ファイナンスの成功の要因であるということは間違いないんですけれども、
私が見るに、この25.3億円の資金調達というのが、
業績のみで実現できる資金調達ではないのかなというふうに思いましたので、
このハイブリッドレバリッジによる資金調達、25.3億円の資金調達について、
ぜひポイントを解説していければなというふうに思っています。
まず、今回の資金調達のサマリーなんですけれども、
2025年4月に発表したリリースによりますと、
総額25.3億円というところで、その内容としましては、
複数の資金調達手法を組み合わせた、
まさにファイナンスミックスというような形になっています。
具体的に申し上げますと、まず1つ目がエクイティファイナンスですね。
合同会社スポットライト、SBIインベストメント、2社からですね、
まず2.5億円のエクイティファイナンスをしており、
加えてデッドファイナンスですね。
水戸銀行、名古屋銀行、アップサイダー、
それからファンズスタートアップス、それからフレックスキャピタル、
他1社、金融機関等からですね、
18.2億円の借り入れ、社債引受けなどによる資金調達、
いわゆるデッドファイナンスというのを行っています。
そして3つ目ですね、いわゆるアセットファイナンスというところに該当するんですけども、
昭和リースからですね、セールアンドリースバークと、
それからよいですね、からRBF、レベニューベースドファイナンスでですね、
その他1社から合計4.63億円の調達ということで、
3種類のファイナンスを組み合わせたファイナンスミックスということで、
クラスのリリース内ではハイブリッドレバレッジというふうに表現する、
そんな資金調達を行っていますと。
繰り返しになりますが、エクイティファイナンスで2.5億円、
デッドファイナンスで18.2億円、
それからアセットファイナンスで4.63億円、
それぞれファイナンスミックスして調達をしているというところです。
このリリース内で紹介されているハイブリッドレバレッジということなんですけども、
ハイブリッドレバレッジという方法は必ずしも一般的な金融用語というよりもですね、
今回のクラスが実施した資金調達を一言で表現したときに、
相応しい資金調達の手法というか、狙いとしてですね、
ハイブリッド、複数のものを組み合わせて、高次元で組み合わせて、
レバレッジを利かせたファイナンスという意味での、
クラス独自の増合なのかなというふうに推測しています。
じゃあこの資金調達におけるレバレッジというのは何なのかということを少し説明したいと思うんですけれども、
レバレッジとはですね、ご存知の通りテコですね。
テコの原理のことを言いますと、小さい動力で大きい力を生み出す仕組みのこと。
皆さんもね、生活の中でいつがテコの原理って使ったことがあるのかなと。
分かりやすいと言うと、瓶の蓋を開けるみたいなところはそうかなと思うんですけれども、
これをファイナンスに置き換えてみるとですね、
ファイナンスにおいてレバレッジが効くということは、
いわゆる自己資本、例えばエクイティですね、
なども入った資本金などなど、
もう自己資本に対してですね、仮でも組み合わせていくことによって、
レバレッジをかけてより大きな資金を調達し、
成長資金の確保ですとか、事業成長等のリターンを得ていくという、
この自己資本を利点にして、
会社のこれまでのコーポレートとか信頼性を支点にして、
そこに力を加えていくことによって、
大きな作用点に仕事を生み出すと。
リターン、それは事業資金だったり、事業成長だったりということなんですけど、
このレバレッジを利かせていくということで、
まずエクイティとデッドと、それからアセットファイナンスと、
3つ組み合わせたことによってハイブリッドに、
テコが効いた状態になっているということがですね、
今回クラスの資金調達の狙いとしてあるのかなと思います。
このレバレッジを利かせるということはですね、
自己資本に対してしっかりデッドファイナンスも活用することで、
全体の資金量を大きく調達をする。
そして大きなリターンを返すための資金を確保するということになるわけなんですけれども、
自己資本がもし少ないということになって、
一方で借り入れが大きいということになると、
テコでいうところの棒が長すぎるみたいな状態になるので、
棒がバキッと折れてしまったりとか、
あるいはこのシーソーでいうと土台が崩れてしまったり、
ということがなって非常に危険なわけなんですけれども、
一方でクラスはこういったハイブリッドレバレッジの調達を複数回やってきているのと、
上場を向けて準備しているスタートアップだと思われますので、
そういった意味では管理部門はしっかりですね、
強いコーポレートというのが実現できているのかなというふうに推測されるところ、
そういったしっかりした会社のコーポレートの基盤というところ、
それに加えて黒字化しているというような財務状況の事業のプラス要素を加味して、
約10倍のレバレッジ比率、
例えば自己資本2.5億円に対して、
総調達額25.3億円と約10倍のレバレッジの比率で資金調達を実現できているという、
これは多分レバレッジ比率としては非常に高い部類に入るかなと思うんですけど、
そういった資金調達が実現できているのかなというふうに思います。
改めてですね、今回のクラッシュ社の資金調達のポイントを整理していきたいかなというふうに思うんですけれども、
これから挙げる4つの要因がですね、総合的に作用して、
