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市ですおはようございますこのポッドキャストは僕が毎週メールでお送りしているニュースれた
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改めまして市ですこのエピソードは2022年6月22日に収録しています今回は世界初の ai はマッチ箱でできていた
ai 研究が投げかける知性とは何かという問いについてお届けします
皆さんは子供の頃マルペケゲームをしたことはなかったでしょうか 僕は中学2年生の頃まで必勝法がないか懸命に探していました
結局はなかったのですけれどもね マルペケゲームは日本語では正式には3目並べと呼びます
同じくアメリカ英語ではティックタックと イギリス英語ではノーツ&クロッシーズと呼びます
このエピソードではそんなマルペケゲーム3目並べにまつわる少し意外なストーリーをお届けしようと思います
1983年のアメリカ映画ウォーゲームではマルペケゲームが人工知能ai の研究対象として印象的に描かれていました
実際マルペケゲームはかなり初期からai 研究の対象だったんです
そういえば僕はこのウォーゲームというストーリー 映画より前に
NHKのラジオドラマで聞いていました 多分そんなこともあって中学2年生にもなってマルペケゲームに夢中になっていたのかもしれません
いやーラジオドラマっていいですよね それはさておき本題に戻りましょう
イギリス人計算機科学者ドナルド・ミッキーはマルペケゲームの必勝法を自ら学ぶコンピューターを世界で初めて開発しました
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いえコンピューターと呼ぶべきかどうかちょっと疑わしいんですね ドナルド・ミッキーがメナスと名付けたこのコンピューターは
1961年に開発されました メナスとは英語で脅威という意味ですが
ドナルド・ミッキーによるとマッチボックスエデュカブルノーツ&クロスシーズエンジン
まあ直訳するとマッチ箱製マルペケゲーム学習エンジンなんだそうです これ絶対後付けですよね
コンピューターの世界的ベストセラー IBM のシステム360の発表が1964年ですから
1961年といえばコンピューターはまだ軍隊や一部の政府機関 大企業でしか使われていませんでした
というわけでドナルド・ミッキーは早々に現代的なコンピューターの使用を諦めました その代わりに使ったのはなんと304個のマッチ箱
彼はこのマッチ箱を使って世界で初めての人間と対等なAIを作り上げたんです
このマッチ箱で作られたメナスは人間との対戦を通してマルペケゲームを学習し
徐々に強くなることができました もちろんメナスには動力が備わっていませんから
マルやペケは代わりに人間が描いてあります それでもメナスが次の一手を支持するんです
マッチ箱一つ一つがマルペケゲームのすべての局面に対応します
マッチ箱はタンスの引き出しのように積み上げられており それぞれ色付きのビーズが収められています
ビーズの色は次に取るべき手を表しています マッチ箱には切り欠きがあり
神社のおみくじのように振ると一つだけビーズが取り出せるようになっています ゲームはメナスが先手です
メナスのオペレーターはまず盤面に何もないを表すマッチ箱をよく振って ビーズを一つ取り出します
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ビーズの色に応じて丸を盤面に置きます 次に人間側プレイヤーがペケを置きます
これで丸一つとペケ一つの局面になりました メナスのオペレーターは対応するマッチ箱をよく振ってまたビーズを一つ取り出します
これをゲームが終わるまで続けます ゲームがひとたび終わるとドナルドミッキーはメナスを鍛えます
彼はこれを飴とムチと呼んでいました もしメナスがゲームに勝ったならば彼は飴を与えます
メナスがゲームに使ったビーズを元のマッチ箱に返すのですが この時同じ色のビーズを3個追加してあげます
もしメナスがゲームに負けたならば メナスがゲームに使ったビーズはすべて取り上げてしまいます
そしてもしメナスが引き分けたなら ビーズを元のマッチ箱に返してかつ同じ色のビーズを1個だけ追加してあげます
この学習プロセスを何度か繰り返しているうちにメナスは徐々に強くなります メナスは最終的に人間のプレイヤーに負けないぐらい強くなったようです
実際メナスは現在に至るまで何度もコンピューター上で再現されており その学習能力は繰り返し確認されています
メナスはマルペゲゲームの勝ち方をプログラムされていたわけではありません そうではなく対戦を通して勝ち方を学習していったんです
このように機械自身が学ぶことをあるいは学んでいるように見えることを機械学習と呼びます
機械学習という概念自体は1949年にアメリカの計算機科学者アーサー・リー・サミュエルによって提唱されていました
チェッカーというボードゲームをプレイするコンピュータープログラムがメナスに先立って1951年にイギリス国立物理学研究所で稼働しています
