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2025-11-15 15:09

最終版:SBCast. #154 NPO法人SET 三井俊介さん回まとめ:課題の先進地・陸前高田から学ぶ:震災復興と人口減少を豊かさに変えるNPO「SET」の挑戦

SBCast. #154 回のインタビュー文字起こしを音声化したもの

サマリー

陸前高田市で活動するNPO法人SETは、震災からの復興に取り組み、人口減少という課題に向き合っています。ポッドキャストでは、SETが地域活性化のために行う交流活動やその課題解決のための先進的な視点が語られています。NPO法人SETは、震災復興と人口減少が進行する陸前高田からの学びを通じて地域の課題解決を目指しています。彼らはテクノロジーを活用し、支援の輪を広げることで持続可能な活動を志向しています。

SETの活動とテーマの重要性
スピーカー 1
岡田 ようこそ。今回はですね、特定の地域が直面する課題と、それに対する核心的な取り組みについて掘り下げていきたいと思います。
手元にあるのは岩手県陸前高田市で活動されているNPO法人セットの三井俊介さんへのインタビュー記録です。
この記録を分析していく目的はですね、人口が減っていく地域、特にその震災からの復興を目指す地域で、どうやって地域を活性化してコミュニティを築いていくのか、その挑戦と戦略を理解することです。
セットの活動から、もしかしたらあなた自身の豊かな生き方とか、地域との関わり方について何か学べるかもしれない。そんな視点で探っていきましょうか。
スピーカー 2
そうですね。今回のテーマは、日本の多くの地域が今まさに直面している人口減少という大きな課題ですよね。
特に東日本大震災のような災害を経験した地域では、その復興と持続可能性という問題がより切実になってきます。
で、その中でNPO法人セットさんの取り組みというのは非常に興味深いケーススタディと言えるんじゃないかなと。
彼らのアプローチの中心には、一貫して交流というものがありますね。
スピーカー 1
その交流ですか。セットというのは具体的にはどんな活動をされているんでしょうか。
資料を見ると、中心的な活動は岩手のような地方にお住まいの方々と、あとは主に都会に住む若者たちとの交流の場を作るということなんですね。
スピーカー 2
まさにその通りです。ただ、単なる交流イベントをやっているというわけではないんですよ。
ここで大事なのはそのなぜの部分ですね。目的です。
地元住民の方にとっては、若者と触れ合うことを通じて自分たちの地域の魅力に改めて気づいたりとか、あるいはもてなすことで町の良さを再認識する、そういう機会になるわけです。
スピーカー 1
なるほどなるほど。一方でその参加する若者にとってはどんな意味があるんでしょう。
スピーカー 2
若者の側からすると、普段の生活ではなかなか接することのない田舎の良さとか価値観に触れるわけですよね。
それによって自分自身の豊かさとは何かとか、自分の価値観ってどうなんだろうということを見つめ直す、そういうきっかけを得られるんです。
スピーカー 1
なるほど。単なる体験じゃなくて、それが具体的な成果にもつながっているという話もありましたね。
新しいプロジェクトとか事業が生まれたりとか。
スピーカー 2
そうなんです。
スピーカー 1
あとは関係人口として地域に通い続ける若者とか、移住者が出てきたり。
スピーカー 2
そうですね。あるいは地元住民の方が主体的に何か活動を始めたりとか、そういう動きが出てくる。
だから最終的な目標というのは交流そのものじゃないんですね。
その先にある地域課題に取り組みたいとか、あるいは地域の魅力に気づいてそのために何か行動したいって思う人、そういう人を増やすことなんです。
地域の内と外、その両方から街の未来を担うような人材を育てていこうとしているということですね。
交流のもたらす価値
スピーカー 1
その活動のそもそものきっかけ、原点というのは、やはり2011年の東日本大震災だったんですね。
代表の光井さんは当時はまだ大学3年生だったと。
スピーカー 2
そうなんですよ。震災のわずか2日後にはもうセットを立ち上げたっていうんですから、その行動力はすごいですよね。
最初は物資支援から始めて、地人のつながりで陸前高田市と関わるようになったということだそうです。
スピーカー 1
その活動の方向性を決めるような何か大きな出来事があったとか。
スピーカー 2
インタビューの中でも語られてましたけど、地元の方に言われた言葉がすごく大きかったみたいですね。
この街は震災がなくても50年後にはなくなっていたかもしれない。
でも震災でお前らみたいな若者が来てくれた。これをチャンスに変えて街を残す必要があるんだと。
この言葉に突き動かされて三井さんは大学を卒業した後、陸前高田市に移住することを決めたと。
スピーカー 1
悲劇を変化のきっかけに変えるというか、強い言葉ですね。
ここで出てくる課題の先進地という考え方、これも非常に示唆に富んでるなと感じました。
つまりこの地域が抱えている問題は将来日本全国が直面する問題の50年先取りなんだという視点。
スピーカー 2
まさにそうですね。この課題の先進地という見方は震災直後から被災した沿岸部に対してよく使われていた言葉なんです。
