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サマリー
現代社会において、新しいITツールやテクノロジーに対する大人の不安や、効率性を追求するあまりイノベーションの芽を摘んでしまう現状が指摘されています。本エピソードでは、神奈川県小田原市で活動する子ども向けプログラミングクラブ「CoderDojo小田原」のユニークな教育哲学を通じて、デジタル学習における「学びの黄金律」を探求します。 CoderDojoでは、カリキュラムを一切設けず、子どもたち(忍者)が多様なツールの中から自由に選び、まるで公園の砂場で遊ぶように没頭できる環境を提供しています。この「砂場の哲学」は、効率性を度外視し、あえて失敗を誘発する安価なマイコンボード(UIPduino)を用いることで、子どもたちが恐怖ではなく好奇心を持ってツールの限界を「正しく絶望」し、自ら解決策を探求する力を育みます。また、大人たちが無意識に抱く「パソコンネイティブ」という前提が、実は「タッチパネルネイティブ」である現代の子どもたちには通用しないという盲点も浮き彫りになります。 最終的に、最先端のデジタルスキルを学ぶ場において、最も強力な「インターフェース」は機械ではなく、人間同士の承認欲求とコミュニケーションであることが強調されます。保護者の参加推奨、即座のフィードバック、物理的な名札や名刺といったアナログな報酬が、子どもたちの情熱とモチベーションを爆発させます。教える側と教えられる側のフラットな関係性の中で生まれる絶え間ないフィードバックループこそが、学びを加速させるエンジンの正体です。これらの原則は、大人の新しいスキル習得やキャリア形成、チームマネジメントにも応用できる普遍的な教訓として提示されています。
現代のデジタル不安とCoderDojoの紹介
あのー、日々新しいITツールとかテクノロジーって次々と登場してくるじゃないですか。 へー、ほんとにそうですよね。もう追いつくだけでも大変っていうか。
わかります。で、パソコンの前に座って、なんか見慣れない複雑な画面を前にしたときにですね、 うわー、なんだか難しそうだなとか、あるいはもしこの変なところをクリックしてデータベース全体を壊しちゃったらどうしよう。
そうやって圧倒されて立ち止まってしまった経験って、リスナーのあなたにも一度はあるんじゃないかなと思うんですよね。
いやー、現代のビジネスパーソンにとっては、それってすごくリアルでめちゃくちゃ共感できる不安ですよね。
ですよね。
会社が新しく導入したソフトウェアとかって、すぐに適用することが求められるじゃないですか。
はい。明日からこれ使ってね、みたいな。
そうなんですよ。で、常に最初から正しく効率的に使いこなさなきゃいけないっていう無言のプレッシャーがすごくありますからね。
いや、本当にそうなんですよね。でも、もし私たちが感じているデジタルに対する分厚い壁みたいなものをですね、それを打ち破るための最強の秘訣が、なんか高度なIT研修セミナーとかじゃなくて、誰もが知っている公園の砂場にあるとしたらどうでしょう。
砂場ですか。
はい、砂場です。
それはまた企業のITシステムの話からすると、かなり思い切った飛躍に聞こえますね。
いや、そう思いますよね。実は最近、すごく興味深い対話の記録を読んでいたんです。
ほう、どんな記録ですか。
神奈川県の小田原市で、コーダードージョー小田原っていう子供向けのプログラミングクラブを立ち上げた山本さんという方と。
はいはい、コーダードージョーですね。
それから、ご自身も中学生にプログラミングを教えているポッドキャスターの高見さんという方なんですけど。
なるほど。
これを読んでハッとしたのが、私たち大人がテクノロジーの学び方について信じ込んでいる常識がですね、見事に全部ひっくり返されているっていうことなんですよ。
いやー、現場の再伝線、特にその子供たちとテクノロジーが交差する場所からの視点っていうのはですね、
往々にして最も直感に反する、でも本質的な洞察を与えてくれるんですよね。
確かに。