結果的にレバレッジ比率も高い、つまりテコの原理がしっかりと効いた成長資金の確保が実現できたのかなというふうに推測しています。
まず1つ目が株式の規約化を抑えるハイブリッドレバレッジであるということ。
2つ目が自己資本比率に配慮されているというところ。
3つ目がアセットファイナンスによる資産のオールバランス化を図っているというところ。
それから4つ目がファイナンスを支えるコーポレートの信頼性。
この4点がポイントかなというふうに思います。
1個ずつ見ていこうと思うんですけれども、まず株式の規約化を抑えるハイブリッドレバレッジということなんですけれども、
クラスはですね、ここまでデッド、つまり付債ですね、借入れ中心の資金調達を行ってきています。
これによってエクイティファイナンスによって生じる株式シェアの規約化というのを抑えて資金調達をしています。
これまでもクラス社は複数回ですね、エクイティファイナンスも実施してきてはいないんですけれども、
ある程度事業ができてきているという状態ですので、自己資本の投入を絞ってですね、
デッドをできるだけ多く活用してレバレッジを利かせたファイナンスというのを実行してですね、
資金効率、資本効率を高めて成長資金を確保しているのかなというふうに思います。
2つ目、自己資本比率にも配慮ということなんですけれども、デッド中心、付債中心で資金調達を行うということ自体は素晴らしいことではあるんですけれども、
一方でですね、仮入れなどの比率が高すぎると、今度は自己資本比率という財務指標と経過を招いてしまうんですね。
会社の不安定性、健全性が大丈夫かということになってしまうので、
一方でその自己資本比率というのを一定保つためにですね、2.5億円のエクイティファイナンスも実施して、
レバレッジを利かせつつですね、成長資金を確保するけれども、
自己資本比率は下げすぎないということで、次回以降のファイナンスにおいてですね、
ちゃんと資金調達できる余力を残すという意図もあるのかなというふうに推測されています。
3つ目ですね、アセットファイナンスによる資産のオフバランス化ということなんですけど、
今回ですね、アセットファイナンスの一種であるセールアンドリースバックというものを行っています。
これちょっとなかなか聞かない用語かなというふうに思うんですけれども、
クラス社がですね、取り扱っている家具とか家電、耐久消費税をですね、
1回仕入れますよねとした場合に、その在庫をリース会社に1回買い取ってもらうということで、
その在庫、持ってた在庫というのが、クラス社の対借対象表からガサッといなくなるわけですね。
そうすると、対借対象表、左側の資産のところから在庫が抜けて、
BSが軽くなるということになるわけです。
軽くなることによって、自己資本比率の向上というのも測れます。
在庫を売り渡してしまったら、それだけだと、これから売り上げを作っていく在庫がないという状況になってしまうんですけれども、
リース会社に渡した在庫を、今度はリースしてもらうという形。
リースしてもらって、クラスがリースを受けて、またそれをですね、
顧客とかユーザーさんに提供していくということが行われているものと思います。
そうすることによって、在庫として持っているのではなくてですね、
PL、損費計算書の中からリース料を払って、
しかもその在庫を売ったことにより現預金を確保してという形で、
BSも改善させた状態でですね、事業を引き続き続けていくということができることによってですね、
これでより在庫よりも流動性の高い現預金でもって、事業の安定性も確保しつつ事業を展開するということができているのかなというふうに思いますし、
これによって自己資本比率というのは悪化しないので、
これによってですね、デッドファイナンス。
融資を受ける際に非常に重要な指標である自己資本比率というものに悪い影響を与えずにですね、
プラスの影響を与えながら総合的にファイナンスができているということが言えるのかなと思います。
ただここでですね、ご承知おきいただきたいのが、
これはあくまでも大休消費財という商材を扱っているプラスだからこそできる資金調達手法と言いますか、
割と高度なですね、ファイナンスかなというふうに思いますので、
一方スタートアップ、特にITスタートアップとかですと、
あまりこの在庫を持たないだとか、
重たいアセット資産を持たないということが利点の一つだったりするので、
どのスタートアップでも汎用的に利用できる資金調達方法では必ずしもないのかなということは申し添えたいかなと思います。
そして4点目ですね、ファイナンスを支えるコーポレートの信頼性ということなんですけれども、
これだけ多様なかつ積極的な資金調達を実行するということは、
実行する側も大変ですし、それから融資する側、資金を供給する側にもしっかり信頼できるコーポレートがないと安心して実行できないというところがあるので、
ガバナンスが効いているとか、あるいは情報開示体制などもしっかり整備してきているというようなところのコーポレートの土台、
そしてその土台に対する信頼性というのがあって初めて実現できたのかなというふうに思います。
繰り返しますと、今回クラスチャーの資金調達のポイントというのは4つです。
1つは株式の規約化を抑えるハイブリッドレバレッジであったということ。
2つ目は自己資本比率にも配慮されているということ。
そしてアセットファイナンスによる資産のオフバロンス化がされているということ。
そして4つ目がファイナンスを支えるコーポレートの信頼性があったということ。