はい、では前回からの続きです。今回は。
お待たせしました。麺です。
待ったよ。
蕎麦。
蕎麦の麺のところ。
だってね、この順番で食べるんですよ。
ほう。
時蕎麦の登場人物がですね。
登場人物がね。
なんか汁をすすって、いやうまいねとなってから、箸で麺を持ち上げてですね。蕎麦が細いねって。
こうでなくちゃいけねえよって。近頃はうどん見てに不程度があるが、あんなものは江戸っこの食うもんじゃねえよ。
そうなんだ。
そういうような話になるんですね。
ほいほい。
で食べて、格子があるね。いいよ。おめんとかいちいち嬉しいじゃねえか。
うん。
えんもくの中だとね、口の中でバキバキ言ってるあったよね。それはね、かんめんだよたぶん。
あ、かんめんあるの?
ねえよ。
ないよね。
ないよ。
ないよね。
これたぶんネタでいろいろと付け加わったんだと思いますよ。
あーそういうことね。
口の中でバキバキ言ってる。口の中傷ついちまうなみたいなこと。いいよ、うまいよっていうことをやってるわけですけども。
ほう。
ここでピックアップしたいのは、麺が細いこと。
はい。それからコシがあるということね。
ほうほうほう。
この概念が実はわりと蕎麦切りの文化では、まあ時蕎麦ぐらいの時代ですかね。
あーそうなんだ。
はい。もともとの蕎麦切りというのはそんなに細くもないし。
お、細くもない。
ない。そんなにコシがあるようなものでもない。
へー。
なんですよ。
そうなんだ。
はい。麺としての蕎麦切りというのが登場したばかりの頃ですね。一番最初は蒸してます。
蒸す?
はい。言ってみたら蒸し蕎麦切りですね。
蒸し蕎麦切り?
はい。
蒸すの?
蒸すんです。
へー。
一瞬茹でるんですけども、ほんとに洗い流す程度にさーっと、さっと茹でます。
バリ方みたいな?
バリ方みたいな感じ。
あー。
もう茹でてるって言っちゃいけないぐらいの短さですね。
へー。
はい。いろんな料理本にその茹で方が載ってるんですけども、ざくっとまとめると、さっと茹でます。で、それをザルにあげます。で、お湯または水で洗います。ぬめり取りでしょうね。
で、そのあとお湯を張ったオケの上に麺を乗せたザルを乗せます。
ほう。
で、そこにさらに熱湯かけます。
熱湯かける?
うん。で、蓋する。
ほう。
で、蒸す。
だいぶ変わった蒸し方するね。
そう。まあ、オケに湯を張ってザルを乗せて麺が乗っていて蓋して蒸すってそんな感じね。
あー、まあまあ、普通にあれか、セイロに入れるような感じか。
そうですそうです。それを外だとできなかったりとか、まああと会員版で、うち店の蕎麦屋さんでもこういう風に出してたらしいんですけど、会員版で蒸して出してるわけですね。
あー。あ、じゃあお湯をかけるのはあれか、あのくっついちゃうからかな。
そうです。
そういうことだよね。
そういうことです。
で、これこのシリーズの他の話でちゃんとやりますけど、この時に蒸していたのでザルとかセイロ使われてるんですよ。
ほうほうほう。
これが後の時代に器として使われてザル蕎麦とかセイロ蕎麦っていう風に残っていくんです、形だけ。
あー、そういうこと?