大人の凝り固まった論理が全く通用しない世界ですからね、子供って。
まさにそこなんですよ。だからこそ今回の深掘りでは、この地域の一つのプログラミングクラブで起きていることを徹底的に解剖していきたいなと。
いいですね。
なぜかっていうと、この子供たちが複雑なデジタルスキルを身につけていくプロセスの中にこそですね、
リスナーであるあなたがデジタル世界を恐れずに泳ぎ回って、新しいスキルを獲得して誰か仲間と共に成長していくための、
その学びの哲学の完璧な設計図が隠されているからなんです。
なるほど、それはすごく面白そうですね。
カリキュラムなき学びの場:砂場の哲学
ですよね。さてここから少し解きほぐしていきましょうか。
はい、お願いします。
まずはこのコーダードージョという空間の中で、一体何が起きているのかっていうところから見ていきたいんですけども。
そうですね。まず私たちがプログラミングクラブって聞いて想像するのって、どんな場所ですかね。
うーん、やっぱり机が等間角に並んでいて、
前に立つ先生がホワイトボードを使って、はい今日は変数をやります、明日はループ処理を学びますみたいな。
そうそうそういう段階的なカリキュラムを進める光景を思い浮かべますよね。
はい、学校の授業みたいな感じですよね。
なんですけど驚くべきことに、このコーダードージョには教えるためのカリキュラムっていうのが一切存在しないんです。
え、カリキュラムがない?
はい、ないんです。
それってただ子供たちをパソコンのある部屋に放り込むだけじゃないですか。カオスな状態にならないんですか?
そもそもこのコーダードージョというのは、2011年にイギリスで発祥した国際的な比喩り活動でして、
えー、イギリスから?
え、日本でももう200カ所以上で展開されてるんですけど、
すごい数ですね。
カリキュラムがないっていうのは、実は意図的な設計なんですよ。
あ、わざとなんですね?
はい、インタビューの中で山本さんもご自身の役割について、授業を教える先生ではないとおっしゃっていて、
ほう、じゃあなんなんですか?
環境を整える養務員のおじさんだと定義しているんです。
養務員のおじさんですか?
ええ、彼はただいろんなツールを準備するだけなんですよ。
ツールって言うと例えば?
例えばスクラッチとか3Dプリンターとか、あとはマインクラフトに似て言うんですけど、
親の財布に優しいルアンティーっていう無料の代替ソフトとかですね。
あーなるほど、そういう多種多様な環境だけ置いてあると。
そうです。で、参加する子供たち、彼らは忍者って呼ばれるんですけど。
忍者、かわいいですね。
はい、その忍者の子供たちはまるで砂場に散らばったおもちゃの中から好きなものを選ぶようにですね、
自分のやりたいツールを選んで、勝手に没頭し始めるんですよ。
なるほど、完全に砂場なんですね。
まさに砂場です。
なんか従来の教育が、ガイドさんが見所を順番に案内してくれるルートの決まったバスツアーだとしたら、
これって完全に公園に放たれるようなものじゃないですか。
そういうことですね。
でもここでちょっと、少し意地悪な見方をさせてください。
はい、どうぞ。
マニュアルも効率的なセオリーも与えられずにですよ。
ええ。
本当に何か意味のあるものを見出せるんでしょうか。
なるほど。
私たち大人の感覚からすると、すごく非効率で時間を無駄にしているように思えちゃうんですけど。
わかります。
例えば、パイソンを学ぶなら、最短距離が書かれた本を買って読むのが一番早いじゃないですか。
実はその、効率性を追い求める大人の発想こそがですね、
真のイノベーションの芽を完全に積んでしまっているんですよ。
え?イノベーションの芽を積んでる?
そうなんです。対談の中で高見さんも深く同意されてたんですが、
ええ。
大人がこれが効率的な正解ルートだよって先回りしてセオリーを与えちゃうと、子供の思考ってその枠内にすっぽり収まっちゃうんです。
ああ、なるほど。はみ出さなくなっちゃうんですね。
逆に白紙の状態でドーンとまかせると、彼らは大人の想像を絶するものを生み出すんですよ。
大人の想像を絶するものですか?
