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2025-04-04 13:14

#37 アーヴィング『アルハンブラ物語』〜遠い異国、遠い時代に思いを馳せる

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サマリー

今回のエピソードでは、ワシントン・アーヴィングの『アルハンブラ物語』に触れ、古き良きスペインの文化や当時の人々の生活に焦点を当てます。アルハンブラ宮殿に滞在したアーヴィングの経験を通じて、歴史や伝説が交錯する物語が展開される様子を読み解いていきます。

アーヴィングの背景とアルハンブラ宮殿
はい、tantotの時々読書日記、第37回です。今日はですね
アーヴィング著、アルハンブラ物語、こちらについて話したいと思います。
今、岩波文庫から上下巻で出ている本ですね。岩波文庫はやっぱり見るからに
いかつい感じですね。これはですね、作者はアーヴィングですけど、ワシントン・アーヴィングっていう人で、結構昔の1783年から1859年と書いていまして、アメリカ人なんですけど
外交官なのかな。アーヴィングがアメリカ公使館の書記官としてスペインに駐在していたわけですね。
その時に偶然の、そのテーマとも書いているんだけど、ちょっとした縁でアルハンブラ宮殿。
モーロ人って書いて、ムーア人なのかな、急に言うと。
作ったアルハンブラ宮殿という古い宮殿に、お城に滞在することになったと。
昔のこの公使館の書記官っていうのが、こんな宮殿というか城に半年とかそのぐらい滞在してるんですけど、
非常に勇敢階級じゃないけど、そんな風な暮らしができる、非常に上流階級の人だったんですかね。
月人というかもいたりして、身の回りの世話もしてもらいながら、城で本当にただただゆるりと滞在していると。
この話はワシントン・アーヴィングが城、その宮殿に住んでいる間に、その宮殿の中をいろいろ散歩したりとか、
その宮殿の中だとか、あるいは宮殿周りに住んでいる現地の人たちですね、スペインの。
本当に市政の人たちから聞いた話を書いたエッセイですね。
旅行記みたいな滞在記みたいな感じでもあり、そこで考えたこと、感じたこと、あるいは見聞きしたことを描いたエッセイでもありというような感じで。
面白いのは、本当に例えばアルハンブラ宮殿みたいなタイトルの、これちょっと少し全体の構成を言うと、
大体1章というか、別に章とはついてないですけど、1章あたり数十ページぐらいの、数十ページでもないか、本当に長いものと数十ページ、短いものと5ページとか10ページぐらいの一つ一つのちょっとした章があって、
いろんな話がされている。例えば最初は旅っていう章では、アルハンブラ宮殿に住むことになった経緯みたいなのが描かれていたり、
アルハンブラ宮殿のいろんな宮殿内部を、とにかく人をこんな場所だよっていうのを描くような章があったり、
あるいはそこに住む人たちについて描いた章があったりというので、大体1冊あたり20とか、そうですね、そのぐらいですね、だいたい上巻下巻それぞれ20章に分かれていて、
伝説と民話の探求
全部で40章ぐらいの話になっているので、なんですけど、面白いのは、見聞きした人々の話がいろいろ語られたりするんですけど、
結構歴史の話をすごく事細かに丁寧に、歴史だけじゃない、歴史の話とか、もはや歴史ですらない伝説、民間伝承とか伝説の話とか、
そんな話をすごい丁寧に書いているんですよね。そういう意味ではある意味で、これは党の物語じゃないですけど、
そういうスペインの、その当時語られていた民間のお話を書き記した民話集みたいなものでもあるのかもしれないです。
特に下巻になってくると、ほとんど、しかも1章で終わらずに何章にも渡って、一つの伝説の話が描かれているっていうような感じで、
最初のうちは割と現実の話、それでもまだすごい、実際に現実のことを見聞きしたことを書いたエッセイだったのが、
だんだんと筆が乗ってきて、もう語られた伝説をあることないこと含めて、描く筆が乗ってる、乗ってる、みたいな感じになってくる。
多分きっとこのアーヴィングさん、すごい面白くなってきちゃったんだろうなっていうのが感じられて、それがすごい読んでて面白いなという感じです。
例えば後半、下巻の方にあるタイトルだけ言うと、アフメット・アル・カーミル王子の伝説だとか、三人の美しい王女の伝説だとか、アルハンブラの薔薇の伝説だとか、