はい。で、蒸してないのにザル蕎麦なんです、今。
あ、そうか。セイロの上に乗ってるもんね。
はい。セイロもそうですよね。
うん。
で、本来のセイロ蕎麦っていうのは今四角い角セイロって言ってね、お汁の上にすのこ乗っけたようなのが普通になってますけど、もともとはあれもセイロで始まってるんですね。
そういうことか。
蒸してるんで。
あー、確かに確かに。
たまにこう蕎麦屋さんに行きますとですね、四角い器、まあいわゆる角セイロですね。
あれに乗ってる蕎麦のことをザル蕎麦っていう商品名で売ってますよね。
そうだね。
ザルじゃねえから。
そうだね。そういうことになるね。
で、今はなんかザル蕎麦は海苔が乗ってて、森蕎麦はそうじゃないみたいなこと言ってますけど、そもそもザル蕎麦はザルに乗ってるからザル蕎麦です。
これは蒸し蕎麦の原型があって、その蒸し蕎麦の時代に使っていたザルを器にしたらこれ風流でいいよねって言って始めたお店があるんです。江戸時代に。
それが全国に広まってザル蕎麦という名称が定着してるだけのことで、もともとは蒸していたところにターンを走っていると。
じゃあセイロの方が古い。
まあどっちか分かんない。
分かんないんですか。
多分ザルじゃねえかな。
ザルなんだ。
かなと僕は思ってるんですけどもしかしたらセイロの方が先かもしれない。
ザルで蒸してたってこと?
ザルに乗せて蒸してた。本当にちゃんとやるんだったらセイロ使うはずなんですけどね。
簡易版でザルを使って、下から火を使わずにお湯だけで蒸していく。
そういう感じなんですよ。
そっか蒸すって下で火を焚くわけじゃないんだ。
そうなんです。
そういうことね。だから下にお湯を張ったんだ。
そういうことです。
それで火通るんだね。
通るんです。
これねなんで蒸したのかとかね、ちゃんと理由があるんですよ。
これ時代的に蒸し蕎麦切りが出てきたのっていうのはだいたい室町時代くらいっていう風に推測をされています。
確定できないんですけどね。
1400年代か早ければ1300年代には出てきたかもねみたいな感じで言われているんですけども。
その頃にそうめんとかねうどんの原型みたいなものはもうあるわけですよ。
茹でたい。茹でたいんだけど茹でられない事情があるんです。
そうなんだ。
なぜならですね、もともと蕎麦切りっていうのは蕎麦粉100%が当たり前なわけですね。
きっこう内蕎麦と言いますけど。
これつなぎ使ってないんで長く茹でてると切れてバラバラになっちゃうんですよ。
そういうね。
ボソボソする前にまずバラバラになっちゃう。
バラバラになっちゃうんだ。
しかも水溶性の栄養分が多いんで蕎麦粉の中にどんどん茹で上がる前に溶け出しちゃうんですね。
はいはいはい。
だからこれは長く茹でてるとダメだねっていうことになって茹で時間を極限まで短くして。
その不足分を蒸すということでかばしてますね。
そういうことか。
江戸時代の蕎麦屋さんの記録を見るとですね、あらかじめさっと茹でてザルにあげて、
船っていうような四角い器みたいなのがあってそこに茹でた麺をあらかじめ置いとくんですよ。
注文が入ったらそれにお湯をさっとかけて蒸すっていうね。
温めるだけ?
蒸すだけ。下茹でだけもしてありますよみたいなことを商売としてやってるところも結構多いですね。
かつ元々はつなぎが入ってないんで蕎麦打ちの技術もあまり発達する前のことですからなかなか補足できないですね。
バラバラになっちゃうか。
茹でる以前にバラけちゃう。
なのでこういう製法が通常になってましたと。
ざっと時代を追って1643年の料理物語からサクッといきますね。
煮えたらぬる湯で洗い、ザルにあげ熱湯をかけて蓋をする。冷めぬように水気無きように出すのが良しと。
冷めちゃいけないんですね。
冷めちゃいけないんだ。
いわゆる今でいう厚盛りですよね。これが普通だったっぽいですね。
熱いまま出すんだね。
しかも煮えたらって言ってるから初期の頃はまだちゃんと煮てるっぽい。
煮てるの?
