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このエピソードでは「ベータ(No.2)と呼ばれた数学者」をテーマにお届けします.彼はNo.2と呼ばれたのですが,その業績は歴史的にも世界的にもトップクラスでした.幸か不幸か,彼の友人が凄すぎたのです.彼は世界で初めて地球の大きさを測り,現在でも使われている素数発見アルゴリズムを発明しました.彼の名は「エラトステネス」と言います.

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改めましていちです このエピソードは2022年の3月1日に収録しています
「ベータ・ナンバー2」と呼ばれた数学者について今回はですね最終録でお届けしてまいります どうぞお楽しみください
古代ギリシャの数学者、天文学者で大変な功績を残したにもかかわらず ベータ、アルファの次という意味ですね
2番目とあだ名された人物にスポットライトを当ててみます その人物とはエラトス・テネスです
名前をご存知なくても仕方ないんですもう 2番目なのであまり有名でもないんですね
彼が2番目と呼ばれるのは運が悪かったとしか言いようがないんです なぜかというと彼の時代のアルファつまり一番がすごすぎたんですね
アルファ誰かというとエラトス・テネスの親友でもあった数学者アルキメデスです この時代ね天才数学者というのがたくさん現れるんですけれども
やはりアルキメデス、知名度でもその業績でもやっぱりナンバーワンなんじゃないでしょうかね
エラトス・テネスは紀元前275年生まれのギリシャ人です 彼が生きた時代ヘレニズムと呼ばれているんですけれども
300年続いた時代なんですけれどもエラトス・テネスの時代というのがその最盛期に当たるんじゃないでしょうかね
300年ってね江戸時代より長いですからね 結構な長さですけどもその中でも一番輝いた時代学術的に文化的に一番輝いた時代
ヘレニズムは紀元前30年クレオパトラ七世の自殺によって幕を閉じています その後はローマの時代になっていくんですけれどもそれより前の時代
ヘレニズム時代のナンバー2 ベータと呼ばれた数学者の話です
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そんなエラトス・テネスどんな人だったんでしょうか エラトス・テネスは歴史上初めて即領に基づく世界地図を作ろうとした人です
それまでも世界地図らしきものはあったのですが それは継ぎはぎだらけで一貫した井戸系土のないものだったんですね
まずエラトス・テネスは地球が球体であるということを確信していたことに注目してみてください
太陽は地球から大変遠いために地球のどこにいても太陽からの光は 平行に降り注ぐということもエラトス・テネスは確信していました
これ期限前300年前後の方ですからものすごく 頭が良かったというか直感力に優れていたんでしょうね
天体望遠鏡も gps ももちろん電気すらない時代ですからね このエラトス・テネスの2つの確信は現代から見ても正確なものでした
エラトス・テネスは人類史上初めて地球の大きさを計ろうとした人物です まあすごくスケールの大きな話ですね
彼は下司の将護 古代エジプトの都市シエネこれ現在のアスワンなんですけれども
そこで太陽が真上天朝を通過することを書物を通して 知っていました
アスワンは北緯24度5分に位置する街で 北海岐線これ北緯23度26分なんですけれども
北海岐線というのは月清の日に太陽が一番 高い位置に来る場所ですねそのほぼ真上にある街なので
このエラトス・テネスが知っていた知識というのも 非常に正確なものでした
太陽が天朝に来ると例えば地面に建てた棒から影が消えるんですね 真下に影が落ちるので影そのものが見えなくなる
それから井戸真っ直ぐ地球の真ん中に向かって掘った井戸ですね これ真下まで照らされることで
太陽真上に来たということがね わかります
一方エラトス・テネスは非時計による観測から 非時計はですね古代エジプトからあったので非時計この時代あったんですね
エラトス・テネスは非時計による観測から 彼の住むアレクサンドリアでは太陽が7.2度
つまり円周の50分の1傾いていることを知っていました これは地球が球体だとするとまあまん丸だとするとシエネから真北に50分の1ほど
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行ったところにアレクサンドリアがあるということを意味します
