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古代エジプト人たちは天体の動きを注意深く観測しました.そして太陽と月をあわせた「七つの惑星」を地球から遠い順に並べることに成功していたようです.またアレクサンドリアの女性天文学者ヒュパティアは天体の動きを再現する装置まで発明していました.この観測は,やがて地動説へと繋がります.
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いちです おはようございます このポッドキャストは僕が毎週メールでお送りしているニュースレター
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改めましていちです このエピソードは2022年6月30日に収録しています
このエピソードではsteam news 第85号から 古代エジプト人たちが見た7つの惑星たちについてお届けします
古代エジプト人たちは現代の我々と同じように 星々に名前をつけ時に星座を作り
星座の中で夜な夜な位置を変える惑星たちを識別していました 位置を変えない星々のことは恒星と呼びます
現代の星座はアレクサンドリアの天文学者クラウディオスプトレマイオスがまとめたプトレマイオスの48星座に由来しています
クラウディオスプトレマイオスは英語でクローディアストレミーと呼ぶので プトレマイオスの48星座はトレミーの星座とも呼びます
トレミーは紀元83年頃生まれなので 古代エジプト人たちの影響は受けてはいたものの
古代エジプト人たちの星座とは違った星座を変算したものと考えられています 実際トレミーは同じく古代ギリシャの天文学者ヒッパルコスの仕事を多く引用しています
ヒッパルコスは小アジア出身と考えられているので古代エジプト人たちの星座と 現代の星座はつながっていないのかもしれません
とはいえ共通する部分もあります 古代エジプト人にとって満天の星の中で
惑星を覗けば最も明るく 南天をゆっくりゆっくりと動く大犬座のシリウスは
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とりわけ重要な星だったのでしょう シリウスは当時はソプデトと呼ばれており
現代のオリオン座に相当するサーフとともに 当時の天体図によく描かれています
シリウスとオリオン座は現代人の我々から見ても特別な存在に見えることと思います 2019年から2020年にかけて
オリオンの右肩向かって左上のベテルギウスが少し暗くなった時には 僕もヒヤヒヤしたものです
本当 明るさが戻ってよかったです
一方の惑星たち 彗星 金星
火星 木星
ウッド星 そして月と太陽についても古代エジプト人たちは注意深く観測したようです
月と太陽は現代の考え方では惑星に含めないのですが 古代エジプト人たち天道説を信じていましたので
月も太陽も惑星の一つなんです
古代エジプト人たちは当時の北極星の周辺を急いで回る北天の星々を
滅びない星々を意味するイケムセクと呼んでいました
大地へと沈まないため滅びないと呼んだんですね そしてゆっくりと動いていく南天の星々を
疲れを知らない星々を意味するイケムウレジュと呼んだそうです
ソプデトモサフも疲れを知らない星々のグループです
このように古代エジプト人たちは星々の動きに多大な関心を払っています もちろん惑星たちの動きについても精緻な観測をしました
そしてゆっくり動く順番として 土星木星火星太陽金星水星月と順序付けました
これは地動説を知っている我々から見ても正確なものです 実際7つの惑星はこの順番で地球に近いんです
ところで古代エジプト人たちは12進数を採用していました パンも12個セットなら
2人でも3人でもそして4人でも分けられて便利なんですよね もし10個セットなら3人で分けられないところでした
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この12進数という考え方は根強くてですね 日のある時間英語のdayを12に分割したのも古代エジプト人です
古代エジプト人が作った火時計が残されているのですが 日のある時間を12に分割しています
古代エジプト人は日が沈んでいる時間英語のnightもまた12に分割しました そして1時間おきに天空を惑星が支配すると考えたんです
最初の1時間は土星 次の1時間は木星
さらに次の1時間は火星という風に 遠くから近い惑星へと1時間ごとに支配者が交代していきます
日が明けてdayの時間になっても1時間おきに支配者は交代し続けます 太陽もまた惑星ですから昼夜は関係なかったのかもしれません
そして次のnightも交代は続きます そして7日目の夜に元の惑星に戻ります
土星から始まった7日間のちょうど真夜中
midnightを支配した惑星の名前だけを ピックアップしてみますね
月 火星 彗星
木星 金星
土星 太陽
どうでしょうどこかで見たことのある並びではないでしょうか もう一度見てみますね
月 火星
彗星 木星 金星
土星 太陽
月 火 彗 木 金 土 日ですね
もし今度1週間がなぜ7日間なのと聞かれたら 古代エジプト人たちが惑星を7個と考えていたからと