蕎麦切り、麺をですね。
で、バラけちゃってる。上にさらにしっかり茹でて、さらにザルでむすみたいなことをやってる。
しっかり煮てるとバラけちゃうからもしかしたらザルじゃないとどうにもならんか。
とかね、かもしれない。
この辺はね、もう文字ベースしかわかんないから具体的なところがよくわからない。
そっから1689年、45年後くらいかな。合類日曜料理四難章ですね。
茹でたら水で洗って、ザルにあけて、で、あとは一緒ですね。
湯を入れたおけの上にザルを乗せて熱湯をかけて蓋をすると同じ。
どっちかっていうと、だんだんとしっかり茹でるっていうのが、茹で時間がだんだん短くなって虫のほうに重点が置いていく感じ。
で、黒白賞味酒くらい、1746年くらいになってくるとたっぷりのお湯で少量ずつ茹でる。
で、これ笑いますよ。茹で時間が1アワ半から2アワでザルにあげる。
わかります?沸騰したお湯に麺入れるじゃないですか。一瞬温度下がりますよね。
そこから一回泡がポコポコって出てきたらサッとあげる。
早いね。
だいぶ早いですよ。当時の火力は今と違うとはいえだいぶ短いですね。
で、あとはもうまたザルに乗っけて、追いかけて蓋して蒸しますみたいな。
蒸すって言うようになってきてる。
料理物語とゴール・イニチュオ料理指南賞との違いって、その2つは蒸すって言ってないんですよ。
熱湯をかけるとか熱湯をかけて蓋をする。実質蒸してるんだけど蒸すという言葉を使ってないんですね。
これが1746になると蓋をして蒸すと明言するようになってくる。
より蒸すに比重が行く。その方が切れなくていいよねっていう感じなんですよね。
ここから本当に推測なんですけど、この100年間くらいの間にだんだんと麺が細くなっていったんじゃないかな。
これ僕の個人的な推測なんですけどね。
太いと火が通りにくいわけじゃないですか。
だんだんと細くしていくような感じですね。
どのくらい太かったんだろうね。
わかんない。
絵があるわけではないしね。
これちょっと本編でやらないですけど、1746年ってのは若干小麦粉のつなぎっていうのが普及し始めた頃でもあるんで、
多少細くなっただろうなっていうことが一つありますね。
もう一つはイシウス。
イシウスが民間で広がってくる。
それまではどうしてたの?
あるんだけど、そんなに精度高くないんですよ。
これ本当にイシウスの歴史になっちゃうからすげえ話になるんだけど、
もともとは日本っていうのは大陸とかヨーロッパに比べて粉物文化になってないんですね。
粉食か粒食かって言ったら粒食って言いますし粉食って言いますけど、
粒の方が主体。なぜならばお米文化だから。
麦って言ったら粉にしないのが当たり前なんですよ。もともと。
だから麦飯なんですね。
イシウスが発達してきて粉になってくるから粉物が作れるようになってくる。
これが生一国師が持ってきたっていう風に言われてるんですけどね。
イカチャーの広めた人ですね。
それに合わせてだんだんとイシウスの精度が上がってくるんですね。
初期の頃のイシウスっていうのは日本は粉食文化が薄いのでイシウスも輸入品だったわけですね。
イシウス輸入なんだ。
大陸から輸入してくる。
身を見真似で国産を作り始める。でもまだ粗雑だ。
となると粒子の粒があまりサイズが揃っていないザラザラした小麦粉とか蕎麦粉になるわけですよ。
これで蕎麦を打つのは大体至難の技ですね。
うどんはグルテンができるんでこねてればコシができて固まるんですよ。
とにかく踏むって感じだもんね。
とにかく力でこねる。これでなんとかなる。けど蕎麦はそうはいかない。
これは太くならざるを得ないわけですね。
そうだね。
これが細くできた理由の一つが小麦粉をつなぎに使い始めましたよ。これが普及し始めましたっていうのが大体1700年代の半ば頃。
ちょうどこの頃っていうのがイシウスが民間に広まり始めた頃。
つまり広まったってことは技術も一緒に上がってくるってことなんですね。
そういうことだね。
同じ石工職人さんだってたくさん作りは上手くなりますよ。工夫も重なるわけじゃないですか。
そうね。
なのでこのあたりでだんだんと粉が細かくなってきれいになってくるみたいな感じなんですね。
そういうことか。技術の発展は強かったんだね。
そういうことですね。いずれどこかで本編でやるにはちょっとな。いずれ限定かどこかでこのイシウスとか粉物の話しましょうかね。
イシウスと粉物?
