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ノオト・ブク子
これだけ長く活動されていると、その中で見えてきた課題というか壁みたいなものもありそうですね。 どんな点なんでしょう。
ノオト・ブク太郎
大きく2つの現代的な課題を挙げていらっしゃいました。 現代的な。はい。1つは世代間のギャップですね。
今の20代とか30代の若い世代っていうのは、特定の課題に関心がある人同士がネットワーク的に集まって、 目的を達成したらさっと解散するみたいな、そういう柔軟なスタイルが多いと。
ありますね、そういうの。 一方でまちわくさんを支えてきた世代の方々は、やっぱり組織として継続的に活動していくことを前提としてきたので、
ノオト・ブク子
そこの価値観とか活動スタイルの違い、接点の持ち方にちょっと難しさを感じているということでした。 なるほど、世代間のギャップですか。
でもう一つはですね、もっと根本的な参加のあり方そのものについてですね。 参加のあり方。
ノオト・ブク太郎
はい。従来の例えばワークショップ形式だと、どうしても参加できるのは元々意欲が高かったり、時間に余裕があったりする層に限られがちだと。
ああ、確かにいつもの顔ぶれみたいになりがちですよね。 そうなんですよ。本当に支援が必要だったり、困難を抱えていたりする人たちの声が、なかなか届きにくいんじゃないかと。
ノオト・ブク子
どうすればそういう人々がちゃんと参加できるのか、その方法を模索しているということですね。 なるほど、参加って一口に言っても、誰がどうすれば本当の意味で関われるのか、
ノオト・ブク太郎
これは根が深い問題ですね。 その参加の壁を乗り越えるために、町枠さんとしてはどんな工夫を考えていらっしゃるんでしょうか。
まずその若い世代に対してはですね、小さなプロジェクトでまず一緒に汗を流す機会を作ってみるとか、 あるはもう思い切って理事会に若いメンバーを迎えるとか、そういう経営層レベルでの世代交代も検討しているそうです。
ノオト・ブク太郎
ほう、理事会にそれは大きな変化ですね。
新しい視点をどんどん取り入れたいという思いがあるようです。 それから、より多くの人が参加できる形については、意見表明できる機会の保障がまず何より重要だと考えていると。
ノオト・ブク子
意見表明の機会の保障。
ノオト・ブク太郎
会議室で話し合うだけじゃなくて、オンラインツールを活用したりとか、 あるいはもっと地味に直接こちらから出向いて声を聞きに行く。
そういうアウトリーチも含めてですね、多様な意見表明のチャンネルを研究して実践していきたいということでした。
ノオト・ブク子
アウトリーチで直接聞きに行くですか? なるほど、その意見表明の機会の保障って最近よく聞く。
例えば子どもの意見表明権、いわゆる参画の保障とか、 あとは介護予防とかでの地域共生社会に向けた福祉活動の推進とか、
ノオト・ブク太郎
そういう国が進める制度化された住民参加の流れとも何だか響き合いますね。 まさにそうなんです。
行政だけでは担い切れない部分を、これからは地域住民がという期待が高まっていますよね。 ただそこで大事なのは、住民が単にこう動員されるんじゃなくて、
ちゃんと主体性を持って納得して関われるかどうか。 制度として参加が求められる中で、どうやって自分たちの町を自分たちで作るんだっていう、
ノオト・ブク子
本来の自治の感覚を育んでいけるか、そこが問われているわけです。 自治の感覚ですか。
ノオト・ブク太郎
ええ、そのために例えば年齢とか背景とか関係なく誰でも気軽に立ち寄れるような ごちゃ混ぜの居場所、そういうコミュニティスペースの必要性も感じていると、
ノオト・ブク子
ただそれをどうやって維持していくか、その運命面の難しさも同時に実感しているようでしたね。 なるほどなぁ、ごちゃ混ぜの居場所か。
維持が難しいというのはよく聞く話でもありますね。 先ほど少し名前が出ましたけど、沖縄が抱える具体的な課題について、もしもっと深く知りたい場合、
ノオト・ブク太郎
宮戸さんはその地域円卓会議の記録を見ることをお勧められていましたね。 あ、はい、そうですね。これは公益財団法人未来ファンド沖縄さんのウェブサイトで公開されているそうです。
ノオト・ブク子
この会議では集まった情報を事実、視点、評価、事例のこの4つに整理するそうなんですね。 事実、視点、評価、事例。
ノオト・ブク太郎
特に大事なのが、多様な立場の人がまずは事実と視点を共有すること。 誰がどこで何に困っているのかっていう客観的な事実。
それとそれをそれぞれの立場からどう見ているかっていう視点。 これを丁寧に擦り合わせることで一方的な決めつけじゃなくて、
ノオト・ブク子
課題解決の方向性がこう自然と見えてくることが多いと。 なるほど、まず事実と視点の共有ですか。
ノオト・ブク太郎
ええ、これってあのリスナーの皆さんが普段何か問題に取り組む際にもちょっと応用できる考え方かもしれないですね。
ノオト・ブク子
まず事実は何なのか、そしてどんな多様な見方があるのか、それを錬成に見極めるということですね。 確かにそれは色々な場面で使えそうな考え方ですね。
さて今回は沖縄のNPOまちわくさんの取り組みを通して、 住民が主体的に関わる地域づくりのリアルな部分を探ってきました。
ノオト・ブク太郎
彼らが模索する新しい住民参加の形、これが一つキーワードでしたね。 参加系のがこう仕組みとして推奨される時代だからこそ、それが形だけじゃなくて本当に一人一人の納得に
つながる関わり方って何なんだろうと改めて考えさせられますね。 あなたにとってご自身の暮らす地域への納得できる関わり方ってどんな形でしょうか。
今回の探求がちょっと立ち止まって考えてみる、そんなきっかけになったら嬉しいです。