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Speaker 1
あなたは今どこにお住まいでしょうか? ちょっと想像してみて欲しいんです。
はい。
Speaker 1
例えば,東京の土面なくIT企業が立ち並ぶようなエリアに住んでいて, 徒歩圏内にプログラミング教室がいくつもある環境で育つ子ども。
Speaker 2
ええ。かなり恵まれた環境ですよね。
Speaker 1
そうなんです。一方で,人口がわずか500人しかいなくて, 西寄りのコンビニまで車で30分,近所に学習塾すらひとつもないような村で育つ子ども。
Speaker 2
なるほど。対極の環境ですね。
Speaker 1
ええ。将来IT業界のトップランナーになるための特急券を持っているのは, この二人のうちどちらでしょうか?
Speaker 2
まあ,普通に考えれば,圧倒的に東京の子どもですよね。
物理的な教室とか,最新のテクノロジーに触れられる施設へのアクセスが全く違いますから。
Speaker 1
やっぱりそう思いますよね。
目に見える環境の差がそのまま教育格差に直結するって考えるのが自然です。
Speaker 2
はい。大半の人がそう考えるはずです。
Speaker 1
この放送を聞いているあなたも,日々忙しく働きながら,
うちの地域には子どもが最新のスキルを学べる場所がないって焦りを感じたことがあるかもしれません。
確かに,親としては不安になるポイントですよね。
Speaker 1
でもですね,今回私たちが集めた膨大な資料を読み解いていくと, すごく驚くべき事実が見えてきたんです。
Speaker 2
ええ,本当に意外な発見でした。
Speaker 1
実はその,何もない村に住む子どもこそが,
何の摩擦もなく,一直線に日本のIT業界のど真ん中へと駆け上がるルートが存在しているんです。
Speaker 2
そうなんですよ,非常に興味深い現象が起きています。
Speaker 1
物理的な施設がない,いわばデジタル学習の空白地帯に見える場所には,
実はオンラインとか家庭,公共インフラ,そして国家規模の支援がいくつにも重なり合う,
見えざる多層的ネットワークが構築されつつあるんですよね。
Speaker 2
はい,まさにその通りです。
Speaker 1
よし,これを紐解いてみましょう。
今回のディープダイブでは,日本全国に210箇所以上ある,
無料のプログラミング道場,CoderDojoの素晴らしい広がりの,
さらにその外側に焦点を当てます。
Speaker 2
CoderDojoすら近くにない街,ということですね。
Speaker 1
はい,そこに住む親子が,一体どうやってテクノロジーと接点を持っているのか,
その魔法のようなネットワークの正体を一つずつ分析していきます。
Speaker 2
まず,物理的な教室が近くにない場合,子供たちが最初に向かうのはどこか,
当然バーチャル空間になりますよね。
ああ,インターネット上ということですね。
Speaker 2
ええ,ただ,これが単なる動画教材の見る場所とか,
学校のオンライン授業だと思ったら大間違いなんですよね。
Speaker 1
そうなんですよね.
あの資料にあった,Kids Code Clubが運営する放課後プログラミングクラブ,
Speaker 1
通称放プロの事例はすごく面白かったです。
Speaker 2
はい,あれは画期大な取り組みです。
Speaker 1
これ週に3回もオンラインで開催されているんですが,
大人の先生が黒板の前に立って,一方的に教えるスタイルじゃないんですよね。
Speaker 2
そうなんです。
子供同士が画面越しに教え合う,ピアーラーニングの場として機能しているんです。
Speaker 1
ピアーラーニング,つまり仲間同士で学び合うということですね。
Speaker 2
ええ,ここが重要なポイントです。
トップダウンで知識を授けるんじゃなくて,
子供同士の横のつながりを作るコミュニティになっているんです。
Speaker 1
なるほど。
Speaker 2
さらに,NPO法人カタリバのきっかけプログラムとか,
CLACKといった団体の活動もあります。
Speaker 2
彼らは,一人親世帯や経済的に困窮している家庭に対して,
PCやWi-Fiルーターを無償で関与しているんです。
Speaker 1
おお,機材を配るんですね。
Speaker 2
はい。でも本当に価値があるのは機材そのものではないんです。
Speaker 1
と言いますとどういうことでしょう?
