コロナの影響で給与の減給や降格による企業の社員の離職率増加についてメディアで取り上げられる中で、従業員の就業意欲を高めて働いてもらうためにはどうすれば良いかを『給与』や『人事評価』について取り上げ語りました。
給与とモチベーションの本質に迫る
今回の「サニーデーフライデー」では、社会保険労務士の田村陽太とゲストのオオタワ氏が、「従業員の給料とモチベーションの関係」をテーマに深掘りトークを展開。お金を多く払えば人はやる気を出すのか、それとも給与ではカバーできない“何か”があるのか?心理学の知見も交えながら、経営者や人事担当者にとって不可欠な視点が語られました。
給与は“モチベーションの源”か?
番組冒頭では、給与の高低とモチベーションの関係性について議論がスタート。田村は「残業代がつくから働く」という受動的な動機よりも、「資格手当」や「成果に応じた報酬」など、自身の努力が直接反映される仕組みが重要と指摘。オオタワ氏もこれに同意し、「やらされ仕事」ではなく「やりがいと結びつく報酬」が本質的なモチベーションを高めると語りました。
高給でも不満?その理由
一方で、同じ高給でもやる気を失う例も少なくありません。たとえば、医療従事者へのボーナス未払いによる離職騒動や、年収が高くても長時間労働や評価の不透明さに悩む人など、外からは見えにくい内部事情が語られました。「同期との比較」「他社との比較」など、他者評価を気にしてモチベーションが上下する人も多いと指摘されました。
給料は衛生要因──満たされても満足はしない
オオタワ氏はここで「ハーズバーグの二要因理論」を紹介。給与は“衛生要因”に該当し、「不満があると強烈にやる気を下げる」一方、「満たされてもやる気が劇的に上がるわけではない」と説明。つまり、給与の不満を解消することは必要条件だが、それだけで人は動かないというのです。
昇給の落とし穴──慣れと期待がもたらすジレンマ
さらに、昇給にも注意が必要です。給与が一度上がると、数ヶ月もすれば“慣れ”が生じ、その水準が当たり前になります。田村も「最初は嬉しくても、続かないと意味がない」と実感を述べ、オオタワ氏も「継続的に上げられるのか、という企業側の課題がある」と指摘しました。
減給が与えるダメージは昇給の何倍も大きい
そして、もっとも注意すべきは「給与を下げること」。モチベーションの下落幅は、昇給時の喜びよりもはるかに大きく、「一度上げた給与は基本的に下げない覚悟が必要」と強調されました。コロナ禍での減給事例も引き合いに出され、「給与と信頼」は表裏一体であることが語られました。
成果主義とモチベーションの“すれ違い”
ここで登場するのが「アンダーマイニング効果」。もともと“内発的な動機”(やりがいや熱意)で動いていた人が、報酬など“外発的動機”によって行動するようになると、かえってやる気が下がるという心理学的現象です。成果報酬制度の導入が一部で失敗する背景には、この効果が関係している可能性があるといいます。
お金では動かない気持ちをどう見るか
本エピソードを通じて、「給料は重要だが万能ではない」ことが改めて浮き彫りになりました。適正な給与水準の設定とともに、「信頼関係」や「やりがい」「成長実感」など、目に見えない動機づけの要素にもっと注目すべきだというメッセージが伝えられました。制度設計に携わる社労士や人事担当者にとって、数字の先にある“気持ち”をどう捉えるかが問われているのです。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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