前回のお話の続きで、会社で働く社員がやりがいをもって働いてもらうために、組織や管理職、上司がどういう存在であるべきか、社労士が経営者と応対する際の例も交えて語りました。
見返りよりも“意味”。内発的動機づけをどう育てるか?
今回のサニーデーフライデーでは、「従業員のモチベーションを本質的にどう支えるか?」をテーマに、田村とオオタワさんが対談。お給料や成果主義だけでは測れない、内発的なやる気や承認の重要性、そしてその“伝え方”について深く掘り下げられました。
「自分のために頑張っている」と思えることが、従業員を馬車馬のように走らせる原動力になる。だが、その努力が成果や承認に結びつかないと、やがて辞めてしまう。だからこそ、会社側がどのように“認めるか”が問われているという課題意識が提示されました。
成果主義の落とし穴──評価に載らない仕事が蔑ろになる
成果報酬型制度がもたらす弊害にも話題は展開しました。売上や訪問件数といった「評価されるポイント」だけに集中すると、郵便対応や請求処理など、見えづらい業務が軽視される傾向にある。
その結果、仲間だったはずの同僚が“競争相手”になり、組織全体が個人主義に傾いてしまう危険性もあります。こうした影響を防ぐには、管理職が「評価に載らない貢献」もきちんと拾い上げ、面談や日常の中でフィードバックしていくことが大切です。
「理念」だけじゃ伝わらない──やる気を生む“瞬間”とは
内発的動機づけをどう組織に根づかせるかは、現場レベルでは極めて難しい問題です。田村も「朝礼で理念を読む」だけでは限界があると指摘。一方、内発的動機づけが自然と育まれる瞬間も確かに存在します。
たとえば、田村自身がメーカーの海外営業時代に、発展途上国の現場で自社製品が役立ち、現地の暮らしの改善に貢献できたと感じたとき。あるいは、オオタワさんが営業同行で“圧倒的に準備を重ねた先輩”の姿を見たとき。そんな「自分の仕事が社会と繋がっている」と実感できる瞬間に、人はやる気を高めます。
人は“見て育つ”──伝えるのではなく、示す
対談の中で繰り返し語られたのは、「人は言葉ではなく、姿勢から影響を受ける」という視点でした。
内発的動機づけを持ってほしいなら、まず自分がそういう姿勢を“見せる人間”になるべきだという考えです。「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」という言葉を引用しつつ、田村とオオタワさんは、“変えたいならまず自分が変わる”ことの重要性を強調。
社長が経営理念を語るなら、自分こそが体現者でなければ意味がない。上司が熱意を語るなら、まず自らの働き方を示す必要がある。部下や従業員は、日々の言動のすべてを見ているのです。
「誰が言うか」がすべて──信頼の源は生き様にある
内発的動機づけを根づかせるうえで、「何を言うか」より「誰が言うか」が鍵になる。これは職場だけでなく、社労士が顧問先に助言を行う場面でも同様です。
オオタワさんは、「社長に助言しても聞いてもらえないことがある。それは、自分自身が信頼を得ていないからかもしれない」と振り返ります。資料や話し方以上に、「この人が言うなら信じよう」と思われるかどうか。信頼は知識以上に“人間性”で築かれるのです。
結びに──モチベーションの火種を育てるために
お給料はモチベーションを左右する一因ですが、それだけでは決して足りません。会社として、上司として、そして社労士として、目指すべきは「言葉で語らずとも伝わる姿勢」。
田村は最後に「従業員にとっての“やりがいの原点”を、もっと早くから育てる教育や社会の在り方についても、いつか深掘りしたい」と語りました。
次回のトピックでは、就職・キャリア教育・自己理解といったより根源的なテーマが扱われるかもしれません。従業員のやる気の火種を育てるのは、制度ではなく“人と姿勢”。そんな本質的な気づきに満ちた回となりました。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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