ええ。例えば、最新のAIツールとプログラミングの論理を、大人が思いもよらないような奇想転倒な形で組み合わせちゃったりとか。
ええ!すごいですね、それ。
だから、効率を度外視してあちこち壁にぶつかりながら進む回り道のプロセス。
はい。
それこそが彼ら自身の情熱がたっぷり込められたオリジナルな作品を生み出すための唯一の土壌なんですよね。
はは、なるほど。最初から舗装された平坦な道を用意しちゃうと、この熱量って絶対に生まれないんです。
そっか。こうやってゲームを作るのが正解だよって教わらないからこそ、自分だけの道を発明するわけですね。
そういうことです。で、自分で発明したからこそ、ただチュートリアルをなぞっただけの時とは比べ物にならないくらいの情熱を注げる、と。
まさにその通りです。学習において摩擦をなくすっていうことは、同時に情熱の火の種を消すことでもあるんですよね。
失敗を誘発する環境:正しく絶望するIT教育
いやー、深いですね。わかりました?
はい。
でも、ここからが本当に面白いところなんですけども、
ええ。
その、マニュアルなしで未舗装の道を自由に走り回れば、当然ですがクラッシュしますよね。
もちろんです。
システムがフリーズしたり、コードが全然動かなくなったり、
ええ。
最悪の場合、物理的なハードウェイを壊しちゃったりとか、
ありますね。
子供って壊れた瞬間にパニックになって、すぐ挫折しがちだと思うんですけど、
はい。
このコミュニティでは、その失敗をどう扱ってるんですか?
まさにそこが確信なんですよ。
おお。
彼らは失敗を避けるんじゃなくて、あえて失敗を誘発して、それを受け入れる環境っていうのを意図的にデザインしてるんです。
失敗を誘発する?
はい。その象徴的なアイテムが山本さんが導入しているUIPduinoというですね、
はい。UIPduino。
電子工作用の超小型コンピューター、いわゆるマイコンボードなんですけど、
ええ。
これ非常に安価なものなんですよ。
安いんですね。それはやっぱり非営利の活動だから予算の都合でっていうことですか?
もちろん予算の面もありますが、最大の理由は心理的なものなんです。
心理的?
安価である理由、それは子供たちが壊してしまっても罪悪感を感じないからなんです。
ちょっと待ってください。子供に意図的に電子機器を壊させるんですか?
はい。そうです。
それってただの破壊行為になりませんか?壊しちゃったらどうやって電子回路の仕組みを学ぶんですか?
そこなんですよ。ちょっと子供の心理状態の変化を想像してみてほしいんですけど、
はい。
もし子供が学校にある数万円もするような高価な機材を触ってショートさせてしまったら?
うわ、それはもう冷や汗ですね。
最初の感情って絶対に恐怖ですよね?
そうですね。壊しちゃった、先生に怒られるってパニックになります。
そう、パニックになって思考が停止して二度と触らなくなっちゃうんです。
トラウマになっちゃいますね。
でもそれが最初から壊れてもいい安いボードだって知っていたらどうでしょう?
