
ちょっとそのまま引用ではないですけども、そういうニュアンスのことをおっしゃっているので、作者が物語を作るということが現実世界に影響を及ぼして、次に進んでいくというような体験とか、ということは村上春樹さん自身もされているんだろうなぁとは思うので、
私の勝手解釈ではあるんですけれども、全く全然トンチンカンな、荒ぬところに行っている読み方ではないのかなというふうにも思います。
今回、村上春樹さんは新聞のインタビューなんかでも結構繰り返しおっしゃっているのが、この良き物語を提供しないといけない、良き物語の力ということをすごく強調されています。
だいぶ昔から良き物語、悪い物語、悪い物語の方が簡単に力を持ちやすいからこそ良き物語を提供しないといけないということは、前から何度もおっしゃってはいるんですけれども、すごく全面的に言っているのか、インタビューした人がそれを取り上げているのか、ちょっとそこはよくわからないんですけれども、
良き物語を提供するということをかなり全面的におっしゃっているという印象があります。
村上春樹作品における作中作品の変遷
物語の中の、小説の中の主人公が何かを作り出して、それがその小説の中の主人公に影響を与えて物語が進んでいく、作中作品みたいな形は、割と村上春樹さんの小説で繰り返し起きている、
作中作品というのは、割と毎回と言ってもいいほど出てきているテーマだと思うんですけれども、ごめんなさい、もっと正確に言うと、
作中作品、主人公が作ったとは限らない作中作品が出てきて、作中の作品と主人公が相互作用しながら物語が進んでいくというスタイルは、すごくいつも、割といつも起きていることだと思います。
2つのストーリーが進んでいくということですね。
風の歌を聴けの時にも、ラジオで喋っている人というのと、主人公というのが相互作用していましたし、
ノルウェーの森でも、主人公と登場人物の1人が書く手紙というのの相互作用というのが、物語をドライブしていくというようなことがありました。
主人公自身が書いた物語が、全体の物語をドライブする、引っ張っていくというのは、結構珍しい、村上春樹さんの作品の中では珍しい、初めてなんじゃないかなと思って考えていたんですけれども、
よくよく思い返してみると、1984が、そういう物語が現実を変えるというような話だったんですよね。
主人公が他の登場人物であるフカエリーちゃんが書いた小説、荒削りの小説を確かゴーストライト的にリライトして、
そのリライトした物語が、この主人公が生きている世界を変えていくというような話だったと記憶するんですけど、
もうめっちゃ前に読んだので、細かいところは全然記憶に怪しいんですけれども、
1984の空気さなぎという物語の話は、良き物語ということだけではなくて、物語には力があるという、
良い力もあれば悪い力もあるというテーマというかそのモチーフで使われていたというふうに記憶、理解をしていまして、
今回はカホちゃんの書く絵本、物語というのは、完全に良き物語、癒しの物語、回復の物語として作用し得る力を持つという、
そういう物語の描き方をしているということでは、初めてというか今までにないパターンだったんじゃないかなという気がします。
『夏帆』の独自性と普遍性
そんなことでカホという小説は、小説としてそのまま読んで普通にサラサラと読めて、面白い小説なんですけれども、
職業としての小説家というのとセットで読み比べるというか、それを念頭に置きながら読むとすればペアになっているというか、
物語を作りながらアウトプットしながら人生を送るというのはこんな感じなんだということを実演しているような小説なのかなというふうに思いながら、
そんなふうに面白く思いながら読んでいます。
そういうふうに思うと、他の作家さん、小説家に限らずですけれども、何かクリエイティブなものをアウトプットしている人たちは、
何か作ることによって、アウトプットすること、創造、クリエイトすることによって、現実の世界、リアルワールドの方を手入れしている。
操作しているとまでは言えないと思うんですけれども、手入れしているというような感覚を持っているのかなと思ったり、
それは作品が大ヒットしたりしたら人生は変わっちゃったりするんでしょうけど、そういうレベルのことではないとしても、
何かアウトプットすることによって、自分自身が逆に影響を受ける、リアルワールドの方が影響を受けるというような体験をしているんだろうなというようなことを
改めて思ったりしました。だからこそ良い物語にしないといけない、したいというのが村上春樹さんの主張なのかなという気もします。
クリエイティビティの一般化とポッドキャスト
もう少し広げて一般化すると、我々のクリエイティアーではない人の仕事も、どこかクリエイティブな側面があると思いますし、
本当に仕事のところでクリエイティブさがないとしても、趣味であったり、何かをクリエイトするような遊びをすることって誰にでもあると思うんですよね。
こうやってポッドキャストという形で喋ってみるというのも、私にとってはクリエイトみたいなものの一つかもしれません。
自分がクリエイトする何かを作り出すということ自体が、どのように現実と相互に作用していくのか、
これまた相変わらず何か答えがあって言っているわけではなくて、そういうふうに捉えて物事を見ると新しい側面が見出せるかもしれないなと思って喋っているわけですけれども、
何かそういう面があるのかなという気がします。
作品ペアの発見と自己への応用
ですので、私もそうですし、皆さんもそうですけれども、自分の好きな他の作家さんとか分野でも、ミュージシャンとかかもしれませんけれども、
アニメの監督かもしれませんけれども、何かそういうクリエイトすることと現実との相互作用であったり、
方法論の解説ということと、それを実際にやってみせるという実演みたいな対比であったり、
何かそういう作品のペアが他でも見つかるのかもしれないなということを改めて思ったりしました。
自分たちごとに置き換えるとすれば、自分が普段やっている仕事、もしくは遊びとか趣味ということに関しても、
クリエイティビティと現実世界の相互作用という側面で見てみると、何か発見があるのかな、あるかもしれないなということを思ったりした次第です。
まとめと今後の展望
こんな感じで、夏なので読書感想ということで、あんまり好きではない村上春樹さんの作品の読解というのをしゃべってみました。
一応この職業としての小説家と家法というのが対比関係にあるんじゃないかと、理論と実践じゃないですけれども、
方法論と実際にやってみるとこんな感じというのと、そういうペアを出しているという読み方は自分がさらっと探した範囲では見当たらなかったので、
この作品の読み方の一つの新しいかどうかはわかりませんけれども、一つの切り口を提示しているかなというふうに思っております。
今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
関連リンクなど、小ノートは listen.style.com スラッシュP スラッシュトラジオにまとめていますので、またご利用ください。
相変わらずリスングメインで配信していますけど、スポーティファイ、アップル、ポッドキャスト、最近YouTubeにも配信していますので、また好きなお好みのアプリやツールで聞いていただければと思います。
それでは今日もありがとうございました。
22:00

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