Speaker 2
機材を渡して,あとは自由にやってね,
では結局YouTubeを見るだけの箱になってしまいますよね。
Speaker 1
ああ,確かに,うちの子もずっと動画見ちゃいそうです。
Speaker 2
ですから彼らはメンターと呼ばれる大人の伴奏者をオンラインでつけているんです。
定期的に面談をしたり,ちょっとした疑問に答えたりする体制を作っているんですよ。
Speaker 1
なるほど,機材っていうハードウェアと,
人間関係っていうソフトウェアをセットで提供しているわけですね。
Speaker 2
その通りです。
Speaker 1
でもあの,親の目線から少し反論させてもらうとですね,
Speaker 2
はい,何でしょう?
結局ずっとPCの画面を見ているだけという状況に対して,
Speaker 1
不安を覚える人は多いと思うんです。
まあそうですよね。
Speaker 1
やっぱり対面のコミュニケーションとか,
リアルな人間関係の中で揉まれる方が,
健全な成長につながるんじゃないかって,
あなたも思いませんか?
Speaker 2
その懸念は最もです。
多くの大人がそう考えます。
しかしですね,発達に特性のある子供や,
感覚過敏を持つ子供たちを想像してみてください。
あるいは,学校の対人関係で深く傷ついた経験のある子供にとってのPC画面を,
認知発達の観点から分析すると,
全く違う風景が見えてくるんです。
全く違う風景ですか?
Speaker 2
ええ,彼らにとって,PCの画面というのは,
予測不能な感情を絶対にぶつけてこない,
極めて論理的で安全な場所として機能しているんです。
Speaker 1
ああ,なるほど,聞いていて思ったんですが,
それって例えるなら,絶対に起こらない,
ものすごく忍耐強い犬みたいなものですかね?
Speaker 2
忍耐強い犬ですか?
Speaker 1
はい,人間相手だと,機嫌を損ねたり,急に怒られたりするからビクビクしちゃうけど,
PCなら自分が入力したコードに対して,
ただ淡々と入力した通りにだけ反応してくれるじゃないですか?
Speaker 2
まさにその通りです。
素晴らしい例えですね。
Speaker 2
人間の顔色を伺う必要がなく,
予測可能な反応だけが返ってくる。
この対人ストレスがゼロの環境だからこそ,
彼らは心理的な防御を解いて,
安心して作業に没入できるんです。
Speaker 1
なるほど,そういう見方があるんですね。
Speaker 2
さらに,受動的に動画を眺め続けるアルゴリズムによる消費とは違って,
プログラミングは,自らコードを書き,
試行錯誤して結果を引き出す,能動的な活動です。
Speaker 1
はい,自分で作っていくわけですからね。
Speaker 2
脳の実行機能の発達においても,
この2つは全く異なる意味を持ちます。
Speaker 1
画面の向こう側が,
彼らにとっての絶対的な安全基地になっているわけですね。
Speaker 2
そういうことです。
Speaker 1
ただ,オンラインで安全な居場所を確保できたとしても,
ずっとバーチャル空間にいるわけにはいけませんよね。
テクノロジーを学ぶ上で,
Speaker 1
現実世界での物理的な体験も必要になってくると思うんですが。
Speaker 2
ええ,そこが次のステップです。
つまり,家庭のリビングルームをどうやって研究所に変えるかというフェーズですね。
Speaker 1
なるほど。
Speaker 2
今は,家庭内での自習を支えるツールが驚くほど進化しているんですよ。
ここで非常に興味深いのは,
文字を使わないプログラミングツールがあることです。
Speaker 1
あ,資料にあったViscuitですね。
これ面白かったです。
はい。
Speaker 1
プログラミングっていうと,
英語の文字列をカタカタ打ち込むイメージがありますけど,
これは文字を一切使わないんですよね。
Speaker 2
そうなんです。
Speaker 1
自分で描いた絵を,眼鏡のような形の枠に入れるだけで,
アニメーションみたいに動き出すんですよね。
Speaker 2
ええ,文字の読み書きがまだ難しい用事でも,
視覚的な直感だけで,
もしAならばBになるという論理構造,
つまりループや条件分岐を体感できる設計になっています。