ああ、なるほど。
恐怖の代わりに好奇心が生まれるんですよ。
好奇心。
あ、煙が出たぞ。なんで煙が出たんだろうって。
なるほど。あ、プラスとマイナスの線を逆に繋いだからショートしたのかみたいな。
その通りです。
あ、物理的に物を壊すという本来なら最大の失敗体験がですね、逆になぜ壊れたのかを解き明かそうとする圧倒的なモチベーションにすり替わるわけですね。
まさにそれです。
道場のルールはすごく明快で、できないわからないは恥じゃない、失敗した当たり前っていうスタンスなんです。
いいですね。
そしてこれをさらに広い視点とか大きな流れに結びつけてみるとですね、山本さんが語った正しく絶望してほしいという非常に強烈な言葉にたどり着くんです。
正しく絶望するですか。
はい。
なんか子供向けのクラブらしからぬすごく重みのある言葉ですね。
そうなんですよ。でもテクノロジーって魔法じゃなくてやっぱり限界のあるただの道具じゃないですか。
確かに。
予見で話題になってるからって高すぎる期待値で触って思い通りに動かないとすぐになんだ使えないなって挫折しちゃう。
ありますね、そういうこと。
そしてその壁にぶつかって一度正しく絶望することでですね、初めてそのツールの本当の境界線が見えてくるんですよ。
なるほど、限界を知るってことですね。
じゃあこの限界の中で自分の目的を達成するためにはどう工夫すればいいかって考えるようになる。
はいはい。
このプロセス自体がプログラミング的思考そのものなんです。
いやーこれ私たち大人の毎日に痛いほど刺さりますよね。
本当にそう思います。
リスナーのあなたも例えば職場で新しく導入された生成AIツールを初めて使った時のことを思い出してみてほしいんです。
はいはい。
適当に指示を出してなんか的外れの回答が返ってきた瞬間にですね。
はい。
なんだこれ全然仕事に使えないじゃんってブラウジャーのタブをそっと閉じた経験ありませんか?
いやーあるあるですよねそれ。
私たちは正しく絶望する前になんだ魔法の杖じゃなかったのかってすぐ諦めちゃってたんですよ。
おっしゃる通りです。
だから私たち大人にこそ会社のサーバーを吹き飛ばす心配をせずに限界まで試せるような。
はい。
壊れてもいい安価なマイコンボード的な安全な砂場環境が必要なんですね。
本当にそうですね。
大人の前提を覆す:タッチパネルネイティブの衝撃
その失敗から学ぶ環境の重要性をお話ししてきたんですけども。
はい。
実はこのインタビューの中でクラブを運営している大人たち自身もですね。
はい。
ある強烈な失敗に直面していたことが語られているんです。
大人が失敗したんですか?
はい。
それは子どもたちのITスキルに対して彼らが無意識に抱いていた前提に関する大きな思い込みだったんです。
あー山本さんの失敗体験ですね。
そうです。
子どもたちに自分のパソコンを持ってきてねって呼びかけた時のエピソードですよね。
はい。まさにそれです。
パソコンを持参して集まった子どもたちを見て山本さんは驚愕したんですよ。
ほう。
なんと非常に多くの家庭が子どもにマウスを持たせずに参加させていたんです。
マウスがない?
ないんです。
いやいやマウスもトラックパッドもなしでどうやってコードを書いたりスクラッチのブロックをドラッグしたりするんですか?
そう思いますよね。
3Dモデルの操作とかも絶対無理じゃないですか。親御さんがうっかりカバンに入れ忘れちゃったんですかね。
まさに私たち大人はそうやって考えますよね。
ええ。
しかし忘れ物じゃなかったんです。
違うんですか?
現在日本の小中学校ではジーガースクール構想によってChromebookなどの端末が配布されてるんですけど。
はい。一人一台配布されてますよね。
実はこれらの端末の多くは画面がタッチパネルなんです。
え?
はい。
あ、そういうことか。画面を直接指で触って操作できるから。
そうなんです。だから今の子供たちの中にはマウスを使って画面上のポインターを動かしてドラッグ&ドロップするという習慣自体がですね、そもそも存在しない子が急増しているんですよ。
わあそれは盲点でした。
高見さんもこれに激しく同意していて、彼が教える中学生たちがJavaScriptの複雑なコードを書いていて、42行目にエラーがあったときにですね、マウスを使わずにモニターの42行目を指で直接タッチして修正しようとしたらしいんです。
モニターを直に?
ええ。で当然うまくいかなかったっていうエピソードを語っていました。
つまりこれってどういうことなんでしょうか?