円の50分の1というのは360度を50で割った7.2度ですねこれはエラトス・テネスが
非時計の作る影の角度から求めています 正午かどうかというのは非時計があれば時刻わかりますよね
それでその正午の時に太陽の作る影が50分の1だったと7.2度だったということです
これでシエネ現在のアスワンで 下週の日太陽が真上に来るそれから同じ日に同じ時刻にアレクサンドリアで
は太陽が50分の1傾いているということがわかるわけです シエネとアレクサンドリアの距離がわかれば
円弧の一部になるわけですねなので地球を一周した時で円の大きさというのがわかる
エラトス・テネスはシエネとアレクサンドリアの距離を商人たちの往復記録
何日かかるそれから1時間にどのぐらい進むという記録から 5000スタディア当時の単位で5000スタディアという風に見積もりました
スタディアというのはスタディオンという単位の複数形ですね アップルがアップル図になるみたいにスタディオンがスタディアになります
1スタディオンって何メートルぐらいなのというとこれが正確な記録残ってないんですがおよそ160から190m
と言われています スタディオンの由来これが結構面白いんですよ
1スタディオンどのぐらいの距離かというと砂漠において太陽の上端が地平線に現れてから
つまりですね太陽顔を出してからですね日の出ですね ちょこっと太陽が見えてから完全に太陽が姿を現すまでの間に人間が太陽に向かって歩く距離とされています
太陽が日の出から完全に姿を現すまでには約2分かかります 現代の言葉で言えば徒歩2分の距離ということになりますね
ほら日本だと不動産屋さんに行くと駅から徒歩2分とか書いてありますよね これは不動産屋さんの場合は徒歩1分で何メートルという決まりがあるそうです
徒歩2分というのは160メートルの意味だそうですこれ現在の 徒歩2分と1スタディオンというのがだいたい一致してるんですね
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まああの今の現代人の歩くスピードというのが早いのか遅いのかあのよくわかんないですけども 古代キリシャの1スタディオンとだいたい同じということになろうかと思います
地球の大きさはシエネとアレクサンドリアを結んだ距離すなわち5000スタディアの 50倍で25万スタディアということになります
これがエラトステネスが計測した地球の 周長まあ一周した時の長さですね
で当時エジプトで採用されていた1スタディオン これ157.5メートルというふうに考えられていますまあおよそ160メートルですね
徒歩2分とまぁだいたい一緒ですね当時エジプトで採用されていた1スタディオン157.5メートル説を採用すると 25万スタディアは
39,375km になります これ驚異的に正確な数字です
地球一周の長さこれを4万キロメートルと覚えておけばこれは非常に正確な数字になります というかですねもうそもそもメートルの定義が地球一周は4万キロメートルとするというふうなところから出発しているので
これは非常に正確です でこのエラトステネスの計測した地球一周25万スタディアというのは非常に正確な数字です
アレクサンドリアはシエネの巻北から0.5度ずれていること アレクサンドリアとシエネの間の距離の見積りですねこれラトステネスが使った見積りなんですがこれ
当時は正確な距離を測ることができないので
ものすごく正確化というとそうではないこと そしてエラトステネスの使ったスタディオンという距離が実際に何メートルだったのかこれ諸説あることから
彼の推定というのはおそらく1割程度の誤差を含むものだったと考えられているんですが このような制約条件のもとでは
信じられないぐらい高精度な推定をしていますそして何より彼の方法論 全く狂いがないんです
エラトステネスの推定は10世紀のアラビアの天文学者 ビールーニによる極めて正確な計測に置き換えられるまで
およそ1200年にわたって使われ続けました 1200年ですよ
日本の文学史とかそのぐらいの長さ ですよね
これでもベータナンバー2とあだ名されるなんて 古代アレクサンドリエどれだけ
天才がいたのかということですよね
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エラトスネースは紀元前236年エジプトの王プトレマイオス3世によって アレクサンドリア図書館の館長に任命されました
少なくとも紀元前204年までは館長だったそうなので 金属32年以上ということになります
