今年の6月から大企業で義務化となったパワハラの雇用管理上の措置義務を始めとした、セクハラ、マタハラ等のハラスメントに関して企業が取り組むべき事、海外と日本でのハラスメントの認識の違い等を社労士×社労士で熱く語りました。
リスナーへの感謝と“原点回帰”の決意
ポッドキャスト160回を迎えた田村氏は、リスナー数の増加に対する喜びを表しつつ、「初心を忘れずに、ワチャワチャ感を大事にしていきたい」と語る。YouTube番組の話を引き合いに出し、“狙いすぎると本質から離れてしまう”ことを自戒し、社労士としての視点で「答えのない問いを議論し、リスナーと一緒に考えていく番組にしていきたい」との姿勢を改めて共有した。
制度と現実のギャップ——ハラスメント対策の“難しさ”
2022年6月から中小企業にも義務化されたパワハラ防止法だが、「就業規則に書いたから大丈夫」という発想では現場は変わらない。加害者・被害者の双方が異なる視点と感情で語る中、「何が事実か分からない」状況が多く、制度と実務のギャップが大きな課題となる。実効性ある体制を整えるには、対話と信頼関係が不可欠だ。
事実確認の壁——“感情バイアス”との戦い
パワハラの訴えがあった際、社長や担当者は当事者からの報告をもとに対応するが、感情が高ぶった状態での証言は、事実から大きくずれている可能性がある。「誰が本当のことを言っているのか分からない」と語るオオタワ氏は、あくまで冷静に、証拠や第三者の視点から状況を見極める必要性を強調する。
日本とアメリカの“ハラスメント”概念の違い
アメリカでは性別や人種、宗教などに基づく差別的な言動がハラスメントの中心にあるが、日本では上下関係の中での“嫌がらせ”全般がハラスメントと定義される。この違いから、ハラスメント対策のアプローチも異なり、日本独自の文化・組織構造に合った運用が求められる。
“期待”が“失望”に変わるとき——上司・部下関係の落とし穴
上司が時間をかけて部下に教えたにもかかわらず、感謝されなかったり、思ったようなリアクションが返ってこないと、強い落胆を覚えることがある。「過度な期待を手放し、長期的視点で相手を見ることが重要」と語るオオタワ氏。小さなすれ違いが大きなトラブルになる前に、“期待値の調整”が必要だ。
制度には限界がある——職場の“空気”を変える
パワハラに関する法制度には罰則がないため、「企業がどこまで取り組めばよいのか分からない」という課題も残る。だからこそ、日々の職場環境の中で「嫌がらせが起きにくい雰囲気」「誤解が生まれにくい関係性」を築くことが、制度以上に大きな予防策になると強調された。
“重大案件”と“日常の違和感”を切り分けて考える
大きなパワハラ事件と、日々の言い合いや小さな不快感は別の問題として扱うべきであると、オオタワ氏は語る。前者は制度による明確な対応が必要だが、後者は感情的なすれ違いであることが多く、予防や関係構築がより重要になる。すべてを“パワハラ”と括らずに、冷静に分類する力が求められる。
結論——“何を言うか”より“誰が言うか”
最後に田村とオオタワ氏は、社労士として「制度を語るだけでなく、自らの姿勢・在り方も問われる」と語る。「尊敬される上司」「信頼される専門家」になることが、最終的には“変化の起点”になる。何を言うかよりも、誰が言うか——その“誰”に自分がなれるように生き方を示すことが大切だと、番組を締めくくった。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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