あと水車の話ね。
水車の話?ああそっか。イシウスをひくのにね。
ちなみに今僕このイシウスが民間に広まって技術進歩したからそばが細くなりましたよって話しましたよね。
このわずか5分くらいの下りのためにそれ一通り全部読みましたから。
ちゃんと裏付けをね。
頭悪いなと思いながら効率悪いなと思いながら。
効率は悪いね。
今日読んだね。
読みました。面白かったんで。でもう出番終わりましたけど。
早かった。秒で終わったね。
いずれどこかでやりますね。
あとじゃあ次行きましょうかね。腰が強いってね。
腰が強い。
腰ってなんだ一体。
腰が強い。
腰が強いねって言ってますよね。
時そばでも。
うどんの方がもっと腰の話しますけど。
そもそも面の腰ってなんすか。
曲がっても折れないみたいな。
曲がっても折れない。
弾力があって曲がってもグチャってならないみたいな。
一般的にこういう風に言われるのが弾力があってなおかつ粘り気がある。
この両方が備わってると今タクの言ったようにね。
腰が曲がっても折れない。
そういう状態になってくるんだと思いますね。
ちなみに小麦粉の話になるんですけども。
この腰の元になってるもの。
腰の元になっているものがいわゆるグルテンですね。
グルテン。
うどんじゃないの。
このグルテンの力をそばにも使おうねっていうことで小麦粉を少し混ぜるという風なつなぎをやり始めるんですね。
ここからなんだ。
つなぎで使う粉のことを割り粉と言います。
割り粉って言うんだ。
割り粉って言います。
割り粉という言葉があるからこれのカウンターできこ。
生の粉と書いてきこっていうのがね。
あれきこって読むんだ。
きこ内そばのきっていうのは生の字ですね。
っていうのが割り粉ときこっていう言い方します。
へーそうなんだ。
そんな感じですね。
だから日本人にとっての生っていうのはレアとかね。
そういう本当の生っていう意味だけじゃなくて本物のとか元の良いものみたいなイメージで生という言葉を使ってるっぽいですね。
へーそうなんだ。
この文献探すの大変だったね。
文献ちゃんとあったんだね。
探すの大変だったね。
ちなみに小麦粉の孔子これグルテンなんですけどグルテンができるための条件があって小麦粉の中にグルテニンっていう成分が入ってます。
グルテニン。
これは弾力があります。
グリアジンっていうのは伸びる性質を持ってます。
グリアジンは伸びる。
グルテニンとグリアジンがこねてる間に一緒になります。
これがグルテン。
水を吸収してつながっていくとグルテンが網目状に分子がつながっていくわけですね。
だからコシがあるって粘りがある。弾力がある。
こういう状態になります。
そうなんだ。
これはねポイントは弾力と粘性が一番外側と一番中側が均一であることが大事なんですね。
バラバラだと噛んでてプツンっていう感じにはなかなかならない。
そういうことね。
これを作り出してるのがタンパク質なんですよ。
でね、これ蕎麦に戻るんですけど、蕎麦っていうのはタンパク質が少ないっすね。
タンパク質が少ない。
完全に外皮は蕎麦からなんで取っちゃいますけど、内側に甘皮みたいな薄皮がついてるんですよ。
ここに少しタンパク質がついてる。
これを完全に除去したやつがサラシナコとか言われて真っ白な子なんですけど、そうなるとほぼほぼでんぷんなんですよ。
でんぷんね。
腰の出しようがないですよね。