日本全体がいずれ直面するであろう人口減少とか高齢化といった課題が、この地域では先行して顕著になっていると。
だからこそここでの課題解決の試みっていうのは将来の日本全体にとってすごく重要なヒントになるかもしれない。そういう考え方ですね。
スピーカー 1
なるほど。ここでの経験が日本の未来へのヒントになるかもしれないと。
スピーカー 2
そういう強い意識がSETの活動の根底にはあるように思います。成功も失敗も全部が学びになるというような。
スピーカー 1
そう考えると彼らの人口減少に対する捉え方もまたユニークですよね。
国全体が縮小する中で特定の地域だけ人口を増やすことに固執するのはちょっと現実的じゃないんじゃないかと。
スピーカー 2
おっしゃる通りです。問題の本質は人口が減ること自体というよりは、その急激な変化のスピードに人々の行動様式とか街の仕組み、社会の構造全体が追いつけていないことにあるんじゃないかと考えてるんですね。
だからこそ彼らが掲げる目標っていうのは人口が減るからこそ豊かになる人作り、街作り、社会作りだと。
人口減少を前提とした上で、じゃあどういう新しい豊かさを創造していくのかという問いに向き合っているわけです。
スピーカー 1
まさにパラダイムシフト、考え方の転換ですね。2014年頃にこの考えを打ち出した当時はかなり斬新だったようですが。
スピーカー 2
そうでしょうね。当時はまだやっぱり復興に向けて人口を呼び戻そうという声が大きかった中で、この考え方は少し異質に聞こえたかもしれません。
でもここ数年で社会全体の風潮も少しずつ変わってきたのかなという気もします。
スピーカー 1
ただこの理念をですね、特に人口が2000人とか3000人、もっと小さい集落でどう実現していくのかっていうのは、これはすごく難しい問題だと。
スピーカー 2
そこは本当に難しい。学術的にもまだ明確な答えが出ているわけではないようです。
で、この難しさ自体がある意味セットにとっての挑戦であり、活動のやりがいにもなっているのかもしれないですね。
スピーカー 1
なるほど。その挑戦の中心にあるのが先ほど出た交流ということですね。
スピーカー 2
そうですね。だからこそそこに力を入れている。
スピーカー 1
活動の対象となるのは地方の住民の方々、特に高齢者の方とあとは都会の若者。普通に生活していたらまず出会わないであろう組み合わせですよね。
スピーカー 2
意図的にそういう出会わない人たちが出会う場を作っていると。
インタビューでは属性として真逆なんて表現もされてましたけど、この異なる価値観とか背景を持つ人々との接触が化学反応を起こすわけです。
それが双方にとっての自己発見とか価値観や行動の変化を促していくんですね。
スピーカー 1
ここで面白いのが三井さん自身の体験談。移住した当初、ワードとかエクセルが使えるっていう、ただそれだけでパソコンができるって地元の方にすごく重宝されたっていう話。
スピーカー 2
ありましたね。彼にとっては当たり前のスキルが環境が変わるとある種の専門性として認識されると。
これって結構多くの若者にとって大きな発見になり得ると思うんですよね。
自分の持っているものが場所を変えれば価値になるかもしれないっていう気づき。
スピーカー 1
それはもっと広い視点での選択肢の提供にもつながりそうですね。
スピーカー 2
まさに日本の若者の多く、7割以上が大都市圏に住んでると言われますけど、彼らにとってはもしかしたら田舎という選択肢自体がリアルにイメージできないかもしれない。あるいは存在すら知らないかもしれない。
なので、SETの活動の根底にはまず田舎を体験してもらうことで、都会がいいか田舎がいいか、自分に合う場所はどこなのかっていうのを本人が見極めるための機会を提供したい。そういう思いがあるようです。
スピーカー 1
決して田舎が絶対的にいいって言いたいわけじゃないって三井さん自身も強調されてましたね。
スピーカー 2
田舎がいいって言いたいわけでも僕はないと。多様な選択肢を知ることが重要なんだということですよね。
実際に日本の若者の自己肯定感の低さってよく言われますけど、SETの活動に参加した若者の自己肯定感が向上するっていうデータもあるそうなんですよ。
現実的な課題と解決策
スピーカー 1
へー、それは興味深いですね。
スピーカー 2
ええ、やっぱり違う環境で自分のスキルが役立ったりとか、多様な価値観に触れる経験を通して自分自身への見方が変わっていく。これも交流がもたらすすごく重要な成果の一つかなと。
スピーカー 1
なるほど。ただ、そういう意義深い活動を続けていく上で、現実的な課題もあるわけですよね。
インタビューでは特にインフラ面での難しさが語られていました。若者が地域に中期間滞在してチャレンジしようとするときの移動手段、つまり車と住居の確保が難しいと。
スピーカー 2
そうですね。特に公共交通機関があまりない地域だと、車はもう必須ですよね。滞在するための住まいもいる。SETさんではシェアカーとかシェアハウスを用意しているみたいですけど、その維持には当然継続的にコストがかかるわけです。
スピーカー 1
利用がない機関も含めてずっと費用がかかる。
スピーカー 2
車検代とか修理費、家賃とかですね、そういう固定費がどうしてもかかってくる。で、現在この維持費が他の事業活動から得た収益をちょっと圧迫しちゃってる状況だと。