答えてください
紀元4世紀から5世紀のアレクサンドリアに ヒュパティアという女性天文学者がいました
天文学者というよりはずっと後世のレオナルド・ダヴィンチに匹敵する 万能の人です
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彼女は天体の動きを観測し それを再現する装置アストロラーベを発明したと言われています
アストロラーベは現代で言えば星座早み版のようなもので
僕がメールでお送りしているニュースレター steam news の第11号 地図デザイナーの仕事の中でご紹介したメルカトルも
アストロラーベ職人だったそうです また2021年にお送りしたsteam news 新年号の
オススメテッドトークの中でもアストロラーベが紹介されています 実はですね僕が先月2022年の5月に行った
TEDxKobeというイベントでのトーク こちらが
動画が公開されたんですがよかったらですね youtube で
TEDxKobe/Karnerで検索してもらうと出てくると思うんですが こちらのトークの中で万能の天才レオナルド・ダヴィンチをご紹介しているんですね
でこの 万能の天才レオナルド・ダヴィンチに加えて同じく万能の天才エジプトのヒパティアも紹介しようと思っていたんですよ
だけどどうも知名度が低すぎるなぁと思ってカットしちゃったんです もしこれからトーク見ていただけるのであればヒパティアのことも思い出してください
なんか ポッドキャストのエピソードの途中で思いを語ってしまいました元の話に戻します
惑星や恒星の位置を詳しく見ようという人々がなぜかエジプトに集中しているのは
ひょっとしたらね一回やってくるナイル川の氾濫と関係があるのかもしれません 古代エジプト人たちはシリウスの1から1年の長さと
ナイル川の氾濫の日を知っていたんです なお12進数が大好きだった古代エジプト人
パンを5人でも分けられるようにと次は60進数を発明します そして1年の長さが60進数で綺麗に割り切れなかったことに納得がいかなかったのか
カレンダーは360日目でおしまいにしていました
理念的な古代ギリシャ人に比べるととても現実的で工学的な古代エジプト人ですが 1年の長さについては妥協しなかったのかもしれません
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最後に天道説に終止符を打った一人の観測者についてお話をしておきたいと思います その人物はTikko Brahe
16世紀デンマークの天文学者です 僕がメールでお送りしているニュースレターの第10号火星の人の中で詳しくご紹介をしています
Tikkoは天道説を信じそれを裏付けようと 超精密な天体観測を続けました
Tikkoは肉眼で星を観測した最後の天文学者とも言われています 残念なことにおしっこ実験で命を落としたTikkoの仕事は
弟子のヨハネス・ケプラーに引き継がれていきます まあこのおしっこ事件についても詳しく知りたい方はぜひね
メールでお送りしているニュースレターの第10号これ web で読んでいただくとバックナンバー全て読めますから
ぜひね参考になさっていただければと思います
ケプラーはTikkoの集めた天体観測データを詳細に検討した結果 また同時代のコペルニクスやガリレオ・ガリレイの洞察と発見も勘案し
ついには Tikkoが手に入れたものは地道説の証明であることに
気づきます
なおTikkoが使用した計測装置の原理はおそらくはヒュパティアが発明したアストロ・ラーベから引き継いだものです
古代エジプト人たちヒッパルコス、トレミー、ヒュパティア、Tikkoと続いた天体の観測は
ケプラーによってついに我々の地道説へとつながります
このエピソードをお送りしている2022年の6月 朝方の空にですね惑星が大集合しているんです
彗星、金星 そしてこれ肉眼でギリギリ見えるかどうかなのですが天皇星
火星 木星
そしてこれは肉眼では見えないのですが海洋星 土星
月が並んでいるんです まあ天皇星と海洋星は覗いたとしても彗星、金星、火星、木星、土星が並んでいて
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そこに月が見えていて少し待つと太陽も昇ってくる つまり7つの惑星
古代エジプト人が呼んだ7つの惑星というのが一度に見ることができるシーズンなんですね
というわけでもし朝方惑星たちを見上げられたなら こんな歴史も思い出してもらえたらいいかなと思っています
いかがでしたでしょうか 天道説に基づく7つの惑星の物語をお届けしてみました
ちなみになんですが天皇星は条件によっては肉眼でも見えるようで ガリレオガリレーも知らないうちに天皇星を観測していたりもしていたようです
当時は惑星としては知られていなかったんですけれどもね この7つの惑星という数が西洋で7という数字
マジックナンバーとなった理由なのかどうかはわからないのですが 少なくとも7つの曜日というものの由来にはなったようです
一方アジアですね中国文化圏ではやはり五行思想という思想が色濃く
普及していますので 木下土金水ですね日月を除いた5つの曜日というのはこの五行思想から来ています