当時のアレクサンドリア図書館は世界の学問の中心地でした 現在で例えるとオックスフォード大学スタンフォード大学ハーバート大学カリフォルニア高科大学マサチューセッツ高科大学ケンブリッジ大学を全部一緒にしたような感じなんです
いやそれ以上かもしれないです現在のどのような大学も 2000年の長さにわたって影響を残し続けたことはありません
2000年続いた大学ももちろんないですから 時点を挙げるならば1088年設立のイタリアのボローニャ大学
ですかね 16世紀そしてまあ歴史を代表する科学者ガリレオガリレイはボローニャ大学出身です
アレクサンドリア図書館は学術と芸術の神様ムーサ これはの英語ではミューズと呼ぶんですけれどもムーサに
捧げられた学童無性音の中の基幹として建てられました 無性音の一部として建てられたんですね無性音はもちろん英語のミュージアム
つまり博物館の古典です エラトステネスなんですがこの無性音の館長も兼任していたそうなんです
まあなんかこう学問だけじゃなくてこのマネージメント能力もあったんでしょうかね アレクサンドリアの無性音はエジプトのプトレマイオス町
初代王様のプトレマイオス一世が 資材を突き込んで世界の英知を集めたものでした
推定ではパピルスに書かれた書物が4万巻から40万巻もあったということです
残念なことにアレクサンドリアの無性音は数世紀をかけて徐々に衰退し最後はローマ時代の テロ活動によって破壊されてしまいました
もしアレクサンドリア図書館が存在していたならヨーロッパの歴史ずいぶんと違った姿だったんじゃないかなと僕は 思います
アイザックアシモフの sf 小説ファウンデーションはですねアップル tv でドラマ化もされているんですが
あの図書館というのが重要な役割を果たしているんですね きっと彼の中にはこのアレクサンドリア図書館をイメージしてこの作品を書いたんだと思います
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アレクサンドリアには現在新アレクサンドリア図書館が建っています この新図書館なんですが2001年にアレクサンドリア図書館があった場所に再建されました
ここはですね僕も訪問したことあるんですけれどももう素晴らしい施設です もしねエジプト行くことがあればおそらくはのギザーであったりとかルクソールであったりとか
あの古い時代の 世界をね見に行かれると思うんですが新しいアレクサンドリア図書館もねほんと素晴らしいのでぜひアレクサンドリアの方にもね
足を伸ばしていただければと思います というわけでですねベータと呼ばれたエラトステネスまあナンバー2と呼ばれたエラトステネスをね
お話をお届けしましたけれどもじゃあアルファー アルキメデスはどうなんだという話をねさせていただこうと思います
ピタゴラスとかユークリッドとかあのアルファーと呼ぶべき数学者他にもまあいらっしゃるんですけれども まあここはある決めですあの僕自身エンジニアでもあるのでそのエンジニアとしての能力も
傾出していたのがある決めですなんですね なのである決めですアルファーと呼ばせていただいてある決めですの話をさせていただこうと思います一般的に芸術や学術に秀でた理念的な古代ギリシャ人と
現実的で工事とかそれから政治に弾いてた古代ローマ人というのを想像しがちなんですけれども ある決めですは優秀なエンジニアでもあったんですね
ある決めですの発明とされるアルキメディアンスクリューというですねまあ水を汲み上げるスクリューがあるんですけれどもこれ大発明で
これですねなんとずーっと使われ続けていて 日本にも江戸時代に
ヨーロッパからあの届けられていますでなんと佐渡金山の水の組み上げに使われていたという記録が残っています
ある決めですの発明したアルキメディアンスクリューこれぐるぐる回すことで水を汲み出すんですけれども これがね非常に良くできていて
バケツとかで水を汲まなくていいんですねぐるぐる回すだけで水を汲んでいけるというものなんですけれども ひょっとしたらねあの
博物館とかに実際にね使えるものが置いてあるかもしれないですの原理を示すためにね ニュースレターのね
steam news 第34号にこのアルキメディアンスクリューのイラストを載せていますのでよかったらね見ていただければと思います
ニュースレターの中にはねあの新アレクサンドリア図書館でまぁ僕が撮った写真も載せていますのでぜひぜひねご登録
18:00
いただいてあの読んでいただければと思いますあの無料でお読みいただけます