また1956年には先ほどのアーサー・リー・サミュエルによって同じくチェッカーをプレイするプログラムが IBM社内で稼働しています
イギリス国立物理学研究所のプログラムも IBMのプログラムも対戦から学習するというコンセプトを持っており
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コンピュータ上で動いたもののというよりは当時の非力なコンピュータで動かしたが故に
人間のように強くなることはできませんでした
そんな時代チェッカーとマルペケゲームでは難易度が違うとはいえ
マッチ箱で強豪プログラムを作ったドナルド・ミッキーはもっと称賛されるべき科学者かもしれません
なお彼は後にメモ化、メモイゼーションという計算拘束化のテクニックを発明しています
僕もメモ化の恩恵をよく受けているのですがこれがドナルド・ミッキーの発明ということはこのエピソードをお届けするまで知らなかったんです
僕ももっと敬意を払っておくべきでした
さて機械学習は現在ではAIの重要な部品として認識されています
AIという語の意味は時代とともに変わりちょっと気の利いたプログラムのことをAIと呼んだ時代もあったのですが
やはり知能、知性、インテリジェンスと呼ぶ以上は自ら学習してほしいものですよね
ただし学習することは必ずしもAIであることの条件ではありません
イギリスの計算機科学者というよりは太陽系の計算機科学者とも呼ぶべきアランチューリングは
ある機械が人間的かどうかを判定するテストを提唱しました
このテストはチューリングテストと呼ばれています
チューリングテストはある機械がAIかどうかを判定するためにも使われることがあります
チューリングテストはアランチューリングが1950年に
計算する機械と知性という論文の中で提唱したものです
それは次のようなテストでした
人間の判定者が一人の別の人間と一機の機械に対して通常の言語での会話を行う
この時人間も機械も人間らしく見えるように対応するのである
これらの参加者はそれぞれ隔離されている
判定者は機械の言葉を音声に変換する能力に左右されることなく
その知性を反転するために会話は例えばキーボードとディスプレイのみといった文字のみでの行進に制限しておく
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判定者が機械と人間との確実な区別ができなかった場合
この機械はテストに合格したことになる
この問題設定はむしろ我々は本当に知性を持っているのか
そもそも知性とは何かという別の問いを投げかけることになりました
例えばマイクロソフトオフィス97で花々しくデビューしたサエコ先生が人間だと思う人はいないでしょう
しかしツイッターにはBotと呼ばれる機械の参加者が無数にいます
ツイッター社はBotの比率を5%以下だと見積もっていますが
ツイッター社買収を目論むイーロンマスクの意見は違うようです
Botは単純な仕組みながら人間と区別がつかないケースもよくあります
僕がNHKと読み上げるのはNHKの広報担当者のアカウントです
NHK 私今日もしかしたらBotの人と一生懸命会話をしていたかもしれません
松岡修造 辛いだろうわかるよBotだと思っていたらお母さんだったということもあるよな
でも気にしない相手がBotだろうがお母さんだろうが本気で戦うそれが重要なんじゃないかな
熱くなれよ
NHK 失礼ですがBotの方でしょうか
松岡修造 ダメダメダメ真実は心の目で見なきゃロボコンのように熱い心で
おいどうしてロボコンは深夜枠なんだ
NHK 2月12日日曜日に予定しております
光線ロボコンの再放送はBS2の13時からですので深夜枠ではありません
普段はご不便をおかけいたしておりますが何卒ご容赦ください
松岡修造 おい反応速度が素晴らしいですね反応反射音速高速テニスも人もサービスが基本だよね
ありがとう最高だ
NHK もしスポーツにご興味があるのでしたらBS1の本日深夜0時10分から
バンクーバー五輪直前特集や1時10分からの NBA バスケットボールなどもぜひご覧くださいね
私なんだかBotの人に勝った気がしますわーい
松岡修造 昔から勝ってガットを張り直せと言うだろう
ダメダメダメ油断禁物勝負はお家に帰るまで 遠足を忘れるな
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NHK 勝って兜の尾を締めようが正しい言い方かと存じます
また遠足のことは私にはよくわかりませんが気をつけるようにいたします
というわけでお気づきの通り松岡修造はBotです しかしNHKの広報担当者はBotと気づかずに会話をしていました
松岡修造Botのような会話が成り立ってしまうBotのことを人工無能と呼んで人工知能とは区別することがあります
人工無能の原型と言われるイライザプログラムは1966年に完成していますから
メナスの誕生とそう変わらないことになりますね
なおオリジナルのチューリングの提案は男性女性質問者の3人によって行われる模倣ゲームでした
このゲームは2つの部屋のどちらに男性と女性がいるかを質問者が当てるというゲームだったんです
この模倣ゲームでは男性は女性のフリをします