はい。
私たち大人は今どきの子供たちは生まれたときからスマホやタブレットがあるデジタルネイティブだからって、パソコンの基本操作なんて教えなくても当然できるだろうと鷹をくくってましたよね。
そうなんですよ。
でも実際は彼らはパソコンネイティブではなくてタッチパネルネイティブだったわけですね。
その通りです。これは私たちが常識だと思っている前提がいかに脆いかと示しているんですよね。
リスナーのあなたも例えば職場で新入社員のトレーニングをしたりとか、同僚に新しい業務フローを教えたりするときのことをちょっと想像してみてほしいんです。
フォルダーの階層構造とかローカルドライブとクラウドの違いくらい当然知っているだろうって前提を置いて話を進めていませんか?
これ結構やっちゃってますよね。
もし相手が検索窓で単語を入れて探すっていうスマホのインターフェースしか経験していなかったら、フォルダー階層という概念自体がもう宇宙語じゃないですか。
本当にその通りです。
だから教える側があって当たり前だって思っている前提条件をまずは疑わなきゃいけないっていう強烈な教訓ですよね。
そうなんです。そしてここで非常に興味深いのがですね、テクノロジーのインターフェースが進化して直感的で便利になればなるほど、
その裏側にある構造がブラックボックス化してしまうという事実なんです。
ブラックボックス化、見えなくなっちゃうってことですね。
ええ。タッチパネルってすごく直感的ですけど、コンピューターが内部でどう処理しているかを隠してしまいますよね。
確かに。
だからこそ山本さんは将来的に昔の古い電卓などの実機を分解して子供に触らせてみたいと語っているんです。
ああ、あえて古い物理的なボタンのある機械を触らせると。
そうです。機械の歴史を遡ってどうやって物理的なスイッチからデジタルの制御へと発展してきたか、それを体感させることで、ブラックボックスだった現代のツールの構造が急にクリアに見えるようになるからなんです。
なるほど。表面的な操作だけじゃなくて、その下で回っている歯車の仕組みを理解して、そこで初めて真の意味でツールを支配できるようになるってことなんですね。
まさにそういうことです。
最強のインターフェース:人間とコミュニティの力
いやー面白いです。これまでキーボードとかマウス、タッチパネルといった機械とのインターフェースの話が続いてきましたけども、ここからさらに深く潜っていきましょうか。
いいですね。
実はこのコーダードジョーの活動を見ていると、学びを最も劇的に加速させてくれる世界で最強のインターフェースって、実は機械ではないってことが分かってくるんですよね。
間違いありません。
プログラミングのようなエラーと挫折の連続である学習において、孤独っていうのは最大の敵なんですよ。
孤独が敵?
ええ。だからコーダードジョーでは保護者の参加を強く推奨しているんです。
親も一緒に?
そうです。なぜなら、家の部屋にこもって一人でパソコンの画面とにらめっこしていても、人はなかなか成長できないからです。
確かに。例えば3時間エラーと格闘してやっとキャラクターが我慢上で1センチ動いたときとか。
はい、ありますね。
その瞬間に誰かが見ていてくれないと意味がないんですよね。
そうなんですよ。あ、今画面が動いたね、すごいねって背後から声をかけてくれる存在。
ええ。ええ。
その即座のフィードバックと承認があるかないかで、学習のエンジンが回り続けるかどうかが決まるんです。
私がこのコミュニティの取り組みで一番痺れたのがですね。
はい。
最先端のデジタルスキルを学ぶ場で彼らのモチベーションを爆発させているのが、超アナログな物理アイテムだっていう事実なんです。
ああ、名札と名刺のエピソードですね。
そうなんです。
これは人間の真理の核心をついた見事な仕掛けですよね。
本当にそう思います。一定の回数参加した子供に対して、なんかアプリ上のデジタルバッジとかじゃなくて。
ええ。
わざわざ業者に発注した立派な本物の名札をプレゼントするらしいんですよ。
物理的な名札ですよね。
はい。で、さらに他の子にプログラミングを教えてあげる子にはプチメンターっていう役職が印示された本物の名刺を渡すそうなんです。
へえ、名刺ですか。
山本さんによれば、それまで科目に作業していた子がその物理的な名刺を受け取った瞬間にですよ。
ええ。
もう目の色が変わって信じられないほどの集中力と誇りを持って活動し始めるんだとか。
いやあ、人間は本質的に社会的な生き物ですからね。
はい。
その名刺っていうのはコミュニティの中での自分の役割と価値を証明する確固たるシンボルなんですよ。
なんだか皮肉でもあり、すごく感動的でもありますよね。
ええ。
AIとか3Dプリンターっていう未来のテクノロジーを駆使しているのに、
はい。
困難を乗り越える最後のひと押しに終わるのは、一枚の紙切れと周りの大人からのすごいねっていうリアクションなんですよ。
本当にそうですね。
結局のところ、どれだけデジタル化が進んで便利なツールが登場したとしても、
人間を根本から動かして学びに向かわせる究極のOS、オペレーティングシステムっていうのは、
はい。
承認欲求とコミュニケーションなんですよね。
まさにその通りです。
そしてこのコミュニケーションって大人から子供への一方通行ではないんですよね。
お、と言いますと?