当時の戦争のためにテコを利用した透析器カタパルトであるとか当時の最新兵器ある決めですのかぎ爪
なんかもある決めです発明しています このかぎ爪なんですが現代で言えばクレーンあるいはカンチレバーというべきもので
沿岸に近づいてきた敵の船を転覆させるために使われたそうなんですね こちらの絵が想像図がね残ってるんですけれども実際にね使われたかどうかというのはね
わからないんですけれどもまあカタパルトは発明してたかもしれないですね それどころかですねある決めですの熱光線と呼ばれる光線兵器まで発明していた可能性も指摘されています
こちらはの前回のエピソードでお届けした電磁波兵器の もしある決めですが本当に発明していれば世界初の例ということになります今でいうレーザー兵器の走り
ですね いやーある決めですあの
すごく優秀なエンジニアだったことは間違いがないと思います エラトステネスは博学の人で数学や天文学はもちろん彼はね詩人でもあり音楽理論にも
貢献した人なんです まあ計算機科学コンピュータサイエンスを学ぶ学生であれば
エラトステネスの古いと呼ばれる 素数をね見つけるアルゴリズムこれもね習っていると思います
素数 ぜひね学生の方聞いてらっしゃったら思い出して欲しいんですけれども
2357111317232931てこう続いてきますよねこれを見つける アルゴリズムこれを考えたのがエラトステネスですエラトステネスの古いと呼ばれる
アルゴリズムです でそれだけの業績を残していながら
データナンバー2と呼ばれなきゃいけなかったぐらい まあアルキメデス
すごかったわけですね アルキメデス残念なことにローマの兵士によって殺されてしまうんですが
エラトステネスは82歳まで行きました 当時の82歳ですからまぁ現在で言えばもう100歳ぐらいのイメージでしょうかね
彼まだまだ生きられたはずなんですが当時の知識人の習慣に従って 職を絶って自殺したと言われています
このエピソードではベータナンバー2と呼ばれた数学者エラトステネスのお話をお送りしました 実はこのエピソードは2021年の7月25日にお送りしたsteam.fmの
21:14
エピソードを再収録したものです リミックスじゃなくてもう完全にね録音からやり直したんですね
このsteam.fm途中からフォーマット変えまして毎回ね25分に収まるように 設計し直したんですねというわけで過去のエピソードについても時々こうやって再収録してお届けしていこうと思って
います ニュースレターの方メールアドレスをご登録いただければ無料で過去全てのバックナンバーを読みいただけますので
よかったらこれを機会にですねまた目を通していただければと思います ニュースレターの中ではねおすすめ書籍であるとかおすすめテッドトークなんかもご紹介しています
このエラトステネスについてお送りした第34号ではおすすめの漫画をご紹介しているんですが これがですねいいんですよ
おすすめ漫画のコーナーなんですけれども漫画 これねこのニュースレーターを送りした時に漫画って漢字で漫画って書いてたんですけれどもその後の漫画の専門家の先生に
お会いした時に漫画っていうのは現代の漫画はカタカナで漫画って書かなきゃいけないんだよというふうに教わっ てですねこれ後でニュースレターの方ね修正しておこうかなと思うんですけれども
おすすめ漫画 アドアストラー 素晴らしい漫画ですあのスキピオとハンニバルというふうにね福代がついてるんですけれども
アドアストラスキピオとハンニバルぜひね アマゾンでねこれキンドルも出ているので電子版でもコミック版でも読んでいただければとね思うんですが
これね時代は紀元前3世紀アルキメデスの時代ですアルキメデスも出てきますでも主人公は違います 共和制ローマとカルタゴの間で行われた第二次ポエニ戦争を題材にローマ側の将軍
スキピオと カルタゴ側の
天才と呼ばれた将軍ハンニバル バルカの話です まあひょっとしたらネプトレナイオス朝を開いたアレクサンダー大王アレクサンドロス一世が
軍事のアルファーであるとするならば ハンニバルはデータかもしれません
まあそのぐらい天才と呼ばれた 軍人を相手に戦った共和制ローマのお話ぜひね読んでみていただければと思います
今日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました また次回のエピソードで皆様とお会いできることを楽しみにしております
良い一日をお過ごしください一でした
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