そしてチューリングは機械が男性の役割を担ったら何が起こるかと問題提起をしたんです
質問者が機械を人間の男性と間違えるようなら機械が考えることができると言えるのではないかということになるんですね
自ら学習する人間とゲームができる人間と会話ができる
計算機科学者によるAIの研究は我々が知能を知性と呼んでいるものが何なのかという問題を我々に突き返しているようです
いかがでしたでしょうか
人工知能AI研究が我々にかえって知性知能とは何かという問いを鍋かけてきているんですね
このsteamfmのエピソード46では騎士藤井壮太が戦う世界と題しまして
将棋AIについて取り上げてみました
将棋AIもプログラマーが将棋を勝つためのアルゴリズムを作るのではなくて
過去の技風ですね
過去の将棋の実例から自ら学習していって強いプレイヤーになっていったというシステムなんですね
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もともとコンピューターの研究が始まったヨーロッパそしてユーロアメリカでは
例えば人間と動物を区別するものはその人間の思考能力であるとか
機械が何かを考えるなんてことはありえないという発想が文化的に強くあったと思うんですね
そこを疑ったのがアランチューリングだったわけです
彼は機械が考えることはできるかという問いを投げかけました
彼の論文を読むとじゃあそもそも機械とは何か考えるとは何かということについて
いろいろ試行実験を繰り返しています
短い論文ですし日本語訳もありますからもしねご興味があれば検索してみてはいかがでしょうか
そしてねメールで送りしているニュースレターではおすすめテッドトークおすすめ書籍を毎回ご紹介するのが恒例になっているのですが
この84号では関連するおすすめテッドトークとして新井範子先生がテッドで行われたトーク
ロボットは大学入試に合格できるかをご紹介しています
こちらは新井範子先生が書かれたAI vs 教科書が読めない子供たちという本の内容に沿ったトークになっていますが
コンパクトに圧縮されているのでこのトーク1本聞くだけでね
だいたいのストーリーラインというのはうまくつかめるんじゃないかなと思います
表向きのタイトルはもちろんねロボットつまりAIが大学入試に合格できるのかということを探求しているように見せかけているんですが
実際のテーマは我々は本当に知的なんだろうかということになるんじゃないかと思います
あるいは試験というのは我々の知性を測っているんだろうかという問題とも解釈ができます
これねまあ僕も大学教員ではあるのですが皆さんね薄々気づいてはいたことなんですよ
何を言いたいのかというと 試験問題で測っているのは試験問題を解く能力だけなんですね
まあ当たり前ですよね でも大学は研究機関でもあるので
試験問題が解ける能力っていうのはあるに越したことはないかもしれないけれどもそれが一番大事な能力というわけではないんですね
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一番大事なのは問題を発見する能力問題を出す能力なんです そして問題を出す能力と問題を解く能力は関係があるかというとおそらくそんなに強い関係はないんですね
これがまあ薄々感づいていたことで
まあだから試験が無意味とは言いませんが かなりね無駄な努力を
大学も受験生もしていることになるんじゃないかなぁと感じているわけですね で新井則子先生のトークと本、書籍なんですが
そもそも試験っていうのは問題を解く能力を測るためのものだけれども本当に問題を解く能力を測ってるのかっていうところも
疑問を投げかけておられるんですね まあネット上では結構ね批判も多かった新井則子先生の
ご発表だったんですが 僕は結構
当たってるんじゃないかなぁと思っています まあ単に僕の肌感覚ではあるんですけれどもね
白状すると実はこの件とは全く別の件で 僕はあの新井則子先生
ご発言についてネット上でかなり 強く批判をしたことがあって
それもあってなのかちょっと新井則子先生もツイッター上で荒ぶっておられたことがあったのですが
まあ学問上の意見の対立と 人格というのはまた別のことだと思いますし新井則子先生もそこはね
よく わかってらっしゃると思うので
まあそんなね 中学生みたいな喧嘩はしてないのですがそんなこともありましたというのを
ポッドキャストで白状してしまいました 新井則子先生にはねもう一つ数学は言葉という名著がありましてこちら僕も本当に
ねおすすめです よかったらニュースレターで見てみてください
どうなんでしょうねそのうちこのポッドキャストも AI が勝手に喋ってくれるようになるんですかね
はい今日も最後まで聞いてくださってありがとうございましたまた次のエピソードでお会いしましょう
いちでした
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send いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
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