Speaker 1
直感的にわかるのはすごいですね。
エラーメッセージが出て挫折する,
Speaker 2
というプログラミング特有の壁を見事に排除しているんです。
ああ,あの赤いエラー文字,大人でも心折れますからね。
Speaker 2
はい。
また,小学校のカリキュラムに連動したプログルのように,
学校の算数や理科の延長として,
ブラウザーですぐに動かせるものもあります。
Speaker 1
画面の中のツールはかなり充実していますよね。
でも,やっぱりものが実際に動く体験,
いわゆるフィジカルコンピューティングも魅力的です。
Speaker 2
ええ,物理デバイスですね。
Speaker 1
ソニーのtoioとか,小さな基盤のmicro:bitとか,
画面上の計算通りに,現実の空間で小さなロボットが走るのを見るのは,
空間認識能力を養う上でもすごく重要じゃないですか。
間違いありません。
Speaker 2
空間的な認知を深めて,物理法則と論理をリンクさせる上で,
物理デバイスは極めて有効です。
はい。
しかし,ここで現実的な問題に直面します。
Speaker 2
家庭内でこれを日常的に運用しようとすると,
強烈な物理的摩擦,フリクションが発生するんです。
Speaker 1
物理的摩擦ですか?あの,どういうことでしょう。
Speaker 2
想像してみてください。
toioのような素晴らしい物理デバイスで遊ぶためには,
まず,リビングの机の上を綺麗に片付けなければなりません。
Speaker 1
ああ,なるほど。
Speaker 2
専用のマットを広げて,細かい命令カードやブロックを箱から出し,
充電を確認する。
そして遊び終わったら,パーツを一つもなくさないように分類して箱に戻す。
Speaker 1
はいはい,わかります。
Speaker 2
この物理的な手間は,電源を入れれば一瞬で再開できるテレビゲームやスマホと比べると,
子供が今日もやろうと思うハードルを著しく上げてしまうんです。
Speaker 1
ああ,痛いほどわかります。
ちょっと待ってください,それって,根前にボードゲームのジレンマと同じじゃないですか?
Speaker 2
ボードゲームのジレンマですか?
はい,どんなにルールが面白くて知恵くに良いボードゲームでも,
Speaker 1
クローセットから重い箱を出してきて,コマを並べてって考えるだけで面倒くさくなって,
結局誇りをかぶってしまうっていう。
まさにそのジレンマです。
Speaker 2
日常のほんのささいな手間の蓄積が,せっかくの学習機会を奪ってしまうんです。
Speaker 1
そうなんですよね。
Speaker 2
おまけに,子供が飽きないように新しい拡張パーツを買い足していくと,
親の経済的な負担も馬鹿になりません。
Speaker 1
じゃあ,その摩擦をどうやって回避すればいいんですか?
物理デバイスは良いものだけど,準備と片付けが壁になるなら,
解決策がないように思いますが?
Speaker 2
そこで威力を発揮するのが,micro:bitなどが採用しているアプローチです。
ほう。
実は,micro:bitの公式サイトには,
ウェブブラウザ上で実機と全く同じように動作するシミュレーターが標準搭載されているんです。
Speaker 1
シミュレーター?
つまり,画面の中で本物と同じように動かせるってことですか?
Speaker 2
その通りです。LEDを光らせたり,温度センサーを反応させたりする高度な電子工作のテストが,
初期費用ゼロ,片付けの手間ゼロで画面上で完結します。
Speaker 1
おお,それはすごい。
Speaker 2
まずは,このシミュレーターで物理的摩擦なく十分に遊び込んで,
どうしても現実世界でこの仕組みを動かしてみたいと,
そういう強い興味が熟した段階で初めて実機を一つ買えばいいんです。
Speaker 1
なるほど。リスナーのあなたも,いきなり高価な地域ロボットを買ってきて,
さあ,これで勉強しなさいって責める必要はないってことですね?
Speaker 2
ええ,全く必要ありません。
ハードウェアを買う前にソフトウェアでプレ体験させればいい。
Speaker 1
しかも,親のプレッシャーを取り除いてくれるツールとして,
アルスチューディオの事例もありましたよね?