そういう悩みを抱えているということでしたね。
スピーカー 1
この課題に対して彼らは寄附の力を活用しようとしてるんですね。
スピーカー 2
解決策としてそこに可能性を見出しているようです。
スピーカー 1
個人からの寄附、月々500円くらいのマンスリーサポーター制度とか、あと企業からの寄附とか連携も考えていると。
スピーカー 2
そうですね。若者が地域でチャレンジできる環境をみんなで支えていこうじゃないかという、そういう呼びかけですよね。
スピーカー 1
持続可能な活動のためには、やはり共感に基づいた支援の輪を広げていくことが必要だと。
スピーカー 2
そういうことだと思います。
スピーカー 1
もう一つ、課題解決という点でテクノロジーの活用についてはどうなんでしょう。特に生成AIとか。
スピーカー 2
それも話に出てましたね。特に生成AIを内部の業務効率化に積極的に活用していきたいと。
例えば事務作業とか資料作成とかですね。そういうのをAIに任せることで効率化して、そこで生まれた時間をもっと人とのコミュニケーションとか地域活動とか、そういうNPOの本質的な部分に渋滞したいと考えているようです。
スピーカー 1
なるほど。テクノロジーはあくまでツールであって、それによって生まれた時間をより人間的なつながりのために使いたいと。
スピーカー 2
そういう考え方のようですね。
スピーカー 1
さて、来年2026年は震災から15年、そしてSECT設立からも15年という大きな節目を迎えるわけですが、今後の展望についてはどう語られていましたか。
スピーカー 2
一つの大きな目標として挙げていたのが、この15年間の活動の軌跡ですね。成功面持ちろん失敗も含めた経験、それをちゃんと言語化して広く社会に発信していきたいと。
震災支援から始まって町づくりへと活動をシフトさせて、それを15年間続けてきた団体って実はそんなに多くないらしいんですね。だからこそ、その自分たちの歩みを記録して共有していくことにはある種の責任を感じているというふうにおっしゃっていました。
スピーカー 1
それは他の地域で同じような課題に取り組んでいる人たちにとってもすごく貴重な財産になりそうですね。
スピーカー 2
まさにそれからもう一点強調されていたのが、今の陸前高田を知ってほしいということですね。建物の復旧とかそういうハード面の復興は進んだけど、担い手不足とか人口減少といったソフト面の課題は今も続いているんだと。
スピーカー 1
世間では復興は終わったみたいなイメージがあるかもしれないけど、現実は違うんだよと。
スピーカー 2
そうなんです。だからこそ、ぜひ今の陸前高田を訪れて現状を見て人と話してみてほしいと。セットに連絡すれば案内とかもしてくれるそうです。
持続可能な未来に向けて
スピーカー 1
なるほど。復興のその先を見据えた活動が今も続いているわけですね。さて、ここまでNBO法人セットの活動を詳しく見てきましたけれども、この話は聞いているあなたにとってどんな意味を持つでしょうか。
スピーカー 2
そうですね。いくつか重要なポイントが見えてきたかなと思います。まず、世代とか地域とかそういうかぎ値を超えた交流というのが、個人にとっても地域にとっても成長とか変化のきっかけになり得るんだということ。
それから、人口減少という流れを単なる危機としてだけじゃなく、何か新しい豊かさを生み出す機会として捉え直す視点、これが重要だということ。
そして、こうした活動を持続させていくためには、寄付による支援とかITの活用とか、そういう創造的な解決策が必要になってくるということですね。
スピーカー 1
一つの地域が課題の先進地として取り組んでいること、これが実は他の多くの地域、もしかしたらあなたが今住んでいる大都市でさえも、いずれ直面するかもしれない問題。
例えば、繋がり方とか人口構成の変化とか、そういうことへのヒントを秘めているのかもしれないですね。
スピーカー 2
そうですね。根底にあるメッセージとしては、都会か田舎かっていう二択じゃなくて、多様な選択肢とか環境を知ることで、一人一人が自分らしい豊かな生き方を見つけて選択できるように支援すること。
そういうことかなと。三井さんの言葉にもありましたけど、一人一人が自分にとっての豊かな生き方をできる社会になるといいなっていう、その願いが原動力になっているように感じますね。
スピーカー 1
最後に、あなたにちょっと考えてみてほしい問いかけがあります。インタビューの中では、非常に小さなコミュニティ、例えば数百人規模のコミュニティにとっての持続可能性を定義して、それを達成することの難しさという話がありました。
人口とか経済指標だけではない、豊かさとか繁栄、そういう小さなコミュニティにとって、将来の豊かさや繁栄って具体的にどんな姿であり得るんでしょうか。そして、そのビジョンを実現するために、テクノロジーとか新しい社会の仕組みっていうのはどんなふうに貢献できるんでしょうか。
ちょっと考えてみるのも面白いかもしれません。NPO法人セットの活動について、さらに知りたい方はウェブサイトやFacebook、Instagramなどをチェックしてみてください。マンスリーサポーター制度もあるとのことです。今回の深掘りはここまでとしましょう。
15:09

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