片腕の総督と皇商人、片腕の総督と兵士、二体の資料深い妊婦像の伝説、みたいなね。
とにかくね、その語られる話がね、結構基礎展開というか、後頭無形なものもあったりして、
別にね、これが本当だったら嘘だったのかとか、どうでもよくて、こんなお話がこの当時のスペインで、
みんな口から口へと伝わっていたっていう、その当時の空気感を感じるだけでも、すごく楽しくなってくるような、そんな読書だなというふうに思います。
そうですね。なので、何かすごく読んでいて、全体として一貫したストーリーがあるとか、そういうものではないんですけど、
やっぱりその、書かれたのも多分150年、なんなら多分200年近く前になっちゃうと思うんですけど、
なんかその時代の、しかも僕らからはるか遠いスペインの、しかもスペインのって言っても、
アルハンブラー宮殿ってもともとイスラーム文化の中で作られたものだったりするので、
イスラームの文化の、ちょっと異文化の香りも漂うようなスペインの地方の200年前に、
こんな人たちが住んでいて、暮らしていて、こんな話をしながら、こんな場所に人が暮らしていたんだなっていうような、
そういう時代の空気を、味わうことができるというような、
異文化への旅
本当に、ある意味、これって読書の楽しみの最大級のものなんじゃないかなというふうに思います。
それにしたって、こんなふうに話を、本当にただ単に周りの人の話を聞きながら、それを書き留めながら、
なんとなくフラフラと歩いたりとか、美味しいものを食べて、
ちょっと途中で近所にいる若い子と、ちょっとしたロマンスの真似事みたいなのもあったりとか、
みたいなこともして、なんか、
いい御身分ですなぁと思いますが、
そういうところも含めて、なかなか今の時代、
今の時代から遠く離れた、こんな時代もあったんだなっていうような、
そんな感じのお話であります。
そうですね。
アルハンブラ宮殿って、多分、世界史とか高校とかでやった方だったら、
聞いたことあるよね、というところと、
あと、この辺の時代でいうと、いわゆるイスラーム軍勢力がスペインを占領したところからレコンキスター運動があって、
ヨーロッパ勢力、キリスト教勢力がスペインを取り返してっていうような、
そういう時代の劇場の中で、アルハンブラとかグラナザとか、そういう地名が、教科書で見たような地名が出てきている人もあると思うんですけど、
教科書で学んでいたときは、本当に単なる地名として聞いていたのが、
こうやって読むと、アルハンブラとかグラナザっていう、
異国情と漂う空気感、あるいは匂い、光、そんなものが伝わってくるような、
というところで、昔学んだものがこんなところだったんだなっていうようなことを改めて感じられる。
そういうところも面白いなというふうに思いました。
だいぶ前に読んだので、正直一個一個の話は細かいところは覚えてないんですよね。
なんかね、洞窟の中に閉じ込められたみたいな人が出てきたりとか、
洞窟の中で化け物に襲われたりとかみたいな、そういう伝説の話があったりとかっていう、
そんな話だった。それぞれ一つ一つは本当に、何ですかね、
まあ、たわいないような話もあるんですけど、
ついつい読み進めてしまう。そういう意味では、このアーミングさん、
文章のセンスも、ただ単に書き留める、その聞いた話を書き留めるだけじゃなくて、
面白く編集して再話するみたいな、そういう才能もあった方なんだろうなというふうに思いました。
そんな感じかな。
というところで、なので、この本はですね、
別に何かが得られる、すごく知識が得られるとか、そういうものではないですけれども、
やはり遠い時代、時代も遠く、距離も遠く、
異国の文化、そういったものにひしばし心をそちらに飛ばしたって感じているみたいな、
そういう時間を過ごしたい方には、すごくおすすめなんじゃないかなというふうに思いました。
はい、そんな感じですかね。
これは、いわなみ文庫で上下巻で出ていまして、
いわなみ文庫では97年ぐらいに出ているんですね。結構前ですけど。
そんなに高い本でもないですので、ぜひ興味を持っていただいた方は読んでみると良いのではと思います。
今日はアルハンブラ物語、ワシントン・アンビグさんの本です。こちらについてお話ししました。
ありがとうございました。
13:14

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