Speaker 2
はい。親がプログラミングの専門知識を持っていて,
手取り足取りを教えなければならないという思い込みは,多くの家庭にとって最大の障壁です。
Speaker 1
やっぱり,親が教えなきゃって思っちゃいますからね。
Speaker 2
しかし,アルスチューディオのような,
スモールステップで詳細なテキストや動画が用意された教材を使えば,
子供は自律的に学習を進められます。
Speaker 1
ってことは,親は先生にならなくていいんですよね?
Speaker 2
はい。
Speaker 1
横に座って,お,これすごいね,どうやって動かしたの?って,
面白がるチアリーダーとか伴奏者になればいい。
これならITに詳しくない親御さんでも全く問題ないですね?
Speaker 2
ええ。家庭内での学習を,いかに摩擦なく持続可能なものにするか,
そのノウハウは現在,驚くべきスピードで進化しています。
Speaker 1
家庭でのシミュレーター活用や伴奏の工夫が有効なのはよくわかりました。
Speaker 2
はい。
Speaker 1
でも,少し意地悪な見方をするとですね,
そもそも,親御さんが多忙すぎて,一緒に画面を見る時間が全くないとか,
家に安定したWi-Fi環境がないご家庭もありますよね?
Speaker 2
確かにそういったケースは少なくありません。
Speaker 1
そうなると,やっぱりこの時点で行き詰ってしまうんじゃないですか?
Speaker 2
おっしゃる通りです。
各家庭の経済的,時間的リソースだけに依存していると,
どうしてもこぼれ落ちてしまう層が出てきます。
ええ?
そこで救済措置となるのが,3つ目のレイヤーである公共インフラ,
Speaker 2
特に現代の図書館の進化なんです。
Speaker 1
図書館ですか?
あの,本を借りる場所ですよね?
Speaker 2
従来の,静かに本を読む場所とか本の保管庫というイメージは,
もはや過去のものなんです。
Speaker 1
あっ,そうなんですか?
Speaker 2
現在,全国の先進的な図書館は,
地域住民に情報技術への平等なアクセスを提供する,
情報アクセス拠点へと,劇的に役割を拡張しているんです。
Speaker 1
それはすごいですね。
資料にあったTRC,図書館流通センターの取り組みには驚かされました。
Speaker 2
ええ,あれは素晴らしい事例です。
全国の図書館で,専用アプリのオリガミを入れたタブレットを使って,
子供たちがオリジナルの物語動画を作るワークショップをやっているんですよね?
Speaker 1
はい,しかもこれ5歳から参加できるっていう。
Speaker 2
年齢のハードルも,経済的なハードルも極限まで下げていますよね?
ええ。
図書館という公共空間で行うことで,家にパソコンがないとか,
親が教えられないという家庭の子供でも,当たり前のようにテクノロジーに触れることができます。
Speaker 1
さらに素晴らしいと思ったのが,機材の貸し出し制度です。
Speaker 2
はい。
Speaker 1
運転免許証などの本人確認書類さえあれば,家庭の経済状況に関わらず,
予約システムを通じて,タブレットなどの機材を一定期間家に持ち帰って借りられるんですよね?
Speaker 2
ええ。また,図書館だけでなく,地方の科学館,
例えば横浜の洋光台や,神戸の青少年科学館などでは,
現役のプロエンジニアが監修する本格的なワークショップが定期的に開催されています。
これってもう,現代の図書館や科学館が,
Speaker 1
誰でも無料で最新テクノロジーにアクセスできる,
デジタルの公共公園に生まれ変わっているってことですよね?
Speaker 2
デジタルの公共公園,いい表現ですね。
Speaker 1
ブランコや滑り台で遊ぶのと同じ感覚で,
タブレットやロボットに触れられる。
ただ,一つ疑問なんですが,
はい,何でしょう?
Speaker 1
こういうワークショップって,参加したその日は,
ああ,楽しかったで終わっても,
Speaker 1
家に帰ったらそれっきりという,短髪のイベントで終わってしまいませんか?
非常に鋭い指摘です。
Speaker 2
短髪の打ち上げ花火で終わらせないためには,
その体験を地域のエコシステムへと接続する仕組みが不可欠なんです。
Speaker 1
地域のエコシステム?
