ただ、前の時代を踏まえて新しい社会に移る時には
大体真改造されるものなんです。
真改造ね。
なぜならば貴族階級と労働者階級では生活スタイルそのものが違うからなんですよね。
だってさ、和歌を読んでる平安貴族みたいな人の末裔たちとね、
江戸で建物を建ててるデイクが同じ生活してるわけないじゃないですか。
デイクがね。
あるわけないんですよ。
食べる量も違う。
肉体も違う。
ということでそれに合わせた食文化というのが発展していくわけですが、
これはアメリカでも同じことが起きます。
特に19世紀、1800年代というのは前回も少し触れましたが、
アメリカが工業化を進めているアメリカの産業革命の真っ只中です。
いろんなものが工場化していく時代なんですね。
食品加工業みたいなものが出てきて、
この辺りから後にケチャップ工場ができるとかね。
ハインツですよね。
もっと後ですけど、ケロックのコーンフレークみたいなのは工場で生産されるとか、
チョコレートが工場で生産されるとか、そういう時代に向かっていくところです。
まさに。
労働者は自宅を離れて通勤をして工場で働くということが起きますね。
そうすると仕事が終わったところで、
帰り道の工場労働者はとてもお腹を空かせています。
何せこの時代の工場労働者というのは、
機械がベルトコンベアで運んでくるまでにネジをキュッと回すとか、
そういう仕事じゃないんですよ。
映像化されたものがいくつも出ているので、
気になったら見ていただくとわかりますが、
例えばハインツのケチャップ工場ですね。
大量の工場労働者がいますが、
彼ら彼女らはどんな仕事をしているかというと、
ケチャップの原料を鍋に入れて煮るという作業を、
何十個もの鍋を並べてやっているわけですね。
人間が機械。
人間が機械。人間がやってたことを機械化したんだけどね、のうちにね。
手作業で瓶詰めをして、手作業でラベルを張って、
手作業で蓋を閉めると。
梱包するのも運び出すのも全部が人間でやるというのが基本なんです。
それは皆さん体力使いますよね。
仕事帰りの工場労働者はみんなお腹を空かせて、
ヘロヘロの状態になっていきます。
これはアメリカだけでなくイギリス、ロンドンも同じでしたが、
帰りに居酒屋に行くわけですよ。
おー、居酒屋。
イギリスの場合だとビールのシリーズでも少しご紹介をしましたが、
ポーターハウスみたいなところがありましたね。
ポーターハウスね。
そこでポーターと呼ばれるエールの一種が大人気になってという話をお伝えしたと思います。
詳しくはビールのシリーズの回を何回目かわからないけど何話をお聞きくださいというところですね。
居酒屋に行って一杯やるというのが、
一般的な工場労働者の帰りの姿ですよ。
あんまり変わらないね。
今でもあんまり変わらないですよ。新橋を見てごらんなさいって感じです。
確かに。
大体みんな一緒なんです。
すごいもんね、人数がね。
お腹減るじゃないですか。
減る。
例えば工場労働とかしてたとしますよ。
農業でもいいですけど。
仕事帰りです。
徒歩なり電車なりで帰りますね。
当時はまだ車がないですから。
お酒飲んで飲酒運転とかありませんからね。
一杯やりましょうって言ったらまず真っ先に
ビール注文した後、
つまみ食べ物どういうものを食べたいと思いますか?
油の多いものとかね。
他には?
他には。
タクのことだからたぶんいきなりご飯頼むのかなと思ったけど。
お米も頼むね。
つまりお腹減ってるんで、
ビールも美味しいけれども、
お腹に溜まるものが欲しいわけですね。
そこで居酒屋たちは
お客さんにたくさん来て欲しいので
サービスメニューを作ります。
無料提供です。
要は広告としてね。
こういうものをサービスするから
うちいいよって、うちでお酒飲んでねっていう
PRをしていくわけですね。
それの代表格になったのが
ビーフサンドイッチ無料。
あの4代目サンドイッチ伯爵で
荒らせられるジョン・モンター・ギュウコーが
食べていたあのビーフサンドイッチをですね
アメリカの居酒屋で
無料提供するんですね。
へー、なんかすごい大盤振る舞いな気がするけど。
そこにワーッと寄ってきて
ビールが飛ぶように売れていくと。
集客のためですよね。
このビーフサンドイッチ
居酒屋版ビーフサンドイッチの形状が
実にアメリカ。
一つ食べれば満腹になるほどの
巨大なサンドイッチが簡単に山積みされており
それらは客に食べられて見る見るうちに消えていった。
と書いてありました。
へー、でっかいんだ。
でかいんです。
まあ確かに一口である必要性全くないもんね。
だいたいその
イギリスの貴族が食べていったサンドイッチっていうのは
3センチ四方とか5センチ四方とかそんなもんですよ。
あーちっちゃいね。
居酒屋に並んでいるこのビーフサンドイッチはですね
日本で言ったらボリューミーなカツサンドぐらいの勢いですよね。
そうだよね。
一つ食べれば満腹になるほどのっていうか
相当でかいよね。
思い出してください。
江戸時代屋台で大人気になった
にぎり寿司はどんなサイズ感でしたか?
あーめっちゃ高かったね。
そういうことなんですよ。
あーやっぱねお腹減るんだよね。
これが農業中心社会では発展していなかったら
こういうことなんです。
通勤という概念、肉体労働という生活スタイルが
ミックスされると
そこに働く人たちを対象にした
食ビジネスというのが発展する。
結果でかい方が喜ばれる。
得盛りです。
得盛りだね。おかわり無料とかと一緒だね。
そしてお腹が減ってる時は
早いの嬉しいですよね。
早い、安い、でかいなんです。
うーん。
これはあの、某牛丼チェーンも
元祖はそこから来てますから。
へー。
だいたい築地の市場の中の
朝食出してるお店ですからね元が。
某チェーン店?
うん、吉野屋とか。
あと転職の大人屋さんもそうですね。
あ、そうなんだ。
めちゃくちゃ早かったですから。
へー。
僕が東京で働いてたら20何年か前に
朝の仕入れで築地に何度か足を運びました。
その当時はもう当然吉野屋も大田屋もなかったですけど。
別の店がいっぱい入ってましたけど。
まあ早い。
へー、早いんだ。
ドア開けるじゃないですか。ガラガラガラって。
席に着いたら出てくる。
早っ。
注文したら20秒以内とかで出てきましたよ。
そんな早いの?
だっていつから準備してるんだろうと思って。
僕食べながらカウンターの中を覗いて見てたんですよ。
ホールで働いてるおばちゃんと中のおっちゃん達が
手元を見ながらチラチラチラチラ外を見てました。
ガラスの向こう側を。
入りそうだなと思ったら1とかって言ってました。
早っ。
入店する前から準備始めるんですよ。
入ってきて注文したらすぐ出てくるんです。
そうなるね。
ご飯は常に大盛り。
これはだって市場で働くような人たちですから。
早くて多くて。
もちろん美味しかったですけど安い。
みたいなことが労働環境では起こりがち。
これが今回サンドイッチの魔改造を呼び起こして
大型化する。
つまりアメリカンサイズの始まりですよ。
これがアメリカンサイズの始まり。