早朝的なのは、大人である山本さん自身が、参加している子供から3Dモデリングを教わる弟子になっているという事実です。
用務員のおじさんが子供の忍者から教わっているんですね。
そうなんです。教える側と教えられる側の立場が固定されていなくて、フラットな関係性が築かれている。
はいはい。
そして教えてもらった大人は、必ず君に教わった通りにやったらこんな結果になったよって子供にフィードバックを返すんです。
なるほど。
このお互いへのリスペクトとフィードバックの絶え間ないループ。
ええ。
これこそがコミュニティの持つ最大の価値であり、学びを加速させるエンジンの正体なんですよね。
砂場の哲学を大人へ:学びの黄金律
いやー、本当に資産に富んだ深掘りになりましたね。
そうですね。
単なる子供向けプログラミング教室の話かと思いきや、大人の私たちに向けた学びの黄金率がぎっしり詰まっていました。
ええ。
効率的なマニュアルのない砂場だからこそ燃え上がるオリジナルな情熱。
はい。
あえて壊せるおもちゃを使うことで、正しく絶望しツールの限界を知る強さ。
素晴らしいですね。
私たちが無意識に信じているカッチパネルネイティブのような当たり前を疑う視点。
ええ。
そして最後に、最先端のデジタル学習を根底で支えているのは、アナログな名詞とフィードバックを与え合う人間のコミュニティの力であるということ?
これらの原則は、新しいソフトウェアの習得だけじゃなくて、
チームのマネジメントとか、キャリアにおける新しい挑戦など、あらゆる場面で応用できる普遍的なものです。
全く同感です。
さて、ここまで深く付き合ってくださったリスナーのあなたに、最後にもう一度だけご自身の今の状況について考えてみてほしいんです。
はい。
あなたが今、大人としての生活の中で直面している課題とか、プロジェクトを思い浮かべてみてください。
ええ。
それは職場の新しいシステムの導入かもしれないし、プライベートでの新しい趣味への挑戦かもしれないし、
はい。
あるいは、チームメンバーとの複雑な人間関係かもしれません。
そうですね。
あなたは今、無意識のうちに、最短で効率的なセオリーとか、絶対に失敗してはいけない正解のルートばかりを探し求めて、
ええ。
自分自身を窮屈に縛りつけていませんか?
なるほど。
もしあす、その目の前にある課題をマニュアルが一切ない砂場として捉え直してみたらどうでしょう?
いいですね。
あるいは、それを壊れてもいい安価なマイコンボードのように見立てて、少しだけ好き勝手にいじってみて、限界まで試して少しだけ壊してみたら、
はい。
正しくならなければならないという恐怖を手放したとき、そこにはいったいどんなあなただけのオリジナルな発見が待っているでしょうか?
わくわくしますね。
次に新しい一歩を踏み出すとき、ぜひこの砂場の哲学を思い出してみてください。
それでは今回の深掘りはここでお開きとしましょう。
また次回、新しい知識の探求でお会いしましょう。
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