なので火水木金土とそれから木下土金水はこれ関係がないんですよね 本来はこれ後から割り当てたので
例えば 水曜日
水曜日というのは古代ローマではメルクリウスという神様の日ということになっていたんですね でこのメルクリウス
マーキュリーですねこちらが彗星を表すので 水という字がね割り当たったわけなんですが
これがですねこのゲルマン系の世界に行くとゲルマン初語圏と呼ぶんですが 英語圏もそうですねこのゲルマン初語圏ではメルクリウスに代わって
オーディンという神様の日ということになっているんですね でオーディンの日ということでこれが変化していて英語ではウェンツデー
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なっています メルクリウスとオーディンは同一視されることもあったので
メルクリウスの日がオーディンの日そして彗星の水の日というふうに なんかこう置き換わっていったわけですね
こうやってなんか我々もひょっとしたらなんですが 古代エジプト人たちのカレンダーを受け継いでいると
言えるんじゃないかなと思うとなんかちょっとぞわっとしませんか 僕だけかな
そしてですねこの2022年6月というのは惑星が集合しているシーズンでもありますこれ めったにね起こることではないですなんか100年に一度とか言われているんですけれども
実際にはね惑星が集合するというのも 一直線に並ぶわけではなくて見かけ状集まるので
100年に一度ってことはないですあの僕も子供の頃見てますその時はね 結構直列に近い並びをしていましたあの
直列っていうのは 見かけ状惑星が集合するんではなくて本当にこの位置関係太陽から向かって
あのある角度の以内に入るということなんですけれどもこれがね1980年代に確か一度あったので
で当然見かけ状も惑星が集まって見えますから 何十年間に一度はある現象だと思うんですが
そこらへんねちゃんと調べてからしゃべらないといけないですね 反省します
でもねーなんか月の位置も結構今回絶妙にいい場所にいるんですよそして太陽の位置もまぁ 太陽を登ってくるとね他の惑星見えなくなっちゃうんですがタイミング的にも
すぐ太陽を登るっていう時に行こう惑星が集合して 水星っていうのがもう太陽のすごく近くを回っているので
めったにね見ることができなくてこれはもう 日没直後とか
日の出直前とかにしか見ることができないんですが今回結構いい地に います
水星はねもし見えたとするとものすごく明るく見えますさすがね太陽の近くということも あるんでしょうね
木星ほどではないですがそれでもね水星が見えるタイミングというのはもう空も明るく なっていますからその中でかなり明るく見えます
水星が見えるときっていうのは周りにね星がほとんど見えないですからすぐにわかりますよ めったに見ることができないので星が好きな方だとすぐに見つけられるし
ひょっとして水星見えてるっていうねちょっと驚きもあったりするんですね で古代エジプト人たちが感じた通り水星っていうのはもう日によって見える場所がすぐに変わるのでとても
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なんかね忙しい星に見えるんですね 古代ギリシャ人たちはだから水星というの忙しい神様
エルメスというふうにね呼んだわけですねそれをまあ古代ローマの人たちは自分たちの神様 メルクリウスの
同じ神様だろうということでエルメスイコール メルクリウスというふうにまあエルメスはあるですねフランス読みですね
ヘルメスですねヘルメスとメルクリウスは同じ神様ということになったわけですね このヘルメスそしてメルクリウス
忙しいので伝令の神様だったそうです それからまああちこちね走り回っているので商売の神様でもあったそうです
面白いですよねというかなんかわかりやすいですよね 金星は愛と美の女神アプロディテ
まあローマではベヌスペイナスですがこれは金色に輝いていて美しいからなんでしょうね 火星これは血の色赤だから軍神
まあ軍の戦の神様ですね ギリシャではアレスローマではマルスになりますね
そして最も明るい木星これは 古代ギリシャ古代
ローマでも一番天空を支配する 最も偉い神様 古代ギリシャ人にとってはオーガミゼウス
古代ローマ人にとっては最高神ユピテル ユピテルはね英語のジュピターですがそういうふうな名前をつけられています
この時代太陽よりも 太陽の神様よりも
夜輝いているゼウスユピテルの方が 神様としては偉いんですよね
きっと何か理由があってそんな風に見えていたんでしょう 例えば古代エジプト人たちだと
そうではなくて惑星ではない恒星のシリウスの方を大切にしたというのも何かね 理由があるんでしょう古代エジプトの場合はやっぱりナイル川の氾濫を知るという意味で
惑星のように動いてしまうと都合が悪かったということもねあるんじゃないでしょうか というわけで今週も最後まで聞いてくださってありがとうございました皆さんもね
どうか良い一日をお過ごしください お相手はイチでした
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