これなかなか困る。しかもバラけやすい。
バラけやすい。
仮に甘皮についてるタンパク質をうまく使ったとしても、またねこいつが水溶性なんだよ。
水溶性。
だからね、茹えてると蕎麦粉に含まれているわずかなタンパク質が水に溶け出してっちゃうんですね。
ああ、はいはいはい。
腰のない蕎麦になる上にバラけると。
そうだね。
だからむすと。
ああ、そういうことなんだ。
そうなんです。
確かにね、この水溶性っていうのも結構きついよね。
そうなんですよね。
寝てるときはくっつくんでしょ。
そう。なんとかつないでくれるんですけど。
で、しかもその少ないタンパク質の代わりにつなぎと同じようにくっつける役割をしてくれてるのが澱粉なんですよ。
ああ、澱粉ね。
アルファー化って言いますけどね。
ああ、アルファーマーみたいな。
そうそう、糊化とか言いますけど。
アルファー化してない澱粉っていうのは生のお米ですね。
これ炊くとアルファー化されてもっちりした状態になる。
糊化って言いますね。
この糊化した状態になれば澱粉同士が、まあ糊ですから、接着しますよね。
くっつきます。
ただ、これ澱粉糊って水吸うんですよ。
確かにね。
びょんびょんになっちゃう。
ああ、そうね。お米を潰して水で溶くと糊だもんね。
伸ばしすぎたらサラサラだもんね。
そういうことですね。
なので、これで頑張って作ってたんですけど、無理なんで蒸してましたと。
そういう話なんですね。
そういうことね。言われてみれば当たり前っちゃ当たり前だからね。
そう、当たり前の話なんですね。
これね、せっかくなんで、蕎麦を茹でるとき。
これはうどんも一緒なんですけど、茹でるときのちょっとしたコツで、
気が短い人って完全に沸騰する前に麺を鍋にぶっこむことがあると思うんですよ。
これやめてください。
これやめてください。
これは完全に沸騰してからちゃんと入れてください。
なんでかっていうと、特に蕎麦のほうなんですけどね。
外側と中側が加熱具合が変わっちゃうじゃないですか。
温度が上がりきってないお湯で麺を茹でた場合、外側は長時間お湯にさらされます。
どんどん水吸ってブヨブヨになってきます。
中はちょうど良くなりました。
これ、弾力と粘性均一になりませんよね。
なので、なるべく早く同じタイミングに近い中も外も一気に火が通りたいわけですね。
これを実現するためには、茹でる側としては沸騰したお湯に入れること。
これは麺を作る側からすると、なるべく細くすることなんですね。
すぐ火が入るよね。
そういうことなんです。
確かに沸騰してないお湯に入れないでくださいって書いてある。
あと、次足しの水を入れないでください。
温度下げたくないんです。
ちゃんと書いてあるね。
皆さん、読まなくてもそばぐらい茹でられると思ってるので、
わりとスルーしてしまうんですけど、ちゃんと書いてあるんですよ。
俺は仕事でやってるから、ちゃんと書いてあるなと思ってそれを守ってるけど。
失敗すると確かに温度下がっちゃうといっぺんに茹りすぎて、結構やばい麺が出来上がる。
そうですね。
これどさくさ紛れに、乾麺を美味しく茹でるコツのあるものを研究してる方がいらっしゃる。
いるんだ。
ラーメンにもいた気がするわ。
なんかいらっしゃるみたいですね。
どうやらやり方として面白いなと思ったのが、乾麺はあらかじめ常温の水に入れて戻すと。
ふやかしておく。
常温の水に入れて戻す?