Speaker 2
だからこそ,CANVASという団体が展開している,
プログラミングフォーオールのようなプロジェクトが重要視されています。
彼らは単にイベントを開いて帰るのではなく,
地元の教育委員会や行政,
さらには地元の大人たちを巻き込んで,
Speaker 2
地域独自の指導者コミュニティを構築することに注力しているんです。
Speaker 1
なるほど。
イベントをきっかけに,
地域社会全体で子どもを見守り,
Speaker 1
教え合える土壌を作っていくわけですね。
Speaker 2
そうです。
点としてのイベントを,面としてのセーフティーネットに変えていく,
これが公共インフラの本当の価値なんです。
Speaker 1
さて,ここまでのオンライン,家庭でのシミュレーター,
図書館や科学館を活用して,
地方の小さな村で,
信じられないくらい波外れたプログラミングスキルを身につけた子どもが誕生したとします。
Speaker 2
ええ,素晴らしいことです。
Speaker 1
でも,そこは人口500人の村です。
地元の図書館の本は読み尽くしたし,
周りに天才的なハッカーのメンターもいない,
彼の才能は,ここで天井にぶつかってしまうんでしょうか?
Speaker 2
いえ,ぶつかりません。
彼らがローカルの限界を超えたとき,
そこには4つ目のレイヤーである国家規模の支援プログラムという強力な受け皿が待っています。
日本国内には現在,年齢やジェンダー,居住地に関わらず,
Speaker 2
突出した才能を直接引き上げる仕組みが数多く存在しているんです。
Speaker 1
まあ,自構えていましたね。
例えば,未踏ジュニア.
17歳以下のクリエイターに対して,
最大50万円の開発資金を提供するだけでなく,
日本のIT業界の第一線で活躍するトッドランナーが直接指導してくれるんですよね?
そうです。
Speaker 1
他にも,サイボウズ・ラボユースなら最大130万円の奨励金が出ますし,
ステム分野に進む女子中高生を支援する山田進太郎 D&I 財団,
さらには,分野不問で異能を支援する孫正義育英財団など,
本当に多様ですね。
Speaker 2
はい。これをより大きな視点で捉え直してみるとですね,
これらのプログラムが地方の天災にもたらす最大の価値はお金ではないんです。
Speaker 1
お金じゃない?
はい。
Speaker 1
じゃあ何ですか?
Speaker 2
地理的孤立の完全な無効化です。
Speaker 1
地理的孤立の無効化?
Speaker 2
はい。
Speaker 1
どういうことかというと,プログラムに採択されれば,
たとえ離島に住んでいようが,山奥に住んでいようが,
スラックやズームなどのオンラインツールを通じて,
東京にいる一流のエンジニアや企業家から,
日常的に直接メンタリングを受けることができるんです。
Speaker 2
なるほど。
Speaker 1
コードのレビューを受けたり,
ビジネスモデルの相談に乗ってもらったりできるわけです。
Speaker 2
これあのマリオのゲームで見つける隠し土管みたいなものですよね?
Speaker 1
ああ,隠し土管。
Speaker 2
はい。
Speaker 1
田舎町の自室で一人でコツコツとコードを書いていた子が,
この支援プログラムという土管に入った瞬間,
日本のIT業界のど真ん中,つまりビッグリーグに一気にワープできる。
Speaker 2
ええ。
ここからが本当に面白いところなんですが,
Speaker 1
親の経済力とか,どこの町に住んでいるかという依存関係を,
テクノロジーと支援制度が完全に飛び越えさせているんですよね?
Speaker 2
まさに隠し土管,適切な表現です。
地方に埋もれている優秀な個性を早期に発掘し,
世界の第一戦へと送り出す高速道路は既に整備されているんです。
ええ。
だからこそ冒頭で投げかけた問い,
Speaker 2
東京の子と人口500人の村の子どちらが早くトップにたどり着くかという問題は,
もはやどこに住んでいるかでは決まらなくなっているんです。
Speaker 1
ない地域であっても,決して絶望する必要はないということです。
Speaker 2
ええ。全くありません。
オンラインコミュニティという心理的に安全なサードプレース,
シミュレーターや伴奏ツールを活用して摩擦を極限まで減らした家庭学習,
図書館や科学館を拠点とした公共のセーフティーネット,
そして才能を一気に引き上げる国家規模の奨学金とメンター制度,
この4つのレイヤーが重なり合うことで,