一回ふやかしておく。水吸わせておくんですね。
乾麺っていうのは火が入るのと同時に水分を吸わせるってことをやってるわけじゃないですか。
その水分を吸わせるという作業をあらかじめやっておく。
そうなんだ。
はい。この代わりに水を吸っちゃってるので茹で時間をかなり短くする。2分とかね。
強制的に生麺の状態に近くするみたいな。
そういうことですね。これを本当かよと思いながら読んでたら、ちょっと今回は言わないですけど、科学的に成分を抽出して分析したところ旨味成分がちゃんと残ってることがわかりました。
へえ。常温の水だったらあまり抜けないんだね。
みたいですね。やってみました。私。くっついた。
くっついた。
俺は知ってるよ。くっつくのは。濡れた手でかんめんを触ってちょっと置くときっちりくっつくね。
そうですね。これ僕自分で言ってたんじゃなくて母に言ってこうらしいよ。じゃあ今度やってみようって言ってやってもらったんですよ。
麺がみんなくっついとるみたいな。
なるよ。
なんか微妙みたいになって。
多分麺が浮くくらい水を入れないとたぶんくっつくと思う。
ですよね。
浮いた瞬間にちゃんとバラバラってばらけないとすぐくっつくからね。
何回か練習必要かなと思いますけど。
そこまでするんだったら生麺買ってきたほうがいいね。
確かに。
ちなみに今のいわゆるとわりそば、きこうちそばですね。どうやら技術自体は江戸後期くらいに発明されたらしいんですけど、ともつなぎっていうつなぎの技術があるらしいんですよ。
ともつなぎ。
要はそばこをそばこでつなぐっていう技があるらしいんですよ。
まあ当たり前というか当たり前な気がしてしまうけど。
そばこで別につなぎを作っておく。
ああそういうこと。
そばかき作っておくの。
ほうそばかきを作っておく。
鍋かきでね、鍋を火にかけながらそばかきを作っておく。
うん鍋かきで。
そばかきって2種類あってこれちゃんと後で言うけど、そばかきってわんがきとなべがきっていうのがあるんですね。
おわんがきっていうのはおわんの中に粉を入れてそこにお湯を注いでこねる。
鍋がきっていうのは鍋にそばこを入れて水を入れて火にかけながら練る。
火にかけながらの方が香りはちょっと飛びやすいんだけどしっかりとつながるんですね。
アルファ化しやすいし加減もしやすい。
これしっかりとそばかきを作ると何が起こるかというと十分にアルファ化された澱粉になるんですね。
これを使って普通にそばを打つんですよ。これにそば粉を入れていくんですよだんだんと。
足していくんだ。
足していくっていう感じで小麦粉じゃなくてそば粉でそば粉をつなぐっていうあらわざがあるらしいですね。
確かに確かにそういう方法も考えられるね。
僕は改めてこれを知ってからもう一度いろいろと食べてみたいなと思うんですが
きこうちそばのお店ありますよね。結構技術がすごい詰まってるらしいんですよ。
下手なとこ行くとボソボソしたりとかブツブツ切れちゃったりするんですけど
もう絶妙にタイミングとか茹で上がりのタイミング水の締めとかお客様に提供するタイミングとかも全部考えて作ってるところはちゃんとうまいらしいですね。
俺は改めてそういう目線でそばを食べに行きたいなと。
本当だね。
今からはやってない。もう深夜になるのよ。
そうっすね。
もうすぐ。
ちなみに僕らそばを茹でた後ってだいたい水で締めますよね。
給冷です。これは何をしているか。
麺の内側、外側じゃなくて内側の余熱を取るっていう作業なんですよ。
これ何でかっていうと外側だけ冷めて内側だけが熱がこもってるとそこが緩くなってきて伸びてくるんですよね。
そこら辺が問題なんですよね。
ああそっか。熱いと溶け出しちゃうんだね。
なるべく早くキュッと締めるっていうね。
確かに確かに。めっちゃ氷入れるもん俺。冷やすとき。
それが大事なんですって。
そうするとギュッて弾力が出る感じは、出るっていうか残るんだね。
正確には残るですね。
普段僕らやっててそれが当然で結果はわかってるんですけど理由がそういうところなんだなっていうのはよくわかりますね。
そういうことなんだね。家庭じゃできないかもしれないけど俺のそばを茹でた後の冷やす基準がさ水の温度が手がちょっと痛くなるじゃん。冷たい水って。